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論文

Changes in sulfur metabolism in mouse brains following radon inhalation

神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 片岡 隆浩*; Sun, L.*; 田中 裕史; 大津 厳生*; 山岡 聖典*

International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(17), p.10750_1 - 10750_14, 2022/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

活性イオウ分子種(RSS)は、酸化ストレスに深く関連して抗炎症作用があると報告されているが、放射線被ばく後のRSSの変化についてはまだわかっていない。そこで、本研究では、ラドン吸入後のマウス脳中のRSSに注目し、関連代謝物を網羅的に解析した。その結果、酸化型グルタチオンと還元型グルタチオンの割合、グルタチオンおよびシステインのRSSの割合はラドン吸入によって増加した。本研究でのラドン曝露は非常に低線量であったが、その酸化ストレス下でイオウイオンがグルタチオンやシステインに結合したと考えられる。また、我々は、機械学習を用いた代謝物の変化の総合的な評価により、ラドン吸入による特徴的な変化を明示した。本研究の結果は、RSSがラドン吸入の酸化ストレスに対する生体防御機構をもたらす可能性を示唆した。

論文

Potential inhibitory effects of low-dose thoron inhalation and ascorbic acid administration on alcohol-induced hepatopathy in mice

片岡 隆浩*; 石田 毅*; 直江 翔太*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research (Internet), 63(5), p.719 - 729, 2022/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:49.94(Biology)

Although thoron inhalation has antioxidative effects on several organs, there are no reports that thoron inhalation inhibits oxidative stress-induced damage. In the present study, we examined the combined effects of thoron inhalation and ascorbic acid (AA) administration on alcohol-induced liver damage. The mice were subjected to thoron inhalation at 500 or 2000 Bq/m$${^3}$$ and were administered 50% ethanol (alcohol) and 300 mg/kg AA. The results showed that although alcohol administration increased the levels of glutamic oxaloacetic transaminase (GOT) and glutamic pyruvic transaminase (GPT) in the serum, the combination of thoron inhalation (500 Bq/m$${^3}$$) and AA administration 24 h after alcohol administration effectively inhibited alcohol-induced liver damage. In conclusion, combination of thoron inhalation at 500 Bq/m$${^3}$$ and AA administration indicated an early recovery from alcohol-induced liver damage probably due to the increase of CAT activity.

論文

Radon solubility and diffusion in the skin surface layer

迫田 晃弘; 石田 毅*; 神崎 訓枝; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(13), p.7761_1 - 7761_12, 2022/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

ラドン温泉の入浴のような温泉水中のラドン濃度が空気中よりも著しく高い状況においては、皮膚を通じたラドンの摂取が起こるため、より正確な線量評価には本経路を考慮すべきであると考えられている。本研究の目的は、皮膚表面層(角質層)に着目して、皮膚中のラドン分布と拡散の程度を明らかにすることである。角層での拡散理論を含む体内動態モデルを作成し、その重要なパラメータである角層へのラドン溶解度を測定した。モデル計算により、角質層におけるラドンの拡散係数は、一般的なラドン難透過シートと同程度に低いことが示された。入浴20分間後の皮膚中ラドンの深さ分布について、皮膚最表面のラドン濃度は表皮・真皮層の1000倍ほど高いことがわかった。ラドンの位置情報は、皮膚に特定の標的細胞を想定するような線量評価に貢献すると考えられる。

論文

Mechanisms of action of radon therapy on cytokine levels in normal mice and rheumatoid arthritis mouse model

片岡 隆浩*; 直江 翔太*; 村上 海斗*; 雪峰 諒平*; 藤本 有希*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition, 70(2), p.154 - 159, 2022/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:35.57(Nutrition & Dietetics)

Radon therapy has been reported to be effective in the management of rheumatoid arthritis, an autoimmune disease caused by immune cell imbalance. Although there are several reports that suggest that radon therapy induces Th17 cells, there are no studies on the effects of radon inhalation on Th1, Th2, and Th17 immune balance. The aim of this study, therefore, was to examine the changes in cytokine levels after radon inhalation. BALB/c mice were subjected to radon inhalation at a concentration of 2000 Bq/m$${^3}$$ for 2 or 4 weeks, whereas SKG/Jcl mice were subjected to radon inhalation at a concentration of 2000 Bq/m$${^3}$$ for 4 weeks after zymosan administration. For example, the results showed that radon inhalation for 4 weeks not only activated Th1, Th2, and Th17 cells but also modulated immune balance. This suggests that radon inhalation has different mechanisms of action in SKG/Jcl mice and normal BABL/c mice and that radon inhalation has immunomodulatory effects.

