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曽野 浩樹; 小嶋 拓治; 空増 昇*; 高橋 史明
JAERI-Conf 2005-007, p.315 - 320, 2005/08
個人線量計は、放射線事故時における人体への外部被ばくに関する重要な評価を与える。体内線量分布は、個人線量計測の結果から被ばく線量を推定する際に必要となるが、その大部分はコンピュータ解析による評価であり、その解析を検証するための実験データは、特に臨界事故状況下において、十分に供給されていないのが現状である。体内被ばく線量に係る実験データを取得するため、過渡臨界実験装置(TRACY)において、人体模型及び組織等価線量計を用い、臨界事故時線量計測に関する予備実験を行った。人体模型内部の中性子及び線吸収線量は、アラニン線量計及びホウ酸リチウム線量計の組合せ使用により、良好に測定することができた。人体模型内外で測定された線量の放射線レベル及び分布は、空気中で測定された線量との比較により、妥当なものであると考えられる。
曽野 浩樹; 柳澤 宏司*; 大野 秋男*; 小嶋 拓治; 空増 昇*
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(8), p.678 - 687, 2005/08
被引用回数:4 パーセンタイル:30.51(Nuclear Science & Technology)臨界事故時の線放出挙動のさらなる理解及び外部被ばくの正確な評価のためには、線線量の成分分析が不可欠である。その線量成分を、臨界継続中の即発成分,遅発成分及び擬似成分、並びに臨界停止後の残存成分に区分して評価した。この評価は、TRACY施設におけるホウ酸リチウム熱蛍光線量計(TLD)を用いた線量計測実験とモンテカルロ・コードによる解析の組合せにより行った。評価の結果、上記成分の線量割合がTRACYの炉心タンクからの距離によって変化することが確かめられた。その変化は、各成分の炉心タンクからの距離に応じた減衰の差によるものであった。評価された線量割合は、線被ばくの正確な評価のために除外すべき擬似及び残留成分の寄与を定量的に明らかにした。
曽野 浩樹; 柳澤 宏司; 大野 秋男; 小嶋 拓治; 空増 昇*
Nuclear Science and Engineering, 139(2), p.209 - 220, 2001/10
被引用回数:7 パーセンタイル:48.68(Nuclear Science & Technology)臨界事故条件下での人体の中性子及び線吸収線量を評価するために、高分子アラニン線量計とホウ酸リチウムを用いた熱蛍光線量計の二種類の組織等価線量計を10%濃縮硝酸ウラニル水溶液を用いた原研TRACYでの実験に適用した。この実験では、反応度添加条件を変えて五種類の臨界事故模擬実験を行った。高分子アラニン線量計を用いて1.5から1600Gyまでの中性子と線を合わせた吸収線量の測定に成功した。またホウ酸リチウム線量計により1から900Gyまでの線の吸収線量を測定することができた。さらに、反応度添加条件が異なっていても、線量は積分出力に比例することが確認された。ホウ酸リチウムの線に対する感度がアラニンとほぼ同じであるため、中性子線量は複雑な補正なしにアラニン線量計による中性子と線の吸収線量からホウ酸リチウム線量計による線吸収線量を差し引くことにより容易に評価することができた。MCNP4Bを用いた解析結果として、吸収線量の計算値は測定値と95%信頼区間の範囲内で一致し、過渡時の中性子及び線吸収線量の評価に十分適用できることを示した。
曽野 浩樹; 柳澤 宏司; 大野 秋男; 小嶋 拓治; 三好 慶典; 空増 昇*
Proceedings of the ANS International Topical Meeting on Advances in Reactor Physics and Mathematics and Computation into the Next Millennium (PHYSOR2000) (CD-ROM), 9 Pages, 2000/05
商用核燃料再処理工場の安全性評価研究に資するため、原研の過渡臨界実験装置TRACYを用いて、溶液系臨界事故時の線量評価実験を行った。本実験では、燃料に10%濃縮硝酸ウラニル水溶液を用い、反応度添加条件を変えて運転を行った。線量計には、中性子または線に対し、人体筋肉組織とほぼ等価な感度を有するアラニン線量計と四ホウ酸チリウム熱蛍光線量計を用いた。また、連続エネルギーモンテカルロコードMCNP4BとMVPのそれぞれを用い、実験解析計算を行った。線量測定の結果、中性子及び線量とも、反応度添加条件によらず、放出エネルギー(核分裂数)に比例することが確認された。また、その空間分布も変わらないことから、両線量計を用いた臨界事故時被曝線量評価に見通しが得られた。一方、解析計算では、計算値は測定値と30%以内で一致し、両計算コードの妥当性が示された。