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福田 航大; 山根 祐一
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(12), p.1514 - 1525, 2023/12
被引用回数:1 パーセンタイル:72.91(Nuclear Science & Technology)粒子状の固体燃料デブリが水中に分散した場合のデブリ粒子径に着目し、粒子径が核分裂数や出力推移といった臨界挙動に与える影響を明らかにすることを目的とした動特性解析を行った。その結果、燃料から水への熱伝達量が大きい条件下で、燃料粒子径を1桁小さくすると核分裂の回数が10倍になること等が明らかとなった。この結果より、燃料粒子径を適切に設定しなければ、核分裂数が過大又は過少評価される可能性が示唆された。
福田 航大; 山根 祐一
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 9 Pages, 2023/10
1970年英国Windscale Worksにて発生した臨界事故を対象に、過去の検討で報告されている"エマルジョン生成"や"水溶液流入による反応度増加"の傾向を、溶液の流動を詳細に考慮したうえで確認することを目的としたマルチフィジックス解析を行った。CFD計算ツールボックスOpenFOAMの混相流ソルバを用いて得られた物質配置の経時変化を使用して連続エネルギーモンテカルロ中性子輸送計算コードMVP3.0により反応度の経時変化を求めた。解析を行うために、OpenFOAMとMVP3.0間のデータ移動・変換を行うインターフェイスプログラムの開発も行った。実際に事故が発生したとされている移送容器を模擬した体系において、核分裂による発熱を考慮せず、溶液の流動並びに流動に起因する反応度変化を計算した結果、"エマルジョン生成"や"水溶液流入による反応度増加"の傾向を確認することができた。また、解析体系の解像度が結果に与える影響についても考察を行った。
須山 賢也; 植木 太郎; 郡司 智; 渡邉 友章; 荒木 祥平; 福田 航大; 山根 祐一; 井澤 一彦; 長家 康展; 菊地 丈夫; et al.
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 6 Pages, 2023/10
2011年の福島第一原子力発電所の事故により発生した燃料デブリの臨界安全性評価において採用される手法の妥当性を臨界実験で得られたデータに基づいて検証するため、NRAからの委託により原子力機構は2014年から関連研究開発プロジェクトを実施している。このプロジェクトにおいては、i)燃料デブリの臨界特性の網羅的計算とデータベース化(燃料デブリ臨界マップの開発)、ii)新しい連続エネルギーモンテカルロコードの開発、iii)臨界事故の評価、iv)臨界安全性評価手法の検証実験のための臨界集合体STACYの改良などが行われている。前回のICNC2019以降、本プロジェクトは2024年5月に正式運転を開始するSTACYの改造やパワースペクトルに準拠した空間ランダム分布を持つ物質の臨界計算に適したモンテカルロコード「Solomon」の開発で大きな進展があった。本発表では、この研究開発プロジェクトの全体像と各技術トピックの状況について紹介する。
福田 航大
Proceedings of 4th Reactor Physics Asia Conference (RPHA2023) (Internet), 4 Pages, 2023/10
水減速燃料粒子分散体系(例:燃料デブリ体系)における熱膨張フィードバックが即発超臨界時の出力ピーク値や放出エネルギーに与える影響を定量的に明らかにすることを目的とした解析を行った。熱膨張を考慮する場合/しない場合の燃料温度反応度係数を仮想的な体系に対して計算し、Nordeheim-Fuchモデルを用いた評価を行った。その結果、熱膨張の影響を無視することで出力ピーク値や放出エネルギーに数十パーセントの誤差が生じうることが明らかとなった。この誤差は臨界事故解析の多くの場面では問題となる大きさではないものの、解析の目的によっては(例えば、事故後の被ばく量やRI放出量の検証のため精度よく結果を得たい場合)熱膨張反応度フィードバックの影響を考慮すべきであることが示された。
須山 賢也; 植木 太郎; 郡司 智; 渡邉 友章; 荒木 祥平; 福田 航大
Proceedings of 20th International Symposium on the Packaging and Transportation of Radioactive Materials (PATRAM22) (Internet), 5 Pages, 2023/06
1990年代以降計算機能力が向上して連続エネルギーモンテカルロコードが広く使用されるようになってから、どのような複雑な体系であっても必要なときに高精度な臨界計算が可能となり、臨界安全評価におけるハンドブック類の存在意義は大きく変化した。大量の計算をあらかじめ行ってデータを整理しておくことの価値は低下したため、1999年に第2版が公刊されて以降、過去四半世紀近く我が国では臨界安全ハンドブックの改訂は行われて来なかった。2011年に福島第一原子力発電所事故が発生した我が国では、複雑な構成元素を含む燃料デブリの輸送や貯蔵における臨界安全問題を取り扱う必要に迫られており、そのような複雑な物質の臨界安全管理のためのデータの整理が喫緊の課題となっている。また、燃焼度クレジットの分野では、事故の影響のために到達燃焼度の低い燃料集合体の輸送や貯蔵も課題となる。そして、連続エネルギーモンテカルロコードの入力となる核データは1990年代から数回改訂されてJENDL-5が2021年末から利用できるようになるなど、その取り入れも現場のニーズとして上がってきている。本報告では我が国における最新の臨界安全研究の概要と、輸送や貯蔵分野に適用することも可能な我が国における臨界安全ハンドブックの改訂計画について報告する。
