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藤原 悟; 武澤 康範*; 杉本 泰伸*; 若林 克三*
Journal of Structural Biology, 167(1), p.25 - 35, 2009/07
被引用回数:2 パーセンタイル:4.97(Biochemistry & Molecular Biology)中性子散乱・回折は、溶媒中の重水濃度を変えることにより、分子と溶媒の散乱長密度コントラストを変えることができるというユニークな特徴を持つ。このコントラスト変調法を用いた中性子繊維回折法の可能性を探るために、骨格筋の中性子繊維回折実験を行った。弛緩状態と硬直状態におけるカエル縫工筋の中性子繊維回折像をさまざまな重水濃度下で測定した。観測された反射の重水濃度依存性から、筋肉の単位構造中に異なった密度を持つ蛋白質領域が存在することが明らかとなった。さらに、赤道反射の解析を、フーリエ合成による投影密度マップ及びモデル計算を併用して行った結果、赤道反射の位相情報が得られること、筋肉を構成する主要要素である"太いフィラメント"と"細いフィラメント"の散乱長密度が異なること、そして、この太いフィラメントの密度が弛緩状態と硬直状態で大きく異なることが示された。これは、筋肉の状態変化に伴い、太いフィラメントの構造が大きく変化することを示唆する、また、構造解析に不可欠でありながらX線回折実験からは得られない位相情報が取得できることは、中性子回折の有用性を示している。
米澤 康滋*; 田中 晋平*; 久保田 智巳*; 若林 克三*; 油谷 克英*; 藤原 悟
Journal of Molecular Biology, 323(2), p.237 - 251, 2002/10
被引用回数:76 パーセンタイル:74.78(Biochemistry & Molecular Biology)アルツハイマー病等のアミロイドーシスに特徴的なアミロイド繊維は、広く種々の蛋白質において形成されることが知られている。アミロイド形成機構の解明はアミロイド疾患の治療,予防だけでなく、foldingや安定性に関係した蛋白質の性質そのものを考えるうえでも重要である。ニワトリ卵白リゾチーム(HEWL)は高エタノール濃度溶液中でアミロイド繊維を形成することが知られている。われわれはHEWLのアミロイド形成過程を調べるために、種々のエタノール濃度及び蛋白質濃度におけるHEWL溶液のX線及び中性子小角散乱実験を行った。その結果、エタノール濃度及び蛋白質濃度の関数としてのHEWLの構造状態は、単量体状態,2量体の形成状態,プロトフィラメントの形成状態,プロトフィラメント状態、そしてアミロイド繊維の形成状態に区別されることが示された。また、円二色性測定も併せて行い、HEWLの大きな2次構造変化は2量体形成の際にのみ起こることを明らかにした。さらに、それぞれの状態の詳しい構造キャラクタリゼーションを行い、2量体は細長い構造をとり、プロトフィラメントはその2量体が横向きに重なった構造、さらにアミロイド繊維形成はプロトフィラメント同士の会合によって起こることを明らかにした。
藤原 悟; 武澤 康範*; 杉本 泰伸*; 若林 克三*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.408 - 410, 2001/05
中性子散乱/回折は、コントラスト変調法を用いることにより、粒子の内部構造に関する情報を得ることができるというユニークな特徴を持つ。われわれは、ここでこの方法を繊維回折に適用した。「生きている」カエル筋肉を種々の重水濃度のリンゲル液で環流し、その中性子回折像を日本原子力研究所所有の中性子小角散乱装置SANS-Jで測定した。中性子回折像において観測されるそれぞれの反射の振幅のコントラスト依存性を解析した結果、筋肉中の組織状巨大蛋白質複合体中に散乱長密度の違いがあることを示された。さらに、それぞれのコントラストにおける筋肉の組織軸に垂直な面に投影した密度マップを解析した結果、この方法により赤道反射の位相が決定できること、及び実際に投影密度マップにおいて密度の異なった領域を検出できることが明らかとなった。
雨宮 慶幸*; 伊藤 和輝*; 八木 直人*; 浅野 芳裕; 若林 克三*; 植木 龍夫*; 遠藤 哲郎*
Review of Scientific Instruments, 66(2), p.2290 - 2294, 1995/02
被引用回数:124 パーセンタイル:98.54(Instruments & Instrumentation)大型放射光施設では、SPring-8施設の能力を充分に生かすために、検出器の開発を積極的に進めている。本報告は、その内で特にon-line測定が可能なX-ray用TVを開発したことについて、その性能も含めて述べたものである。本X-ray用TVは、Be窓付イメージインテンシファイヤおよびCCDにより成りたっており、空間分解能は150m150m、検出エリヤ約80mm(直径)、量子効率8keVのX-rayに対して60%という、高性能を持っている。また、本装置を用いて、コラーゲンや筋肉の回折パターンによる時系列測定を行った。これらのことについて述べたものである。
藤原 悟; 武澤 康範*; 杉本 泰伸*; 若林 克三*
no journal, ,
中性子散乱・回折では、「コントラスト変調法」により、粒子や単位構造の内部構造情報を得ることができる。中性子繊維回折の可能性を明らかにするために、典型的な繊維状蛋白質複合体である筋肉の中性子繊維回折測定をコントラスト変調法を用いて行った。弛緩状態及び硬直状態における筋肉の中性子繊維回折像を種々の重水濃度において測定した。得られた回折像において観測された反射の重水濃度依存性から、筋肉の単位構造内に異なった密度領域が存在することが明らかとなった。さらに、筋線維軸に垂直な平面への投影構造を反映する赤道反射の解析を、フーリエ合成による密度マップ及びモデル計算を併用して行った結果、赤道反射の位相情報が得られること,筋肉を構成する主要要素である「太いフィラメント」と「細いフィラメント」の密度が異なること、そして太いフィラメントの密度が弛緩状態と硬直状態で大きく異なることが示された。これは、筋肉の状態変化に伴い、太いフィラメントの構造が大きく変化することを示唆する、また、構造解析に不可欠でありながらX線回折実験からは得られない位相情報が取得できることは、中性子回折の有用性を示す結果である。