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論文

Observation of beam emittance reduction due to gas sheet injection for beam profile measurement

山田 逸平; 地村 幹; 神谷 潤一郎; 金正 倫計

Journal of Physics; Conference Series, 2687, p.072018_1 - 072018_6, 2024/01

大強度陽子加速器施設J-PARCではわずかな割合のビーム損失でも高線量の放射化を引き起こす。そのため、非破壊型モニタを用いたビームの常時監視による加速器制御の最適化が必須である。ビームとガスの相互作用を利用してビームプロファイルを測定するガスシートモニタは、従来の固体ワイヤとビームの相互作用を利用したモニタと比較してビームに与える影響が小さい。しかし、極少量ではあるもののガスを導入してビームラインの真空圧力に影響を与えるため、ビームにも影響を与える可能性がある。そこで本研究ではガス導入量に対するビーム電流値及びビーム位相空間分布の変化を実測した。本会議では、ビーム電流値はガス導入量に比例して減少し、ビームエミッタンスは一定または減少したという結果を報告し、今後のJ-PARC加速器の安定化や大強度化に向けたガスシートモニタ高度化に関する議論を行う。

論文

Evaluation of vacuum firing effect on stainless steel from vacuum and surface point of view

神谷 潤一郎; 高野 一弘*; 和田 薫; 柳橋 享*

e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 21(3), p.144 - 153, 2023/06

J-PARC加速器等の超高真空装置の到達圧力は、表面から熱脱離する吸着気体分子量と材料内部の気体分子成分の表面への拡散・放出量で決まるといわれている。先行研究ではvacuum firingとよばれる高真空下での高温熱処理により材料中の水素を低減できることがわかっているが、各ガス種の放出ガス量の低減効果やその原因解明といった、さらなる超高真空化を実現するために必要な研究事例はこれまでなかった。今回、超高真空材料として最も利用されるステンレス鋼について、vacuum firingの放出ガス量への効果とその機構解明を目的に研究を行った。その結果、真空容器のビルドアップ試験によりvacuum firingは各種ガスの放出ガス量を有意に低減できることがわかった。さらに昇温脱離分析と表面分析により、vacuum firingは材料中の水素の拡散放出、材料表面の各種ガスの熱脱離をさせたうえで、表面に鉄酸化膜・クロム酸化膜を形成し、それらの表面が拡散障壁ならびに再吸着防止の役割をしていること示唆する結果を得た。この結果は、今後J-PARC加速器真空システムの超高真空維持の基盤となる成果である。

論文

Investigation of niobium surface roughness and hydrogen content with different polishing conditions for performance recovery of superconducting QWRs in JAEA Tokai-Tandem Accelerator

神谷 潤一郎; 仁井 啓介*; 株本 裕史; 近藤 恭弘; 田村 潤; 原田 寛之; 松井 泰; 松田 誠; 守屋 克洋; 井田 義明*; et al.

e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 21(4), p.344 - 349, 2023/05

原子力機構東海タンデム加速器には、40台の超伝導Quarter Wave Resonator(QWR)によって重イオンを10MeV/uまで加速するブースターリニアックがあるが、2011年の震災以降、運転を停止している。近年ウラン等のより重い核種を加速するため、タンデム加速器のアップグレードが精力的に検討され、QWR再稼働の必要性が高まっている。現在、運転時に必要な加速電圧とQ値を得るため、QWR内面荒さを低減するための電解研磨条件を検証している。一方で電解研磨はNb中水素を増加させ、水素病と呼ばれるQ値の減少を引き起こす可能性がある。真空中高温焼鈍で水素を放出させることで水素病を抑えることができるが、QWRのクラッド材を構成するNbとCuの熱膨張差による空洞破損の危険性がある。そのため表面粗さの低減とNbバルク中の水素の増加を最小限に抑えるため、研磨条件を最適化する必要がある。我々はこれまで水素吸蔵量および脱離機構を昇温脱離分析(TDS)により検証できることに着目し、研究を行ってきた。発表では異なる条件で研磨したNb材料のTDS結果、表面観察結果、表面粗さの相関について得られた成果を発表する。

論文

1/4波長型超伝導空洞の内面電解研磨の実施報告,2

仁井 啓介*; 井田 義明*; 上田 英貴*; 山口 隆宣*; 株本 裕史; 神谷 潤一郎; 近藤 恭弘; 田村 潤; 原田 寛之; 松井 泰; et al.

