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小木 浩通*; 椎名 保顕; 稲垣 照美*
日本機械学会論文集,B, 74(748), p.2588 - 2597, 2008/12
水平円柱表面の熱伝達率分布が円柱内固相の融解過程に及ぼす影響を数値解析及び実験より調べ、カプセル型潜熱蓄熱技術の熱設計への考察を加えた。数値解析は、一様流中で生じる非均一熱伝達率分布及びそれを平均した均一熱伝達率分布条件に対して行い、連成問題における円柱内レイリー数の評価方法を提案するとともに以下の結論を得た。融解に伴い円柱内レイリー数は増加するが、レイリー数が約1000以下では熱伝導が支配的となり、円柱の熱伝導率が小さい場合には、均一,非均一熱伝達率間の壁温,固相形状等の差は最も大きくなるが、その差は融解時間にしてたかだか10%程度である。円柱内レイリー数が増加すると、均一,非均一熱伝達率間による差は壁温,固相形状等を含めて減少する。また、円柱の熱伝導率が高い場合には内部レイリー数にかかわらず、均一,非均一熱伝達率の間の差は無視することができる。これらから、カプセル型潜熱蓄熱の熱設計において、カプセル寸法が大きく内部レイリー数が大きくなる場合には、均一熱伝達率を用いた解析により十分高い精度の熱設計を行うことができることを示した。
椎名 保顕; 小木 浩通*; 稲垣 照美*
日本機械学会熱工学コンファレンス2007講演論文集, p.245 - 246, 2007/11
水平円柱内固相が非均一表面熱伝達率の条件下で融解する過程を数値解析により求めるとともに、実験結果と比較した。また、この場合の円柱内レイリー数を評価する手法を示した。非均一表面熱伝達率で融解する場合、円柱内レイリー数が約1000以下では自然対流が形成されても円柱内の支配的伝熱機構は熱伝導となる。しかし、融解が進行し、円柱内レイリー数が約1000を超えると自然対流の影響が現れる。円柱径が大きく、融解の大半の領域で円柱内レイリー数が1000より大きい場合には、円柱内において自然対流が支配的な伝熱機構となる。この場合、融解に及ぼす非均一表面熱伝達率と均一表面熱伝達率の違いは固相底部付近のみに局在され、融解過程は均一表面熱伝達率の場合とほぼ等しくなる。
根本 寛幸*; 小木 浩通*; 椎名 保顕; 稲垣 照美*
可視化情報学会誌, 26(Suppl.1), p.1 - 4, 2006/07
潜熱蓄熱の蓄熱媒体中に発泡金属等を挿入すると、放熱時の伝熱促進には極めて有効であるが、融解時には内部自然対流及び接触融解が抑制される。そこで、融解時の伝熱促進特性の比較を可能にするために、実際の使用条件である熱伝達率一定の条件下における接触融解特性を、円筒カプセルを用いて実験及び解析により調べた。円筒カプセルとしては銅、及びアクリルを、蓄熱媒体としては水及びテロラデカンを用いた。解析から、熱伝達率一定の場合には、融解速度は初め小さく、時間とともに増加するが、これは実験とよく一致した。カプセル壁温は時間とともに上昇するが、上昇幅は水に比べてテトラデカンの方が大きい。また、アクリル壁温の非一様性もテトラデカンの方が大きく、内部自然対流の影響が示唆される。界面形状をビデオ撮影して観察した結果、融解中、固相が回転する様子が観察された。また、アクリルカプセルの場合には、銅カプセルと比べて非接触面の形状が大きく変化するため、液相と固相が接する面からの伝熱の影響を考慮する必要があることが示された。
椎名 保顕; 根本 寛幸*; 小木 浩通*; 稲垣 照美*
第43回日本伝熱シンポジウム講演論文集, p.415 - 416, 2006/05
固相と伝熱面が非常に薄い液層を介して接触する接触融解は高い熱伝達特性を示すことが報告されている。これを利用して潜熱蓄熱の固相の融解促進を図ることができる。従来、接触融解の研究は伝熱面が等温の場合に限られてきた。しかし、実際の蓄熱・放熱過程では伝熱面は等温ではなく、熱伝達率一定と考えられるため、その場合の接触融解特性を明らかにする必要がある。本研究では、表面熱伝達率一定時の水平円柱潜熱蓄熱カプセルの接触融解熱伝達特性を解析により調べ、実験と比較した。その結果、壁温一定の場合とは異なり、熱伝達率一定の場合には、融解速度は時間とともに増加すること,外部流体のレイノルズ数が高い場合には解析結果と実験結果は比較的よく一致すること等が示された。