論文

Radon inhalation decreases DNA damage induced by oxidative stress in mouse organs via the activation of antioxidative functions

片岡 隆浩*; 首藤 妃奈*; 直江 翔太*; 矢野 準喜*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 花元 克巳*; 光延 文裕*; 寺東 宏明*; et al.

Journal of Radiation Research (Internet), 62(5), p.861 - 867, 2021/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:56.71(Biology)

Radon inhalation decreases the level of lipid peroxide; this is attributed to the activation of antioxidative functions. This activation contributes to the beneficial effects of radon therapy, but there are no studies on the risks of radon therapy, such as DNA damage. We evaluated the effect of radon inhalation on DNA damage caused by oxidative stress and explored the underlying mechanisms. Mice were exposed to radon inhalation at concentrations of 2 or 20 kBq/m$$^{3}$$ (for 1, 3, or 10 days). For example, the 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine levels decreased in the kidneys of mice that inhaled 2 or 20 kBq/m$$^{3}$$ radon for 1, 3, or 10 days. However, the level of Mn-superoxide dismutase (SOD) increased by 15-45% in kidney following radon inhalation. These results suggest that Mn-SOD probably plays an important role in the inhibition of oxidative DNA damage.

論文

Dosimetry of radon progeny deposited on skin in air and thermal water

迫田 晃弘; 石森 有; 神崎 訓枝; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research (Internet), 62(4), p.634 - 644, 2021/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:39.29(Biology)

大気中の放射能濃度、皮膚の標的細胞、皮膚を覆う物質、沈着速度など多くの関連パラメータに不確実性はあるが、ラドン子孫核種からの皮膚線量は無視できるほど小さくはなく、通常の環境下においても生体影響の可能性はあり得るとされている。一方で、ラドンに富む温泉水に皮膚をさらすことで、免疫反応が起こり有益な健康効果が得られるという興味深い報告がなされた。本研究の目的は、リスクや効能の評価の観点から、空気や水に含まれるラドン子孫核種の皮膚沈着に着目して、一般的な線量係数を求めることである。そこで我々はまず、最新のヒト研究のデータに基づいて、2つの媒体におけるラドン子孫核種の皮膚沈着速度を推定した。次いで、アルファ線源の位置と標的細胞(基底細胞またはランゲルハンス細胞)に関する異なる仮定の下で、皮膚線量の計算を行った。さらに、「ラドン被ばく」に関連するすべての被ばく経路からの実効線量に対するラドン子孫沈着の影響について、様々な曝露シナリオを用いて評価した。その結果、いずれの媒体(空気と水)においても、ラドン子孫核種の吸入による実効線量は、他の被ばく経路よりも1桁から4桁高いことがわかった。さらに、水中のラドン濃度が空気中よりも2桁以上高い場合には、皮膚への吸収線量が全経路の中で最も高くなる可能性が示された。

論文

Evaluation of the redox state in mouse organs following radon inhalation

片岡 隆浩*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 首藤 妃奈*; 矢野 準喜*; 直江 翔太*; 田中 裕史; 花元 克巳*; 寺東 宏明*; 光延 文裕*; et al.

