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論文

Novel cross-slip mechanism of pyramidal screw dislocations in magnesium

板倉 充洋; 蕪木 英雄; 山口 正剛; 都留 智仁

Physical Review Letters, 116(22), p.225501_1 - 225501_5, 2016/06

 被引用回数:35 パーセンタイル:86.48(Physics, Multidisciplinary)

六方晶金属は結晶構造のため特定の方向にのみ変形する性質があり加工が困難である。近年様々な元素を添加することでこの性質を改善する研究が競争状態にある。本課題はこれまで鉄の転位の第一原理計算を行ってきた経験を活かし、これを六方晶金属である燃料被覆管ジルコニウムへ応用することを最終目標として同じ六方晶金属であるマグネシウムの複雑な塑性変形機構を解明しようとするものである。今回第一原理計算により、実験において観測されていて塑性改善の鍵となると考えられている錐面転位の原子構造や六方晶特有の移動プロセスを解明することに成功した。その結果、錐面転位が拡張したまま低温でも容易に交差滑りを起こすことが分かった。この結果は、これまで知られていなかった新しい交差滑りのメカニズムを発見したものであり、六方晶金属の塑性変形機構解明に大きく貢献するものである。

論文

Atomistic study on the cross-slip process of a screw $$<a>$$ dislocation in magnesium

板倉 充洋; 蕪木 英雄; 山口 正剛; 都留 智仁

Modelling and Simulation in Materials Science and Engineering, 23(6), p.065002_1 - 065002_19, 2015/09

 被引用回数:12 パーセンタイル:50.13(Materials Science, Multidisciplinary)

マグネシウムは軽量で強度があり構造材料としての高いポテンシャルを持っているが結晶構造の対称性の低さから特定の方向にのみ変形する性質があり加工が困難である。近年様々な元素を添加することでこの性質を改善する研究が各国において産学連携で進められ競争状態にある。本課題はこれまで鉄の転位の第一原理計算を行ってきた経験を活かし、計算科学研究の進んでいないマグネシウムについて研究を開始したものである。これまでマグネシウムの変形を担う転位の性質はその安定構造が第一原理計算で求められていたのみで、その移動の性質は不明であった。本研究では転位の構造とその移動を同時にコントロールする手法を新たに開発し、移動に必要なエネルギーを構造変化を考慮に入れた上で計算することに成功した。その結果、必要なエネルギーの大部分は構造変化のエネルギーであり、構造変化した後は転位が容易に移動することが分かった。この計算手法は同じ六方晶系の燃料被覆管用ジルコニウム合金へも適用可能である。

論文

水素脆化モデル構築のための原子及び連続体手法による粒界面上微小き裂近傍の応力分布の考察

海老原 健一; 蕪木 英雄; 板倉 充洋

「鋼の機械的特性に及ぼす水素の効果とその評価」シンポジウム予稿集(USB Flash Drive), 6 Pages, 2014/09

水素脆化は鉄鋼材料の強度低下や破壊をもたらす要因の1つであり、その機構の解明が求められている。高強度鋼の遅れ破壊や溶接部の低温割れは、偏析水素による粒界強度低下が主な原因と考えており、その機構は応力腐食割れと同様と考えられる。粒界強度低下に基づく水素脆化モデルでは、水素による粒界強度低下を原子レベルスケールの計算で評価し、その情報を用い巨視的スケールの強度やき裂進展の評価がなされているが、両スケール間におけるスケールのモデル化についてはあまり明確でない。特に、微視き裂先端での応力集中について、き裂周囲を弾性体とするモデルがあるが、その妥当性も明確でない。本研究では、微視き裂を含みその周囲に転位がない系の引張によるき裂周囲の応力を分子動力学(MD)と連続体計算(FEM)の計算手法で評価し、その差異について考察した。その結果、1%以下の低いひずみでは、両手法による応力分布は同様の結果となったが、それ以上になるとき裂先端の応力集中部から両者の差が大きくなった。また、応力集中のモデル化については、き裂周辺を単なる弾性体とするだけではMDの結果を再現できなかった。