小木 浩通*; 椎名 保顕; 稲垣 照美*
第43回日本伝熱シンポジウム講演論文集, p.413 - 414, 2006/05
固液相変化潜熱を利用した潜熱蓄熱方式は、一定温度で大量の熱の貯蔵ができるという点で優れた特徴を有している。従来、カプセル型潜熱蓄熱システムの設計は、均一の表面熱伝達率を仮定して評価されてきた。しかし、実際には表面熱伝達率は一様ではなく、円柱カプセルの場合には熱伝達率比で34倍の非均一性が生じる可能性がある。そのため、内部自然対流により熱伝達率が均一と非均一では融解特性が大きく異なる可能性がある。そこで、水平円柱容器内の固相が、横からの一様流による非一様熱伝達率により融解する場合の相変化特性を、実験及び数値解析により調べるとともに、均一熱伝達率の場合の数値解析結果との比較を行った。その結果、数値解析と実験結果はよく一致することを示すとともに、表面熱伝達率が非均一の場合には融解時間は均一の場合より短縮されることを明らかにした。
椎名 保顕; 小木 浩通*; 稲垣 照美*
日本機械学会東北支部第41期総会・講演会講演論文集, p.83 - 84, 2006/03
水平円柱容器内固相が円柱外側表面から加熱され融解する場合、固相と液相の密度差により、固相が伝熱面と接触する接触融解が生じる。従来の研究では円柱外側表面温度一定の場合が扱われ、接触融解は非常に高い熱伝達が得られることが報告されてきた。しかし実際の伝熱は熱伝達率一定の場合がほとんどである。そこで、熱伝達率一定の場合の接触融解の解析を行い、融解速度,壁温の時間変化等を求めた。融解速度は、アクリル及び銅円柱を用いた実験結果と比較的よく一致した。
稲垣 照美*; 羽鳥 雅一*; 鈴木 智博*; 椎名 保顕
Journal of Visualization, 9(2), p.145 - 160, 2006/00
被引用回数:10 パーセンタイル:46.68(Computer Science, Interdisciplinary Applications)自由界面における伝熱現象を、従来の熱電対等のセンサーを用いて計測する手法は、界面における流れや界面形状を変えてしまう等伝熱現象そのものに攪乱を及ぼすため適用が困難である。そこで、非接触で温度計測を行うことができる赤外線サーモグラフィーを自由表面を有するベナール対流の気液界面における温度計測に適用し、その計測可能性について調べた。実験では、シリコン油を用い、矩形容器の液相深さ,アスペクト比,液の粘性を変えることによりベナール対流と表面温度分布等の関係を調べ、k-モデルを含む数値解析結果と比較した。その結果、表面温度分布から求められる対流パターンは数値解析結果とよく一致すること、実験から得られた熱伝達率は数値解析及び従来の結果とよく一致することを示し、赤外線サーモグラフィーの気液界面の伝熱現象の計測における有用性を示した。
椎名 保顕; 稲垣 照美*
International Journal of Heat and Mass Transfer, 48(2), p.373 - 383, 2005/01
被引用回数:37 パーセンタイル:75.55(Thermodynamics)潜熱蓄熱の実用化には伝熱促進が不可欠であるが、熱伝導率の高い多孔体中に蓄熱媒体を含浸させ実効熱伝導率を向上させることにより伝熱促進を図る方法が考えられる。本研究では、気孔率の高い発泡金属中に蓄熱媒体を含浸させた場合の相変化時間に及ぼす実効熱伝導率等の影響を、円筒カプセル蓄熱体を用いた場合について数値解析及び近似解析により評価した。その結果、蓄熱媒体の熱伝導率が低い場合には、相変化時間は数十倍短縮されること、また、フィンを用いる場合に比べても数倍から十倍程度伝熱が促進されることを示し、この方法が伝熱促進に高い有効性を有することを明らかにした。
稲垣 照美*; 羽鳥 雅一*; 鈴木 智博*; 椎名 保顕