Journal of Radiation Research (Internet), 62(2), p.206 - 216, 2021/03

AA2020-0273.pdf:1.2MB

 被引用回数:6 パーセンタイル:63.23(Biology)

ラドン吸入はマウス臓器の抗酸化機能を活性化させ、酸化ストレスに誘導されたダメージを抑制する。そこで、本研究では、ラドン吸入後の臓器中のレドックス状態を評価した。2, 20kBq/m$$^{3}$$のラドンを1, 3, 10日間マウスに吸入させ、主成分分析や相関の変化から、抗酸化機能と酸化ストレスの関係を評価した。本研究の結果は、臓器特有のレドックス状態に依存してラドン吸入後の臓器のレドックス状態が変化したことを示唆した。

論文

Methodology for simple spot measurement of equilibrium equivalent radon concentration

迫田 晃弘; 石森 有; 神崎 訓枝; 田中 裕史

Radiation Protection Dosimetry, 191(4), p.383 - 390, 2020/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.47(Environmental Sciences)

短寿命ラドン子孫核種の吸入に伴う実効線量の推定には平衡等価ラドン濃度が必須である。本研究ではスポット測定に焦点を当てて、単一のアルファ線グロスカウントから平衡等価ラドン濃度を定量する方法論を開発した。方法論の中心となる考え方は、フィルターに付着したラドン子孫核種が十分に壊変するまでアルファ線を計測することである。単一カウントから平衡等価ラドン濃度に変換する校正直線を理論的に求め、比較試験により妥当性を評価した。本方法の長所としては、使用機器や測定・解析手法に関する要求があまり高くない点があげられる。また本手法は、様々な現場における作業者等のひとつのオプションを提供することができる。

論文

Comparison of antioxidative effects between radon and thoron inhalation in mouse organs

小橋 佑介*; 片岡 隆浩*; 神崎 訓枝; 石田 毅*; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 石森 有; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Radiation and Environmental Biophysics, 59(3), p.473 - 482, 2020/08

 被引用回数:5 パーセンタイル:41.71(Biology)

ラドン療法は古くから酸化ストレス関連疾患に用いられて、生体におけるラドン曝露の効果が研究されてきた。しかし、ラドンの同位体であるトロンの効果はまだ十分に調査されていない。本研究では酸化ストレスに注目して、マウス臓器におけるラドンやトロン吸入の生体影響を比較した。オスのBALB/cマウスを15グループに分けて(疑似吸入、ラドン吸入500Bq/m$$^{3}$$または2000Bq/m$$^{3}$$、トロン吸入500Bq/m$$^{3}$$または2000 Bq/m$$^{3}$$)、吸入後すぐに、生化学分析のために様々な組織を採取した。その結果、いくつかの条件下でトロン吸入によってスーパーオキシドディスムターゼや総グルタチオン量が有意に増加し、過酸化脂質量が有意に減少した。加えて、ラドンとトロンの間で異なる濃度と吸入時間で同様の効果が見られ、トロン吸入も酸化ストレスに対して抗酸化機能を高めることが示唆された。しかしながら、ラドンとトロンの性質の差を考えた慎重な解析評価が必要である

論文

同位体をトレーサとしたラドン子孫核種の体内動態に関する研究

迫田 晃弘; 神崎 訓枝; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 山岡 聖典*

日本健康開発雑誌, (40), p.90 - 94, 2019/06

ラドン温泉の影響効果の評価には、曝露量として被ばく線量が求められる。本研究では、吸入ラドン(Rn-222)が体内で生成した子孫核種の臓器分布を検討するために、ラドン子孫核種(Pb-214)のトレーサとしてラドンの同位体トロン(Rn-220)の子孫核種(Pb-212)に着目し、マウスへのトロン曝露とPb-212の体内分布に係る実験を行った。トロン線源としてマントルを用意し、これを通過した空気を飼育ケージに導入することで、トロン雰囲気を作製した。トロンをマウスに曝露した後、血液・肝臓・腎臓・筋肉を採取した。試料は、ガンマ線スペクトロメトリにより放射能分析を行った。その結果、血液・肝臓・腎臓・尿中のPb-212濃度は概ね同じオーダーで、糞はその一桁高かった。今回の曝露条件で、概ね臓器中のPb-212を有意に検出できることがわかった。また、今後の実験結果の精度向上に向けて、飼育ケージ内でトロンの壊変により生成されたPb-212の各種表面への付着の影響などを検討する必要もあることがわかった。