論文

水素熱脱離解析におけるデトラップ速度定数の算出に対する試料サイズの影響; 数値シミュレーションによる考察

海老原 健一; 蕪木 英雄; 高井 健一*

材料とプロセス(CD-ROM), 27(1), P. 418, 2014/03

応力腐食割れの1つである水素脆化割れの機構解明には、鋼材中の欠陥による水素の捕獲状態の同定が不可欠である。欠陥による水素捕獲状態の同定では、水素を含む鋼材試料の昇温脱離解析で得られる熱脱離曲線が広く用いられるが、熱脱離曲線には水素を捕獲する欠陥の情報のほか試料のサイズや実験条件の影響が含まれるため数値解析が必要となる。従来、数値解析モデルでは、欠陥が水素をデトラップする速度定数の前指数因子は、フィッティングパラメータとして用いられてきた。今回の発表では、デトラップ速度定数の前指数因子を実験的に同定する際の試料サイズの影響について数値解析を使い調べた。結果として、純鉄及びマルテンサイト鋼において、試料サイズが0.3mmより大きくなると同定の精度が急激に落ちることが分かった。また、熱脱離曲線への影響の調査から、実験において前指数因子をオーダー程度で同定可能であることが分かった。

論文

Numerical evaluation of the Choo and Lee's method for calculating hydrogen detrapping activation energies

海老原 健一; 蕪木 英雄; 高井 健一*

Proceedings of 2012 International Hydrogen Conference; Hydrogen-Materials Interactions, p.553 - 561, 2014/02

構造材料として広く使われている鉄鋼において、水素脆化を起因とするき裂が観測されていることから、その機構解明が望まれている。鉄鋼の水素脆化を理解するためには、格子欠陥と水素の結合強さを表す水素のデトラッピング活性化エネルギーの正確な評価が重要である。通常、実験水素熱放出曲線からデトラッピング活性化エネルギーを評価するチューとリーの方法は、試料における水素拡散を無視しているため、詳細に調べられる必要がある。今回、チューとリーの方法を使って、純鉄の実験熱放出曲線から、また、実験熱放出曲線を再現できるようにパラメータを調整した一次元拡散反応方程式によってシミュレートした放出曲線から、水素のデトラッピング活性化エネルギーを評価した。その結果、試料サイズが大きくなると、チューとリーの方法はデトラッピング活性化エネルギーを過小評価することがわかった。また、このサイズ依存性は、拡散過程によるデトラッピング過程のピークが変形されることに起因することが明らかとなった。

論文

An Atomistic modeling of He bubble stability at grain boundaries in alpha-Fe

鈴土 知明; 都留 智仁; 山口 正剛; 蕪木 英雄

Journal of Nuclear Materials, 442(1-3), p.S655 - S659, 2013/11

 被引用回数:6 パーセンタイル:44.21(Materials Science, Multidisciplinary)

原子炉その他の構造材における粒界にて析出するヘリウムバブルは、材料に深刻な脆化をもたらすことがあるが、そのようなバブルの形成機構はよくわかっていない。本研究では、その形成機構を明らかにするため、経験ポテンシャルを用いてヘリウムバブルの元になるヘリウム空孔クラスタの安定性を調べた。その結果、粒界におけるヘリウム空孔クラスタからの空孔の脱離エネルギーが、一般に同様のサイズの粒内クラスタのそれに比べて小さいことがわかった。また、粒界では平衡状態にあるクラスタのヘリウム・空孔比が大きくなることがわかった。以上のような結果は、バブル形成モデルを構築する場合の有用な情報となる。

論文

The Effect of hydrogen atoms on the screw dislocation mobility in bcc iron; A First-principles study

板倉 充洋; 蕪木 英雄; 山口 正剛; 沖田 泰良*

Acta Materialia, 61(18), p.6857 - 6867, 2013/10

 被引用回数:107 パーセンタイル:98.14(Materials Science, Multidisciplinary)

