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Brazhkin, V. V.*; 片山 芳則; 神崎 正美*; Lyapin, A. G.*
Advances in Chemical Physics, Vol.152, p.29 - 50, 2013/04
圧力による液体-液体転移の近年、元素や酸化物などの液体において、構造や性質の変化を伴う転移が高圧下で見出されている。本研究では、結晶固体でも圧力によって結合状態が変化するSeやAsS, AsS, BOについて、構造および粘性を調べた。構造はX線回折、粘性はラジオグラフィーによる落下球法によって測定した。それぞれの物質に対し、構造変化に伴う大きな粘性の変化が観測された。
Brazhkin, V. V.*; 片山 芳則; 神崎 正美*; Kondrin, M. V.*; Lyapin, A. G.*
JETP Letters, 94(2), p.161 - 170, 2011/09
被引用回数:11 パーセンタイル:58.38(Physics, Multidisciplinary)圧縮された融体が構造相転移が起こす例がいくつも知られている。ネットワーク構造を持つカルコゲナイド(AsS, AsS)及び酸化物(BO)の構造変化のデータを紹介する。粘性は液体の最も基礎的な物理的性質の一つである。さまざまな融体において、これは非常に広い範囲で変化する。融体の構造変化は粘性をはじめとして、対応するすべての物理的性質を変化させる。ラジオグラフィー法による高温高圧下のいくつもの融体における粘性測定について報告する。圧力が数GPa変化することによって、何桁もの粘性の変化が観測された。ネットワーク構造を持った融体の拡散機構の圧力による変化を分析する。
Brazhkin, V. V.*; Farnan, I.*; 舟越 賢一*; 神崎 正美*; 片山 芳則; Lyapin, A. G.*; 齋藤 寛之
Physical Review Letters, 105(11), p.115701_1 - 115701_4, 2010/09
被引用回数:51 パーセンタイル:86.24(Physics, Multidisciplinary)液体BOは典型的な酸化物融体の一つであるが、陽イオンの配位数が3で、珍しい平面的なボロクソル・リングを持つ。これは、融点で非常に高い粘性を持つことでも知られている。われわれはX線回折及び粘性のその場測定を圧力8GPaまで行った。また、異なった圧力でのBO融体を急冷して得られたガラスのNMR測定も行った。融体のボロクソル・リングの数は圧力とともに急激に減少した。融解曲線に沿って測定したBO融体の粘性は圧力の上昇とともに5.5GPaまでで4桁も減少したが、それ以上の圧力の上昇ではほとんど変化しなかった。
Brazhkin, V. V.*; 神崎 正美*; 舟越 賢一*; 片山 芳則
Physical Review Letters, 102(11), p.115901_1 - 115901_4, 2009/03
被引用回数:21 パーセンタイル:70.66(Physics, Multidisciplinary)As-S液体は圧縮によって重合化及び金属化を含む変化を起こす。われわれはAs-S液体の粘性を高圧下で測定した。その結果、4から5桁にも及ぶ粘性の大きな変化が明らかになった。分子性液体の状態では、As-S液体の粘性の値は穏当なものであるが、共有結合によって原子がつながった状態では非常に高く、金属状態では低い。他の融体の高圧下の粘性もこの結果から予測することが可能である。融体の粘性が加圧によって何桁も変わるという可能性は、地球科学,物質科学などに重要な意味を持つ。
Brazhkin, V. V.*; 舟越 賢一*; 神崎 正美*; 片山 芳則
Physical Review Letters, 99(24), p.245901_1 - 245901_4, 2007/12
被引用回数:20 パーセンタイル:69.19(Physics, Multidisciplinary)粘性は液体の基本的な物理的性質の一つである。液体の種類によって非常に広い範囲の値を示す。セレンは加圧によって液体の状態で半導体から金属への変化が起きることが最初に見いだされた物質の一つである。実時間ラジオグラフィーを用いた直接測定によって、高圧下での液体セレンの粘性が500分の1まで低下し、8mPa sという非常に低い値になることが示された。これは、比較的粘性の高い半導体状態と低粘性の液体状態の両方に対して、粘性測定が行われた初めての例である。セレンの粘性は、融解曲線に沿った加圧によって、半導体領域で大きく低下し、金属化によってさらに低下する。このような現象はさまざまなカルコゲナイド,ハロゲナイド,酸化物液体で期待される。
桂 智男*; 山田 均*; 新名 亨*; 久保 敦*; 小野 重明*; 神崎 正美*; 米田 明*; Walter, M. J.*; 伊藤 英司*; 浦川 啓*; et al.
Physics of the Earth and Planetary Interiors, 136(1-2), p.11 - 24, 2003/04
被引用回数:173 パーセンタイル:93.74(Geochemistry & Geophysics)MgSiOのポストスピネル相転移境界をKawai型高圧装置と放射光を組合せた高温高圧下その場X線回折実験により再決定した。その結果、15502100Kにおける相境界は、約22GPaであり、地球内部660Km不連続が想定されている圧力より11.5GPa低かった。
小野 重明*; 桂 智男*; 伊藤 英司*; 神崎 正美*; 米田 明*; Walter, M.*; 浦川 啓*; 内海 渉; 舟越 賢一*
Geophysical Research Letters, 28(5), p.835 - 838, 2001/03
被引用回数:79 パーセンタイル:86.2(Geosciences, Multidisciplinary)MgSiOにおけるイルメナイト-ペロフスカイト相転移をマルチアンビルを用いて、放射光その場観察した。イルメナイト相とペロフスカイト相の1300K-1600Kにおける相境界が、Jamiesonの金の状態方程式に基づいてP(GPa)=28.4-0.0029T(K), Andersonの金の状態方程式に基づいてP(GPa)=27.3-0.0035T(K)と決定された。Jamiesonに基づく結果は、過去の回収実験による結果と調和的であり、地球内660km地震波不連続が、この相転移と関連づけられることを支持しているが、Andersonスケールでの結果を採用した場合、整合性がとれなくなる。