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山口 雄司*; 荒木 優佑*; 藤井 基晴*; 渡邉 岳*; 佐波 俊哉*; 松藤 成弘*; 古場 裕介*; 岩元 洋介; 魚住 祐介*
no journal, ,
炭素を用いた重粒子線がん治療において、重粒子入射反応で生じる二次粒子による低線量被ばくが問題となっている。われわれは、これまで改良を進めてきた陽子入射に対する核内カスケード(INC)の入射粒子の適用範囲を線、炭素入射反応へ拡張する計画である。拡張後のINCの精度検証に粒子入射による複合粒子(陽子, 重陽子, 三重陽子, He, 粒子)生成二重微分断面積(DDX)の実験データが必要であるが、入射エネルギーが核子当たり35MeV以上において実験データは存在しない。そこで本研究では、量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所のHIMAC棟において、核子当たり100, 230MeVの粒子を試料(C, Al, Co, Nb)に照射したときの複合粒子のDDXを測定した。Si半導体検出器、無機シンチレータGSOやPWOを散乱槽に設置して生成粒子のエネルギーを測定し、E-E法を用いて粒子識別を行った。その結果、測定角度30度から90度において、最大300MeVの高エネルギー成分まで実験データを得ることができた。拡張後のINCの計算結果は30度において実験値と良く一致するが、測定角度が増えるにつれて実験値を過小評価することがわかった。