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論文

UV polymerization of triphenylaminemethylacrylate thin film on ITO substrate

玉田 正男; 越川 博; 細井 文雄; 諏訪 武; 臼井 博明*; 小坂 篤史*; 佐藤 壽彌*

Polymer, 40(1), p.3061 - 3067, 1999/00

トリフェニルアミンメチルアクリレート薄膜を230Kから290Kの範囲のインジューム・スズ酸化物基板上に真空蒸着により作製した。エレクトロルミネッセンス素子の構築を目指して、この薄膜に引き続き真空中でUV光を照射し重合させた。真空中での薄膜の重合をフーリエ変換赤外反射吸収法により調べた。UV光の照射により重合率はほぼ100%に達した。基板温度が高い場合、重合時間は短縮されたが、薄膜表面の凹凸が増加した。重合のメカニズムはモノマー消費速度の次数からラジカル重合機構で説明が可能であった。数平均分子量はUV強度が減少するに従い増加した。

論文

Crosslinking of polyvinylcarbazole with electron beam irradiation

玉田 正男; 越川 博; 細井 文雄; 諏訪 武

Radiation Physics and Chemistry, 54(4), p.409 - 411, 1999/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:21.17(Chemistry, Physical)

ポリビニルカルバゾール(PVCz)を323Kから623Kのアルゴンガス雰囲気で2MeVの電子線を照射し、架橋をゲルパーミエーションクロマトグラムとゲル分率で評価した。50KGyの$$gamma$$線照射ではPVCzは分解したが、同線量の電子線照射では高分子量成分が増加し、架橋した。100KGyまで照射すると$$gamma$$線を用いた場合においても架橋が生じ、線量の増加とともにゲル分率が増加した。500KGyの照射で電子線では75%、$$gamma$$線では60%のゲル分率が得られた。電子線照射の場合について、照射温度の影響を検討したところ、ガラス転移点に近い473Kまでの加熱では架橋の効率が上昇した。さらに昇温すると熱分解が生じ、架橋の効率が低下した。

論文

Preparation and properties of functional mixped-lipid liposomes by $$gamma$$-ray irradiation

細井 文雄; 大道 英樹; 赤間 和博*; 粟井 浩二*; 矢野 嘉宏*; 中野 善郎*

J. Jpn. Oil Chem. Soc., 47(1), p.31 - 40, 1998/00

リポソームを用いた人工赤血球の調製を目的として、重合性混合脂質リポソームの重合挙動及び重合物の安定性について検討した。混合単分子膜の$$pi$$-A曲線から、1-ステアロイル-2.4-オクタデカジエノイル-グリセロ-3-フォスフォコリン(SOPC)は、コレステロール(Chol)や、ステアリン酸(SA)と不溶であり、各成分はの分子膜内でドメイン構造を取ることがわかった。混合系では2分子膜内でのSOPC濃度が減少するにも関らず重合速度が著しく増大することから、ドメイン間で疎水基間相互作用が働き、2-アシル鎖のモビリティを増加させるため、重合速度が増大すると推論された。リポソームに内包させたヘモグロビンの溶出も混合脂質系では著しく抑制させることから、疎水基間相互作用がリポソームの安定性に重要な役割を果たしていることがわかった。

論文

FTIR reflection absorption spectroscopy for organic thin film on ITO substrate

玉田 正男; 越川 博; 細井 文雄; 諏訪 武

Thin Solid Films, 315(1-2), p.40 - 43, 1998/00

 被引用回数:12 パーセンタイル:55.73(Materials Science, Multidisciplinary)

インジウム・スズ酸化物(ITO)基板上に形成された有機薄膜の赤外反射吸収法(IR-RAS)に必要な3500から600cm$$^{-1}$$の波数領域について、Drudeの自由電子モデルに基づいた計算によりITO基板の誘電率を求めた。その値を用いて、ポリビニルカルバゾール(PVC$$_{2}$$)薄膜がITO基板上にある場合の赤外光の反射率の利得を上記の各波数で計算することにより反射スペクトルを求めた。その結果、2000cm$$^{-1}$$以下の波数領域では歪みのない反射スペクトルが得られた。また、ITO基板上へのPVC$$_{2}$$の蒸着過程における同波数領域でのPVC$$_{2}$$のその場観察反射スペクトルのピーク強度は膜厚に比例していた。以上のことから、2000cm$$^{-1}$$以下の波数領域においては、ITO基板上の有機薄膜のIR-RASによる分析、さらに蒸着過程のIR-RASによるその場観察が可能であることを示した。