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.601 - 604, 2023/01

マルイ鍍金工業では、日本原子力研究開発機構(JAEA)と共同で東海タンデム加速器後段の超伝導ブースター用1/4波長型超伝導空洞(QWR)について再表面処理の検討を行っている。この空洞はニオブ-銅のクラッド板で製作されており、底部に大きな開口があるため、再度の電解研磨処理等が可能な構造になっている。再表面処理では、内面ニオブに電解研磨(EP)を施工して表面粗さを小さくし、高い加速電界(5MV/m以上)を発生できるようにすることを目標としている。2020年度には、マルイ鍍金工業がニオブ9セル空洞EPの経験で得た各種パラメータとJAEA所有の電極、治具等を組み合わせて、予備の空洞に対してEPを施工した。しかし、EP後のニオブ表面は光沢が増すものの表面粗さが良好な状態とはならず、加速電界もEP前よりは改善したが、目標値には達していなかった。2021年度には空洞のニオブ表面粗さと加速電界の改善を目指して、EPのパラメータ(電極面積,電圧,流量と揺動)を変えての実験を行い、設備,条件,表面粗さ等の評価を行った。また、今回はこれまでに観察してこなかった中心導体のドリフトチューブ部内面などについても広く観察を行ったので、そちらの結果も併せて報告する。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロン1MW運転状況,2

山本 風海; 山本 昌亘; 山崎 良雄; 野村 昌弘; 菅沼 和明; 藤来 洸裕; 神谷 潤一郎; 仲野谷 孝充; 畠山 衆一郎; 吉本 政弘; et al.

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.277 - 281, 2023/01

J-PARC 3GeVシンクロトロン(3 GeV Rapid Cycling Synchrotron, RCS)は物質生命科学実験施設(Materials and Life science experimental Facility: MLF)および主リング(Main Ring: MR)に最大1MW相当のビームを供給している。RCSは改良を重ねつつ徐々にビーム出力を上げていき、2015年に1MW相当の試験運転に成功した。その後、供用運転としても段階的にビーム出力を増加しながら、1MWの連続運転試験を断続的に行ってきたが、2020年6月に二日間の連続運転試験を実施した際には、最終的に冷却水温度が上昇し、機器の温度を下げることが出来なくなりインターロックが発報する事態となった。その後冷却水設備の熱交換器の洗浄を実施し、2022年6月に再度1MWビーム連続運転試験を行った。2022年6月の試験時は猛暑日となり、熱交換器の性能は改善されていたにも関わらず、1MWでは運転を継続できなかった。一方、600kWであれば猛暑日であっても運転できることを確認した。

論文

Direct energy conversion using Ni/SiC Schottky junction in $$^{237}$$Np and $$^{241}$$Am gamma ray regions

福田 竜生; 小畠 雅明; 菖蒲 敬久; 吉井 賢資; 神谷 潤一郎; 岩元 洋介; 牧野 高紘*; 山崎 雄一*; 大島 武*; 白井 康裕*; et al.

Journal of Applied Physics, 132(24), p.245102_1 - 245102_8, 2022/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:18.86(Physics, Applied)

Ni/SiCショットキー接合による放射線から電気エネルギーへの変換を、特に$$^{237}$$Am (30keV)及び$$^{241}$$Am (60keV)の$$gamma$$線に着目して調べた。変換効率は吸収量ベースで最大1.6%であった。SiCは比較的放射線耐性があることから、これは放射性廃棄物からの$$gamma$$線エネルギーの再生に利用できる可能性を示している。また、高X線光電子分光(HAXPES)及び二次イオン質量分析法(SIMS)を組み合わせることで、接合界面にNi-Si化合物が生成されると効率が低下することも分かった。これは電気測定に加えてHAXPES及びSIMSの2つの手法を組み合わせて判明したことであり、今後のデバイス作成プロセスへのフィードバックが期待できる結果である。

論文

Design and actual performance of J-PARC 3 GeV rapid cycling synchrotron for high-intensity operation

山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09

 被引用回数:3 パーセンタイル:80.29(Nuclear Science & Technology)

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。

論文

Evaluation of titanium vacuum chamber as getter pump

神谷 潤一郎; 高野 一弘*; 油座 大夢*; 和田 薫

e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 20(2), p.107 - 118, 2022/05

