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芳賀 裕子*; 練石 恵子*; 高橋 建一*; 新村 信雄
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 487(3), p.504 - 510, 2002/07
被引用回数:9 パーセンタイル:51.57(Instruments & Instrumentation)中性子イメージングプレートの中性子検出機構をその素過程から検討すると、カラーセンターを創生する割合が中性子イメージングプレートの中性子検出効率を向上させる基本パラメーターになっていることが判明した。そこで、中性子イメージングプレートの厚みと輝尽性蛍光物質量を変数にとり、カラーセンター創生率を実測した。あと、中性子イメージングプレート中の中性子コンバーター(Gd)から中性子吸収率を計算し、最終的な中性子検出効率を求めた。これを最適化することで、中性子コンバーター量50%,厚み200mが、最も検出効率の高い中性子イメージングプレートであることが結論付けられた。
西木 直己*; 目時 直人; 曽山 和彦; 小池 良浩; 鈴木 淳市; 藤原 悟; 芳賀 裕子*; 小泉 智
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.480 - 482, 2001/05
中性子を用いた研究は、固体物理、材料等の工学、そして生命科学の領域に至るまで、ますますその裾野が広がりつつある。にもかかわらず中性子フラックスはここ数十年間増加してないことから、中性子光学素子による集光技術の開発、そしてそれらを用いて中性子によるイメージングを行い、研究に用いる要求が高まっている。そこでこの黎明研究では、松下電器が開発したトロイダル曲面状に湾曲した黒鉛結晶を用いて中性子集光及び中性子結像そして顕微鏡の開発の目的で、この湾曲結晶を用いたX線中性子集光素子の中性子集光特性を調べた。このグラファイト光学素子は、原材料のポリイミドシートから予備処理工程で作成されたグラファイトの前駆体の熱硬化性を利用してトロイダル形状に仕上げた。1mmの点光源から発生した1.54Åの中性子を、256mm離れた中性子イメージングプレート上に約1.4mmのサイズに集光させることができた。集光倍率は約150倍であった。結像実験は行えなかったが、冷中性子源と組み合わせた光学デバイスとしての可能性を考察した。
芳賀 裕子; 熊沢 紳太郎*; 新村 信雄
Journal of Applied Crystallography, 32(5), p.878 - 882, 1999/00
被引用回数:15 パーセンタイル:72.6(Chemistry, Multidisciplinary)中性子イメージングプレートを実用する際の最大の問題は線のバックグラウンドである。そこで、中性子イメージングプレートの線感度の線エネルギー依存性を測定した。線のエネルギーが300keV以下のとき、熱中性子に対する感度のほぼ半分で、遮蔽が困難な300keV以上の場合は四十分の一であることがわかった。それをもとに、三号炉実験ホールで、線に対する鉛の中性子イメージングプレートに対する遮蔽効果を測定した。その結果、40mmの厚さの鉛で線バックグラウンドを十分の一に減少できることがわかった。さらに、中性子イメージングプレートを厚さ1mmの鉛で覆うことによって、中性子シグナルを減少させることなく、中性子入射方向からの線バックグラウンドを減少できることを明らかにした。
田中 伊知朗*; 栗原 和男*; 芳賀 裕子*; 峯崎 善章; 藤原 悟; 熊沢 紳太郎*; 新村 信雄
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 60(8-9), p.1623 - 1626, 1999/00
被引用回数:9 パーセンタイル:48.94(Chemistry, Multidisciplinary)既存の生体高分子中性子回折計を改良し、中性子イメージングプレートを装備した回折計(BIX-I)の製作のための基礎的な実験と設計を終了した。設計にあたって解決されなければならない問題点が2つ存在した。一つは単位格子が80以下の生体高分子結晶からの最近接ブラッグ反射スポットを検出器上で分離すること、もう一つは中性子イメージングプレートの中性子及び線に対する十分な遮蔽である。われわれが建設した既存の中性子回折計と比較すると、試料位置の前進及び弾性湾曲シリコンモノクロメータの高性能化を実現させることにより、検出器の立体角が8.5倍及び中性子強度が5倍となるので、最終的な測定効率が約45倍に向上する。
芳賀 裕子*; 熊沢 紳太郎*; 新村 信雄
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 60(8-9), p.1619 - 1621, 1999/00
被引用回数:1 パーセンタイル:10.01(Chemistry, Multidisciplinary)中性子イメージングプレート(以下中性子IP)中での中性子検出の基礎プロセスを考慮して中性子感度が最大になるように最適化を行った。中性子IPは、中性子を捕獲する中性子コンバータ物質とカラーセンターを生成する輝尽性蛍光物質からなる。中性子捕獲効率とカラーセンター生成効率は二つの物質のモル比に依存するため、異なるモル比の中性子IPの中性子感度を測定して最適化を行い、タンパク質結晶の回折斑点の測定により、最適化の有効性を確かめた。中性子IPの問題点は線に有感であることだが、線感度のエネルギー依存性を測定し、また、実験サイトにおいて鉛による線遮蔽効果を測定した結果、実験に十分な遮蔽が可能であることが判明した。さらに中性子IPの前面に鉛箔を密着させ、入射方向からの線遮蔽をすることにより、シグナル/ノイズ比が約1.5倍増加した。