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論文

Polarization-analyzed resonant inelastic X-ray scattering of the orbital excitations in KCuF$$_3$$

石井 賢司; 石原 純夫*; 村上 洋一*; 池内 和彦*; 葛下 かおり*; 稲見 俊哉; 大和田 謙二; 吉田 雅洋; Jarrige, I.; 多々見 央*; et al.

Physical Review B, 83(24), p.241101_1 - 241101_4, 2011/06

 被引用回数:21 パーセンタイル:64.51(Materials Science, Multidisciplinary)

We report a Cu $$K$$-edge resonant inelastic X-ray scattering (RIXS) study of orbital excitations in KCuF$$_3$$. By performing the polarization analysis of the scattered photons, we disclose that the excitation between the $$e_g$$ orbitals and the excitations from $$t_{2g}$$ to $$e_g$$ exhibit distinct polarization dependence. The polarization dependence of the respective excitations is interpreted based on a phenomenological consideration of the symmetry of the RIXS process that yields a necessary condition for observing the excitations. In addition, we show that the orbital excitations are dispersionless within our experimental resolution.

論文

Momentum-resolved charge excitations in high-$$T$$$$_{rm c}$$ cuprates studied by resonant inelastic X-ray scattering

石井 賢司; Hoesch, M.*; 稲見 俊哉; 葛下 かおり*; 大和田 謙二; 坪田 雅己; 村上 洋一; 水木 純一郎; 遠藤 康夫; 筒井 健二*; et al.

Journal of Physics and Chemistry of Solids, 69(12), p.3118 - 3124, 2008/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:18.18(Chemistry, Multidisciplinary)

Resonant inelastic X-ray scattering (RIXS) in the hard X-ray regime is a new spectroscopic technique to measure electronic excitations utilizing brilliant synchrotron radiation. It has the great advantage that the momentum dependence can be measured unlike conventional optical methods. As inelastic neutron scattering gives spin or lattice dynamics, inelastic X-ray scattering can be a tool to measure charge dynamics in solids through the coupling of photon to the charge of the electron. Here, I would like to present our RIXS studies on high-$$T_c$$ cuprates and related materials which were performed in close collaboration with theorists. In doped Mott insulators, an interband excitation across the Mott gap and an intraband excitation below the gap are observed in the low energy region of RIXS spectra. Momentum and carrier-doping dependence of the excitations will be discussed.

論文

Resonant X-ray magnetic diffraction experiments on SmB$$_2$$C$$_2$$

稲見 俊哉; 本間 徹生*; 筒井 智嗣*; 犬童 健太郎*; 小野寺 秀也*; 石井 賢司; 大和田 謙二; 葛下 かおり*; 中尾 裕則*; 村上 洋一*

Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 310(2, Part1), p.748 - 750, 2007/03

われわれはSmB$$_2$$C$$_2$$$$T_{rm N2}$$=37Kと$$T_{rm N1}$$=51Kの逐次相転移を共鳴X線回折で調べた。強い共鳴回折がSmの$$L_3$$吸収端で$$T_{rm N2}$$以下では101反射に観測され、一方、中間相では、非整合な$${vec Q}$$=(1$$pmdelta$$, $$pmdelta$$,1)の位置に観測された($$delta$$=0.13)。したがって、SmB$$_2$$C$$_2$$の逐次相転移は整合-非整合磁気相転移であることがわかった。

論文

Momentum dependence of Mott gap excitations in optimally doped YBa$$_2$$Cu$$_3$$O$$_{7-delta}$$ studied by resonant inelastic X-ray scattering

石井 賢司; 筒井 健二*; 遠藤 康夫*; 遠山 貴己*; 葛下 かおり; 稲見 俊哉; 大和田 謙二; 前川 禎通*; 増井 孝彦*; 田島 節子*; et al.

