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筒井 菜緒; 伴 康俊; 鈴木 英哉*; 中瀬 正彦*; 伊藤 紗弓*; 稲葉 優介*; 松村 達郎; 竹下 健二*
Analytical Sciences, 36(2), p.241 - 246, 2020/02
被引用回数:16 パーセンタイル:77.16(Chemistry, Analytical)ランタノイドからのアクチノイドの効果的な分離について調べるため、新規抽出剤テトラドデシル-1,10-フェナントロリン-2,9-ジアミド(TDdPTDA)と3-ニトロベンゾトリフルオリド(F-3),ニトロベンゼン, -ドデカンなど様々な希釈剤並びにAm, Cm及びLnを用いて単段のバッチ試験を行った。抽出速度は実際の抽出フローシートを実行するにあたり十分な速さであった。分配比対TDdPTDA濃度及び分配比対硝酸濃度のグラフの傾きは、F-3系及びニトロベンゼン系では似ていたが、-ドデカン系とは異なっていた。これらの違いは希釈剤の特徴によるものである。この研究ではTDdPTDAが高い 及び を示し、AmのLnに対する分離係数()は分離するのに十分な値であることを明らかにした。
伴 康俊; 鈴木 英哉*; 宝徳 忍; 筒井 菜緒; 津幡 靖宏; 松村 達郎
Solvent Extraction and Ion Exchange, 37(7), p.489 - 499, 2019/11
被引用回数:13 パーセンタイル:53.46(Chemistry, Multidisciplinary)ホットセル内のミキサセトラ抽出器に-ヘキサオクチルニトリロトリアセトアミド(HONTA)を適用し、マイナーアクチノイド(MA: Am及びCm)の分離を目的とした連続向流試験を実施した。高レベル廃液から回収したMA及び希土類(RE)を含有した0.08M(mol/dm)の硝酸をフィード液に使用して14時間の抽出試験を行った。-ドデカンで0.05Mに希釈したHONTAはMAを抽出し、94.9%のAm及び78.9%のCmをMAフラクションに回収した。一方、Y, La及びEuはHONTAにほとんど抽出されず、99.9%のY、99.9%のLa及び96.7%のEuがREフラクションに移行した。Ndは一部がHONTAに抽出され、REフラクションへのNdの移行率は83.5%であった。計算コードを用いて求めた抽出器各段のMA及びREの濃度は実験値とほぼ一致した。この計算コードを用いた試算を行い、分離条件の最適化することでMAのMAフラクションへの移行率及びREのREフラクションへの移行率が99%となる結果を得た。
伴 康俊; 鈴木 英哉; 宝徳 忍; 川崎 倫弘*; 佐川 浩*; 筒井 菜緒; 松村 達郎
Solvent Extraction and Ion Exchange, 37(1), p.27 - 37, 2019/00
被引用回数:19 パーセンタイル:65.65(Chemistry, Multidisciplinary)ホットセル内のミキサセトラ抽出器に-tetradodecyldiglycolamide (TDdDGA)を適用した連続向流試験を行った。マイナアクチノイド(MA: Am及びCm)、希土類(RE: Y, La, Nd及びEu)及び他の核分裂生成物(Sr, Cs, Zr, Mo, Ru, Rh及びPd)を含む硝酸を抽出器に供給した。TDdDGAは供給液中のMA及びREを効果的に抽出する一方、他の核分裂生成物はほとんど抽出しなかった。抽出したMA及びREを0.02mol/dm硝酸で逆抽出し、MA-REフラクションとして回収した。MA-REフラクションにおけるMA及びREの割合はそれぞれ98%及び86%であった。これらの結果からMA及びREの抽出剤としてのTDdDGAの適用性を示した。
筒井 菜緒; 伴 康俊; 佐川 浩; 石井 翔; 松村 達郎
Solvent Extraction and Ion Exchange, 35(6), p.439 - 449, 2017/08