Proceedings of International Conference on Advanced Optical Diagnostics in Fluids, Solids and Combustion (VSJ-SPIE '04) (CD-ROM), 9 Pages, 2004/12
赤外線サーモグラフィーは2次元表面の温度分布を非接触で計測することができるため、高温領域やセンサーの設置が困難な領域における温度計測に適している。本研究では特に表面に波うちが生じる気液界面に適用し、自由表面を有する矩形容器内でベナール対流が生じている場合の温度を計測することにより従来計測が困難であった気液界面の熱伝達率を測定した。また、乱流モデルによる数値解析を行い、層流から乱流に遷移する自由表面ベナールセルの遷移過程を実験と解析で比較した。その結果、波うちを生じている気液界面の平均熱伝達率とレイリー数の関係式を求めることができた。また、局所熱伝達率はベナールセルのパターンにより変化するが、それは解析により比較的良好に実験を模擬することができるため、解析により評価することが可能であることが示された。これらから、赤外線サーモグラフィーを時間的な変動,変形のある表面温度の測定に適用することの有効性が示された。
稲垣 照美*; 金児 敏信*; 羽鳥 雅一*; 椎名 保顕
日本機械学会論文集,B, 70(699), p.279 - 286, 2004/11
赤外線サーモグラフィーは非接触で二次元の温度計測を行うことができる。そこで、通常の手法での温度計測が不可能である気液界面の伝熱現象にこれを適用し、自由表面を有するベナール対流の気液界面における伝熱計測を行った。実験はシリコンオイルを用いて行い、実験結果を数値シミュレーション結果と比較して赤外線サーモグラフィーの適応性,有効性の考察を行った。その結果、赤外線サーモグラフィーにより可視化された対流のセルパターンは数値シミュレーションにより得られたパターンとよく一致した。また、気液界面における熱伝達率とレイリー数の関係は、赤外線サーモグラフィーによる実験結果と数値シミュレーション結果の両者が比較的よく一致した。これらから、赤外線サーモグラフィーは、界面の揺動等を伴い、通常の計測が不可能である気液界面における伝熱現象の計測に有効であることが示された。
椎名 保顕; 稲垣 照美*
日本機械学会論文集,B, 69(681), p.1233 - 1241, 2003/05
潜熱蓄熱の蓄熱媒体を多孔体金属に含浸させた複合蓄熱体について、実効熱伝導率が融解特性に及ぼす影響を解析的に調べ以下の結論を得た。解析で想定した蓄熱媒体はOctadecane,水,LiCO,NaCl,多孔体金属は銅,アルミニウム,炭素鋼である。(1)複合蓄熱体の実効熱伝導率を向上させることにより融解時間を減少させることができることを示した。蓄熱媒体の熱伝導率が低いほど、また、伝熱流体の熱伝達率が高いほど融解時間の減少率は大きくなる。(2)Stが小さい場合に、融解時間を表す近似解析結果を求め、数値解析結果とよく一致することを示した。(3)複合蓄熱体を用いるとフィンの場合より数倍から十倍程度相変化時間を短縮できる可能性がある。(4)非一様熱伝達率を用いた場合と、一様熱伝達率を用いた場合の融解時間の差はたかだか10%程度であり、一様熱伝達率を用いても大きな誤差は生じない。
石井 敏満; 稲垣 照美*; 坂根 泰輔*; 中谷 隆彦*; 大岡 紀一; 近江 正男; 星屋 泰二
非破壊検査, 51(4), p.223 - 230, 2002/04
赤外線サーモグラフィを用いた非破壊試験法は、材料や構造物の内部欠陥を遠隔かつ非接触で検出できる一方で、欠陥の定量的検出手法の確立が急務となっている。本研究では、母材より熱拡散率の小さい人工内部欠陥を有する試験片を裏面から非定常加熱した場合に、試験片表面に生じる不規則な温度分布を赤外線カメラで測定し、その熱画像から欠陥を識別した。また、開発した解析コードによる非定常三次元熱伝導の数値解析の結果、試験片表面では内部欠陥の上部に相当する位置の温度がその周辺に比べて低温となり、その温度変化が実験結果と良好に対応することを確認した。これにより、欠陥寸法等に依存して生じる表面温度変化の定量評価の見通しを得た。さらに、同じ欠陥を有する試験片の表面では、熱拡散率が小さい母材ほど欠陥上部の位置とその周辺との温度差は大きくなり、熱拡散率と温度差の相関についても定量評価できる見通しを得た。