論文

Protective effects of hot spring water drinking and radon inhalation on ethanol-induced gastric mucosal injury in mice

恵谷 玲央*; 片岡 隆浩*; 神崎 訓枝*; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 石森 有; 光延 文裕*; 田口 勇仁*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research, 58(5), p.614 - 625, 2017/05

 被引用回数:11 パーセンタイル:51.34(Biology)

ラドン($$^{222}$$Rn)ガスを用いたラドン療法は、ラドンガスの吸入とラドンを含む水の摂取の2種類の治療に分類される。温泉水の短期または長期の摂取は胃粘膜血流を増加させ、温泉水治療が慢性胃炎および胃潰瘍の治療に有効であることはわかっているが、粘膜障害に対するラドンの正確な影響やそのメカニズムは不明である。本研究では、マウスのエタノール誘導胃粘膜障害に対する温泉水摂取およびラドン吸入の抑制効果を検討した。マウスを用いて、ラドン2000Bq/m$$^{3}$$を24時間吸入、または温泉水を2週間摂取させた。水中$$^{222}$$Rn濃度は、663Bq/l(供給開始時)から100Bq/l(供給終了時)の範囲にあった。その後、マウスに3種類の濃度のエタノールを経口投与させた。粘膜障害の指標である潰瘍指数(UI)は、エタノールの投与量に依存して増加した。しかし、ラドン吸入または温泉水による処理は、エタノールによるUIの上昇を抑制した。ラドン処理群と無処理対照群では抗酸化酵素の有意差は認められなかったが、ラドンまたは温泉水で事前処理したマウスの胃の過酸化脂質レベルは有意に低かった。これらの結果は、温泉水摂取とラドン吸入がエタノール誘導胃粘膜障害を抑制することを示唆している。

論文

Difference in the action mechanism of radon inhalation and radon hot spring water drinking in suppression of hyperuricemia in mice

恵谷 玲央*; 片岡 隆浩*; 神崎 訓枝*; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 石森 有; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research, 57(3), p.250 - 257, 2016/06

 被引用回数:10 パーセンタイル:46.57(Biology)

本研究では、ラドン療法の適応症である高尿酸血症について、吸入と飲泉による抑制効果を比較検討した。マウスにラドン吸入または飲泉させた後、オキソン酸カリウムを投与して高尿酸血症を誘導した。この結果、吸入と飲泉のいずれもキサンチンオキシダーゼ活性が抑制され、血清尿酸値の上昇も有意に抑えられた。また、ラドン吸入では肝臓と腎臓の抗酸化機能の亢進がみられた。高尿酸血症の抑制効果には、ラドン吸入では抗酸化機能の亢進が、飲泉では温泉水中の化学成分による薬理作用がそれぞれ寄与していることが示唆された。

報告書

高レベル放射性廃棄物地層処分の安全性の評価; 地層処分システムの不確かさに対する確率論的解析手法の試適用(受託研究)

武田 聖司; 山口 徹治; 長澤 寛和; 渡邊 正敏; 関岡 靖司; 神崎 裕; 佐々木 利久; 落合 透; 宗像 雅広; 田中 忠夫; et al.

JAEA-Research 2009-034, 239 Pages, 2009/11

JAEA-Research-2009-034.pdf:33.52MB

地層処分の安全評価では、安全性を評価すべき時間枠が極めて長く、また、評価すべき処分システムの空間スケールが数km以上にわたることによる不確かさの把握が重要である。こうした処分システムの時間的及び空間的広がりに起因した不確かさは、その成因に着目すると、処分システムの構成要素(材料)の本質的な不均質性,構成要素で発生する現象の理解不足や予測の不確かさ,測定手法や工学技術の不完全さなどが考えられる。これらの不確かさは、研究開発の進展によりある程度低減あるいは定量化が可能である。本評価では、これらの不確かさを考慮して、高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性に関し、決定論的手法及びモンテカルロ法に基づいた確率論的手法を用いた解析を行った。おもに、人工バリアにかかわるシナリオ,モデル及びパラメータの不確かさが被ばく線量評価に与える影響を推定する方法を示し、その不確かさ影響解析を実施するとともに、得られた解析結果から今後も研究課題とすべき重要なモデルやパラメータを抽出した。

