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論文

A Proposed method to estimate in situ dissolved gas concentrations in gas-saturated groundwater

玉村 修司*; 宮川 和也; 荒巻 憲隆*; 五十嵐 敏文*; 金子 勝比古*

Groundwater, 56(1), p.118 - 130, 2018/01

地下の環境を調査する上で、二酸化炭素やメタン, 水素, ヘリウムなどの溶存ガス量を精確に把握することが重要である。幌延のような溶存ガスに飽和している環境では、掘削に伴う圧力の低下により溶存ガスの脱ガスが生じるため、掘削前の原位置の情報を得ることはとても困難である。このことは、地上からのボーリング孔を利用した調査でも避けることができず、また地下施設を利用した場合においても同じである。そこで本研究では、脱ガスした試料の溶存ガス分析結果と、脱ガス前の圧力情報を用いた定量的な解析手法を開発した。本研究では、各ガス種の物理的溶解に対してはヘンリーの法則を考慮し、二酸化炭素に対しては化学的溶解についても考慮することで、脱ガスによる溶存ガス濃度の変化を精度よく計算することが可能になった。このことにより、これまで得ることが困難であった掘削前の原位置の情報をより正確に推定することが可能になった。本結果は、ヘリウムガスを用いた地下水年代測定法や、地下水流動解析における飽和・不飽和の判定などに適用することができ、その波及効果は大きい。

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