AIP Conference Proceedings 850, p.445 - 446, 2006/09

共鳴非弾性X線散乱により最適ドープにある高温超伝導体YBa$$_2$$Cu$$_3$$O$$_{7-delta}$$($$T_{c}$$=93K)の研究を行った。非双晶の結晶を用いることでab面内における異方的なスペクトルを観測することができた。一次元CuO鎖からの励起は$$b^{*}$$方向のゾーン端で2eVあたりに強度が増大するのに対し、1.5-4eVにあるCuO$$_2$$面からの励起は運動量にほとんど依存しない。一次元及び二次元ハバードモデルに基づく理論計算では、異なったクーロンエネルギーを取り入れることで、観測したスペクトルを再現することができる。CuO鎖のモットギャップの大きさはCuO$$_2$$面に比べて小さいことが明らかになった。

論文

Doping Momentum dependence of charge dynamics in Nd$$_{2-x}$$Ce$$_{x}$$CuO$$_4$$ (x=0, 0.075, and 0.15) studied by Resonant inelastic X-ray scattering

石井 賢司; 筒井 健二*; 遠藤 康夫*; 遠山 貴己*; 前川 禎通*; Hoesch, M.; 葛下 かおり; 稲見 俊哉; 坪田 雅己; 山田 和芳*; et al.

AIP Conference Proceedings 850, p.403 - 404, 2006/09

共鳴非弾性X線散乱(RIXS)による電子ドープ型高温超伝導体Nd$$_{1.85}$$Ce$$_{0.15}$$CuO$$_4$$の電荷励起の研究について報告する。低エネルギーにある電荷励起を観測できるように実験条件を適切にあわせることで、フェルミエネルギーを越えるバンド内励起とバンド間励起を初めて分離することができた。バンド内励起では幅に運動量($${mathbf q}$$)依存があるような分散関係が現れるのに対し、バンド間励起では強度がゾーン中央で2eV付近に集中する。これらの実験結果は、ハバードモデルに基づくRIXSスペクトルの理論的な計算と一致している。

論文

Resonant magnetic X-ray scattering study of UPd$$_2$$Al$$_3$$

石井 賢司; 葛下 かおり; 村上 洋一; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦

Journal of the Physical Society of Japan, 75(Suppl.), p.102 - 104, 2006/08

UPd$$_2$$Al$$_3$$$$T_N$$=14.5K以下で生じる反強磁性秩序と$$T_c$$=2K以下での超伝導が共存する興味深い物質である。共鳴X線磁気散乱により磁性と超伝導の結合を議論するためにも、$$T_c$$を越える実験の前に、それぞれの吸収端での共鳴の性質を知っておく必要がある。そのために、われわれは$$T_c < T < T_N$$においてUの$$M_1$$から$$M_4$$吸収端までの吸収端での共鳴X線磁気散乱の測定を行った。$$M_4$$吸収端での非常に大きな共鳴に加えて、$$3p_{1/2}$$から$$6d$$への遷移に対応する$$M_2$$吸収端でも共鳴が観測された。一方、$$M_1$$及び$$M_3$$吸収端での共鳴は小さいものであった。

論文

Induced orbital polarization of Ga ligand atoms in U$$T$$Ga$$_5$$ ($$T$$=Ni, Pd, and Pt)

葛下 かおり*; 石井 賢司; Wilkins, S. B.*; Janousova, B.*; 稲見 俊哉; 大和田 謙二; 坪田 雅己; 村上 洋一; 金子 耕士; 目時 直人; et al.

Physical Review B, 73(10), p.104431_1 - 104431_5, 2006/03

 被引用回数:8 パーセンタイル:38.5(Materials Science, Multidisciplinary)

反強磁性ウラン化合物U$$T$$Ga$$_5$$($$T$$=Ni, Pd, and Pt)について、Gaの$$K$$吸収端で行った共鳴X線散乱について報告する。ネール温度以下で大きな共鳴シグナルが観測された。$$pi$$-$$pi'$$及び$$pi$$-$$sigma'$$偏光に対するアジマス依存性から共鳴シグナルは磁気双極子の対称性を持っていることがわかった。このバンド電子の共鳴はUの$$5f$$電子との強い混成によりGaの$$4p$$状態の軌道偏極が誘起されたとする半局在モデルで解釈できる。以上の結果は、陰イオンでの共鳴磁気X線散乱は、対称性の議論からUの$$5f$$モーメントの配置を決定でき、混成に関する情報を与えることを示している。

論文

Electronic excitations in hole-doped La$$_{1-x}$$Sr$$_{x}$$MnO$$_{3}$$ studied by resonant inelastic X-ray scattering

石井 賢司; 稲見 俊哉; 大和田 謙二; 葛下 かおり; 水木 純一郎; 村上 洋一; 石原 純夫*; 遠藤 康夫*; 前川 禎通*; 廣田 和馬*; et al.

