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山田 隆志*; 浅井 雅人; 米沢 仲四郎*; 柿田 和俊*; 平井 昭司*
Radioisotopes, 69(9), p.287 - 297, 2020/09
円柱状体積試料に含まれるCsの定量において、日本の標準的な市販線解析プログラムではサム効果の補正の際に試料体積の効果を適切に考慮していないため、補正が不十分となり、定量値が過小評価となることを確認した。本研究では、一般的なGe検出器に対して試料体積を適切に考慮した実用的なサム効果補正方法を開発して有効性を評価し、誤差1%以下の精度で定量できることを確認した。
米沢 仲四郎*; 城野 克広*; 原賀 智子
分析化学, 66(1), p.27 - 37, 2017/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)本報告では、ゲルマニウム半導体検出器を用いた線スペクトロメトリーにおいて、放射能濃度の定量結果に対する不確かさを評価するため、認証標準物質中のCs, CsおよびKを用いて、代表的な定量法である「単純比較法」と「効率曲線法」を比較した。各法を構成するパラメータに含まれる不確かさの要因を精査するとともに、各要因の寄与を実験的に求めた。その結果、単純比較法では、各パラメータのうち、線のピーク効率と正味ピーク計数値の不確かさの寄与が最も大きく、他の寄与は無視できるほど小さいことがわかった。効率曲線法では、サム効果補正係数と線放出率の不確かさの寄与が追加され、単純比較法よりも不確かさは大きくなることがわかった。本検討により、線スペクトロメトリーにおける定量結果の不確かさを示すことができた。
米沢 仲四郎*; 山本 洋一
ぶんせき, (440), p.451 - 458, 2011/08
2011年3月11日の東日本大震災に伴った東京電力福島第一原子力発電所の事故によって大気中に放出された放射性物質は、地球上に張りめぐらされた核実験監視用の放射性核種監視網で検出された。事故発生後3か月が経過し、海外の観測所での放射性核種の検出はほぼ収まったが、高崎観測所では未だに続いている。本稿では、包括的核実験禁止条約(CTBT)の国際監視制度(IMS)放射性核種観測施設とその観測網、そして本観測網による福島第一原子力発電所から放出された、粒子状放射性核種と放射性キセノンの測定結果を紹介する。
米沢 仲四郎*; 松江 秀明*; 安達 武雄*; 星 三千男*
PNC TJ1500 96-001, 371 Pages, 1996/03
平成5年度及び6年度に引き続きJRR-3Mの冷中性子ビームを使用した中性子即発線分析(PGA)により、人工バリア材料中の30Si同位体分析法の検討を行った。本年度は、1)28Si、29Si、30Siの各濃縮同位体の測定により、各同位体のPGA基礎データを求め、2)30Si拡散試験用試料調製法について、試験片を浸せき液をろ紙上に蒸発乾固する方法の検討を行い、28Si、29Si、30Si各同位体の検出限界を明らかにした。さらに、3)ケイ砂混合ベントナイト中のSiコロイドの透過を模擬したAuコロイド透過試験試料中のAuの定量を行い、Auコロイドは殆ど透過しない事を明らかにするとともに、4)海外における関連分野の研究状況を調査した。
吉田 博之; 米沢 仲四郎
分析化学, 19(2), p.238 - 241, 1970/00
ジルコニウム,ジフレカロイ中に含まれる微量ウランの定量法としては,吸光光度法,けい光X線法,質量分析法などが検討されている.原子炉を用いるウランの中性子放射化分析法は高感度であり,すでに種々の試料中のウランの定量に用いられている.ジルコニウム,ジルカロイ中に不純物として含まれるウランの量は110ppm程度であり,ウラン含有量の少ない試料を対象にして放射化分析法の検討を行なった.
吉田 博之; 米沢 仲四郎; 郡司 勝文
分析化学, 19(6), p.818 - 823, 1970/00
-ベンゾインオキシムを用いる溶媒抽出ならびに抽出クロマトグラフ法によって核分裂生成物中のモリブデン-99,および非放射性モリブデンを分離する条件を検討した.溶媒抽出による分離法は試料を1N塩酸溶液としたのもヨウ素をクロロホルム抽出で除き,シュウ酸の存在下でモリブデンを-ベンゾインオキシム-クロロホルム溶液で抽出した.有機相はシュウ酸と亜硫酸水素ナトリウムを含む1N塩酸溶液と振り混ぜて洗浄した.放射能の測定は化学分離したのも18時間後にNal(TI)シンチレ一ションカウンターで行なった.