藤本 望*; 福田 航大*; 本多 友貴*; 栃尾 大輔; Ho, H. Q.; 長住 達; 石井 俊晃; 濱本 真平; 中野 優美*; 石塚 悦男
JAEA-Technology 2021-008, 23 Pages, 2021/06
SRACコードシステムを用いて可燃性毒物棒周辺のメッシュ分割がHTTR炉心の燃焼計算に与える影響を調べた。この結果、可燃性毒物棒内部のメッシュ分割は燃焼計算に大きな影響を与えないこと、実効増倍率は可燃性毒物棒周辺の黒鉛領域をメッシュ分割することで従来計算より測定値に近い値が得られることが明らかとなった。これにより、HTTR炉心の燃焼挙動をより適切に評価するには、可燃性毒物棒周辺黒鉛領域のメッシュ分割が重要になることが明らかとなった。
藤本 望*; 本多 友貴; 福田 航大*; 後藤 実; 栃尾 大輔; 高田 昌二
no journal, ,
HTTRでは、燃焼による過剰反応度の変化をBPを用いることにより小さく維持している。この燃焼による過剰反応度の変化を低温臨界状態での制御棒位置変化で評価した。臨界制御棒位置に対するBP周りのメッシュ分割の効果について報告する。
郡司 智; 渡邉 友章; 須山 賢也; 荒木 祥平; 福田 航大
no journal, ,
臨界安全研究グループでは、サイクル施設の臨界安全性担保のために決定論的手法を用いた研究を行ってきた。一方、福島第一原子力発電所の廃炉作業では、これまでの臨界管理手法では対応できない。一時的に臨界超過になる確率とその影響を評価した上で、許容できるか否かリスクの考え方に基づいて判断し、作業を行うという新しい手法が求められている。このような研究課題を解決するために当グループが取り組んでいる研究活動のうち、下記の研究トピックスを紹介する。(1)臨界マップデータベース、(2)STACY設工認支援、(3)STACY実験の具体的検討、(4)照射後試験(PIE)/燃焼解析
福田 航大; 山根 祐一
no journal, ,
英国Windscale Worksにて1970年に発生した臨界事象について予備的な解析検討を行った。解析にはCFD計算ツールボックスOpenFOAM及びモンテカルロ中性子輸送計算コードMVP3.0を用いた。その結果、事象進展の様子と対応する実効増倍率変化の機構の一部を確認することができた。
福田 航大
no journal, ,
過去の臨界事故解析は、核燃料施設における臨界事故防止に資する知見を得ること及び万が一そのような事故が起きた場合の影響評価手法の妥当性検討のために重要である。発生例が少なく、検討がよくされていない事象も対象とせねばならない。1970年英国Windscale Worksで生じた臨界事故は有機溶媒と水溶液が混合することで生じたと考えられている他に例を見ない事故であり、解析検討例が少なく、また溶液の詳細な流動までを考慮した事故の推移を解析した例は無い。本検討では、検討例の少ない特徴的な事故であるWindscale Works臨界事故を解析するため、溶液の詳細な流動を考慮したうえで実効増倍率の経時変化を確認することを目的とした予備的解析を行った。解析はCFD計算と連続エネルギーモンテカルロ中性子輸送計算を組み合わせることで行い、2計算を結合させるためのプログラム開発も行った。その結果、過去の実験的検討に関するレポートで報告されている内容と整合する結果を得ることができたとともに、従来あまり行われてこなかった詳細な解析を現実的な時間で遂行することができる見込みを得ることができた。
福田 航大; 山根 祐一
no journal, ,
燃料デブリ粒子が水中に分散した体系にて臨界事故が発生した場合に粒子径が総核分裂数に与える影響を明らかにすることを目的とした動特性解析を行った。その結果、条件によっては粒子の半径が1桁小さくなれば総核分裂数が10倍となることが明らかとなり、影響評価時に粒子径を適切に設定する必要性が示された。
福田 航大; 須山 賢也; 小原 徹*
no journal, ,
近年、炉型をBWRとした海洋浮体式原子力発電所の実現に向けた取り組みが国内で進められている。その実現に向け、海洋環境特有の傾斜や揺動といった現象が原子炉の核熱的挙動に与える影響は明らかにすべき課題として位置づけられている。本発表では、BWRが通常運転中に傾斜した場合の原子炉の挙動(出力、燃料・冷却材温度、圧力等やそれらの分布の過渡変化)を明らかにすることを目的とした核熱結合解析の計画と予備解析の結果について報告を行う。解析には原子炉システムコードTRACE及び核計算コードPARCSを用い、TRACEでの解析にて流体に加わる重力加速度を変化させることで傾斜を模擬した。予備解析の結果、BWRが傾斜した場合の原子炉がとりうる挙動の傾向が明らかとなった。得られた結果より、周期性をもつ揺動現象の再現等、今後取り組むべき解析の方向性が示唆された。