Journal of Physics and Chemistry of Solids, 66(12), p.2157 - 2162, 2005/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)

La$$_{1-x}$$Sr$$_{x}$$MnO$$_{3}$$(x=0.2,0.4)についてMnのK吸収端での共鳴X線非弾性散乱法により電子励起の研究を行った。ホールドープで金属化したことによるギャップの消失がLa$$_{0.6}$$Sr$$_{0.4}$$MnO$$_{3}$$において観測できた。また、温度により金属絶縁体転移を示すLa$$_{0.8}$$Sr$$_{0.2}$$MnO$$_{3}$$では、散乱強度の温度変化に顕著な異方性が見られており、これはMn酸化物に特有の軌道自由度を反映した異方的な電子状態の変化を捉えたものと考えられる。

論文

Momentum dependence of charge excitations in the electron-doped superconductor Nd$$_{1.85}$$Ce$$_{0.15}$$CuO$$_4$$; A Resonant inelastic X-ray scattering study

石井 賢司; 筒井 健二*; 遠藤 康夫*; 遠山 貴己*; 前川 禎通*; Hoesch, M.; 葛下 かおり; 坪田 雅己; 稲見 俊哉; 水木 純一郎; et al.

Physical Review Letters, 94(20), p.207003_1 - 207003_4, 2005/05

 被引用回数:70 パーセンタイル:89.23(Physics, Multidisciplinary)

共鳴非弾性X線散乱(RIXS)による電子ドープ型高温超伝導体Nd$$_{1.85}$$Ce$$_{0.15}$$CuO$$_4$$の電荷励起の研究について報告する。低エネルギーにある電荷励起を観測できるように実験条件を適切にあわせることで、フェルミエネルギーを越えるバンド内励起とバンド間励起を初めて分離することができた。バンド内励起では幅に運動量($${mathbf q}$$)依存があるような分散関係が現れるのに対し、バンド間励起では強度がゾーン中央で2eV付近に集中する。これらの実験結果は、ハバードモデルに基づくRIXSスペクトルの理論的な計算と一致している。

論文

Mott gap excitations in twin-free YBa$$_2$$Cu$$_3$$O$$_{7-delta}$$ ($$T_{c}$$ = 93 K) studied by resonant inelastic X-ray scattering

石井 賢司; 筒井 健二*; 遠藤 康夫*; 遠山 貴己*; 葛下 かおり; 稲見 俊哉; 大和田 謙二; 前川 禎通*; 増井 孝彦*; 田島 節子*; et al.

Physical Review Letters, 94(18), p.187002_1 - 187002_4, 2005/05

 被引用回数:39 パーセンタイル:80.97(Physics, Multidisciplinary)

共鳴非弾性X線散乱により最適ドープにある高温超伝導体YBa$$_2$$Cu$$_3$$O$$_{7-delta}$$($$T_{c}$$=93K)の研究を行った。非双晶の結晶を用いることでab面内における異方的なスペクトルを観測することができた。一次元CuO鎖からの励起は$$b^{*}$$方向のゾーン端で2eVあたりに強度が増大するのに対し、1.5-4eVにあるCuO$$_2$$面からの励起は運動量にほとんど依存しない。一次元及び二次元ハバードモデルに基づく理論計算では、異なったクーロンエネルギーを取り入れることで、観測したスペクトルを再現することができる。CuO鎖のモットギャップの大きさはCuO$$_2$$面に比べて小さいことが明らかになった。

論文

Resonant X-ray scattering study of UNiGa$$_5$$

葛下 かおり; 石井 賢司; 大和田 謙二; 村上 洋一; 金子 耕士; 目時 直人; Lander, G. H.; 池田 修悟; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦

Physica B; Condensed Matter, 359-361, p.1045 - 1047, 2005/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:11.68(Physics, Condensed Matter)

ネール温度が86Kの反強磁性を示すUNiGa$$_5$$においてウランのM$$_4$$吸収端及びガリウムのK吸収端のエネルギーを持つ放射光X線を用いた共鳴磁気散乱を観測した。ガリウムサイトでは非磁性元素であるにもかかわらず、10$$^2$$ものenhancementを観測したが、これは隣のウラン5$textit{f}$の軌道分極が混成軌道を通してガリウムの4$textit{p}$の軌道分極を誘起したことに起因すると考えられる。

論文

Resonant inelastic X-ray scattering study of the hole-doped manganites La$$_{1-x}$$Sr$$_x$$MnO$$_3$$ ($$x=0.2$$, $$0.4$$)

石井 賢司; 稲見 俊哉; 大和田 謙二; 葛下 かおり; 水木 純一郎; 村上 洋一; 石原 純夫*; 遠藤 康夫*; 前川 禎通*; 廣田 和馬*; et al.

Physical Review B, 70(22), p.224437_1 - 224437_6, 2004/12

 被引用回数:19 パーセンタイル:64.39(Materials Science, Multidisciplinary)

ホールドープしたマンガン酸化物(La$$_{1-x}$$Sr$$_x$$MnO$$_3$$$$x=0.2$$及び$$0.4$$)の電子励起について共鳴非弾性X線散乱による研究を行った。強相関電子系におけるドーピング効果を初めて観測することができた。散乱スペクトルにはモットギャップの残存を示すピークが残っている。それと同時に、部分的にギャップが埋まっており、スペクトル強度は低エネルギーにシフトしている。スペクトルの運動量依存性はほとんどなく、ドープ前のLaMnO$$_3$$と同程度である。一方、$$x=0.2$$の低エネルギー励起では散乱強度の温度依存性に異方性が見られ、それは磁気相互作用の異方性、及び、そのもととなる軌道の効果を示唆するものである。

論文

Charge disproportionation and magnetic properties in perovskite iron oxides

葛下 かおり; 森本 正太郎*; 那須 三郎*

Physica B; Condensed Matter, 329-333(1-4), p.736 - 737, 2003/05

 被引用回数:9 パーセンタイル:46.02(Physics, Condensed Matter)

ぺロブスカイト型鉄酸化物の物理的性質はFeO$$_6$$八面体のネットワークに関係している。SrFeO$$_3$$では起こらない電荷分離(2Fe$$^{4+}rightarrow$$Fe$$^{3+}$$ + Fe$$^{5+}$$)が、SrのLaへの置換や次元性の変化によるFeO$$_6$$八面体のネットワークの切断により発現する。また、Sr$$_3$$Fe$$_2$$O$$_7$$のFeを40%Coに置換すると、磁性は反強磁性から強磁性へと変化し電荷分離も抑制される。

口頭

強相関電子系の共鳴非弾性X線散乱測定

石井 賢司; 筒井 健二*; 遠藤 康夫*; 遠山 貴己*; 稲見 俊哉; 大和田 謙二; 葛下 かおり*; Hoesch, M.; 坪田 雅己; 水木 純一郎; et al.

no journal, , 

これまでに測定を行ってきた高温超伝導体Nd$$_{2-x}$$Ce$$_x$$CuO$$_4$$とYBa$$_2$$Cu$$_3$$O$$_{6+x}$$について発表する。モット絶縁体であるNd$$_2$$CuO$$_4$$、YBa$$_2$$Cu$$_3$$O$$_6$$では、2eV付近にMottギャップを越える励起(正確には、Zhang-RiceバンドからCuの上部Hubbardバンドへの励起)に対応するピークが見られた。この励起の重心は、ゾーン中心からゾーン端に向けて高エネルギー側にシフトしていき、$$[pi,0]$$方向の分散に比べて$$[pi,pi]$$方向の分散が大きい。電子ドープされたNd$$_{1.85}$$Ce$$_{0.15}$$CuO$$_4$$では、ギャップ間に上部Hubbardバンドでのバンド内励起と考えられる新たな励起が現れ、直線的な分散を持ちゾーン端で幅が広がる。一方、ホールドープされたYBa$$_2$$Cu$$_3$$O$$_7$$には2種類のCuサイトが存在し、それぞれCuO$$_2$$面,CuO鎖を形成している。励起の運動量依存性から両者のモットギャップを越える励起を分離し、その定量的な解析からCuO鎖のギャップの大きさがCuO$$_2$$面に比べて小さいことを明らかにすることができた。