チタンは放出ガスが少ないため超高真空容器としての利用が真空装置において広がっている。我々はチタン表面の酸化膜を除去することで、チタン製真空容器自体を気体吸着型真空ポンプとして活用する開発を行っている。光電子分光測定で、チタンを真空中加熱することで表面酸化酸化物が内部へ拡散し金属チタンが真空面に露出することを明らかにした。そのうえでチタン製真空容器を加熱することで、真空封止しても高真空を長時間維持できることを実証した。別の手法として、アルゴンスパッタリングにより表面酸化膜を除去することによるチタン製真空容器の超高真空ポンプ化に成功した。大気開放による表面の再酸化を防ぐために、酸化膜を除去したチタン表面に低温ゲッター材をコーティングすることを発案した。このような表面改質を施した真空容器を用いて、10回以上の大気開放を繰り返しても10-8Pa台の到達圧力が維持できること実証した。本成果はJ-PARC加速器真空システムの安定運転維持につながるとともに、既存の真空ポンプがなくても高真空を維持することが可能となることから、持続可能な開発目標に寄与するイノベーション技術へとつながる案件である。

論文

Non-destructive beam spatial profile measurement using a gas sheet monitor for a high-intensity ion beam

山田 逸平; 和田 元*; 神谷 潤一郎; 金正 倫計

Journal of Physics; Conference Series, 2244, p.012077_1 - 012077_6, 2022/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.32

J-PARCのような大強度加速器の安定な運転には、非破壊型モニタを用いたビームの常時監視によるビーム損失の低減が重要である。これまでの研究にて、ガスシートとビームの相互作用を利用する非破壊型プロファイルモニタを開発し、その有効性を実証した。開発したモニタはシートガスの密度を広い範囲で制御できるほか、ビーム誘起蛍光を直接カメラで検出するため、任意の露光時間に設定することで容易に信号の平均化が可能である。この特性を利用したビームプロファイルの時間発展測定の可能性を検証した。ビームパルス50$$mu$$sに対して1$$mu$$s刻みにビームプロファイルを測定した結果、ビームプロファイルは先頭の10$$mu$$sで大きく変化しており、その後安定することを明らかにした。また、このプロファイルの時間発展は初段の高周波加速空洞であるRFQのフィードフォワード制御に依存することも明らかにした。以上から、今後のJ-PARCビームの安定化に新たな指標を提案できる可能性を見出した。

報告書

3GeVシンクロトロンビーム入射部における放射線遮蔽体の検討及び設置作業報告

仲野谷 孝充; 神谷 潤一郎; 吉本 政弘; 高柳 智弘; 谷 教夫; 古徳 博文*; 堀野 光喜*; 柳橋 享*; 竹田 修*; 山本 風海

JAEA-Technology 2021-019, 105 Pages, 2021/11

JAEA-Technology-2021-019.pdf:10.25MB

J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器ではビーム出力の増強に伴い、ビーム入射部付近では放射化による機器の表面線量と空間線量率が年々増加している。一方でビーム入射部には人の手によるメンテナンスが欠かせない機器が多数存在しており、作業者の被ばく低減が重要な課題であった。そのため、本加速器施設を管理するJ-PARCセンター加速器ディビジョン加速器第二セクションにおいて、作業者の被ばく低減のための遮蔽体設置を目的としたワーキンググループ「入射部タスクフォース」を設立し、遮蔽体の構造や設置方法等について検討を重ねてきた。結果、ビーム入射部の構造を一部更新し、必要な際に容易に取付けが可能な非常設型の遮蔽体を設置することとした。そして、2020年夏期メンテナンス期間に遮蔽体の設置に必要な更新作業を実施し、遮蔽体の設置を行った。更新作業は高線量下で長期間に渡るため、作業員の被ばく量を抑えることが重要な課題であった。このため、事前に入念に作業計画と作業手順を作成し、作業期間中も様々な被ばく低減対策と個々の被ばく管理を行った。これにより、作業者の被ばく線量を管理目標値以下に抑えることができた。本作業の実施により、ビーム入射部に取付け取外し可能な遮蔽体を設置できるようになった。この遮蔽体により入射部近傍での作業時の被ばく線量の低減に寄与できることが確認できた。夏期メンテナンス期間中のほぼすべてで入射部を占有する大規模な作業となったが、今後の保守作業における被ばく抑制のためには非常に有意義な作業であったと考えられる。