被引用回数:4 パーセンタイル:16.38(Chemistry, Multidisciplinary),-ジ(2-エチルヘキシル)オクタンアミド(DEHOA)による硝酸溶液中のウランに対する単段のバッチ抽出試験を行い、U(VI)の分配比計算式として = 1.1を導出した。硝酸の分配についても評価を行い、分配比計算式として = 0.12を得た。さらに、DEHOAのU(VI)抽出の時間依存性及びU(VI)負荷容量評価のためのバッチ試験も行った。DEHOAによるU(VI)抽出は数分以内に抽出平衡に達し、DEHOAと硝酸の濃度がそれぞれ1.5及び3Mのときの負荷容量は0.71Mであった。
伴 康俊; 宝徳 忍; 筒井 菜緒; 鈴木 明日香; 津幡 靖宏; 松村 達郎
Procedia Chemistry, 21, p.156 - 161, 2016/12
被引用回数:5 パーセンタイル:94.49-ジアルキルアミドを用いたU及びPu回収プロセスの妥当性を示すための連続抽出試験を実施した。このプロセスは-(2-エチルヘキシル)-2,2-ジメチルプロパンアミドを抽出剤に用いた第1サイクル及び-ジ(2-エチルヘキシル)ブタンアミドを抽出剤に用いた第2サイクルから構成されている。第1サイクルへの供給液は0.92M(mol/dm)のU、1.6mMのPu及び0.6mMのNpを含んだ5.1M硝酸であり、第1サイクルの抽残液を第2サイクルの供給液として使用した。UのUフラクション及びU-Puフラクションへの移行率はそれぞれ99.1%及び0.8%であり、PuのU-Puフラクションへの移行率は99.7%であった。U-PuフラクションにおけるUのPuに対する濃度比は9であり、Puは単離されていない。また、UフラクションにおけるUのPuに対する除染係数として4.510を得た。これらの結果は本プロセスの妥当性を支持するものである。
伴 康俊; 宝徳 忍; 筒井 菜緒; 鈴木 明日香; 松村 達郎
Proceedings of 5th International Conference on Asian Nuclear Prospects 2016 (ANUP 2016) (CD-ROM), 2 Pages, 2016/10
-ジ(2-エチルヘキシル)-2,2-ジメチルプロパンアミド(DEHDMPA)をウランの抽出剤に用いて、ホットセル内に設置したミキサセトラ抽出器による連続抽出試験を行った。DEHDMPAは硝酸中のウランを効果的に抽出し、99.6%のウランをウランフラクションに回収する試験結果を得た。
筒井 菜緒; 伴 康俊; 佐川 浩; 石井 翔; 松村 達郎
Proceedings of 5th International Conference on Asian Nuclear Prospects 2016 (ANUP 2016) (CD-ROM), 2 Pages, 2016/10
単段バッチ法により,-ジ(2-エチルヘキシル)オクタンアミド(DEHOA)の硝酸中のウランに対する抽出特性を調べた。硝酸イオン濃度が2.0-3.0mol/dmのとき、DEHOAがウランを効率的に抽出するという実験結果を得た。
鈴木 明日香; 宝徳 忍; 伴 康俊; 筒井 菜緒; 津幡 靖宏; 松村 達郎
Proceedings of 5th International Conference on Asian Nuclear Prospects 2016 (ANUP 2016) (CD-ROM), 2 Pages, 2016/10
日本原子力研究開発機構では、燃料サイクル安全工学研究施設 バックエンド研究施設(NUCEF-BECKY)において使用済燃料の湿式分離プロセスの開発に向けて、幅広い研究開発を行っている。BECKYには3つのホットセル、複数のグローブボックス、ヒュームフードがあり、プロセスセルと呼ばれるホットセルにはU,P,その他の使用済燃料物質を用いたベンチスケールの試験設備が設置されている。本報告では、プロセスセル内の湿式分離プロセス試験設備について説明する。
筒井 菜緒; 伴 康俊; 袴塚 保之; 松村 達郎
Separation Science and Technology, 51(6), p.961 - 967, 2016/02
