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小関 隆久; 米川 出*
プラズマ・核融合学会誌, 89(7), p.487 - 491, 2013/07
日欧共同の幅広いアプローチ(BA)活動の一つの事業としてITER遠隔実験センター事業がある。この事業の目的は、ITERへの遠隔実験を実現するため、技術的課題の検討や開発を行いつつ、原子力機構青森研究開発センターにITER遠隔実験センターを構築し、JT-60SAやEUの現存するトカマク装置等を用いて、遠隔実験を実証することにある。この事業では、(1)遠隔地のユーザがオンサイトの実験室と同等の環境で効率的な遠隔実験を行えるシステムの開発、(2)実験計測データ量の巨大化に対応した効率的大量データ転送及び日本におけるITERデータストレージとしてのデータ保存、(3)遠隔地におけるリアルタイムなデータ参照を可能とするシステム及びデータ解析ソフトの開発、(4)プラズマシミュレーションと実験との融合を図り、より効率的な実験のプラズマ性能予測と実験結果の解明、等を活動のスコープとして挙げている。また、ITERにおける遠隔実験に向けた制御システムCODAC及びデータアクセスについての準備状況を報告する。
山本 剛史; 米川 出*; 太田 和也*; 細山 博己*; 橋本 慰登*; Wallander, A.*; Winter, A.*; 杉江 達夫; 草間 義紀; 河野 康則; et al.
Fusion Engineering and Design, 87(12), p.2016 - 2019, 2012/12
被引用回数:2 パーセンタイル:17.8(Nuclear Science & Technology)パルススケジューリングシステムは、ITERのプラズマ運転に必要なパラメータの設定及び管理・承認を行うためのシステムである。JT-60Uなどの運転経験をもとに、ITERのプラズマ運転に対する要求を分析し、必要な機能の設計を行った。ITERで要求される、パラメータの変更や再利用に柔軟に対応できるシステムを設計することができた。また、パラメータ間の合理性を検査する機能及び入力値を自動計算して設定する機能など、オペレーターを支援する機能を提案した。
北澤 真一; 岡山 克己*; 閨谷 譲; Sagot, F.*; Van Houtte, D.*; Abadie, L.*; 米川 出*; Wallander, A.*; Klotz, W.-D.*
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1510 - 1513, 2012/08
被引用回数:8 パーセンタイル:52.49(Nuclear Science & Technology)ITERプロジェクトでは、機器の設計と運転及び保守の準備の指針となる技術的リスク管理に、信頼性・可用性・保守性・検査性(RAMI)手法が用いられている。プラント制御システムであるITER CODACシステムの概念設計の段階でのRAMI解析を行った。ボトムアップ手法を用いた機能分析により、5つの主要機能と下位機能に分析した。次に、リスクの緩和対策を行うために、故障モード・影響及び致命度解析を行った。また、致命度マトリックスを用いた解析により、故障の発生頻度と可用性に与える影響からさまざまな故障モードのリスクの評価を行った。ここで特に影響が大きいと分析されたリスクは、データ保存用ハードウェアや制御用ソフトウェアであった。さらに、与えられた運転条件の下でそれぞれの機能の信頼性と可用性を行うために信頼性ブロック図を作成した。計算により、是正を行った後のプラズマ実験に必要不可欠な機能の固有の可用性は、プロジェクト要求値98.8%より高い99.2%と計算された。さらなるリスクレベルの低減のために、設計・試験・操作手順・保守要件の事項を提案した。