原子力材料は長年の中性子照射によって硬化する。これは金属材料が折れることなく曲がる塑性変形が、照射による材料変化によって阻害される現象であるが、これを解明するには塑性のメカニズムを原子スケールで明らかにする必要がある。それには塑性変形を担う転位線と呼ばれる格子欠陥の動きがどのように照射損傷により阻害されるを知る必要があり、これは実験で直接観察できないので大規模な量子計算が必要になる。本発表では量子計算によって初めてこの転位の移動阻害メカニズムを明らかにしたので報告する。大規模な計算が必要という課題の解決にあたっては、新たに考案した多階層計算手法を用い少ない原子数で多数の原子での計算に相当する精度を出すことを可能にしたことが上げられる。これによって転位の運動阻害プロセスを定量的にモデル化することが可能となり、照射硬化をシミュレーションで定量評価するための道が開けたと言える。

論文

Solution softening in magnesium alloys; The Effect of solid solutions on the dislocation core structure and nonbasal slip

都留 智仁; 宇田川 豊; 山口 正剛; 板倉 充洋; 蕪木 英雄; 加治 芳行

Journal of Physics; Condensed Matter, 25(2), p.022202_1 - 022202_5, 2013/01

 被引用回数:55 パーセンタイル:87.13(Physics, Condensed Matter)

軽量構造材料の応用に向けてマグネシウム合金の延性を向上させる必要性が認識されている。本論文では、イットリウム固溶が非底面すべりを活性化する可能性に着目する。まず、純マグネシウムの底面及び柱面に対する一般化積層欠陥(GSF)エネルギーを密度汎関数理論(DFT)と経験ポテンシャルによって評価し、転位芯構造への影響について準離散変分パイエルス・ナバロウモデル(SVPN)を用いて検討する。さらに、添加されたイットリウムの固溶軟化に対しても、DFT計算ベースのSVPNモデル解析を行ったところ、GSFエネルギー表面の勾配を低下させることによって、軟化を促進する影響をもつことを明らかにした。

論文

水素熱脱離曲線における試料サイズと初期状態の影響; 数値シミュレーションによる考察

海老原 健一; 蕪木 英雄

水素脆化研究の基盤構築中間報告会予稿集, p.27 - 34, 2012/09

鉄鋼材料の水素脆化機構の解明に不可欠な水素の存在状態の知見を得る有効な実験的方法として水素熱脱離解析(TDA)がある。TDAでは加熱した鉄鋼試料から放出される水素量と試料温度の関係である水素熱脱離曲線が得られ、その曲線から水素存在状態を推定するのに重要な水素と欠陥の結合エネルギーを算出することができる。熱脱離曲線は鉄鋼中の水素の存在状態を反映しているが、試料サイズや昇温前の水素の初期状態にも影響されるため、それらの熱脱離曲線への影響を理解する必要がある。今回は、マルテンサイト鋼の実験熱脱離曲線を再現できる計算パラメータを組み入れた一次元反応拡散方程式を用いたシミュレーションによって、試料サイズと初期状態の熱脱離曲線への影響を考察した。その結果、試料サイズについては、大きくなるほど熱脱離曲線のピークが広がり、計算される結合エネルギーが小さくなることが確認された。初期状態については、水素分布が平衡となる前の過渡状態を初期状態としたサイズの大きい試料では、欠陥の水素放出と水素拡散に関する2つのピークが見られることがわかった。

論文

First-principles study on the mobility of screw dislocations in bcc iron

板倉 充洋; 蕪木 英雄; 山口 正剛

Acta Materialia, 60(9), p.3698 - 3710, 2012/05

 被引用回数:75 パーセンタイル:95.63(Materials Science, Multidisciplinary)