被引用回数:1 パーセンタイル:4.82(Chemistry, Multidisciplinary)濁度測定を用いて-ドデカンで希釈した,-ジ(2-エチルヘキシル)ブタンアミド(DEHBA)及びリン酸トリブチル(TBP)と硝酸中の硝酸ウラニル溶液の二相分離の定量評価を行った。DEHBAの濁度は高い硝酸濃度において比較的高かった一方、TBPの濁度は硝酸濃度に関わらず速やかに減少した。高濃度のDEHBA、硝酸、ウランは有機相中の濁度を増加させるが、これは粘度の増加に起因すると考えられる。ウランの分配比測定からは、ある一定値以下では濁度はウラン分配比に影響を与えないことが示唆された。
伴 康俊; 宝徳 忍; 筒井 菜緒; 津幡 靖宏; 松村 達郎
Solvent Extraction and Ion Exchange, 34(1), p.37 - 47, 2016/01
被引用回数:8 パーセンタイル:29.66(Chemistry, Multidisciplinary)-ジ(2-エチルヘキシル)-2,2-ジメチルプロパンアミド(DEHDMPA)及び-ジ(2-エチルヘキシル)ブタンアミド(DEHBA)のNp(V)及びNp(VI)に対する抽出特性の硝酸イオン濃度依存性をバッチ法にて調査した。DEHDMPA及びDEHBAのNp(VI)に対する分配比は硝酸イオン濃度が3mol/Lより高い条件において1を上回った。Np(V)はDEHDMPA及びDEHBAにほとんど抽出されず、それぞれの抽出剤が示した分配比の最大値は0.4及び0.2であった。連続抽出プロセスにおけるNpの挙動を把握するため、DEHDMPA及びDEHBAのそれぞれを抽出剤に用いた2サイクルプロセスの試験を行った。フィード液中のNpのUフラクション及びU-Puフラクションへの回収率は63.7%及び29.1%であり、第1サイクル試験の終了後にNp(V)からNp(IV)あるいはNp(VI)への原子価変化の進行を示唆する結果を得た。UのUフラクションへの回収率は99.9%、PuのU-Puフラクションへの回収率は99.8%であり、U及びPuの回収率に対するNpの悪影響は見られなかった。
伴 康俊; 宝徳 忍; 津幡 靖宏; 筒井 菜緒; 松村 達郎
Proceedings of 21st International Conference & Exhibition; Nuclear Fuel Cycle for a Low-Carbon Future (GLOBAL 2015) (USB Flash Drive), p.1147 - 1152, 2015/09
-ジ(2-エチルヘキシル)-2,2-ジメチルプロパンアミド(DEHDMPA)、-ジ(2-エチルヘキシル)ブタンアミド(DEHBA)及びこれらの劣化生成物のZr, Mo, Ru, Rh, Pd及びUに対する一段のバッチ抽出試験を行い、劣化生成物はいずれの金属元素も抽出しない結果を得た。さらに、連続向流プロセスにおけるDEHDMPA及びDEHBAのU及びPuに対する分離能力を計算コードで評価すると共に、UフラクションにおけるU及びU-PuフラクションにおけるU及びPuの濃度の実験値と計算値がほぼ同じ値を示すことを確認した。これらの結果は分離プロセスにおける抽出剤としてのDEHDMPA及びDEHBAの適用性、並びにプロセスの分離能力の評価における計算コードの有用性を支持している。
筒井 菜緒; 伴 康俊; 袴塚 保之; ト部 峻一; 松村 達郎
Proceedings of 21st International Conference & Exhibition; Nuclear Fuel Cycle for a Low-Carbon Future (GLOBAL 2015) (USB Flash Drive), p.1153 - 1157, 2015/09
,-ジアルキルアミドは使用済燃料の湿式再処理に用いられているリン酸トリブチルの代替抽出剤として有望であるが、有機相と水相の二相分離の定量的評価はまだなされていない。本研究では、濁度測定を用いてその定量的評価を行った。ドデカンで希釈した,-ジ(2-エチルヘキシル)-2,2-ジメチルプロパンアミド(DEHDMPA)と硝酸ウラニルを含む硝酸溶液をよく撹拌し、濁度及びウランの分配比の測定を行った。DEHDMPA、ウラン及び硝酸濃度の増加に伴い有機相中の濁度は増加した。濁度は時間の経過に伴い減少したが、ウランの分配比の変化はわずかであり、観測された濁度はウラン分配比に大きな影響を与えないことが示された。これらの結果は、二相分離の観点からDEHDMPAは硝酸中のウラン抽出剤として機能し得ること、及び濁度が抽出挙動評価の指針の一つになり得ることを示している。
