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大島 武; Lee, K. K.; 石田 夕起*; 児島 一聡*; 田中 保宣*; 高橋 徹夫*; 吉川 正人; 奥村 元*; 荒井 和雄*; 神谷 富裕
Materials Science Forum, 457-460(Part2), p.1405 - 1408, 2004/06
(001)立方晶炭化ケイ素(3C-SiC)ホモエピタキシャル膜上に作製した金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の電気特性とチャンネル方向([-110]方向に垂直,水平)の関係を調べた。その結果、両方のMOSFETともにしきい値電圧は-0.5V、チャンネル移動度は215から230cm/Vsと同様であることが見いだされた。このチャンネル移動度の値はこれまでに六方晶SiCでは達成されていない優れた値である。サブシュレショールド領域でのドレイン電流の値を調べたところ、[-110]に垂直のMOSFETは10Aオーダーであるのに対し、[-110]に平行なMOSFETは10Aオーダーと二桁も高いことが明らかとなった。これは、3C-SiC基板を[-110]方向にアンジュレーションをつけたSi基板にエピタキシャル成長するが、成長後にもその際の欠陥が残留し、伝導に影響するため[-110]に沿うように電流が流れる場合はリークが大きくなるためと考えられる。
大島 武; Lee, K. K.; 石田 夕起*; 児島 一聡*; 田中 保宣*; 高橋 徹夫*; 吉川 正人; 奥村 元*; 荒井 和雄*; 神谷 富裕
Japanese Journal of Applied Physics, Part 2, 42(6B), p.L625 - L627, 2003/06
被引用回数:39 パーセンタイル:77.43(Physics, Applied)炭化ケイ素(SiC)半導体は、大電力・高周波素子への応用が期待されているが、結晶成長や素子作製技術が確立しておらず、実用化への課題となっている。特に、金属-酸化膜-半導体(MOS)電界効果トランジスタ(FET)のチャンネル移動度の向上は実用化に不可欠となっている。これまで、結晶作製技術の問題より六方晶SiCが主な研究対象であったが、近年、立方晶SiC(3C-SiC)の厚膜化が可能となり、その厚膜を基板とすることでホモエピタキシャル成長を行うことが可能となった。本研究では、化学気相法により1650Cでホモエピタキシャル成長させた立方晶SiC上にMOSFETを作製した。MOSFETのソース,ドレイン領域は800Cでのイオン注入及び1650Cで3分間のAr熱処理することで作製し、ゲート酸化膜は1100Cでの水素燃焼酸化により形成した。電気特性よりチャンネル移動度を見積もったところ260 cm/Vsという非常に優れた値が得られた。また、酸化膜耐電圧を計測したところ絶縁破壊開始電界が8.5MV/cmというほぼ理想値を得た。
木下 明将*; 田中 保宣*; 田中 知行*; 福田 憲司*; 荒井 和雄*; 大島 武; 菱木 繁臣
no journal, ,
宇宙や原子力の分野において使用される半導体デバイスは放射線に強いことが求められる。耐放射線半導体としてSiCは有力な候補として考えられており、SiCが大容量パワーデバイスとしての研究が広く行われている。SiCの耐放射線性は、その利用方法から放射線検出器としての報告が多くされているが、大容量パワーデバイスとしての耐放射線性の報告は少ない。そこで、600V耐圧のSiCショットキーバリアダイオード(SBD)を作製し、線を照射することによる電気特性の変化を測定することで耐放射線性の評価を行った。その結果、47.5Mradの線照射によって耐圧の変化は見られなかったが、ショットキー障壁高さが照射後に増加する素子とわずかに減少する素子の2グループが存在することが判明した。