米川 出; 末岡 通治; 細山 博己*; 川俣 陽一; 鈴木 隆博; 栗原 研一
Fusion Engineering and Design, 81(15-17), p.1897 - 1903, 2006/07
被引用回数:2 パーセンタイル:17.18(Nuclear Science & Technology)高ベータプラズマの不安定性を回避する手段としてプラズマ電流分布の実時間制御の導入が実施され始めている。実時間分布制御における全体の処理時間は、入力信号であるMSE計測,プラズマ位置,形状を算出するシステム及び分布制御計算機での演算処理時間とプラズマ制御系内のデータ通信を含めても十ミリ秒程度でなければならない。一方、位置(R,Z)と時間の関数となる分布量データは、データサイズが大きいことから、転送時間の短縮や保存容量の最小化を図ることが必要である。プラズマ規格化小半径(r)を導入して位置の次元を1つ減らし、(j(t),(t))の2次元時系列データとすることによりデータ量の縮小を図った。さらにの刻みを固定化することで、従来と同じ1次元時系列データとして取り扱うことが可能となり、放電条件設定等のマンマシンインターフェースを利用することができる。この報告では分布量制御における3次元時系列データの簡略取り扱い法についてその技術的な事項をハードウエア構成とともに述べることとする。
栗原 研一; 米川 出; 川俣 陽一; 末岡 通治; 細山 博己*; 坂田 信也; 大島 貴幸; 佐藤 稔; 清野 公広; 小関 隆久
Fusion Engineering and Design, 81(15-17), p.1729 - 1734, 2006/07
被引用回数:13 パーセンタイル:65.83(Nuclear Science & Technology)トカマク型磁気核融合研究は、国際熱核融合実験炉ITERの国際共同建設へと一歩前に進もうとしている中、JT-60を含む既存のトカマク型実験装置は、ITERや将来の核融合発電炉に向け、さらなる先進的運転シナリオの探求を行うことが期待されている。このような状況の中、以下に示す実験上の課題がJT-60において十分検討あるいは克服されなければならないことがわかる。すなわち、高性能のプラズマを定常に維持する方法やほぼ完全にプラズマの不安定性を回避する方法を明確にするという課題である。これを動機としてJT-60では、プラズマ実時間制御及び計測データ収集系のソフトウエアからハードウエアに渡る大規模改造を実施してきた。特に、先進的運転シナリオの探求に不可欠な開発が実施され、一部は既に完成している。これらの開発では、高速ボード計算機を大容量のリフレクティブメモリーを用いたネットワークに接続するという方式を採用した。以上の制御・計測データ収集系開発の結果報告に加えて、これまで20年間に及ぶJT-60を用いたトカマクプラズマ実験運転の経験を踏まえて、核融合発電炉を視野に入れた将来のプラズマ制御・計測データ収集システム構想を試みる。
竹永 秀信; 三浦 幸俊; 久保 博孝; 坂本 宜照; 平塚 一; 市毛 尚志; 米川 出*; 川俣 陽一; 飯尾 俊二*; 坂本 隆一*; et al.
Fusion Science and Technology, 50(1), p.76 - 83, 2006/07