論文

$$gamma$$線照射法による機能性リポソームの調製と応用

細井 文雄; 赤間 和博*

表面, 35(11), p.598 - 609, 1997/00

リン脂質は水中で安定な閉殻型球状2分子膜(リポソーム)を作ることから、機能性製剤材料として巾広く検討されている。リン脂質の1つの応用として、赤血球をリン脂質重合体でカプセル化することにより、これまでの赤血球製剤及びリポリーム内包型製剤の欠点が取り巻くことができると考え、リン脂質の1及び2位、あるいは2位のみに不飽和共役結合をもつリポソームの$$gamma$$線重合、ならびにこれらのリン脂質とコレステロール、飽和脂肪酸、飽和リン脂質からなるリポソームの$$gamma$$線重合を行った。ここでは、速度論的手法, LB膜的手法を用い、その重合挙動及び得られた重合体の安定性について、分子鎖のパッキング及び疎水基間相互作用との関連において考察した結果を紹介する。

論文

Radiation-induced polymerization of unsaturated phospholipid mixtures for the synthesis of artificial red cells

細井 文雄; 大道 英樹; 赤間 和博*; 粟井 浩二*; 中野 善郎*; 遠藤 さゆり*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 131(1-4), p.329 - 334, 1997/00

 被引用回数:9 パーセンタイル:59.76(Instruments & Instrumentation)

人工血液の合成を目的として、細胞膜の構成物質に類似の構造をもつリン脂質を基にしたモノマーを用いて$$gamma$$線重合を行った。分子中に2個の重合性官能基をもつモノマーDODPCと、1個のみのモノマーAODPCとで重合挙動を比較したところ、DODPCの方がより速く重合すること、また、重合物の分子量もより大きくなることがわかった。水面上にこれらのモノマーを単分子膜として展開したときの圧力と占有面積の関係から、AODPCの方がより密に充填されているため重合が抑制されるものと考えられる。次に、AODPCを原料として、ヘモグロビン、コレステロール、パルミチン酸等を混合して重合させ、脂質の2層膜を合成し、人工血液とした場合の安定性を調べたところ、照射時に2層膜の外部に過剰のヘモグロビンを共存させることにより、2層膜内のヘモグロビンの安定化が図れることを見い出した。

論文

ヘリウムガス雰囲気蒸着による銅フタロシアニン単結晶性薄膜の作製

玉田 正男; 越川 博; 細井 文雄; 諏訪 武

BEAMS 1996: 第7回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム, 0, p.157 - 160, 1996/00

銅フタロシアニンは光や熱に対して安定であり、雰囲気中のNO$$_{2}$$ガス濃度に依存して電気伝導度が大きく変化することから、ガスセンサー材料として期待されている。本研究では蒸発物質として銅フタロシアニンを用い、重力ベクトルと逆方向及び準方向に蒸着を行い(それぞれを上面及び下面蒸着とよぶ)、作製した薄膜の配向を調べた。下面蒸着では$$alpha$$型の(200)面が基板表面に平行に配向した薄膜が得られ、しかも上面蒸着に比較して、より高度に配向していた。このように作製した薄膜の配向に重力の影響があらわれるため、宇宙ステーション取付型実験モジュール利用に備えて、外径29mm、長さ500mmの円柱状の真空容器を作製した。この容器を用いて薄膜を作製した場合においても$$alpha$$型フタロシアニンの(200)面が基板表面に対し平行に配向する傾向が認められた。

論文

Radiation-induced polymerization of a phospholipid for developing artificial red blood cells

細井 文雄; 大道 英樹; 赤間 和博*; 淡井 浩二*; 徳山 悟*; 佐藤 征*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 105(1-4), p.318 - 321, 1995/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:23.89(Instruments & Instrumentation)

有機機能材料創製に関する研究の一環として、機械的強度が十分な人工血液の創製を目的とし、人工膜によるヘモグロビンの閉じ込めについて検討した。人工膜の素材としてリン脂質を選び、重合可能な不飽和基を有する化合物を合成して、$$gamma$$線により重合させることで安定な閉じ込めを図った。1,2-ビス(オクタデカジエノイル)-sn-グリセロ-3-フォスフォコリンと呼ばれるリン脂質を4$$^{circ}$$Cで$$gamma$$線照射して得た生成物について、液体クロマトグラフィーによる分子量測定、UV分光による重合度の測定などを行い、それらの結果に基づいて速度論的解析を試みた。その結果、不飽和基を有する2本のアシル鎖の間で反応性に違いのあること明らかにした。また、ヘモグロビンを含有させた生成物を動物実験に適用し、良好な安定性を示しうることを明らかにした。