報告書

J-PARC LINAC L3BTにおけるインバーター制御多段式ルーツ型真空ポンプのノイズ対策

高野 一弘; 古徳 博文*; 小林 史憲*; 宮尾 智章*; 守屋 克洋; 神谷 潤一郎

JAEA-Technology 2021-017, 35 Pages, 2021/11

JAEA-Technology-2021-017.pdf:5.32MB

J-PARC LINACにおいて、LINACと3GeVシンクロトロンをつなぐビーム輸送ラインであるL3BTの真空排気系は、粗引き排気用にターボ分子ポンプとルーツポンプ、メイン排気用にイオンポンプが使用されている。また、L3BTには、LINACのビームラインに対して0度、30度、90度、100度の位置にビームダンプが真空仕切り窓を介して接続されており、それぞれのビームダンプの排気系としてルーツポンプが使用されている。これらルーツポンプのコントローラーは放射線による故障を防ぐために、加速器トンネルに設置したポンプ本体から100m程度離れた位置に設置している。これまでインバーターを使用したルーツポンプコントローラーからの電気ノイズがビームモニターへ悪影響を与えることから、インバーターを取り外した特殊仕様のコントローラーを利用していた。しかし特殊仕様のコントローラーでは、ポンプの排気性能の不安定さや性能のばらつき等の不具合が発生していた。今回、ルーツポンプコントローラーのインバーターに対し、各種のフィルター、ケーブル種、アースのとり方等を調査した。その結果、最適なノイズ対策を実施することで、ビームモニターの使用が可能となる状態までノイズが低減されたことを確認できたため、ここに報告する。

論文

1/4波長型超伝導空洞の内面電解研磨の実施報告

仁井 啓介*; 井田 義明*; 上田 英貴*; 山口 隆宣*; 株本 裕史; 神谷 潤一郎; 近藤 恭弘; 田村 潤; 原田 寛之; 松井 泰; et al.

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.334 - 337, 2021/10

原子力機構の東海タンデム加速器では重イオンビームを用いた核物理・核化学・材料照射などの研究が行われている。タンデム後段にはビームのエネルギーを2-3倍に増加させるための超伝導ブースターが設置されているが、長期間の休止中となっている。この超伝導ブースターの仕様は、型式=同軸1/4波長型共振器(QWR)、最適ビーム速度=光速の10%、加速電界=5.0MV/m@4Wである。現在、再稼働に向けた取り組みを行っており、各種試験を行う準備として予備の超伝導空洞の電解研磨を検討している。この空洞はニオブ-銅のクラッド板で製作されており、底部に大きな開口があるため、再度の電解研磨処理が可能な構造となっている。今回、マルイ鍍金工業と日本原子力研究開発機構が共同で1/4波長型超伝導空洞内面電解研磨について設備や条件の検討、電解研磨の実施、研磨後表面や空洞性能の評価等を行ったので、その結果を報告する。

論文

3GeVシンクロトロンビーム入射部への遮蔽体設置作業

仲野谷 孝充; 神谷 潤一郎; 吉本 政弘; 高柳 智弘; 谷 教夫; 古徳 博文*; 堀野 光喜*; 柳橋 享*; 竹田 修*; 山本 風海

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.238 - 242, 2021/10

J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器ではビーム出力の増強に伴い、ビーム入射部付近では放射化による機器の表面線量と空間線量率が年々増加している。一方でビーム入射部には人の手によるメンテナンスが欠かせない機器が多数存在しており、作業者の被ばく低減が重要な課題であった。特に今後、本加速器の設計値である1MWで定常的な運転をしていくとさらなる機器の放射化が予想されるため、作業者の被ばくを低減するには遮蔽体の設置が必須である。遮蔽体の形状、設置方法等について検討を重ねた結果、ビームライン架台に対して取り外し可能な遮蔽体を設置することとした。そして、2020年夏季メンテナンス期間に遮蔽体の設置作業を実施した。遮蔽体の設置作業は高線量下で行われるため、作業員の被ばく量を抑えることが重要な課題であった。被ばく低減を図るため、入念に作業計画と作業手順を作成し、また、作業期間中も様々な被ばく低減対策と個々の被ばく管理を行った。これにより、作業者の最大の被ばく線量を管理目標値以下に抑えて作業を完遂することができた。遮蔽体設置後に遮蔽効果を検証した結果、この遮蔽体によって入射部近傍での被ばく線量が大幅に低減することが確認できた。本発表では設置した遮蔽体の概要、設置作業に係る作業管理・放射線管理及び遮蔽効果について報告する。

論文

Improved vacuum system for high-power proton beam operation of the rapid cycling synchrotron

神谷 潤一郎; 古徳 博文*; 黒澤 俊太*; 高野 一弘; 柳橋 享*; 山本 風海; 和田 薫

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 24(8), p.083201_1 - 083201_23, 2021/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)

