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落合 彰二; 浅森 浩一; 常盤 哲也; 野原 壯; 松岡 稔幸
JAEA-Research 2014-002, 69 Pages, 2014/03
本研究の目的は、地質環境の長期安定性に関する地震データを得るために必要な観測技術と解析技術を検討することである。幌延地域を事例とした地震観測網の整備と約9年間の観測を通じて、多雪寒冷な環境下に対するピットを用いた地震計設置の有効性などの観測技術を確認した。比較的軟弱な地盤における観測点の性能は、バックグラウンドノイズと地震を識別できる加速度が1mGal程度であった。解析技術については、観測データが震源決定に有効な範囲を確認した。また、Multiplet-clustaring法とDouble-Difference法(DD法)を適用することにより、震源決定精度を高めるための解析条件を確認した。これらの解析法は震源が集中するときに適用性が高いと推定された。DD法は震源に近い観測点を含む多数のデータを用いた結果、解析結果の信頼性が向上した。メカニズム解を求めた結果、東西圧縮の逆断層型が認められた。これは想定されている広域応力場や地質構造と調和した。
常盤 哲也; 澤田 純之; 落合 彰二; 宮川 和也
第13回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(CD-ROM), p.1021 - 1025, 2013/01
高透水性の割れ目の産状を把握するため、グラウト材の注入状況に着目した地質観察を換気立坑の深度250350mで行った。換気立坑の本深度に認められる割れ目はおもに剪断割れ目であり、断層岩類を伴う連続性の良い割れ目(断層)や引張割れ目を伴う。また、掘削に伴う割れ目も多数観察された。注入されたグラウト材は断層から派生した割れ目に多く認められ、断層自体に多くのグラウト材が入っているのではないことがわかった。この結果は、高透水性の割れ目は断層から派生した割れ目であることを示唆する。
野原 壯; 常盤 哲也; 落合 彰二
no journal, ,
断層・褶曲帯の発達過程は、地形・地質調査や物理探査による情報をもとに、一般に一定の規則性を持った運動を仮定して推定されている。この場合、超長期の間に突発的に生じる現象については考慮されていない場合が多い。しかしながら、高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、断層・褶曲帯の連動や活動域の移動に伴う最大規模の影響を評価する必要がある。このような時間スケールで生じる現象の情報取得は、地質学的な調査が有効と考えられる。そこで、北海道北部の幌延丘陵を事例に、露頭調査とボーリング調査の結果から、過去約300万年間の堆積環境の変遷を整理するとともに、断層関連褶曲の発達過程との関係を検討した。その結果、初期は深海性の静穏な環境だったが、2.4Ma頃に浅海性の環境変化に転じ、向斜部に堆積物が溜まっており、解析結果を踏まえると断層関連褶曲の形成開始時期は不整合面の年代(約2.4Ma)よりも古いと推定できる。地層処分の長期安定性を評価するためには地形学的調査による現在の変動様式のみならず、地質学スケールの過去の変遷を考慮することが肝要となる。