論文

$$gamma$$-radiation induced polymerization of unsaturated liposomes containing unsaturated lipid cholesterol, and saturated aliphatic acid

細井 文雄; 大道 英樹; 赤間 和博*; 徳山 悟*; Nakano, Y.*

JAERI-Conf 95-003, p.507 - 511, 1995/03

1.2-ビス[(2E,4E)-オクタデカジエノイル]-Sn-グリセロホスフォコリン(DODPC)にコレステロールや脂肪酸などを混合したリポソームの$$gamma$$線による単分子膜を作製し、分子占有面積と組成比との関連から、重合挙動について考察した。その結果、DODPCの2本のアシル鎖はそれぞれ単独に重合すること、2位のアシル鎖の重合速度は1位のそれの10倍程大きいことがわかった。また、これらの重合速度及びポリマーの分子量は、コレステロールや脂肪酸の混合によりDODPC濃度が減少するにもかかわらず、著しく増大した。さらに、単分子膜の分子占有面積と組成比との間には直線関係が得られた。これらの結果から、この混合脂質系では成分が相溶せずドメインを形成すること、ドメイン間に疎水基間相互作用が働きDODPC分子の配向性が増すため重合速度が著しく増大することが結論された。

論文

N-メチロールアクリルアミドの蒸着重合とFT-IRによるその場観察

玉田 正男; 細井 文雄; 大道 英樹; 奥居 徳昌*

電子情報通信学会技術研究報告, 0(25), p.45 - 49, 1994/06

熱フィラメントで重合活性種を発生させる蒸着重合法でN-メチロールアクリルアミド(NMAA)の高分子薄膜を作製した。蒸着重合中の薄膜について反射スペクトルをその場観察した。265Kの基板上ではフィラメントを加熱しない場合、蒸着したNMAAはほとんど再蒸発して、重合は開始されないが、フィラメントを2300Kまで加熱した場合、50%程度重合した高分子薄膜が得られた。この重合は蒸着後も徐々に進行した。基板温度が265K以下の条件での蒸着重合では、比較的高い重合収率の薄膜が得られた。例えば、フィラメント温度2300K、基板温度230Kのとき得られた薄膜の重量平均分子量は2.1$$times$$10$$^{4}$$、重合収率は52%であった。

論文

A Luminescence study of ion-irradiated aromatic polymers

青木 康; 南波 秀樹; 細井 文雄; 永井 士郎

ACS Symposium Series, 579; Polymeric Materials for Microelectronic Applications,Science and Technology, 0, p.45 - 50, 1994/00

簡易イオンビーム発生器(200keV)からのHe$$^{+}$$イオンを照射中に、ポリスチレン、ポリ(2-ビニルナフタレン)ポリ(N-ビニルカルバゾール)からの光を光ダイオードアレイヌは光電子増倍管を用いて、分光分析した。上記の芳香族フィルムからの発光は、照射直後から観測されるエキシマー発光の他、ポリスチレン、ポリ(2-ビニルナフタレン)についてはイオンフルエンスが10$$^{12}$$(ions/cm$$^{2}$$)から10$$^{13}$$(ions/cm$$^{2}$$)にわたって生成してくる新しい発光が得られた。モノマー発光は得られなかった。新しい発光については、その生成速度がエキシマー発光の消滅速度と一致し、イオントラックの重なりにより起こる現象と考えられる。

論文

Luminescence measurement of organic polymers during ion irradiation

青木 康; 南波 秀樹; 細井 文雄; 永井 士郎

Proceedings of the International Conference on Evolution in Beam Applications, p.648 - 651, 1993/00

室温、真空中で芳香族基を側鎖にもつビニル系ポリマーにイオンビームを照射し、ポリマーからの発光を測定した。エキシマーけい光スペクトルが得られ、その強度がイオンフルエンスとともに減少する事が分かった。この強度の減少はポリマー中での構造変化に因るものと考えられる。ポリスチレン、ポリマービニルナフタレンを照射した場合には、エキシマーけい光の他に、新しい発光が観測された。この発光は、照射により生成するラジカルのけい光かもしくは三重項励起状態のりん光に帰属されるものと考えられる。

論文

Durability of radiation-sterilized polymers, XI; The Effect of irradiation on rubber gloves

Z.A.Kadir*; 吉井 文男; 細井 文雄; 幕内 恵三; 石垣 功

Journal of Applied Polymer Science, 40, p.799 - 810, 1990/00

 被引用回数:3 パーセンタイル:23.22(Polymer Science)

