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品川 晃祥*; Umenyi, A. V.*; 菊地 秀輔*; 相場 瑞基*; 稲田 和紀*; 三浦 健太*; 花泉 修*; 山本 春也; 川口 和弘; 吉川 正人
no journal, ,
Geをイオン注入したSiO基板は、紫外から青色のフォトルミネッセンスを示すことが知られている。そこで本研究では、Geをイオン注入したSiO基板をもとに新たな2次元フォトニック結晶導波路及びこれを組合せた発光素子の開発を進めている。原子力機構・TIARA施設の400kVイオン注入装置を用い、照射エネルギー:350keV,照射量:110ions/cmの条件下でSiO基板にGeイオンを注入し、窒素中で熱処理(900C)を行うとともに励起光源としてHe-Cdレーザ(波長325nm)を使用したフォトルミネッセンススペクトルを測定した。その結果、Ge波長400nm付近をピークとする紫外発光ピークが観測され、熱処理温度が高くなるに従いそのピーク強度は増加する傾向にあることを見いだした。これより光を伝播するコア領域の大きな2次元フォトニック結晶導波路の作製が可能であることがわかった。
菊地 秀輔*; Umenyi, A. V.*; 稲田 和紀*; 河嶋 亮広*; 野口 克也*; 佐々木 友之*; 三浦 健太*; 花泉 修*; 山本 春也; 川口 和弘; et al.
no journal, ,
これまでに、Siイオンを注入した溶融石英板(SiO)が、11501250Cのアニールによって青色発光(発光ピーク波長400nm)を示すことを初めて見いだし、特に1200Cのアニール後にその発光ピーク強度が最大になることを実証している。しかし、1200C前後でのアニールは非常に高温で、実際の応用を考えた場合、熱に弱い部材との集積化が難しくなり、この材料を適用できる応用デバイスの範囲が制限されてしまう。そこで今回は、より低温のアニールでも発光するSiO基板の開発を目指し、Siイオンに加えてCイオンを注入して発光特性の評価を行った。その結果、700Cという比較的低温のアニールによっても、可視域の発光が観測できることを確認した。また、Siイオン及びCイオンの照射量の比によって、発光ピーク波長がシフトすることも確認できた。波長650nm付近の発光ピークは、Siイオン照射により発現するものと思われ、一方で波長450nm付近の発光ピークは、Cイオン照射によるものと考えられ、Siイオン及びCイオンの照射量の比によって、発光波長を制御できる可能性があることが示された。
三浦 健太*; 菊地 秀輔*; 桐生 弘武*; 稲田 和紀*; 小澤 優介*; 花泉 修*; 山本 春也; 杉本 雅樹; 吉川 正人; 川口 和弘; et al.
no journal, ,
イオンビーム照射による発光デバイス及び光スイッチ等の光機能素子の形成技術の開発を行った。発光デバイスの開発では、これまでの成果からSiO部材にSiの注入と、その後の1200C前後でのアニールにより青色発光することを見いだしており、本研究ではこの部材を用いてより低温のアニールで発光する部材の開発を目指した。SiとCの注入、及び大気中での700C、25分間のアニールを行うことで、可視領域での発光を観測できた。さらに、Si及びCの注入量の比によって、発光ピーク波長がシフトすることも確認し、発光色を制御できる可能性も示した。一方、光スイッチの開発では、波長1.55m帯のマッハツェンダー(Mach-Zehnder: MZ)型光スイッチの実現を目指し、PMMAにプロトンビーム描画(Proton Beam Writing: PBW)技術で光導波路を描画することでMZ型導波路の製作を試みた。試料として、Si基板上に下部クラッド層のSiO膜(15m)及び光導波路製作層のPMMA膜(8m)を製作した。これに1.7MeV、1mのHビームを用いてPBWにより8m幅の左右対称に対向したY分岐型の導波路を描画し、さらに、上部クラッド層としてこの照射後の試料にPMMAを10m厚で成膜した。製作した導波路に対して波長1.55mの光を通した結果、出射光が一つであることを確認し、MZ型光導波路として光波の分岐及び合流が行えることを示した。
稲田 和紀*; 河嶋 亮広*; 狩野 圭佑*; 野口 克也*; 三浦 健太*; 花泉 修*; 山本 春也; 川口 和弘*; 吉川 正人
no journal, ,
これまでにシリコン(Si)イオン注入により青色発光する溶融石英板(SiO)に炭素(C)をイオン注入することより、より長波長側の可視光域で発光が起こることを見いだした。そこで、Siイオン及びCイオンの注入量比の異なる試料を作製し、それらの発光ピーク波長について系統的に調べた。石英板へのイオン注入には、150keV Si(注入量: 5.010 ions/cm), 75keV C(注入量: 3.010ions/cm)の条件で試料にイオン注入を行い、1000Cのアニール処理後にHe-Cd laser (=325nm)によるホトルミネッセンス測定を行った。その結果、発光ピーク波長は、Si注入量に対するC注入量の比が増加すると短波長側にシフトする傾向を示した。Si及びCの注入量の比を制御することにより、発光波長を制御できる可能性があることが示された。
三浦 健太*; 花泉 修*; 加田 渉*; 小澤 優介*; 稲田 和紀*; 久保田 篤志*; 河嶋 亮広*; 佐藤 隆博; 石井 保行; 江夏 昌志; et al.
no journal, ,
イオンビーム照射技術を用いた光スイッチや発光素子の光機能デバイスの製作を目的として、(1)プロトンビーム描画を利用したマッハツェンダー(MZ)導波路型熱光学スイッチ、(2)SiO部材へのSiとCイオンの注入と1200C以下でアニール処理を行うことによる可視領域で発光する材料の開発を行った。(1)では、Si基板上に下部クラッドのSiO層と光伝搬用のPMMA層をそれぞれ5mと8mに積層した試料に、1.7MeV, 1mのHビーム(50pA)を用いて、ドーズ量100nC/mmで、線幅8mのY分岐を左右対称に接合した長さ30mmのMZ型の線を描画した。この後、上部クラッドとして10mのPMMA層を積層し、導波路とした。これを光スイッチとするため、フォトリソグラフィによりTi薄膜ヒーターとA電極を試料表面に形成し、波長1.55mにおけるスイッチ特性を評価した。この結果、スイッチング電力は約43.9mW、ON/OFF比は約9.0dBと測定され、これらは従来型の石英系熱光学スイッチに比べ優位なものであった。(2)では、SiO部材への150keV-Siの注入量を510/cmに固定し、75keV-Cの注入量を1, 3, 5, 710/cmと変えた。照射後、大気中、1000Cにおいて25分間のアニールを行い、発光の観測を行った結果、可視域の発光が観測できた。更に、Cイオンの照射量によって、発光ピーク波長がシフトすることから、発光色をイオンの注入量で制御可能であることも明らかになった。