J-PARC 3GeVシンクロトロンのビーム運転実績を積み重ねるにつれ、大強度陽子ビームの運転が真空システム対して当初の想定よりもより大きな影響があることがわかった。これらの影響は大強度ビームによる装置の誤動作とビームラインの圧力上昇という、2つのカテゴリーに分けられる。前者の典型例は、大強度ビーム起因の放射線によるターボ分子ポンプコントローラーの故障およびそれに伴うポンプ本体のタッチダウンによる故障である。我々はこの問題をコントローラーとポンプ間のケーブルを200mまで長尺化することに加え、高強度のタッチダウンベアリングを開発することで解決した。後者の典型例は、ビーム強度の増加に伴うビームラインの急激な圧力上昇である。我々は蓄積したデータの傾向を詳細に分析しイオン衝撃ガス脱離モデルを適用することで、この動的圧力の機構解明を行った。さらに圧力上昇抑制には表面分子量の低減と排気速度増加が重要であることを示し、実際のビームラインに対して両者を実現できる非蒸発型ゲッターポンプをインストールした。結果、大強度ビーム運転時の圧力上昇を大幅に低減することに成功した。

論文

Some methods of making titanium vacuum chamber act as getter pump for UHV/XHV

神谷 潤一郎; 高野 一弘; 油座 大夢*; 和田 薫

Proceedings of 12th International Particle Accelerator Conference (IPAC 21) (Internet), p.3471 - 3474, 2021/08

J-PARC加速器ではチタン材を低放射化性能を持つ超高真空材料という理由からビームライン真空ダクトの材料として用いている。チタンは気体分子を吸着するゲッター材であるが、通常表面が酸化膜に覆われておりゲッター機能は持っていない。この酸化膜を除去することで、ビームパイプ自身を真空ポンプとして活用できる可能性がある。これによりビームラインが連続的な真空ポンプとなり超高真空を安定的に維持することができ、加速器真空システムのさらなる高度化に帰することとなる。実験によりアルゴンスパッタリングによって表面チタン酸化膜を除去することができ、10$$^{-9}$$Pa台の超高真空を達成することができた。さらに加速器にインストールするために避けては通れない大気暴露による性能劣化を防ぐために、スパッタしたチタン表面に低温ゲッター材をコーティングを実施することを発案した。スパッタおよびコーティングを施した試験機について、10回以上の大気暴露を繰り返しても、ゲッター性能が維持できることを実証した。本発表では、チタン製真空容器をゲッターポンプとして用いる手法とその実測結果について報告を行う。

論文

A Possible modification of ceramic chambers in the injection area at the RCS in J-PARC

菖蒲田 義博; 神谷 潤一郎; 高柳 智弘; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 柳橋 享*; 古徳 博文*

Proceedings of 12th International Particle Accelerator Conference (IPAC 21) (Internet), p.3205 - 3208, 2021/08

J-PARCのRCSの入射部では、セラミックチェンバー上のコンデンサー付きの銅ストライプ(RFシールド)と外部磁場の相互作用により、チェンバー内の磁場が変調する。したがって、この磁場の変調とビームの振動が共鳴を起こすとビームロスが発生する。今回、この磁場の変調を抑制する一つの案として、銅のストライプがチャンバーを螺旋状に覆っている場合について考えた。そして、試験的なチェンバーをベークライトで製作し、コンデンサーにかかる電圧を測定することで、間接的に磁場の変調の様子を数値的,実験的に調べた。一方で、このようなチェンバーが作るビームのインピーダンスへの影響についても、数値的実験的に調査した。結果、螺旋状の銅ストライプは低周波側でインピーダンスの虚部を増大させるが、RCSのビームの不安定化の主原因となっているキッカーインピーダンスに比べれば、小さくできることを明らかにした。

論文

High-intensity beam profile measurement using a gas sheet monitor by beam induced fluorescence detection

山田 逸平; 和田 元*; 守屋 克洋; 神谷 潤一郎; Saha, P. K.; 金正 倫計

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 24(4), p.042801_1 - 042801_13, 2021/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:48.27(Physics, Nuclear)