被引用回数:4 パーセンタイル:30.68(Nuclear Science & Technology)JT-60Uにおいて、自律性が強い燃焼プラズマの制御性を明らかにするために、自己加熱模擬用と外部加熱模擬用の2つのNBグループを用いた核燃焼模擬実験を行った。自己加熱模擬用では、実時間制御システムを用いてDD反応による中性子発生率に比例して加熱パワーを入射した。外部加熱模擬用では、蓄積エネルギー帰還制御を自己加熱模擬と同時に適用可能なように制御系を改良した。ELMy Hモードプラズマに、外部加熱模擬用NBパワー一定の下で自己加熱模擬を適用した場合には、自己加熱模擬用の比例定数を大きくすることにより、中性子発生率と加熱パワーの増加ループが発生し、蓄積エネルギーも増加した。蓄積エネルギー帰還制御を自己加熱模擬と同時に適用した場合には、自己加熱模擬用NBパワーが増加しても、蓄積エネルギー帰還制御により外部加熱模擬用NBパワーが減少し、蓄積エネルギーは一定に制御された。0次元モデル計算により、自己加熱模擬用の比例定数を大きくすることは閉じ込め性能が高くなった場合を模擬していることを示した。また、同計算により、蓄積エネルギー帰還制御を行った場合、Q=5では十分な制御性が確保されているが、Q=30では制御性が小さいことが示された。このことは、実験結果と矛盾しない。
栗原 研一; 川俣 陽一; 末岡 通治; 細山 博己*; 米川 出; 鈴木 隆博; 及川 聡洋; 井手 俊介; JT-60チーム
Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.527 - 536, 2005/11
被引用回数:11 パーセンタイル:59.93(Nuclear Science & Technology)トカマク型核融合研究は、実験炉ITERを国際協力で製作する段階へと一歩踏み出そうとしている中で、JT-60を含む既存のトカマク装置は、さらなる先進的運転シナリオを求めて実験探究することが期待されている。そのようなシナリオをJT-60のプラズマ実験で検証するために、プラズマ平衡状態を把握する基本的な方法群を、ITERへの応用も視野にいれつつ開発して来ている。一部は既に完成しているが、以下の課題も残っている。すなわち、(1)実時間かつ高精度でプラズマ断面全体像を再構築する機能(プラズマ全電流や磁気軸なども含む)。(2)構造物に流れる渦電流も考慮する機能。(3)断面内のプラズマ電流分布も実時間で制度よく再構築する機能。(4)DT燃焼時には、プラズマ近傍には耐放射線性に優れたピックアップコイルセンサーを設置し信号積分して磁場に変換する。同時に遠方には耐放射線性に劣る絶対磁場計測センサーを配置し、遠方定常センサーで近傍センサー用積分器を時折補正することになるが、その補正演算機能。以上4項目である。シンポジウムでは、これらの方法をJT-60における実験結果やITER体系での計算とともに示す。また、それらの議論に基づき、ITERや核融合発電実証プラントにおけるプラズマ平衡制御の未来像についての予想を試みる。
清水 明; 大橋 弘史; 加藤 道雄; 林 光二; 会田 秀樹; 西原 哲夫; 稲葉 良知; 高田 昌二; 森崎 徳浩; 榊 明裕*; et al.
JAERI-Tech 2005-031, 174 Pages, 2005/06
従来、高温ガス炉と水素製造設備を接続するためのシステムインテグレーション技術の確立を目的として、HTTRへメタンガスの水蒸気改質による水素製造設備の接続が検討されて来た。その水素製造設備のモックアップモデルである実規模単一反応管試験装置を2001年度に完成し、これまでに水蒸気改質器をはじめ、各種の熱交換器に関する運転データを取得した。本報告では試験装置の水蒸気改質器,蒸気過熱器,蒸気発生器,放熱器,ヘリウムガス冷却器,原料ガス加熱器,原料ガス過熱器等、試験に使用した熱交換器の仕様と構造,文献に掲載された管外と管内の熱伝達率算出式を摘出整理した。また、試験において実測された各熱交換器の出入口温度,圧力,流量のデータから伝熱性能を評価するコードを新規作成した。実測データから得られた熱貫流率と、伝熱式を使って計算した熱貫流率とを比較し評価した。その結果、全機器において伝熱性能と熱効率が妥当であることが確認できた。
榊 明裕*; 加藤 道雄; 林 光二; 藤崎 勝夫*; 会田 秀樹; 大橋 弘史; 高田 昌二; 清水 明; 森崎 徳浩; 前田 幸政; et al.