伴 康俊; 宝徳 忍; 津幡 靖宏; 筒井 菜緒; 松村 達郎
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 22(1), p.47 - 55, 2015/00
-ジアルキルアミドの劣化物の存在下における、-ジアルキルアミドのウラン(U)及びプルトニウム(Pu)に対する抽出特性を評価するため、ミキサセトラを用いた2サイクルの連続抽出試験を行った。第1サイクルでは、U(VI)を選択的に抽出する-ジ(2-エチルヘキシル)-2,2-ジメチルプロパンアミド(DEHDMPA)を使用し、第2サイクルではU(VI)とPu(IV)を共抽出する-ジ(2-エチルヘキシル)ブタンアミド(DEHBA)を使用した。なお、各サイクルの有機相にDEHDMPA及びDEHBAの放射線分解で生成する劣化物を添加した。DEHDMPAは効果的にUを抽出し、ウランフラクションへのUの回収率として99.57を得た。一方、PuはDEHDMPAにほとんど抽出されず、ウランフラクションにおけるUのPuに対する除染係数として1.110を得た。第1サイクルで得たラフィネートを第2サイクルのフィード液として使用し、第1サイクルで回収されなかったU及びほぼ全てのPuを効果的にDEHBAで抽出した。DEHDMPA及びDEHBAの劣化物は二相分離及びミキサセトラの運転に悪影響を及ぼさなかった。
伴 康俊; 袴塚 保之; 筒井 菜緒; ト部 峻一; 萩谷 弘通; 松村 達郎
Radiochimica Acta, 102(9), p.775 - 780, 2014/09
被引用回数:5 パーセンタイル:37.17(Chemistry, Inorganic & Nuclear)加熱した3mol/dm硝酸中におけるNpの吸光スペクトルを光路長1cmのウォータージャケット付き分光セルで測定し、Np(VI)のモル吸光係数()を種々の温度で求めた。は温度の上昇と共に減少し、の温度依存性を表す式として=-0.14+85.5 (は温度)を得た。加熱した3mol/dm硝酸中におけるNp(V)のNp(VI)への酸化を上述の分光セルで観察し、Np(V)の酸化はNp(V)の濃度に対する疑一次反応として進行することを示した。さらに、336-362KにおけるNp(V)の酸化反応速度式として-d[Np(V)]/dt=2.210exp[-6510/()][Np(V)] (及び[Np(V)]は気体定数及び時間における[Np(V)]の濃度)を導出した。
筒井 菜緒; 袴塚 保之; 伴 康俊
no journal, ,
,-ジアルキルアミド(モノアミド)は湿式再処理プロセスの開発において、PUREX法で用いられているリン酸-n-トリブチル(TBP)の代替抽出剤として提案されているが、これまで、硝酸とモノアミドとの二相分離の定量評価は行われていない。本研究では、濁度分析を用いてドデカンで希釈されたモノアミド(,-ジ(2-エチルヘキシル)ブタンアミド(DEHBA)及び,-ジ(2-エチルヘキシル)2,2-ジメチルプロパンアミド(DEHDMPA))と硝酸との二相分離特性を調べた。また、TBP-硝酸系の濁度も比較のため測定した。TBPの場合、硝酸濃度にかかわらず二相は速やかに分離した。DEHBAの場合、硝酸濃度が高いほど二相の分離は時間がかかった。DEHDMPA-硝酸系は、TBP-硝酸系やDEHBA-硝酸系に比べて相の分離に比較的長時間かかったが、分離時間は硝酸濃度によらなかった。
筒井 菜緒; 伴 康俊; 袴塚 保之; 松村 達郎
no journal, ,
,-ジアルキルアミド(モノアミド)は湿式再処理プロセスの開発において、PUREX法で用いられているりん酸トリ--ブチルの代替抽出剤として提案されている。しかし、溶媒抽出プロセスを構築する上で重要である、硝酸との二相分離についての定量評価はこれまで行われていない。本研究では、ドデカンで希釈されたモノアミドと硝酸との二相系における撹拌混合後の濁度測定を行い、二相分離特性を調べた。得られた結果から、モノアミド-硝酸系の二相分離は急速に分相する段階と緩やかに分相する段階の二つに分類されること、モノアミド濃度が大きくなるにつれ分相にかかる時間が長くなることが示された。以上の結果から二相分離特性の定量評価手法として濁度測定が有用であることが示唆された。