原子力材料は長年の中性子照射によって硬化する。この現象は金属材料の塑性変形が、照射による材料変化によって阻害されるため起こると考えられてきたが、これを解明するには塑性のメカニズムを原子スケールで明らかにする必要があり、塑性変形を担う転位線と呼ばれる格子欠陥がどのように材料内部を動くかを知るため、大規模な量子計算が必須となる。本発表では、量子計算により、初めてこの転位の移動エネルギーを高い精度で定量的に評価したことを報告する。従来ない大規模な計算を行うにあたり、計算体系を量子計算が必要な部分と線形弾性論で近似できる部分に分割することで、効率的計算手法を実現し、さらにこれまで計算されたことのなかった転位線の二次元的運動を初めて計算によって明らかにすることができた。今後は、この成果をもとに、転位の動きを定量的にモデル化することが可能となり、照射硬化をシミュレーションで定量評価するための道が拓けたと言える。

論文

Mobile effect of hydrogen on intergranular decohesion of iron; First-principles calculations

山口 正剛; 亀田 純*; 海老原 健一; 板倉 充洋; 蕪木 英雄

Philosophical Magazine, 92(11), p.1349 - 1368, 2012/04

 被引用回数:50 パーセンタイル:90.24(Materials Science, Multidisciplinary)

鉄の体心立方構造$$Sigma$$3(111)対称傾角粒界に沿って生じる粒界水素脆性の原子論的メカニズムを、第一原理計算により調べた。粒界脆性が生じるときの水素のモバイル(動く)効果とインモバイル(動かない)効果について調べるため、粒界と破壊表面における水素の偏析エネルギーの被覆率依存性を、水素原子間の反発相互作用を取り入れたマクリーン式の一般化を通して調べた。その結果、両者の効果が働くことによって最大で70-80%もの非常に大きな粒界凝集エネルギー低下が生じることがわかり、それは10$$^{-9}$$原子分率という非常に低い水素濃度でも生じることがわかった。これは、インモバイル効果のみによる粒界凝集エネルギー低下が最大でも10-20%であることと対照的である。鉄における水素のモバイル効果は、非常に大きな粒界凝集エネルギー低下をもたらし、粒界水素脆性を支配する重要な要素の一つと考えられる。

論文

Numerical modeling of thermal desorption spectra of hydrogen; A Review of thermal desorption models

海老原 健一; 蕪木 英雄

ISIJ International, 52(2), p.181 - 186, 2012/02

 被引用回数:17 パーセンタイル:38.1(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

原子炉やその他の構造材等の水素脆化研究において、鋼材中の水素存在状態の同定は必要不可欠である。水素存在状態の同定には、昇温脱離分析によって得られる、一定割合で熱せられた試料からの放出水素量と試料温度との関係である水素熱放出曲線が有用であるが、放出曲線には、試料の大きさ,昇温速度,水素拡散の速度,欠陥による水素のトラップ効果などのさまざまな因子が影響するため、水素放出過程のモデル化が必要となる。本論文では、水素放出曲線を数値的に再現できる既存のモデルを、水素放出の律速条件によって分類し、モデルの歴史的背景を含めて概観した。またそれぞれのモデルの適用範囲についても言及した。

論文

Annealing simulation of cascade damage in $$alpha$$-Fe; Damage energy and temperature dependence analyses

鈴土 知明; Golubov, S. I.*; Stoller, R. E.*; 山口 正剛; 都留 智仁; 蕪木 英雄

Journal of Nuclear Materials, 423(1-3), p.40 - 46, 2012/01

 被引用回数:8 パーセンタイル:52.71(Materials Science, Multidisciplinary)

原子炉構造材料の照射効果を明らかにするため、損傷エネルギーが200keVまでのカスケード損傷の分子動力学シミュレーション結果を用いてキネティックモンテカルロ法による長時間の時間発展の解析を行った。われわれは特に残留する欠陥数が損傷エネルギーや温度によってどのように変化するかを詳細に調べた。この結果は照射下の微細構造発達の速度論方程式の入力パラメータとして使える。また本解析により、アニーリング中サブカスケードはほぼ独立して時間発展すること、そしてアニーリング結果の温度依存性は空孔拡散と空孔のクラスターからの脱離確率の温度依存性によって説明できることがわかった。