JAERI-Tech 2005-023, 72 Pages, 2005/04
水素製造システムと高温ガス炉の接続技術の確立のため、水蒸気改質法によるHTTR水素製造システム実規模単一反応管試験装置を平成13年度に製作し、同年度に機能試験運転を実施した。引き続き、平成13年度から16年度まで7回の試験運転を実施した。運転期間中に発生した不具合については、その都度、原因の究明,対策案による試験装置の改善を行い、試験を続行してきた。これにより、各種試験を行い、所定の目的を達成した。本報告は、平成13年から平成16年までに実施した試験装置の改善項目について記述したものである。
末岡 通治; 細山 博己*; 鈴木 隆博; 米川 出; 栗原 研一
平成16年度大阪大学総合技術研究会報告集(CD-ROM), 4 Pages, 2005/03
JT-60では、これまでプラズマ位置・形状などの平衡制御,中性子発生率・プラズマ電子温度・プラズマ電子密度などの粒子供給・加熱制御と、さまざまな実時間制御を実施してきたが、それに加えて新たにプラズマ内部の電流分布を実時間で制御する実験を実施することとなった。この制御を実現するためには、これまでの1次元時系列データ(制御量)とは異なり、(位置(r,z),制御量)といった分布量プレプログラム(3次元時系列)のデータ設定が大量に必要となる。このデータは、設定が複雑であるばかりか、他のパラメータとの相互関係も重要となり、放電条件を設定する者にとって大きな負担となる。そこで、これらの問題を解決するために、専用のGUI(Graphical User Interface)を開発した。このGUIは、電流分布の表現形式に規格化量を導入することなどで次元を減らし、3次元時系列データを複数の1次元時系列データとして設定するという工夫をはじめ、画面設計の試行錯誤を経て、昨年実験での供用を開始し、既にフィードバック制御実験としての結果を得る段階まで到達した。本報告では、この全く新しいGUI構築の技術的特徴について詳細に述べるとともに、課題の摘出を行う。
赤坂 博美; 高野 正二*; 川俣 陽一; 米川 出
平成16年度大阪大学総合技術研究会報告集(CD-ROM), 4 Pages, 2005/03
トカマク型核融合試験装置JT-60のタイミングシステム(TS)には、先進プラズマ制御のためのタイミング信号の追加,変更に即応するため高い柔軟性,拡張性が求められている。また当然新規製作時の経済性も重要である。しかし、既存システムにおける改造作業は配線の組み換え,CAMACモジュールの追加及びこれに対応したソフトウェアの変更等があり、必ずしも柔軟性,拡張性があるとは言えない。さらにCAMACモジュールの価格は高価である。これらを考慮して、現在のCAMACモジュールを中心とするハードウェア型駆動方式のTSに代わってソフトウエア型駆動方式を特徴とするVMEバスモジュールで構成する新TSのプロトタイプを開発した。具体的には制御ロジックを市販のソフトウェアで作成できること,タイミング信号伝送に光ネットワークを利用していることが大きな特徴である。現在、このプロトタイプシステムに改良を加えて実システムへの適用を検討している。本発表では、新TSのシステム構成,プロトタイプシステムから実システムに組み込む場合のタイミング信号伝送時間の改善策及び更新計画について報告する。
川俣 陽一; 米川 出; 栗原 研一
平成16年度大阪大学総合技術研究会報告集(CD-ROM), 4 Pages, 2005/03
トカマク型装核融合置特有の現象としてプラズマ不安定性発生時、磁場の急激な変動で磁場センサーにパルス的高電圧が誘起され積分計測結果に「飛び」として誤差が発生する。この高電圧への対策として、想定される最高電圧を増幅器の測定レンジ内に留める充分な電圧減衰回路(アッテネータ)を前段に入れた入力チャンネルを、通常レンジのチャンネルとともに並列に常時信号入力を行う多入力電圧レンジ一体型方式の積分器を開発した。低電圧側レンジのチャンネルには、過電圧を短絡する回路を設けることで高電圧発生時にはダイナミックに回路構成が変化し、低電圧レンジから高電圧レンジまで連続で積分可能なように設計した。この積分器をJT-60のプラズマ実験放電で使用したところ、開始当初は設計通り過電圧による「飛び」を解消していたが、プラズマ不安定性による高電圧入力の繰り返しで「飛び」の解消が不安定となった。この原因は、過電圧短絡回路に使用している半導体素子が、高電圧時の過電流の繰り返しにより特性が変化したことによるものと推定した。試験結果の解析や検討をもとに、次のステップとして、高電圧信号を繰り返し入力しても動作特性の変化が無い過電圧短絡回路の開発を対策方針とした。ここでは、開発中の大容量過電圧短絡回路付きの積分器開発について報告する。