吉田 博之; 米沢 仲四郎
Radioisotopes, 19(2), p.73 - 76, 1970/00
原子炉を用いる中性子放射化法によって微量ウランのU/U同位体比を測定する方法を検討した。ウラン110g程度を含む試料を原子炉で20分間照射したのも約24時間冷却し,1N塩酸溶液25mlを調製する。Uの定量にはこの溶液の10mlをとり,核分裂生成物のMoを-ベンゾインオキシム溶媒抽出法によって分離し,放射能を測定した。Uの定量には同じ溶液の10mlをとり,U(n,r)UNp反応で生成したNpをテノイルトリフルオルアセトン溶媒抽出法によって分離し,放射能を測定した。同位体比既知の標準試料についてU/UとMo/Npの関係を求めておけば,同じ照射孔を用いた場合には標準試料を同時に照射することなく同位体比を求めることができる。
米沢 仲四郎*; 山本 洋一; 木島 佑一; Kalinowski, M.*
no journal, ,
2014年7月29日から8月1日にモンゴルのウランバートルにて開催された東アジア地域NDCワークショップ2014における共通試験の大気輸送モデル(ATM)及び放射性核種データの解析結果に関する概要について報告する。本共通試験のシナリオは、仮想対象事象から放出されたCTBT関連放射性核種が高崎観測所で測定された粒子及び希ガス試料中から検出されたことを受け、La-140/Ba-140放射能比から推定された核爆発日時を使って対象事象を推測し、放出源領域はXe-133のATMバックトラッキング解析により決定する、というものであった。希ガスについては認証済IMS(国際監視制度)観測所から得られた実測データが、放射性粒子については人工的に作成されたスペクトルデータが、共通試験における仮想放射性核種データとして用いられた。共通試験に参加したNDCによる放射性核種データの解析結果は、放射性粒子については設定値と、希ガスについてはIDC/RRR(国際データセンターによる再評価結果報告)値と、核爆発推定時刻については設定値と比較し評価された。また、本事象でのXe-133の推定放出量及びIMS観測所でのXe-133放射能濃度の観測値について、報告されたATM解析結果間での比較が行われた。
藤井 孝成*; 乙津 孝之*; 八木 正則*; 米沢 仲四郎*; Jih, R.*; Kalinowski, M.*; Kang, I.-B.*; Chi, H.-C.*; 山本 洋一; 木島 佑一
no journal, ,
東アジア地域NDCワークショップ2014(モンゴル)の中で、放射性核種及び波形解析の両方を用いた調査を行うため共通試験が行われた。各参加NDCは候補となる事象を選ぶため、配布された仮想の放射性核種データ及び非IMS(国際監視制度)観測データも含む現実のSHI(地震及び微気圧振動)データの解析を行った。日本のNDC-1(日本気象協会)はNECESSArrayやKIGAM(韓国地質資源研究院)が提供してくれた韓国の局地的データのような局地的地震観測データを用いて事象の識別を試みた。本事象からの信号は、このような非IMSネットワークにおける多くの観測所において検知された。よって、これらの局地的・地域的地震データはより信頼性の高い事象識別を行う際、多大な貢献ができることが示された。
山田 隆志*; 阿部 敬朗*; 浅井 雅人; 米沢 仲四郎*; 柿田 和俊*; 平井 昭司*
no journal, ,
放射能測定で一般的に使用されているカスケード線に対するサム効果補正法は、試料全体の平均の検出効率を使用して補正係数を計算する。この方法は厳密ではないものの十分に実用的であるとされてきたが、最近の国際共同試験の結果により若干の補正不足が認識されるに至った。この問題を解決するため、本研究では円柱状試料を面線源に分割し、各面分に対してサム補正を施した後に積分する方法を開発し、補正不足を解決した。
米沢 仲四郎*; 柿田 和俊*; 高橋 孝紀*; 青野 辰雄*; 前田 智史; 阿部 敬朗*; 荒川 史博*; 木方 展治*; 秋山 正和*; 松村 勇*; et al.
no journal, ,
日本分析化学会(JSAC)が主催した玄米認証標準物質及び魚類認証標準物質の国際共同比較試験(IICE)の結果、我が国の試験所の共同分析結果から決められたCsの認証値は、効率曲線法におけるサム効果の補正不足によってIICEの平均値より2%4%低いことが分かった。現在、我が国の多くの試験所ではCs等からのカスケード線のサム効果補正には、Gamma StudioとGamma Explorerの2種類の線スペクトル解析プログラムが使われている。JSACの放射能標準物質作製委員会は、これらのプログラムによるサム効果補正を検証するため、Csの標準線源を利用した共同実験を実施した。