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北條 喜一; 北條 智博; 笹島 尚彦*; 白数 訓子; 山下 利之; 湊 和生; 古野 茂実*
AIP Conference Proceedings 680, p.647 - 652, 2003/00
岩石型燃料の母材として注目されている安定化ZrOの照射特性を調べた。核分裂片による照射損傷は、高エネルギー領域で生じる電子励起による損傷と低エネルギー領域で生じる核的衝突による損傷の二種類に大きく分けることができる。この中で、材料の損傷は、核的衝突によるはじき出しが主と考えられている。そこで、原研が開発して、低エネルギーイオン加速器付設高分解能電子顕微鏡を用いて、加速電圧35keVのHeイオンと60keV Xeイオンを室温から650Cに加熱した上記材料に照射し、各温度による損傷形態の違いを明らかにした。その結果、HeイオンとXeイオン照射どちらの照射においても、材料の非晶質化を観察することができず、対照射性が非常に高いことを明らかにした。また、各照射温度での重照射で、1~2nmのHe及びXeのバブルが生じることを明らかにした。また、1200Cの高温焼鈍において、Xeバルブは、大きく成長し数10nmに成長するがHeバブルはシュリンクし、数密度も減少することを電顕その場観察法を用いて明らかにすることができた。この結果安定化ZrOは、岩石型燃料の母材として照射特性上、非常に優れた材料であることがわかった。
笹島 尚彦*; 松井 恒雄*; 古野 茂実*; 北條 喜一; 大津 仁*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 148(1-4), p.745 - 751, 1999/00
被引用回数:36 パーセンタイル:90.67(Instruments & Instrumentation)200KV電顕付設イオン照射装置を用いて、AlOに水素またはHeイオンを照射し照射損傷過程を観察した。水素イオン照射では、673K以下では、照射欠陥及びバブルは均一に分布し、照射量の増加にともない数密度が増加した。923K以上の高温で水素バブルが照射欠陥(ループ)中心部に集中して発生することを初めて見いだした。またHeイオン照射ではすべての照射温度で、照射欠陥及びバブルは均一分布を示した。
北條 喜一; 大津 仁*; 古野 茂実*; 出井 数彦*; 櫛田 浩平; 笹島 尚彦*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 148(1-4), p.720 - 725, 1999/00
被引用回数:4 パーセンタイル:38.46(Instruments & Instrumentation)TiCの照射損傷機構を明らかにするため、水素とヘリウムをそれぞれ単独に又は同時に照射し、その損傷過程を電子顕微鏡内で連続観察した。その結果、室温から高温(1423K)までどの温度領域でも非晶質化は観察されなかった。この実験からTiCが照射損傷に対して非常に安定であることが示された。
北條 喜一; 大津 仁*; 古野 茂実; 櫛田 浩平; 出井 数彦*; 笹島 尚彦*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 141(1-4), p.148 - 153, 1998/00
被引用回数:31 パーセンタイル:89.59(Instruments & Instrumentation)水素とヘリウムイオンをSiC結晶に照射し、その構造変化を400keV電顕でその場観察した。その結果、室温照射では損傷量が約1dpaで完全に非晶化した。また、電顕付設の透過電子エネルギー損失分光装置をもちいて、それぞれの照射量におけるプラズモン損失量を測定した結果、そのピークが低エネルギー側に約1.2eVシフトすることを見出した。
古野 茂実; 笹島 尚彦*; 北條 喜一; 出井 数彦*; 大津 仁*; 松井 恒雄*; 室村 忠純
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 127-128, p.181 - 185, 1997/00
被引用回数:25 パーセンタイル:85.81(Instruments & Instrumentation)岩石型プルトニウム燃料の核分裂片や線による損傷及び熱的安定性を調べるため、候補母材であるアルミナとスピネルを対象に、キセノンやヘリウムイオン照射を行った。さらに照射後、焼鈍を行った。照射によって、バブル形成、非晶質化等が起り、これらによって、材料のスエリング率は0.1%のオーダであった。焼鈍では、アルミナは1000Cから、スピネルは900Cから、バブル成長やブリスタリングが起った。この結果、アルミナがスピネルより、いくぶん高温での安定性に優れていることが判った。
北條 喜一; 大津 仁*; 古野 茂実; 笹島 尚彦*; 出井 数彦*
Journal of Nuclear Materials, 239(1-3), p.279 - 283, 1996/00
被引用回数:14 パーセンタイル:74.24(Materials Science, Multidisciplinary)TiCは低温(~20K)照射において非晶質化し難い物質であるが、水素イオン照射では非晶質化が起る。これは水素とTiやCとの化学結合が再結晶化を妨げているためと考えられる。一方、重水素イオン照射では非晶質化は起こらない。これはトンネル効果による化学反応のし易さが水素と重水素とでは10~100倍異なり、この効果が極低温で現れたものと推論した。
北條 喜一; 古野 茂実; 出井 数彦*; 笹島 尚彦*; 大津 仁*; 松井 恒雄*; 室村 忠純
Microstructures and Functions of Materials (ICMFM 96), 0, p.269 - 272, 1996/00
Pu岩石型燃料開発に必要なデータを取得するために、候補母材の一つであるアルミナを対象に、HeおよびXeイオン照射効果を電顕その場観察で調べた。He照射ではバブルが形成され、Xe照射では非晶質化が起こることを明らかにした。またバブル形成によるスエリングを評価し、0.1%になることを示した。
笹島 尚彦*; 松井 恒雄*; 古野 茂実; 北條 喜一; 大津 仁*; 室村 忠純; 出井 数彦*
Proc. of Int. Conf. on Microstructures and Functions of Materials (ICMFM 96), 0, p.265 - 268, 1996/00
Pu岩石型燃料の核分裂片および粒子による損傷挙動を調べるために、候補母材の一つであるスピネルを対象にHeおよびXeイオン照射を行い、損傷挙動をその場観察で調べた。照射により、バブルが形成され、また非晶質化が生じることを明らかにした。さらにバブル形成によるスエリングを評価し、0.06~0.3%になることを示した。