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小川 豊*; 倉田 有司; 門馬 義雄*; 芳須 弘*; 鈴木 富男; 近藤 達男*
鉄と鋼, 83(5), p.43 - 48, 1997/00
800,900,1000Cで長時間クリープ試験を行ったハステロイXRについて、破断モード及びそれと炭化物の関係を検討した。クラックは800C及び900Cの短時間側ではくさび型、900Cの長時間側ではキャビティ型である。1000Cでは、キャビティ型が主体であるが、部分的にはラプチャー型の破断もある。破断時間の応力指数は、800Cで5.7,1000Cで3.4であり、900Cでは5.9から3.3に変化する。900C,1000Cの析出物はCrを主体とするMC型炭化物とMoを主体とするMC型炭化物であり、800Cではこの2相の中間組成を含む3相が共存する。原子炉近似ヘリウム中と大気中の破断材を比較すると、大気中における酸化の激しい破断部を除けば、両者でクラック及び炭化物に違いはみられない。
芳須 弘*; 門馬 義雄*; 馬場 栄次*; 倉田 有司; 中島 甫; 鈴木 富男
JAERI-M 93-231, 133 Pages, 1993/12
高温ガス炉用に改良したNi基耐熱合金(ハステロイXR-II:ホウ素量約0.005mass%)について700~1000C、大気中及び高温ガス炉近似ヘリウム中で、延べ試験時間約207,000hに及ぶクリープ破断試験を実施した。得られたクリープ特性について時間・温度パラメータ法等を用いて、高温構造設計用データとしての評価を行い、以前に得られたハステロイXR(ホウ素量0.00028mass%)と比較した。得られた主要な結果は以下のとおりである。(1)クリープ破断強度についてはMan Son-Haferdパラメータを用いて評価し、ハステロイXR-IIの800及び900Cでの10万時間破断強度はハステロイXRの約2倍となる。(2)設計許容応力(So及びSt)についても同様に2倍程度に上昇する。(3)ハステロイXR-IIでは強度だけでなく延性も著しく改良される。(4)クリープひずみ-時間データについてはGarofaloの式による曲線のあてはめを行い、等時応力-ひずみ曲線を表すクリープ構成方程式を作成した。