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興野 純*; 山本 弦一郎*; 米田 安宏; 岡田 慧*
Isotope News, (783), p.23 - 27, 2022/10
二酸化炭素の地中貯蔵法として鉱物トラップが注目されている。二酸化炭素を含んだ地下水と玄武岩を反応させてマグネサイトを形成させる。形成される炭酸マグネシウム相は多様に変化するが、そのすべてがアモルファス炭酸マグネシウムを経るためその構造を明らかにすることを試みた。高エネルギーX線回折を用いた2体相関分布関数からアモルファス炭酸マグネシウムはハイドロマグネサイトと同様の構造を持つことが明らかとなり、長期的にも安定な構造であることからマグネシウムを含んだ炭酸塩化は二酸化炭素貯留技術として安全な隔離法と言える。
山本 弦一郎*; 興野 純*; 阿部 淳*; 佐野 亜沙美; 服部 高典
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 116(2), p.96 - 103, 2021/04
被引用回数:5 パーセンタイル:51.59(Mineralogy)炭酸マグネシウム水和物nesquehoniteの組成,構造,形成条件を調べるために、中性子回折,ラマン分光、および熱分析を行った。飛行時間型中性子回折により、=7.72100(12)=5.37518(7)=12.1430(3)=90.165(4)の格子定数、2の空間群を持つ単斜晶であることが明らかとなった。また、構造内では、2つの重水素原子がO1, O2、およびO6原子に配位して水分子を形成していた。構造内に水分子が3つあることは、nesquehoniteの構造式がMg(HCO)(OH) 2HOではなくMgCO 3HOであることを示している。
興野 純*; 加藤 正人*; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 服部 高典
Physics and Chemistry of Minerals, 46(5), p.459 - 469, 2019/05
被引用回数:4 パーセンタイル:20.98(Materials Science, Multidisciplinary)加藤ザクロ石の高圧下で高温分解メカニズムを明らかにするために8GPaにおける高温中性子回折実験を行った。200-400Cの温度域で異常な熱膨張が観測されたものの、約850Cまで連続的に膨張した。その後、900Cでザクロ石は分解した。これは分解温度が圧力により300Cから900Cへと上昇することを示している。常温常圧に戻すと、脱水後は消失していた加藤ザクロ石がAlO、Ca(OD)とともに、再び現れた。構造解析の結果、8GPaにおいて、850Cまでの昇温でCaO及びAlO多面体がそれぞれ8% and 13%膨張するのに対し、四面体空隙はその影響を受け10%縮むことが分かった。同時に、隣接するD-D距離は一定なのに対し、O-D距離は分解直前に劇的に減少する。このことは、D-D間反発により生じたO-D距離の減少が、O-D結合を不安定化させ、加藤ザクロ石の高温分解を引き起こすことを示している。