衛藤 基邦; 石井 敏満; 稲垣 照美*; 岡本 芳三*
Carbon, 40(3), p.285 - 294, 2002/03
被引用回数:9 パーセンタイル:36.93(Chemistry, Physical)炭素複合材料及び黒鉛の赤外放射特性を293から373Kの温度範囲で調べ、これらの材料中の欠陥の非破壊的検査に応用することを試みた。試験片の表面温度及びそのばらつきを、真の温度,周辺温度,放射率及び射度係数データに基づき評価し、これらの材料と欠陥検出精度の関係を明らかにした。また、人工的に導入した欠陥の寸法と欠陥部の放射温度変化とを測定し、これらの材料中の欠陥サイズと検出精度,測定条件との関係を明らかにした。
稲垣 照美*; 石井 敏満
Infrared Physics & Technology, 41(6), p.325 - 337, 2000/12
被引用回数:21 パーセンタイル:72.7(Instruments & Instrumentation)著者らはこれまでに、対象物の表面温度を非接触で定量的に計測する二色温度計測技術を提案した。本研究では、異なる検出波長域を有する三種類の赤外線放射温度計を併用した三色温度計測技術、または透過波長域の異なる三種類のフィルタを内蔵する赤外線カメラを用いて三色温度計測技術を提案する。実験に用いた放射温度計は、2~13mの波長範囲内で、それぞれ数m範囲の異なる波長域を検出することが可能である。また、計測誤差や手法の適用性を評価するために、対象物表面の放射率をパラメータとした数値解析、及び一連の検証実験を行った。その結果、三色温度計測技術が対象物の放射率、反射率及び周囲環境条件を特定することなく約10Kの誤差で対象物表面の真の温度を評価できることがわかった。また、この計測技術は、原子力を含んだ工学分野及び医学分野において、反射率の特定が困難な対象物の二次元定量温度計測に有効となり得る可能性がある。
石井 敏満; 星屋 泰二; 大岡 紀一; 稲垣 照美*; 中谷 隆彦*
日本非破壊検査協会平成12年度秋季大会講演概要集, p.105 - 108, 2000/11
材料や構造物の非破壊検査手法として赤外線サーモグラフィの利用が注目されているが、その適用性や欠陥検出限界に関する研究は進んでいない。本研究では、内部欠陥を有する試験片を裏面より非定常加熱する欠陥検出実験及びその数値シミュレーションを行い、以下の知見を得た。(1)熱拡散部が母材に比べて小さい欠陥を有する試験片の表面では、加熱時間が経過するとともに欠陥上部の温度がその周辺部に比べて低温となる。(2)内部欠陥を有するアクリル試験片に関するシミュレーションで得られた表面温度分布は、実験で得られた温度分布に対応する。(3)欠陥部と表面との肉厚が薄いほど欠陥イメージが明瞭である。(4)同じ欠陥に対しては、熱拡散率が小さい母材ほど欠陥イメージが明瞭となる。
岩佐 薫; 椎名 保顕; 稲垣 照美*
可視化情報学会誌, 19(75), p.41 - 45, 1999/10
円筒内蓄熱カプセル内相変化流体の自然対流及び強制対流による融解過程を、可視化を含む実験及び解析により調べた。実験ではカプセルとしてアクリル容器を、流体として水を用いた。また、表面熱伝達率一定とした融解解析を行い、実験との比較を行った。自然対流による融解の場合、カプセル径が小さい場合には実験と解析はほぼ一致するが、カプセル径が大きくなるとカプセル内自然対流の影響が顕著になり、両者の不一致は大きくなる。また、表面温度の不均一は小さく、相変化界面形状の非対称性は小さい。強制対流による融解の場合、表面熱伝達率の非一様性が大きいため、界面形状は非対称となる。また、表面温度の不均一性が大きくなるため、融解特性を評価するには、表面熱伝達率非一様の影響を考慮する必要がある。
稲垣 照美*; 石井 敏満; 岡本 芳三*