大強度加速器のビームを測定するためには非破壊型モニタが必要である。本研究ではビーム誘起蛍光を利用した横方向ビームプロファイルを測定する非破壊型モニタを開発した。開発したモニタは希薄気体力学の技術を利用してシート状に形成したガスを導入し、ビーム照射により発生した蛍光像を検知することで、二次元プロファイルの測定を可能とする。このモニタから得られる信号をビームプロファイルに変換するための近似手法もあわせて考案した。このモニタおよびプロファイル変換手法をJ-PARCの3MeV水素負イオンビームのプロファイル測定に適用した。その結果、開発したモニタで得られたビームプロファイルは既存のプロファイルモニタであるワイヤスキャナモニタで得られたものと一致した。また、ガスシート導入によるビーム損失の評価として、ビーム電流の減少率を測定した。その結果、ビーム減少率はガス導入流量と比例し、0.004% $$sim$$ 2.5%の電流値の減少が見られた。さらに、開発したモニタはJ-PARCビーム1パルス中のプロファイル変化を測定できる可能性を持つことを示した。

論文

Recent status & improvements of the RCS vacuum system

神谷 潤一郎; 古徳 博文; 引地 裕輔*; 高橋 博樹; 山本 風海; 金正 倫計; 和田 薫*

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011023_1 - 011023_6, 2021/03

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)の真空システムは、出力強度1MWのビーム運転においても安定にビームラインの真空を維持するために、運転開始から現在に至るまで綿密な保守を行う一方で各種高度化を続けてきた。広範囲で排気速度を保つターボ分子ポンプの主排気系への採用、ターボ分子ポンプのタッチダウントラブルを防ぐための長尺ケーブル化実施、極高真空領域まで計測可能な高精度真空計の導入、磁場遮蔽を兼ねた磁性材料真空容器の設置等である。そして、2018年の1MW出力でのビーム運転時のガス放出問題を受けて真空ポンプの増強を行い、2019年の1MWの10.5時間運転ではビームラインの圧力上昇は微小となり、真空を原因とするダウンタイムをなくすことができた。現在、高強度材料で回転数を上げたターボ分子ポンプの設計検討を行うなど、より高いビーム強度での多量の放出ガスへの対応策を進めているところである。本発表では、RCSの真空システムの10年間にわたる運転実績を総括するとともに、将来のより高強度なビーム運転を見据えた真空機器の高度化について発表する。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロン1MW運転状況

山本 風海; 山本 昌亘; 山崎 良雄; 野村 昌弘; 菅沼 和明; 藤来 洸裕; 神谷 潤一郎; 畠山 衆一郎; 發知 英明; 吉本 政弘; et al.

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.209 - 213, 2020/09

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は物質生命科学実験施設および主リングに最大1MW相当のビームを供給する目的で建設された。J-PARCでは運転開始よりビーム調整と機器の改良を進めており、供用運転として段階的にビーム出力を増加しながら、設計最大出力である1MWの連続運転試験を断続的に行ってきた。これまで実施してきた1MW連続運転試験の結果から、RCSはビームを精度よくコントロールしており、ビーム損失は連続運転の妨げとならないことが確認できた。しかし一方で、ビームを加速する高周波空胴に余裕が無いため、引き続き増強を進める必要があることが判明した。また、2020年6月以降の気温と湿度が高い条件下では、冷却水の供給温度が上がり、機器の冷却が十分にできず運転できないことも判明した。今後は、これらの問題点の改善を進める。

論文

Evaluation of 2-D transverse beam profile monitor using gas sheet at J-PARC LINAC

神谷 潤一郎; 岡部 晃大; 金正 倫計; 守屋 克洋; 山田 逸平; 荻原 徳男*; 引地 裕輔*; Wada, K.*

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012149_1 - 012149_6, 2019/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:82.51

チタン製真空ダクト表面にゲッター作用を持たせるため、導入したガスをイオン化させスパッタリングによりチタン表面の酸化膜を除去する手法の開発を行っている。本手法では、スリットからガスを導入することで、少ないガス量で局所的に均一かつ高いガス密度のシート状の分布を生成ができ、周辺の圧力上昇を抑えたうえで効率の良いスパッタリングを行うことができる。今回、スリットによって生成されたガス密度分布をモンテカルロシミュレーションコードによって計算し、評価した。その結果、ガス密度分布の三次元的な分布の情報を得ることができ、両方向からのガス導入がガス密度分布の均一化に対して有効であることが定量的にわかった。さらに本手法をシート状ガスとビームとの相互作用により発生するイオンを検出する非破壊型ビームプロファイルモニターに適用した。本モニターにおいて、ビームプロファイルの注入ガス量に対する依存性を調査し、少量の注入ガス量での測定が不飽和かつS/N比が高い状況でビームプロファイル測定するために重要であることが分かった。

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