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石橋 寿啓*; 友田 陽*; 菅谷 聡*; 豊川 弘之*; 平出 哲也; 堀田 善治*; 鈴木 裕士
Materials Transactions, 54(9), p.1562 - 1569, 2013/09
Equal Channel Angular Pressing(ECAP)法による99.99%銅の空孔密度,組織,粒界応力などのバルク平均された微視的構造パラメータを加速器利用の線誘起陽電子消滅分光(AIPAS)と中性子回折により調べた。AIPASで得られた消滅線ピークのドップラー広がりを示すSパラメータは最初のECAP処理で大きく増大し、その後の処理でわずかな減少が確認された。また、熱処理によって回復が見られたが、8サイクルのECAP処理試料の方が1サイクルのものよりも低温での回復が見られた。ECAP処理による組織や粒界の応力を中性子回折分析で求めた。熱処理を行いながら観測した中性子回折の半値幅と強度の変化から、8サイクルのECAP処理試料において再結晶化がより早く起こっていることがわかった。これらのバルク平均されたデータは結晶方位解析(SEM-EBSD)や機械的特性評価の結果と定性的に良い一致を示した。
鈴木 俊宏; 市毛 聡; 鈴木 惣十; 菅谷 和司*
PNC TN9410 96-269, 24 Pages, 1996/09
高速炉の安全特性の内、炉心の基本的特性である反応度係数に影響を及ぼす因子として、炉心構造物の機械的変形による流量特性の変化によるものが想定される。高速実験炉「常陽」は流量一定で運転するため、この影響は殆ど考慮する必要がない。しかし、「常陽」の定格運転時と、停止時の冷却材流体圧力差によって生じる原子炉容器内炉心支持板の変位量を求め、高速炉の反応度係数検討に資することは非常に有効となる。従って、この変位量を求めるため、汎用非線形構造解析コード"FINAS"を用いて変形解析を行った。2次元軸対称モデルによって、炉容器コアサポートと炉内構造物との接合点の変位量を求め、これを境界条件として、炉心支持板を含む炉内構造物の3次元60゜セクタモデルを作成し変位量を求めた。この結果、炉内構造物中の上部炉心支持板は、炉内構造物下部のリブの効果によって炉心中心部の変位が抑制されるものの、炉心中心位置で約0.39mm、第5列で最大変位量の約0.43mmと僅かに上方に変位することが分かった。「常陽」では、流量を変化させる運転方法をとっていないため、定格運転中にこれらの変形を生じることはないが、この変位によって相対的に制御棒が挿入されたと仮定した場合の反応度変化量は、数¢程度(定格運転時、全制御棒が均等挿入されているとした場合)となる。
豊川 弘之*; 平出 哲也; 友田 陽*; 石橋 寿啓*; 菅谷 聡*; 鈴木 良一*
no journal, ,
材料の脆化などには格子欠陥や転位,不純物元素などの存在などが大きく関与しているが、それらの影響は十分に理解されていない。これらを解明することは、原子力分野などにおける材料開発にとって、信頼できる材料劣化予測モデルを構築するために重要である。物質に1.02MeV以上の高エネルギー光子を照射すると電子・陽電子対が生成する。MeV領域のレーザーコンプトン線を直径数mmにコリメートし、それを用いて物質深部に針状の陽電子分布を形成する。これを用いて物質深部で陽電子消滅法による分析を行い、格子欠陥や陽電子生成断面積の測定とその可視化が可能となる。本手法は大気中や高温高圧,水素曝露下などの環境下において、材料深部が測定できると期待される。そこで本手法の実証実験を行った。産業技術総合研究所において、直径5mmにコリメートした9.1MeVのレーザーコンプトン線ビームを、鉄筋を挿入したコンクリートブロックへ照射し、透過像と陽電子生成像をCTで測定し、画像として表示することが可能であることがわかった。また、欠陥を大量に導入した金属サンプルを用いて陽電子Sパラメータ測定を行い、格子欠陥の測定を試みた。