報告書

高レベル放射性廃棄物処分における地下水移行にかかわる安全評価のシナリオ構築のためのFEPデータベース(受託研究)

神崎 裕; 武田 聖司; 木村 英雄

JAEA-Data/Code 2009-011, 90 Pages, 2009/09

JAEA-Data-Code-2009-011.pdf:4.76MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性の評価では、人工バリアの機能や処分サイトの地質環境に関するさまざまな条件や起こりうる現象を考慮して評価シナリオを構築する。その方法として、安全性に関連する要因を特性(Feature),事象(Event)及びプロセス(Process)(FEP)に分けてリストアップし、それらに関する科学的なデータ・知見(「FEPデータ」)に基づいてシナリオを構築していく方法が国際的に共有されている。そこで、我が国の代表的な地質環境と一般性のある人工バリア仕様からなる処分概念を想定し、放射性核種の地下水移行シナリオを対象として、FEPに基づくシナリオ構築を試みた。まず、OECD/NEAが示したFEPをもとに、F, E及びPをFEPリストとして特定し、FEPシートとして整理した。次にFEP間の連結などの相関関係を示す個々を安全性への影響の可能性として列挙した。最後に、相関の判定として安全評価のシナリオとして取り組む必要性や重要さを判定した。こうして選択された相関関係を積み上げてシナリオとした。なお、「FEPデータ」にかかわる技術的信頼性を確保するため、専門家に対してヒアリングやアンケートを行いコメントを収集し、FEPデータへ反映した。

口頭

FEPデータベースに基づく地下水移行シナリオにおけるシナリオ不確かさの検討

神崎 裕; 武田 聖司; 木村 英雄

no journal, , 

長寿命核種を有意に含む放射性廃棄物(HLW, TRU廃棄物)の地層処分を対象にした長期的な安全評価では、処分システムにおける時間的及び空間的な広がりに起因したさまざまな変動要因(バリア材の不均質性及び変質・劣化等)による不確かさが含まれる。本研究ではこれらの不確かさを明らかにし、長期的な安全性の評価に結びつけるために、OECD/NEAのFEPリストを参考に、我が国における地下環境に関する物理化学的現象を網羅的に検討し、FEPリスト,FEP項目同士の相関関係図の作成を実施し、人工バリア材及び天然バリアにおける物理化学的現象及び特性に関する調査,相関関係に基づく安全性への影響の可能性に関する検討、並びにFEPリスト,相関関係及び関連する知見などを収録したFEPデータベースを活用したシナリオの検討などを実施してきた。その結果、地下水移行シナリオはシステムの安全機能が期待どおり発揮され、現在の地質環境・地表環境が、将来まで継続するシナリオ(標準シナリオ),知見レベルの不確定性により、バリア機能が変化するシナリオ(サブシナリオ)の2つに区分した。

口頭

FEPデータベースに基づく地下水移行シナリオの開発; 専門家へのアンケート調査結果

神崎 裕; 武田 聖司; 木村 英雄

no journal, , 

HLW廃棄物地層処分の安全評価にあたり、地下環境に関する放射性核種の地下水移行に関するシナリオ開発のため、FEPデータベースを構築している。FEPデータベースはFEPリストや相関関係図,FEPシートといった知見と知見に基づく現象間の関係を示す「安全性の影響の可能性」から構成される。このうち、「安全性の影響の可能性」はシナリオ開発の基礎データとして重要であり、現状の安全性への影響の可能性とその相関の判断について、外部専門家へのアンケート調査を実施した。アンケート調査より得られた外部専門家の指摘事項をふまえて、安全性への影響の可能性について再検討を行い、FEPデータベースとしての信頼性向上を図った。