論文

Modeling of the grain boundary segregation of helium in $$alpha$$-Fe

鈴土 知明; 蕪木 英雄; 山口 正剛

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.1102 - 1105, 2011/10

 被引用回数:10 パーセンタイル:61.04(Materials Science, Multidisciplinary)

本論文では高速中性子照射下におけるヘリウム脆化に関し、ヘリウムの粒界偏析の計算科学的手法を議論する。われわれは特にアルファ鉄中の偏析現象のモデリングにキネティックモンテカルロ法を用いた。実際の計算では、第一原理計算から得られたヘリウム原子の移動、及び偏析エネルギーが用いられた。また、得られた結果をMcLeanの平衡偏析理論と比較検討した。

論文

Evaluation of stress and hydrogen concentration at grain boundary of steels using three-dimensional polycrystalline model

海老原 健一; 板倉 充洋; 山口 正剛; 蕪木 英雄; 鈴土 知明

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.38 - 43, 2011/10

鉄鋼材料の水素脆化を説明するモデルとして、鉄鋼中の粒界に水素が偏析し粒界強度が低下するとした粒界剥離モデルが提唱されているが、このモデルの妥当性を検証するためには、実際の引張試験条件下において、粒界での応力と水素濃度を評価する必要がある。そこで、本研究では三次元多結晶体モデルを用い、その粒界において応力及び水素濃度の評価を行った。なお、多結晶は、乱数を用いたボロノイ分割により生成し、各粒には異なる結晶方向を与えた。また、計算の境界条件としては、引張試験条件の下で、切欠き付き丸棒試料モデルにおいて計算した結果から切り抜いたデータを用いた。得られた粒界応力の評価結果によると、評価した応力は評価した水素量の条件下で第一原理計算により見積もられた破断応力には達せず、結晶の異方性のみによる応力集中では粒界剥離は起こらないと考えられ、他の要因を考察する必要があることが明らかとなった。

論文

First-principles study on the grain boundary embrittlement of metals by solute segregation, 2; Metal(Fe, Al, Cu)-Hydrogen (H) systems

山口 正剛; 海老原 健一; 板倉 充洋; 門吉 朋子*; 鈴土 知明; 蕪木 英雄

Metallurgical and Materials Transactions A, 42(2), p.330 - 339, 2011/02

 被引用回数:111 パーセンタイル:97.46(Materials Science, Multidisciplinary)

The microscopic mechanism of grain boundary embrittlement in metals by hydrogen trapping (segregation) has been not well understood for many years. From first-principles calculations, we show here that the calculated cohesive energy of bcc Fe $$Sigma$$3(111) and fcc Al(Cu) $$Sigma$$5(012) symmetrical tilt grain boundaries with varying the trapping density of hydrogen can be significantly reduced by hydrogen trapping; it indicates that the reduction of the cohesive energy of the grain boundary may cause the hydrogen-induced grain-boundary embrittlement in Fe, Al, and Cu, although the possibility of hydrogen trapping at grain boundary is very different among those metals. Considering the "mobile" effect of hydrogen during fracture, more hydrogen atoms coming from solid solution state can be trapped on the gradually formed two fracture surfaces in addition to the already trapped "immobile" hydrogen atoms at the grain boundary before fracture.

論文

Multiscale modeling of helium-vacancy cluster nucleation under irradiation; A Kinetic Monte-Carlo approach

鈴土 知明; 山口 正剛; 蕪木 英雄; 海老原 健一

Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1215, 7 Pages, 2010/10

第一原理計算法とオブジェクトキネティックモンテカルロ法を組合せて、照射下におけるヘリウム空孔クラスター形成研究を行った。対象とした材料はbcc鉄及びfcc鉄であり、これらはそれぞれフェライト・マルテンサイト鋼及びオーステナイト鋼の代替材料である。第一原理計算では点欠陥に移動エネルギーやヘリウムや空孔のそれらのクラスターからの分離エネルギーを計算して、オブジェクトキネティックモンテカルロ計算の入力パラメータとした。われわれは特にヘリウム注入などの高ヘリウム生成の照射条件でのシミュレーションに注目した。そしてクラスター形成や空孔,格子間原子やヘリウム原子などの点欠陥の行き先を追跡した。その結果、カスケード内のクラスター形成を無視した場合、2つの結晶間で点欠陥の移動エネルギーが著しく異なるにもかかわらずヘリウム空孔クラスター形成については大きな違いがないことがわかった。