放射線加硫した天然ゴムラテックスから放射線汚染防護用ゴム手袋を試作したが、これを手術用ゴム手袋として使用する場合を考え、$$gamma$$線と電子線で滅菌したときの照射効果を市販品のゴム手袋2種類と比較した。放射線加硫ゴム手袋(RD)は、通常の滅菌線量25kGyとの倍線量照射した場合強度の低下は起こるが、低下の程度は市販品とほぼ同じであった。いずれのゴム手袋も引張強度よりも引裂き強度の方が照射による低下が大きい。照射後の保存中の劣化はいずれの手袋も小さかった。この場合、劣化は化学発光分析の結果から酸化により起こることも分かった。

論文

多孔性セルロース微粒子をマトリックスとした薬物徐放性製剤の調製

細井 文雄; 斎藤 健司*; 幕内 恵三; 小石 真純*

高分子論文集, 44(12), p.885 - 891, 1987/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.36(Polymer Science)

セルロースを主成分とする多孔性微粒子にあらかじめ$$gamma$$線を照射した後、サリチル酸存在下でMMA、MMA-MAc、MMA-Stなどのビニルモノマーをグラフト重合し、徐放性微粒子を調製した。同様に、サリチル酸非存在下でグラフトした微粒子は、含浸法でサリチル酸を吸着させ徐放性微粒子とした。グラフト微粒子の薬物吸着量はグラフト率のn次に比例して増加した。また、吸着は Langmuir の機構に従った。飽和吸着量はグラフト率にn次に比例した。これらの結果から、粒子内にグラフト率のn次に比例して吸着サイトが生成し、これに薬物分子が捕獲され徐放性微粒子となることがわかった。MAcやStを添加すると吸着サイトの生成数、吸着サイト間の相互作用の大きさ、吸着サイトと薬物の相互作用の大きさが変わり、吸着量が増大することがわかった。グラフトポリマーの構造を変えると効率良く薬物が吸着できることを理論的に明らかにした。

論文

Effect of ionic interaction on the entrapping of drug into porous microspheres and drug release characteristics

斉藤 健司*; 細井 文雄; 幕内 恵三; 小石 真純*

Chem.Pharm.Bull., 35(5), p.2045 - 2051, 1987/05

セルロースを主成分とする多孔性微粒子に$$^{6}$$$$^{0}$$Co-$$gamma$$線を前照射したのち、モデル薬物としてサリチル酸を溶解させたメタクリル酸アミノエステルと接触させ、グラフト重合により徐放性微粒子を調製した。未照射の多孔性微粒子はサリチル酸に対し吸着能を示さないが、メタクリル酸メチル(MMA)とメタクリル酸ジエチルアミノエステル(DE)やメタクリル酸ジメチルアミノエステル(DM)をグラフト重合させると粒子内に薬物が包括された。包括量はグラフト率の増加に従って直線的に増加した。包括量とグラフトポリマー中のアミノエステルグループの数の比がグラフト率に無関係に一定値になることから、薬物はアミノエステルと塩を形成し粒子内に導入されることがわかった。また、このような系では塩の解離度が包括量及び薬物の放出速度に重要な役割を果たすことが明らかになった。

論文

In vitro release of salicylic acid from modified porous microspheres

斉藤 健司*; 細井 文雄; 幕内 恵三; 小石 真純*

薬剤学, 47(3), p.154 - 160, 1987/03

セルロースを素材とした多孔性微粒子に$$gamma$$線を照射したのち、サリチル酸を溶解したメタクリル酸メチル(MMA)あるいはMMAとスチレン(St),メタクリル酸(MAC)の混合物を接触させ、グラフト重合により徐放性微粒子を調製した。多孔性微粒子の薬物包括量はグラフト率の増加とともに指数関数的に増大した。同じグラフト率での包括量は、St-MMA$$>$$MAC$$^{-}$$$$^{M}$$$$^{M}$$$$^{A}$$$$>$$MMAの順であった。サリチル酸の包括に対してはグラフトポリマーと薬物との親和性が重要な役割を果たした。いずれの系においても最大包括量は90mgであり、仕込薬物量の60%に相当した。グラフト粒子からの薬物放出速度は、MMAにStやMACを添加した系ではMMA系よりも小さくなった。グラフト微粒子の多孔性度やグラフトポリマーの広がりが薬物の溶出に重要な役割を果たすことを明らかにした。

論文

酸化鉄を含む多孔性微粒子によるアスピリン含有カプセルの調製

斉藤 健司*; 細井 文雄; 幕内 恵三; 小石 真純*

高分子論文集, 43(1), p.51 - 58, 1986/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:20.28(Polymer Science)

