Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
佐々木 孔英; 三浦 柊一郎*; 福元 謙一*; 後藤 実; 大橋 弘史
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 6 Pages, 2021/08
高温ガス炉燃料用のCsトラップ材を開発するため、BiとSbを候補材としてCs-BiやCs-Sbをグラファイト吸収させた試験片を準備し、1500Cまでの熱分析(TG)にて高温下における化学的安定性を評価した。実験の結果、Csは、BiよりもSbと化合することで1500C CTGを経ても良好な安定性を確認できた。なお、何れの試験片においても800Cから1000Cの領域で見られた急激な重量減少は、試験片からCs(沸点671C)が蒸発したためと考えられる。TG後のCs-Sb/グラファイト試験片中にCs-Sb析出物が見られ、その組成はCsSbと同定できた。この実験結果から、Sbはグラファイト中に分散させるCsゲッター材として機能し得ることが分かった。今後、高温ガス炉燃料へのCsトラップ材としての適用性を評価するためには長時間加熱試験の実施が求められる。
鈴土 知明; 鬼塚 貴志*; 福元 謙一*
Modelling and Simulation in Materials Science and Engineering, 27(6), p.064001_1 - 064001_15, 2019/08
被引用回数:15 パーセンタイル:64.56(Materials Science, Multidisciplinary)低温でのBCC金属の塑性は、らせん転位の移動に支配される。これらの金属結晶におけるらせん転位芯は非平面構造を有するため、その運動は複雑であり、予測不能である。例えば、密度汎関数理論(DFT)は、{面上のすべりを予測するが、高温における実際のすべり面は予測から乖離してれており、そのメカニズムは何十年もの間の謎だった。本研究ではらせん転位運動を追跡する一連の分子動力学シミュレーションを実施し、実験で得られている滑り面の移行再現することに成功した。我々は、次に、Peierls障壁を超えて転位が移動する現象を精査するアルゴリズムを考案し、すべり面移行のメカニズムを発見した。すなわち、転位芯構造の変化がなくても、転位線の大きなゆらぎによって交差すべりのキンクペアが核形成されることを確認した。
佐々木 孔英; 藤村 凌太*; 谷垣 考則; 松原 正典*; 福元 謙一*; 宇埜 正美*
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(2), p.139 - 146, 2017/02
被引用回数:6 パーセンタイル:51.82(Nuclear Science & Technology)「もんじゅ」で採用しているMOX燃料ピンを高燃焼度化するにあたって、燃焼に伴い発生する核分裂生成物(Fission Product: FP)による燃料被覆管内面腐食(FP腐食)を低減する必要がある。次世代の燃料被覆管候補材として析出強化型フェライト/マルテンサイト鋼や酸化物分散強化鋼などの高クロム鋼が有力とされており、その開発として照射損傷特性や高温強度の観点から材料組成や組織が最適化されてきた。一方、FP腐食に関しては、炉内試験(常陽, BOR-60, Phenix, FFTF)にて数十mの減肉が確認されており、腐食量評価式にて目標燃焼度250GWd/tで約350m(被覆管厚さの約7割)もの腐食量が予測されているにも拘らず、被覆管材料開発に考慮されていない。これまでのFP腐食の基礎研究分野では腐食メカニズムが議論され、Cs-Te化合物と合金中のクロムやクロム炭化物との反応が主な腐食反応とされている。本研究では、耐FP腐食性向上のための基礎研究として、高クロム鋼中の炭化物分布とCs-Te腐食量との関係について調査した。本研究の結果、炭化物が結晶粒界に多く分布している材料組織は、そうでないものより腐食が進展しやすいことがわかった。
福元 謙一*; 鳴井 実*; 松井 秀樹*; 伊藤 和寛; 矢野 康英