口頭

La$$_{1-x}$$Sr$$_x$$MnO$$_3$$の共鳴非弾性X線散乱における偏光依存性

石井 賢司; 稲見 俊哉; 大和田 謙二; 葛下 かおり*; 水木 純一郎; 村上 洋一*; 石原 純夫*; 遠藤 康夫*; 前川 禎通*; 廣田 和馬*; et al.

no journal, , 

硬X線領域での共鳴非弾性X線散乱(RIXS)は、運動量分解能や元素選択能のある分光法として発展してきている。現在までの研究対象のほとんどは強相関遷移金属酸化物であり、$$3d$$遷移金属の$$K$$吸収端を利用したものである。その場合、散乱の偏光依存性はX線吸収・放出にかかわる$$4p$$電子の対称性によって決まる。一方、中間状態での価電子の励起には局在している$$1s$$正孔の方が主要な役割を果たしており、空間的に広がった$$4p$$電子と価電子との相互作用は小さいと考えられている。その結果、励起の偏光依存性に関する議論はほとんどなされてこなかった。われわれの考えは、小さいながらも$$4p$$電子と価電子との相互作用は偏光依存性を考えるうえでは重要で、通常のラマン散乱と同様にRIXSにおいても偏光には対称性に関する情報が含まれているというものであり、その観点から研究を進めている。今回はSPring-8のBL11XUで測定したLa$$_{1-x}$$Sr$$_x$$MnO$$_3$$について、モットギャップを越える励起(2.5eV)と酸素$$2p$$軌道からマンガン$$4s/4p$$軌道への励起(11eV)のピーク強度の偏光依存性について現象論的な解析から軌道秩序との関係について議論を行う。

口頭

共鳴非弾性X線散乱におけるKCuF$$_3$$の軌道励起の偏光依存性

石井 賢司; 石原 純夫*; 村上 洋一*; 池内 和彦*; 葛下 かおり*; 大和田 謙二; 稲見 俊哉; 吉田 雅洋; Jarrige, I.; 多々見 央*; et al.

no journal, , 

近年、高輝度放射光光源を利用した数keV領域での共鳴非弾性X線散乱(RIXS)による物質の電子励起の研究が行われるようになってきている。このエネルギー領域は3$$d$$遷移金属のK吸収端に対応しており、運動量分解能,元素選択性といった利点があることから、遷移金属酸化物などの強相関電子系物質の電子状態の理解に大きな貢献が期待できる。共鳴X線回折における偏光解析が秩序パラメーターの対称性を決定できるのと同様に、RIXSでの偏光依存性は励起の対称性と密接な関係があると考えられる。ひとたび励起の対称性と偏光依存性に関する選択則が確立すれば、モデルのパラメーター値によらずに励起の起源の議論が可能となる。最初の偏光依存性の研究対象としてKCuF$$_3$$$$dd$$励起を選び、銅のK吸収端でのRIXS実験を行った。KCuF$$_3$$$$dd$$励起には大きく分けて、$$t_{2g}$$軌道から$$e_g$$軌道に電子が遷移するものと、$$e_g$$軌道間で電子が遷移するものがある。測定の結果、この2つの$$dd$$励起の偏光依存性に顕著な違いが存在することを発見した。K吸収端でのRIXSでは、双極子遷移による吸収・発光にかかわる$$4p$$軌道の対称性がX線の偏光と直接関係しており、$$3d$$-$$4p$$軌道間のクーロン相互作用についての群論的考察を行ったところ、「$$3d$$-$$4p$$相互作用の対称性から$$dd$$励起が起こるための必要条件が得られる」ことがわかった。

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