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Han, A. H.*; 若原 孝次*; 前田 優*; 赤阪 健*; 藤塚 守*; 伊藤 攻*; 山本 和典; 加固 昌寛*; 小林 郁*; 永瀬 茂*
New Journal of Chemistry, 33(3), p.497 - 500, 2009/03
被引用回数:7 パーセンタイル:32.52(Chemistry, Multidisciplinary)フラーレンC構造異性体を分離する新たな化学的方法が見つかった。C()とC()の混合物に対してジシリランの光化学的環化付加反応を行うと、異性体の一付加体のみが得られる。もう一方の異性体C()は、ジシリランとの一付加体を与えない。付加体でないC()異性体と、C()異性体の一付加体は、高速液体クロマトグラフィー法で簡単に分離できる。さらに当該付加体に関して酸化的脱シリル化反応が簡単に行えるので、付加前のC()異性体を簡単に手にすることができる。この一連の「シリル化-酸化的脱シリル化」反応の流れにおいて、C()とC()の分離と単離が化学的に達成されることがわかった。
赤阪 健*; 河野 孝佳*; 竹松 裕司*; 二川 秀史*; 仲程 司*; 若原 孝次*; 石塚 みどり*; 土屋 敬広*; 前田 優*; Liu, M. T. H.*; et al.
Journal of the American Chemical Society, 130(39), p.12840 - 12841, 2008/10
被引用回数:76 パーセンタイル:84.42(Chemistry, Multidisciplinary)Gd@Cのcarbene付加体(Gd@C(ad), Ad=adamantylidene)の単結晶を用いたX線結晶構造解析について報告する。Gd@C(ad)におけるGd原子は、C2v-Cフラーレンケージの中心から六員環方向に接近した場所に位置しており、この位置はM@C(M=Sc and La)やLa@C(Ad)で確認されている金属原子の位置とほぼ等しいことがわかった。理論計算の結果からも、X線結晶構造解析の結果を支持する結果が得られた。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
Proceedings of 205th Meeting of The Electrochemical Society, 0 Pages, 2003/00
カーボンナノカプセルは、湿気によりすぐ反応し不安定なランタンカーバイドを、大気中で安定に保持することが出来る。このランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルの大量合成のため、生成条件の最適化を目的とした試験を行った。また、これらの内包ナノカプセルの新たに判った物性について報告する。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
no journal, ,
フラーレン類似構造(C,ナノチューブ,ナノカプセル)に他の物質を内包させることは、以前から関心を持たれ続けてきた。LaC結晶を内包したカーボンナノカプセルは、不活性ガス雰囲気中でのアーク放電によりカソード上に成長する炭素質堆積物中に生成することが1993年に発見された。LaCのような希土類炭化物は吸湿性であり、湿気のある大気中では即座に加水分解することが知られているが、カーボンナノカプセル内のLaCは大気中で10年以上経ても変質しない。さらに、空のナノカプセルやナノチューブは、他の形の炭素(例えばダイヤモンド,煤,グラファイト,C)より酸化に対して抵抗力があることが知られている。したがって、物質を内包させたカーボンナノカプセルに関しても、空のナノカプセルと同様の耐酸化性が期待できる。本研究では、内包カーボンナノカプセルにおけるグラファイトケージの耐酸化特性について述べる。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
no journal, ,
フラーレン類似構造の持つ内部空間に異元素を導入して新しい機能を持たせる試みが注目されている。特に、閉じたグラフェンシートの多重層から構成されるカーボンナノカプセルでは、内部に閉じ込められた物質がカプセルの壁を構成する炭素網面を透過して外部に出ないだけでなく、カプセル外部から酸素や水分子等が浸入することもまた困難であり、これらの分子と内包物質が反応するのを防ぐ保護機能が高いことが予想されている。そのため、地下における炭素が持つ化学的安定性の高さと相俟って、高レベル放射性廃棄物の地層処分用カプセルとしての利用などが検討されている。ところでランタンカーバイドLaCは室温においてさえ、酸素や湿分と反応して自然発火する極めて活性な物質である。このような酸化されやすいLaCを本カプセルに内包させた時に、どのような酸化特性を示すかについて調べた。その結果、陰極堆積物由来のランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルは、空気中500Cまでの耐酸化性があることが確認された。そしてそれ以上の温度で、カーボンナノカプセル内部のランタンカーバイドと外部の酸素が反応して酸化ランタンを生成することがわかった。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