Journal of Nuclear Science and Technology, 45(2), p.171 - 178, 2008/02
被引用回数:6 パーセンタイル:40.16(Nuclear Science & Technology)原子炉内の液体金属環境下における照射試験を実施するため、ナトリウムボンド型照射キャプセルを用いた照射技術を開発し、高速実験炉「常陽」で一連の照射試験を実施した。この研究を通して、ナトリウムボンド型照射キャプセルの設計・製作,キャプセルへのナトリウムの充填,「常陽」へのキャプセルの装荷,照射,照射済みキャプセルの取り出し、ナトリウムで満たされたキャプセルからの照射済み試料の取り出し及び照射済み試料のナトリウム洗浄が確立された。この照射温度が均一化されたナトリウムボンド型照射キャプセルを用いて、高純度のV-4Cr-4Ti合金(NIFS-Heat)の照射試験を実施し、その合金の照射クリープの挙動に関する知見を得た。
木下 智見*; 阿部 弘亨; 前田 真一*; 福元 謙一*
Journal of Nuclear Materials, 219, p.152 - 160, 1995/00
被引用回数:13 パーセンタイル:76.26(Materials Science, Multidisciplinary)共有結合性およびイオン結合性結晶中の照射欠陥形成過程に対する、カスケード、点欠陥、イオン化の相乗効果について理解するために、イオン・電子同時照射実験を行い、解析した。共有結合性結晶では、イオン照射に伴いカスケードのコントラストが電子顕微鏡にて観察された。そして同時照射によるコントラストの消滅がみられ、点欠陥の照射誘起または励起拡散によるものであることが判った。一方、イオン結晶ではカスケードのコントラストは観察されなかったが、重照射により転位ループが観察された。転位ループ形成過程に対するイオン・電子同時照射効果はみられず、材料内に均一にイオン化を引き起こすような照射は、転位ループの核形成・成長過程に重要ではないことが解った。
福元 謙一*; 松井 秀樹*; 赤坂 尚昭; 山県 一郎
no journal, ,
微量添加元素とスエリング挙動との関係について、「常陽」において照射温度480, 570, 620、及び700C,照射量2056dpaで照射したFe-15Cr-20Niオーステナイトモデル合金9鋼種,Fe-15Cr-xNi(x=20, 25, 30)及びPNC1520鋼について調査した。リンとホウ素はこれらの実験的な照射条件に対してスエリングの発現を抑制した。チタンとニオブの添加は、570Cより下の低温においてスエリング抑制に効果的であった。Fe-15Cr-xNi合金において、ニッケル量に対する複雑な微細構造依存性を見ることができた。
蕪木 英雄; 鈴土 知明; 福元 謙一*; 板倉 充洋
no journal, ,
実機環境内の照射劣化による精度の高い材料寿命評価のためには、照射によるミクロ組織変化機構とマクロ的機械的性質の相関則の構築が必要となる。ここでは、各種BCC純金属に対して、照射によるボイド形成に伴う強度変化を、ボイド-転位間相互作用の観点から実験、数値シミュレーションにより考察し、限界強度式を評価することを目指す。今回は実験で実施しているV中のボイドとらせん転位の相互作用過程について、分子動力学シミュレーションでどの程度再現することが可能かを調べるとともに、V中らせん転位の運動、ボイドと転位の相互作用過程についての結果を述べる。
大久保 学*; 鬼塚 貴志*; 福元 謙一*; 鈴土 知明
no journal, ,
高速増殖炉や核融合炉の構造材料では、照射によって生じた空孔が集合体を作りボイドが形成される。ボイドは転位運動に対して障害物として働き、硬化に寄与することが実験的に知られているが、その詳細なメカニズムは明らかになっていない。本研究では照射硬化メカニズムの解明を目的として、分子動力学法(MD)を用いて、BCC鉄中のらせん転位とボイドの相互作用のシミュレーションの研究を行った。その結果、らせん転位がボイド中心-界面出口間で、ピンニングされる挙動が確認された。
Shi, S.*; 大野 直子*; 鵜飼 重治*; 林 重成*; 東郷 広一*; 福元 謙一*; 阿部 陽介
no journal, ,