論文

First-principles study of the grain-boundary embrittlement of metals

山口 正剛; 海老原 健一; 板倉 充洋; 鈴土 知明; 蕪木 英雄

Proceedings of Joint International Conference of 7th Supercomputing in Nuclear Application and 3rd Monte Carlo (SNA + MC 2010) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2010/10

粒界脆化のメカニズムは長年の間謎とされ、溶質元素がどのぐらい粒界偏析するとどのぐらい粒界の凝集エネルギーが低下するのかもわからなかった。われわれは第一原理計算により、鉄粒界の粒界凝集エネルギーがホウ素,炭素,リン,硫黄元素の偏析によってどの程度変化するのかを計算した。その結果、ホウ素,炭素は粒界凝集エネルギーを増大させ、逆にリンと硫黄は粒界凝集エネルギーを減少させることを示した。その変化分は、実験的に観測されている延性脆性遷移温度の変化とよく相関しており、粒界凝集エネルギーが粒界脆化の鍵を握る物理量であることを示している。

論文

Evaluation of local stress and local hydrogen concentration at grain boundary using three-dimensional polycrystalline model

海老原 健一; 板倉 充洋; 山口 正剛; 蕪木 英雄; 鈴土 知明

Proceedings of Joint International Conference of 7th Supercomputing in Nuclear Application and 3rd Monte Carlo (SNA + MC 2010) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2010/10

鉄鋼材料の水素脆化を説明するモデルとして、鉄鋼中の粒界に水素が偏析し粒界強度が低下するとした粒界剥離モデルが提唱されているが、このモデルの妥当性を検証するためには、実際の引張試験条件下において、粒界での応力と水素濃度を評価する必要がある。そこで、本研究では三次元多結晶体モデルを用い、その粒界において応力及び水素濃度の評価を行った。なお、多結晶は、乱数を用いたボロノイ分割により生成し、各粒には異なる結晶方向を与えた。また、計算の境界条件としては、引張試験条件の下で、切欠き付き丸棒試料モデルにおいて計算した結果から切り抜いたデータを用いた。得られた粒界応力の評価結果によると、評価した応力は評価した水素量の条件下で第一原理計算により見積もられた破断応力には達せず、結晶の異方性のみによる応力集中では粒界剥離は起こらないと考えられ、他の要因を考察する必要があることが明らかとなった。

論文

Kinetic Monte Carlo annealing simulation of cascade damage in $$alpha$$-Fe

鈴土 知明; Golubov, S.*; Stoller, R.*; 山口 正剛; 都留 智仁; 蕪木 英雄

Proceedings of Joint International Conference of 7th Supercomputing in Nuclear Application and 3rd Monte Carlo (SNA + MC 2010) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2010/10

分子動力学は原子炉構造材料中でのカスケード照射損傷を解析するのに適したツールであるが、その手法で追える時間は100ピコ秒程度である。それに対してキネティックモンテカルロ法によるカスケードアニーリングシミュレーションはカスケード損傷後の長いシミュレーションに適している。そこでわれわれは$$alpha$$-鉄においてそのようなアニーリングシミュレーションを包括的に行った。PKAエネルギーが10keV以上の場合ではカスケード事象直後に残存する弾き出し量のNRT標準値に対する比が0.3程度あるが、300Kにおけるアニーリングによってその約3割が再結合で消失することがわかった。また再結合率はアニール温度を上げると高くなることがわかった。これらの結果は、速度論を用いたカスケード蓄積シミュレーションのモデリングに有用なデータを提供する。以上のように、本成果は原子力分野の材料研究開発に資する成果である。

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