酸化鉄ゾルで処理した多孔性微粒子に$$gamma$$線を照射した後、アスピリンとメタクリル酸メチル混合溶液及びメタクリル酸メチルを接触させ、後グラフト重合による徐放性微粒子の調製を試みた。溶出試験は水-メタノール混合溶液を使用した。グラフト粒子からのアスピリン溶出量は、多孔性微粒子にアスピリンのみを吸着したときと比較して著しく増加した。粒子表面及び内部に酸化鉄を固定するとグラフト微粒子のアスピリン吸着量が増加した。グラフト粒子からのアスピリンの溶出は粒子内で重合したポリマーマトリックスからの溶出と粒子芯部に分散し微粒子のゲル障壁を通して溶出する2つの機構が混在した。酸化鉄含有微粒子における溶出速度はグラフト率の影響をあまり受けなかった。

論文

多孔性微粒子を用いたアスピリン含有カプセルの調製とその薬物除放性

細井 文雄; 斉藤 健司*; 幕内 恵三; 小石 真純*

高分子論文集, 42(6), p.415 - 422, 1985/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:22.32(Polymer Science)

セルロースを素材とした機械的性質に優れた多孔性微粒子に$$gamma$$線を照射したのち、アスピリンを含浸させ、さらにアクリル系モノマーを後グラフト重合させ除放性微粒子の作製を試みた。グラフト重合した試料からのアスピリンの溶出挙動を調べたところ、アスピリンは時間とともに溶出しおよそ140時間で一定値に達した。溶出挙動の結果から、アスピリンはほとんど多孔性微粒子内に吸着していること,溶出速度はグラフト重合したポリマーマトリックス中の拡散律速となっていることがわかった。多孔性微粒子内に吸着したアスピリン量は、グラフト重合により元の多孔性微粒子にアスピリンのみを吸着させたときのそれの2倍量まで増大した。また、多孔性微粒子の表面をあらかじめ二酸化チタン微粒子で処理すると、重合後のアスピリン吸着量は45~100倍増大した。

論文

電子線同時グラフト重合による樹脂の水性化

細井 文雄; 佐々木 隆; 萩原 幸

高分子論文集, 40(10), p.673 - 682, 1983/00

 被引用回数:1 パーセンタイル:14.41(Polymer Science)

エポキシ樹脂にメタクリル酸(MAc)、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸アンモニウム塩(TMAMA)、メタクリル酸ジメチルアミノエステル四級化物(QDM)などの親水性モノマーを含むビニルモノマーの電子線同時グラフト重合を行ない、得られた樹脂の水分散化について検討した。改質樹脂は少量の溶剤に溶解したのち水に分解させたところいずれもラテックスとなった。ラテックスの粒子径は親水性モノマーの量が増大すると小さくなり、これにともなって安定性も増大した。また、エポキシ樹脂との相溶性に乏しいモノマーをグラフトするほど粒子径が小さくなった。特に、高温ではエポキシ樹脂と反応してしまうTMAMA&QDMも安定にグラフトでき、これによって粒子径が小さく、安定性にすぐれたラテックスが得られた。MACおよびHEMAをグラフトしたアルキッド樹脂においても水分散性のあることが確認された。

論文

Development of radiation crosslinking process for high voltage power cable

佐々木 隆; 細井 文雄; 萩原 幸; 荒木 邦夫; 斉藤 栄輔*; 石谷 速夫*; 植杉 賢司*

Radiation Physics and Chemistry, 14(3-6), p.821 - 830, 1979/00

(B-8078に同じ)高圧電力ケーブルの電子線橋かけ技術の開発を目的に肉厚ポリエチレン(PE)を照射すると発泡と放電破壊が起るという問題の解決を検討した。6.6kV級ケーブルの被覆層に相当する4mmのPE板を1.5MeVの電子線で20Mrad照射すると、95$$^{circ}$$Cまで上昇し、発泡を起した。一方、充分な耐熱性(75%ゲル生成)を得るためには、PEだけでは24Mradの照射を必要とした。既知の橋かけ促進剤を使用すると橋かけ所用線量は10~12Mradに低減したが数Mrad以下で放電破壊を起した。しかし、コハク酸ジプロパルギル(DPS)を用いると発泡と放電破壊を同時に防止できることを見出した。DPSを2部含むPEで被覆した6.6kV級ケーブルを1.5MeV電子線で照射した結果、蒸気加硫したケーブルと同等の性能を示しただけでなく、絶縁層にはボイドがほとんどなかった。22~33kV級ケーブルの電子線橋かけの可能性についても言及する。

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