非破壊検査, 48(10), p.673 - 681, 1999/00
提案する赤外線三色分光放射温度計測法は、検出波長域の異なる3台の赤外線サーモグラフィ装置、あるいは3種類の赤外線フィルタを内蔵した装置を利用し、計測対象物の温度を計測する手法である。なお、計測に利用した赤外線サーモグラフィ装置は、2-13mの検出波長帯域を有している。本研究では、測定対象物表面の放射率をパラメータとした数値シミュレーションや一連の検証実験を実施した。その結果、赤外線三色分光法放射温度計測法が対象物表面の放射率や反射率、及び周囲環境条件を特定することなく5K程度の誤差で、対象物表面の真の温度を測定できることがわかった。また、この計測法は、放射率を特定しにくい対象物の二次元定量温度計測、及び原子力施設などの人が近寄り難い領域にある機器構造物の非破壊診断に有効となり得る可能性がある。
稲垣 照美*; 石井 敏満; 岩本 利克*
NDT & E International, 32(5), p.247 - 257, 1999/00
赤外線サーモグラフィは、各種材料等を加熱した場合に、その表面に生じる温度分布を遠隔かつ非接触で計測し、その温度分布から内部の欠陥や異常箇所を非破壊的に識別する手法として広く利用されている。しかしながら欠陥に付随する伝熱機構の理論的考察を行い、欠陥検出に関する定量的評価はほとんど行われていない。本研究では、深さや幅の異なる内部欠陥を有する各種試験片を非定常加熱し、試験片表面の温度分布の変化から各種欠陥を識別するモデル実験を行うとともに、非定常二次元熱伝導の数値解析を行い、内部欠陥の検出メカニズムや検出限界について考察した。その結果、熱拡散率の小さい材料の欠陥の映像は明確に識別できた。また、解析結果と実験結果は良好に対応した。さらに、解析結果をもとに、試験片を裏面より加熱した場合に、欠陥の幅や深さに依存して生じる欠陥上部とその周辺表面の温度差を定量的に評価できた。
石井 敏満; 稲垣 照美*; 板根 泰輔*; 星屋 泰二; 大岡 紀一
Proc. of Int. Conf. on Optical Technology and Image Processing in Fluid,Thermal and Combustion Flow, p.1 - 5, 1998/00
材料や構造物の内部欠陥を非破壊的かつ非接触で検出する赤外線サーモグラフィー法の確立において、検出可能な欠陥寸法を明らかにすること及び欠陥寸法や位置を熱画像から高精度で予測することが重要となる。本報では、ランプ等で非定常加熱した試験片表面の温度変化から欠陥を識別する従来の試験法に代わって、試験片の裏面をヒーターで加熱して表面の温度変化から欠陥を識別する試験を試み、欠陥を検出できた。また、検出可能な欠陥寸法を評価するために構築した解析手法が、実験で計測された温度変化を高精度で模擬できることを確認した。更に、加熱中の試験片の表面に生じる温度分布の変化に与える欠陥の深さや幅及び材料の熱物性値の影響についてこの解析手法を用いて評価し、今後、検出可能な欠陥寸法の解明を進める上で重要な基礎データを取得した。特に深さが深く、幅が広い欠陥ほど温度分布の変化が顕著となった。
石井 敏満; 衛藤 基邦; 秋場 真人; 稲垣 照美*; 岡本 芳三*
可視化情報学会誌, 18(67), p.36 - 42, 1997/10
本研究では、核融合炉のプラズマ中不純物を制御するためのダイバータ構造物の不良部検出に対して、赤外線放射温度計による非破壊検査法を適用する場合に、検査対象物の加熱法が可視化診断に与える影響を明らかにした。ダイバータ構造物は、炭素繊維材料製タイルと銅製冷却部を接合した物であり、これを模擬した試験体をハロゲンランプ加熱、高温ガス加熱、温水加熱の3種類の方法で加熱して接合不良部検出を行った結果、いずれの加熱法でも接合不良欠陥を検出できた。特に温水加熱法は、タイル接合面積の25%の接合不良部まで検出でき、他の加熱法より検出限界の点で優れていた。更に、実機のダイバータが冷却管を有する構造であることから、赤外線放射温度計によるダイバータ構造物の非破壊検査では、温水加熱法の適用性が高いと結論付けることができた。