筒井 菜緒; 伴 康俊; 袴塚 保之; ト部 峻一; 松村 達郎
no journal, ,
,-ジアルキルアミド(モノアミド)は湿式再処理プロセスの開発において、PUREX法で用いられているリン酸トリ--ブチル(TBP)の代替抽出剤として提案されているが、これまで、硝酸とモノアミドとの二相分離の定量評価は行われていない。本研究では、モノアミドの一種である,-ジ(2-エチルヘキシル)ブタンアミド(DEHBA)とウランを含む硝酸との混合溶液の振とう後の濁度測定及び振とう後の静置時間をパラメータとした分配比の測定を行い、濁度と分配比との相関関係を調べた。初期水相ウラン濃度700mMでの振とう終了3分後の濁度の値は1000FTU以上であり、このときのウランの分配比は1.7であった。6分後の濁度は363FTUと減少したのに対し、分配比は2.2と大きくなった。6分以後は濁度の値は緩やかに減少したが、分配比はほとんど変化しなかった。発表ではその相関関係について述べる。
津幡 靖宏; 朝倉 俊英; 筒井 菜緒; 伴 康俊; 宝徳 忍; 松村 達郎; 森田 泰治; 本間 俊司*
no journal, ,
使用済燃料の再処理と関連化学に関する基盤データを収集し、新たに「再処理プロセス・化学ハンドブック第3版」としてまとめた。このハンドブックの目的は今後想定される高燃焼度ウラン燃料, MOX燃料の利用とそのリサイクル、さらにはマイナーアクチノイド等の分離回収のための研究開発と課題解決への寄与である。作業にあたって国内の大学、企業、機構の有識者からなる再処理プロセス・化学ハンドブック検討委員会を組織し、活発な意見交換を行いながら文献調査、執筆と査読を進めた。本セミナーではハンドブック改訂のねらい、改訂ポイントの概要についてポスター発表にて紹介する。
松村 達郎; 伴 康俊; 鈴木 英哉; 津幡 靖宏; 宝徳 忍; 筒井 菜緒; 鈴木 明日香
no journal, ,
原子力機構では、廃棄物の減容化、低減化を目指し、CHON原則に合致した抽出剤による再処理及びマイナーアクチノイド(MA)の分離プロセスの開発を進めている。新規な抽出剤は、分子構造にリンなどの固体廃棄物となる元素を含まず、再処理及びMA分離の各分離プロセスに適切な分離性能を有するものを開発した。これらの抽出剤による分離プロセスは、ミキサセトラ型多段抽出器を用いて模擬廃液及び実液による向流多段抽出試験を実施し、その分離性能を確認している。本発表では、これらの開発の現状を紹介する。
松村 達郎; 伴 康俊; 鈴木 英哉; 津幡 靖宏; 樋川 智洋; 筒井 菜緒; 宝徳 忍; 鈴木 明日香
no journal, ,
分離変換技術の開発では、高レベル廃棄物の処分に係る負担の軽減化を目的として、長寿命核種を分離し核変換することによって短半減期化することを目指している。このためには、高レベル放射性廃液(HLW)中から特に寿命が長く放射能毒性の高いマイナーアクチノイド(MA)を分離するプロセスの実現が必要である。長寿命のMAのうちNpは再処理プロセスにおいてU, Puと共に回収し、Amを高レベル廃液から分離する。再処理後のHLWは、極めて高い放射能濃度を有する多成分の高硝酸濃度溶液であることから、3段階の分離操作によってAmの分離を達成する構成とした。このMA分離プロセスでは、まずMA・RE一括回収プロセスにおいてAn(III)をREと共に回収しHLWから99.9%のAn(III)を回収する。次のMA/RE相互分離プロセスにおいてAn(III)とREを相互に分離することで大量に存在し燃料製造時の妨害となるREを除去し、最後のAm/Cm分離プロセスにおいて半減期が短く発熱性であるCmを分離して核変換システムに供給可能な組成のAmを得る。各分離操作は、MAトレーサーを含む模擬廃液をフィード液としたフローシート試験によって性能を確認し、さらに上流側であるMA・RE一括回収プロセスから実廃液試験を実施中である。発表では、各プロセスの開発の詳細について、実施中である実廃液試験の結果を含めて紹介する。