米川 出; 川俣 陽一; 戸塚 俊之; 赤坂 博美; 末岡 通治; 吉田 英俊
Fusion Engineering and Design, 71(1-4), p.11 - 15, 2004/06
被引用回数:5 パーセンタイル:35.25(Nuclear Science & Technology)UNIXを基本としたワークステーションとVME-busシステムから構成されるJT-60制御系は1991年の改造以来、先進プラズマ制御実験をはじめとする数々のプラズマ実験において重要な役割を果たしてきた。JT-60の制御系を統括する全系制御設備は、旧式の制御用計算機とCAMACシステムで構成されていたが、上記の改造により、プラズマ制御系は0.25ミリ秒の超高速でプラズマの位置形状同定,制御,表示を行っている。またJT-60を構成する各設備の制御系も全系制御設備と同様に旧式の制御系からワークステーションとVME-busシステムという組合せを基本としたシステムへの改造を逐次、進めている。現在、JT-60は、放電時間の伸長作業と同時に制御系の改良・開発が行われている。これまでの制御系の開発・改造と、現在行われている改造・開発計画について、その概要を報告する。
赤坂 博美; 川俣 陽一; 米川 出
Fusion Engineering and Design, 71(1-4), p.29 - 34, 2004/06
被引用回数:2 パーセンタイル:17.18(Nuclear Science & Technology)JT-60のタイミングシステム(TS)はCAMAC規格のモジュールから構成され、JT-60実験運転において放電シーケンスを実行する際に、各種計測・制御機器の動作に必要なタイミング信号の送受信を司どっている。このTSは先進プラズマ制御のためのタイミング信号の追加,変更に即応するため柔軟性,拡張性が高いことが求められている。また経済性も重要な要素である。これらを考慮してTSを全く根本から見直し、現市販のハードウェアを用いて設計・検討を行いその機能検証のためにプロトタイプシステムの開発を行った。新TSはVMEバスシステムで構成し、TSの機能変更や信号追加は従来の配線換えからソフトウェアの変更で対応できるようにし、制御ロジックの作成ツールとして市販のMATLABを採用した。このロジックの実行はデジタルシグナルプロセッサ(DSP)によってなされタイミング信号を出力する方式である。本プロトタイプシステムの動作結果を示し、将来の実機への適用を展望する。
高野 正二*; 戸塚 俊之; 米川 出
KEK Proceedings 2003-16 (CD-ROM), 4 Pages, 2004/02
トカマク型核融合試験装置JT-60の運転においては、受電電力量やトロイダル磁場コイル絶縁材の最高許容温度の制約があり、運転員の監視業務の負担となっていた。その状況を改善し実験の効率化を図るために制約条件を計算機に組み入れた放電周期管理を行い、最短周期で実験運転を実施して来た。昨年、プラズマ放電時間を15秒から65秒に延伸する改造に伴い、プラズマを生成,制御するためのポロイダル磁場コイル電源では、設計限界値に近い熱負荷で運転を実施することになり、装置保全上、放電周期管理をより強化することが要請された。そこで、新たにポロイダル磁場コイル導体及び電源の熱負荷の制約条件を加えた放電周期管理機能を開発したので、本機能の概要,開発結果について報告する。
及川 聡洋; 土屋 勝彦; 栗原 研一; 川俣 陽一; 福田 武司*; 藤田 隆明; 赤坂 博美; 米川 出; 閨谷 譲
JAERI-Research 2003-027, 19 Pages, 2003/12
JT-60UにおいてMHD安定性制御を目的としてプラズマ蓄積エネルギーの実時間帰還制御を開発した。プラズマ蓄積エネルギー検出に統計処理法を用いることにより、JT-60Uの幅広いプラズマパラメータ領域におけるオーミックモード,Lモード,Hモード,高ポロイダルモード,負磁気シアモードといったさまざまな閉じ込めモードに対して単一の統計処理係数セットで蓄積エネルギーの高精度実時間検出が可能となった。NB入射電力の調節により蓄積エネルギーの実績値をプレプログラムされた参照波形に正確に追従させることに成功した。負磁気シアモードにおいては内部輸送障壁形成の再現性が向上し、規格化ベータ値を安定領域に維持することでMHD安定性を制御することができる。これにより、負磁気シアモードにおいてDT換算核融合増倍率0.5を0.8秒間維持することに成功した。