放電プラズマ焼結(SPS)によるPMMA有機ポリマー粉末の熱分解ガスを利用してバブル分散強化(BDS)銅を創製した。引張荷重下でのTEM内その場観察により、バブルからの転位の離脱角度を解析し運動転位に対するピン止め力を評価した。TEM観察により、Cu-5volPMMAにおいて均質な分散バブルが示され、平均バブルサイズは約10nmであった。実験解析により、分散バブルは銅の強化に寄与し、バブルからの転位の離脱角は79であることが分かった。この値は、同じ試料を用いたビッカース硬さ試験から評価した相互作用角度74と整合することが示された。
鬼塚 貴志*; 大久保 学*; 福元 謙一*; 鈴土 知明
no journal, ,
原子力プラントではBCC金属が構造材として多く採用されている。これらの炉内構造物の中性子照射脆化の要因のひとつとして、照射欠陥集合体が転位運動に対して障害物として寄与することが挙げられる。そこで分子動力学法(MD法)等の計算科学手法を用いた転位とボイドの動的な相互作用に関する研究が多数行われているが、らせん転位とボイドの相互作用に関しては未解明な部分が多く残されている。本研究では、分子動力学法によりFe中のらせん転位とボイドの動的相互作用メカニズムの解析を行なった。
鬼塚 貴志*; 大久保 学*; 鈴土 知明; 福元 謙一*
no journal, ,
原子炉の炉内構造物や圧力容器の中性子照射脆化の要因のひとつとして、ボイドなどの照射欠陥集合体が転位の運動を阻害して延性を低下させる可能性が指摘されている。しかしながら、ボイドがらせん転位に対してどの程度強い障害物になるのかということに関して、まだ十分に明らかになっていない。本研究では、鉄鋼材料の代替として純Feを研究対象に選択し、その中でのボイド形成が機械的性質に及ぼす影響を明らかにするため、分子動力学法を用いてボイド-らせん転位の相互作用の原子レベルのシミュレーションを行った。本報では特に、最大せん断応力の評価を行なったのでその結果について報告する。
谷口 啓介*; 鬼塚 貴志*; 福元 謙一*; 鈴土 知明
no journal, ,
中性子照射による原子力材料の照射硬化要因のひとつに、照射欠陥集合体のボイドが転位運動に対して障害物として寄与することが知られている。本研究では、らせん転位とボイドの相互作用を明らかにするために、分子動力学(MD)シミュレーションを用いてBCC純Fe中のらせん転位とボイドの原子レベルの動的反応機構の解析を目的とする。特に、転位とボイドの接触位置と相互作用の強さとの関係を解析した。その結果、接触位置とせん断応力に規則性があることが判明した。
鈴土 知明; 鬼塚 貴志*; 福元 謙一*
no journal, ,
照射によって転位ループ, ボイド, 溶質クラスタ等の様々な欠陥が形成される。それらは転位の障害物となることから、転位と障害物の相互作用の研究が実験, 理論の両面から進められてきた。しかしながらBCC鉄の理論面に関して、すべり面が低温で{110}であるにもかかわらず、温度が室温程度に上昇すると{112}に変化するという現象を分子動力学で再現できないという問題があった。そのため、我々は原子間ポテンシャルを考察し上記のすべり面の温度転移を分子動力学で再現することを試みた。また、その温度転移がどのようなメカニズムでおきるかをらせん転位のパイエルスポテンシャルから考察した。その結果、適切な原子間ポテンシャルを選択することによって、すべり面の温度転移を再現できることが分かった。また、温度転移は、格子の温度揺らぎによって生じている可能性が高いことが分かった。
鈴土 知明; 福元 謙一*
no journal, ,
体心立方(BCC)金属は、構造材料として原子炉の多くのコンポーネントに適用され、その熱的機械的健全性の研究は非常に重要である。低温においてBCC金属の変形の多くはらせん転位の移動によるものである。BCC金属のらせん転位の運動は複雑であることが知られている。本研究では、最新の分子動力学モデリング手法を用いて、実験で観測されている温度上昇によるすべり面の遷移を初めて再現することに成功した。次に、パイエルス障壁を超える転位のジャンプを高解像度で解析するアルゴリズムを考案し、この遷移現象の原因は熱揺らぎである可能性が高いことを示した。