口頭

平衡等価ラドン濃度の簡便なスポット測定方法

迫田 晃弘; 神崎 訓枝; 田中 裕史

no journal, , 

ラドンの被ばく評価において重要なのは子孫核種濃度であり、平衡等価ラドン濃度の情報が望まれる。本研究では、平衡等価ラドン濃度のスポット測定を対象に、簡便な評価手法を検討した。子孫核種の個別濃度比を仮定せずに、1回のアルファ線計測から平衡等価ラドン濃度に換算可能な検量線を導出した。既存のラドン子孫核種測定器との結果比較も行い、本評価手法の妥当性も評価した。

口頭

ラドン水の皮脂成分への溶解度とその温度依存性に関する検討

石田 毅; 迫田 晃弘; 片岡 隆浩*; 神崎 訓枝; 田中 裕史; 柚木 勇人*; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

no journal, , 

本研究では、ラドン水が皮膚に吸収することで及ぼす作用を明らかにするため、皮脂層に注目し構成成分へのラドンの溶解度およびその温度依存性に関して検討した。その結果、例えばラドン水の皮脂成分別の溶解度は、各温度においてミリスチン酸メチルとスクアレンが最大値を、トリオレインが最小値をそれぞれ示した。また、トリオレインがラドンの皮脂への溶解度に大きく関与していることも示唆できた。

口頭

ラドン吸入によるマウス脳中のグルタチオン合成に関する機械学習に基づいたメタボローム解析

神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 石田 毅; 山岡 聖典*

no journal, , 

これまで我々は、抗酸化物質でもありイオウ代謝物でもあるグルタチオンがラドン吸入により増加することを明らかにしてきたが、どのような経路でグルタチオンが誘導されるのかはまだわかっていない。そこで、本研究では、抗酸化物質を含むイオウ代謝物に注目したメタボローム解析を行って、ラドン吸入よって変化するマウス脳中イオウ代謝物の探索を行った。バックグランドレベル、1000Bq/m$$^{3}$$, 10000Bq/m$$^{3}$$のラドンを24時間吸入したオスのBLAB/cマウスの脳を摘出し、イオウ代謝関連物質を網羅的に調べた。その結果、55種類中27種類の物質が検出され、特に、ラドン1000Bq/m$$^{3}$$や10000Bq/m$$^{3}$$でグルタチオンの前駆体であるシステインやシスタチオニンが増加していることがわかった。この結果から、ラドン吸入によるグルタチオンの増加はトランススルフレーション経路によるものであることが示唆された。加えて、機械学習の一種である自己組織化マップを用いた27種のイオウ代謝物の変化特性に基づく総合的なデータ解析を行った。クラスタリングの結果から、被ばくのバイオマーカーとして有用な代謝物の探索の可能性について報告する。

口頭

マウス諸臓器におけるラドン吸入による過酸化水素の産生に伴う酸化ストレスの評価

片岡 隆浩*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 石田 毅; 首藤 妃奈*; 矢野 準喜*; 田中 裕史; 花元 克巳*; 寺東 宏明*; 光延 文裕*; et al.

no journal, , 

これまでにラドン吸入はマウス臓器中の抗酸化機能を活性化させることを報告してきた。抗酸化機能の活性化は、活性酸素種(ROS)が誘導する酸化ストレスを抑制する。ラドン吸入によって誘導された抗酸化機能の活性化は微量のROSの生成による可能性がある。しかしながら、このメカニズムについての報告は皆無である。本研究では、マウス諸臓器中のラドン吸入による過酸化水素が誘導した酸化ストレスを評価した。マウスは1kBq/m$$^{3}$$または10kBq/m$$^{3}$$のラドンを24時間吸入した。その結果、ラドン吸入は肝臓や肺で20%過酸化水素を増加した。一方で、心臓中の過酸化水素は20%減少した。これは過酸化水素と反応するグルタチオンによるかもしれない。以上のことから、ラドン吸入はマウス諸臓器中で少量の過酸化水素(ROS)を生成する。しかしながら、カタラーゼやグルタチオンのような抗酸化物質が酸化ストレスを減少するのに重要な役割を果たしている。

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