no journal, ,
多角形のカーボンナノカプセルや球状のカーボンナノオニオンのようなフラーレン状多重炭素ケージの内部に異物質を導入する試みは、フラーレン発見当初から続けられている。このうち多層多角形カーボンナノカプセルの内部にLaC結晶が詰まった物質は、不活性ガス雰囲気中でLaとカーボンを一緒にアーク放電蒸発し、これが凝縮してできた陰極堆積物の中から、1993年に初めて発見された。透過電子顕微鏡で観察すると、一般に多層多角形のカーボンナノカプセルは中心部にその外辺によって形状が決まる空洞を持っていることがわかる。一方、金属を内包した多層カーボンナノオニオンは、グラファイト状炭素とナノサイズの金属結晶の混合物に電子線等を照射することによって生成することが、1998年にBanhartらによって報告されているのみである。本研究では35 Torr He雰囲気下で典型的アーク放電実験を行い、生成した煤の中にランタン内包カーボンオニオン構造を初めて発見したので報告する。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
no journal, ,
多角形のカーボンナノカプセルや球状のカーボンナノオニオンのようなフラーレン状多重炭素ケージの内部に異物質を導入する試みは、フラーレン発見当初から続けられている。このうち多層多角形カーボンナノカプセルの内部にLaC結晶が詰まった金属内包カーボンナノカプセルは、不活性ガス雰囲気中でLaとカーボンを一緒にアーク放電蒸発し、これが凝縮してできた陰極堆積物の中から、1993年に初めて発見された。一方、「フラーレン煤」と呼ばれる装置内壁に付着する煤にはLa@Cに代表される金属内包フラーレンが存在するが、金属内包カーボンナノカプセルは存在しないことが知られている。本研究では35 Torr He雰囲気下で典型的アーク放電実験を行い、生成した煤を真空又は希ガス雰囲気下1000-2200Cで熱処理すると、その中からランタンカーバイド内包多重カーボンナノカプセルが生成することを発見したので報告する。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
no journal, ,
多角形のカーボンナノ粒子や球状のカーボンナノオニオンのようなフラーレン状多重炭素ケージの内部に異物質を導入する試みは、フラーレン発見当初から続けられている。このうち多層多角形カーボンナノ粒子の内部にLaC結晶が詰まった金属内包カーボンナノ粒子は、不活性ガス雰囲気中でLaとカーボンを一緒にアーク放電蒸発し、これが凝縮してできた陰極堆積物の中から、1993年に初めて発見された。一方、「フラーレン煤」と呼ばれる装置内壁に付着する煤にはLa@Cに代表される金属内包フラーレンが存在するが、金属内包カーボンナノ粒子は存在しないことが知られている。本研究では35 Torr He雰囲気下で典型的アーク放電実験を行い、生成した煤を真空又は希ガス雰囲気下10002200Cで熱処理すると、その中からランタンカーバイド内包多重状カーボンナノ粒子が生成することを発見したので報告する。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
no journal, ,
ナノサイズのカーボンナノカプセルの内部空間に金属化合物を内包した物質であるランタン炭化物内包カーボンナノカプセルは、アーク放電法によるランタン内包フラーレン製造時に生成する陰極堆積物中にはじめて発見された物質である(1993)。最近、特殊な試験条件で生成したランタンフラーレン煤の嫌気下熱処理という、本物質の新たな生成方法が開発された。本研究では、本ナノカプセルの成長に必要な条件を調べたので報告する。金属内包フラーレンの収率向上のため、通常直流アーク放電はHe圧力50-500Torrで行われる。本手法の特徴は、He圧力を低圧側15-50Torrの範囲とすることである。He圧を変えて生成・回収したフラーレン煤を、不活性雰囲気下1000-2200Cで数分間熱処理し、処理前後の煤について透過電子顕微鏡(TEM)による観察と熱分析を行い、最適条件を探った。TEM観察により、ヘリウム圧力20-50Torrで調製した煤は、熱処理により炭化物内包カーボンナノカプセルが成長する場合があるが、15Torr以下や100Torr以上で調製した煤では見られないことがわかった。
山本 和典; 社本 真一; 赤阪 健*; 若原 孝次*; 宮澤 薫一*
no journal, ,
低ヘリウム雰囲気下で調製されたランタンフラーレン煤を真空又はヘリウム雰囲気下で熱処理すると、ランタンカーバイド内包多層カーボンナノカプセルが生成することを既に報告した。今回、これらの試料について顕微ラマンスペクトル測定を行ったので報告する。熱処理前のランタンフラーレン煤のラマンスペクトルは、1580cm付近に現れるブロードなG-bandに加えて、1345cm付近に現れるD-bandのブロードなピークを示す。熱処理に伴いスペクトル幅が狭くなるとともに、D-bandの相対強度が増加する結果が観察された。前者の変化はカーボンブラックに代表される不定形炭素を熱処理した場合と同じ一般的な現象として説明される。しかし、後者の変化はこれらの一般的な不定形炭素を熱処理した場合とは逆の結果である。この現象について、透過型電子顕微鏡(TEM)観察結果をもとに考察した。