米川 出
日本原子力学会誌, 45(10), p.650 - 651, 2003/10
アメリカ,カリフォルニア州,サンディエゴで2003年7月21日から23日の3日間にわたって開催された「第4回IAEA核融合研究における制御,データ収集及び遠隔実験参加に関する技術会合」の概要を会議報告として紹介したものである。
赤坂 博美; 川俣 陽一; 米川 出
平成14年度東京大学総合技術研究会技術報告集, p.356 - 358, 2003/03
トカマク型核融合試験装置JT-60において全系制御設備のタイミングシステム(TS)は、プラズマの生成、維持、さらにその消滅に至る一連の放電シーケンスを実行するための時間基準を発信するシステムとして重要な役割を果たしている。TSは機器の動作のための同期信号を出力し、さらに放電制御系,プラズマ制御系の制御機器に対して、プラズマ放電の基準時刻,プラズマ制御停止信号等を発信する。現在のTSのハードウェアは、種々の機能を有する専用のCAMACモジュールから構成されている。CAMACモジュールは老朽化により保守が困難になっていることや、モジュールの組み合わせの制限によりシステムの拡張性に乏しいことが問題となっている。そこで、TSを抜本的に更新しシステムに柔軟性及び拡張性を持たせた新TSの設計,検討に着手しその機能検証のためのプロトタイプの開発をスタートさせた。新TSの開発計画の概要については既に平成13年度の技術研究会で報告した。本発表では、このJT-60新タイミングシステムプロトタイプの具体的なシステム構成機能及びその特徴を報告する。あわせて精度評価のためのタイミング信号伝送試験についても報告する。
川俣 陽一; 米川 出; 栗原 研一; 榊原 悟*; 西村 清彦*
Annual Report of National Institute for Fusion Science; April 2002 - March 2003, 59 Pages, 2003/00
原研では、将来の定常核融合炉を目指して高精度長時間デジタル積分器を開発し、現在JT-60電磁気計測において実用化している。この積分器は開発当初よりITERなどでの1000秒程度までの長時間放電にも対応することを想定して設計したものであるが、実際の長時間放電時に連続した磁場計測を行ったことがない状況であった。このような経緯もあり、平成15年2月、核融合科学研究所との共同研究において長時間放電の大型ヘリカル装置LHDにてこの積分器を用いた試験を共同で実施することとなった。その結果、60秒間の放電中約30kAのブートストラップ電流と考えられるトロイダル電流波形を計測することにLHDとして初めて成功した。さらに、合計300秒間の積分動作後のドリフト量は0.158mV/sと極めて小さいことも確認した。本発表は、この計測結果のサマリーである。
米川 出; 川俣 陽一; 戸塚 俊之; 赤坂 博美; 末岡 通治; 栗原 研一; 木村 豊秋; JT-60Uチーム
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.521 - 529, 2002/09
被引用回数:5 パーセンタイル:34.58(Nuclear Science & Technology)この論文では、JT-60大電流化改造後(1991年)のJT-60制御システムの進展、及び数々の制御系の改良について、JT-60設計当初の考え方を含めて述べる。JT-60制御系は、構造的には階層構造を有し、機能面では分散制御の特徴を備えている。制御系を構成するハードウエア機器としては、当初はCAMACインターフエース、現在ではVME-busシステムを採用している。プラントの運転,監視を行うシステムはCAMACハイウエイとイサーネットを通信手段として用いている。プラズマ放電シーケンス制御は、VME-busシステムとタイミングシステムから構成されるシステムによって実行される。実時間プラズマ制御系とマンマシンインターフェースシステムは、これまで、JT-60の実験の進展に合わせて、継続的に改良されてきている。