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奥田 隆成*; 藤原 優行*; 中井 辰良*; 柴田 憲一*; 木村 晃彦*; 井上 賢紀; 鵜飼 重治*; 大貫 惣明*; 藤澤 敏治*; 阿部 冨士雄*
Proceedings of 2009 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '09) (CD-ROM), p.9229_1 - 9229_4, 2009/05
重金属冷却高速増殖炉及び超臨界水冷却高速増殖炉用の燃料被覆管として、優れた高温強度と高耐食性の両方を兼ね備えた酸化物分散強化型フェライト鋼(スーパーODS鋼)の開発を進めている。本報では、開発中のスーパーODS鋼の高性能アトライタについて強化した結果について報告する。
上羽 智之; 鵜飼 重治; 中井 辰良*; 藤原 優行*
Journal of Nuclear Materials, 367-370(2), p.1213 - 1217, 2007/08
被引用回数:16 パーセンタイル:72.08(Materials Science, Multidisciplinary)酸化物分散強化型鋼ODS鋼と11Cr-0.5Mo-2W,V,Nbフェライトマルテンサイト鋼(PNC-FMS)を異材接合することを目的として、摩擦圧接法の適用性を検討した。摩擦圧接では、アップセット圧をパラメータとした。これらの材料を摩擦圧接合すると、摩擦圧接まま状態で熱影響部が焼入れ硬化を生じるため、熱処理を施すことにより硬化を回復させた。熱処理によって、接合界面に軟化層が生じたため、熱処理の冷却速度を変化させ、軟化層を発生させない条件を検討した。熱処理後、異材接合部から試験片を採取し、硬さ分布,組織状態と引張強度を評価した。さらに、接合後の圧延性を評価するため、ロール圧延試験を実施し、圧延された接合材の引張試験により圧延後の健全性を評価した。
大塚 智史; 鵜飼 重治; 酒瀬川 英雄; 藤原 優行; 皆藤 威二; 成田 健
Journal of Nuclear Materials, 367-370(1), p.160 - 165, 2007/08
被引用回数:59 パーセンタイル:95.88(Materials Science, Multidisciplinary)実用化段階での高速炉用燃料被覆管材料として開発を進めている9Cr-ODSマルテンサイト鋼のクリープ強度と微細組織に及ぼすT濃度と固化温度の影響を検討した。Ti濃度を0.30.35wt%に増加させることにより、残留相(フェライト)が増加し、クリープ強度が著しく改善されることがわかった。熱間押出温度を上げるとクリープ強度は低下するが、残留相は逆に増加していることがわかった。これら試料の微細組織観察を実施し、これら実験結果を説明可能な9Cr-ODSマルテンサイト鋼のクリープ変形メカニズムについて検討した。
成田 健*; 鵜飼 重治; 皆藤 威二; 大塚 智史; 藤原 優行
JAEA-Research 2006-050, 85 Pages, 2006/10
9CrODSマルテンサイト鋼において、Wはマトリックスの固溶強化元素であり、酸化物分散強化との相乗効果により高温強度を高めるが、添加量を多くした場合フェライト相の生成を増加させ、また高温照射下で金属間化合物(ラーベス相)の析出を促進して延性低下をもたらす。このためW添加量は必要最少量が望ましい。本研究では9CrODSマルテンサイト鋼の組織及び高温強度におよぼすW量の影響を検討した。得られた結果は以下の通りである。(1)9CrODSマルテンサイト鋼において、延性,靭性に悪影響をおよぼすラーベス相はW添加量が2mass%を超えると生成する。したがって現行仕様の目標値であるW=2.0mass%はおおむね適切と考える。(2)W増量による硬さ,引張強度の上昇は、W固溶強化と未変態相増加の両方が関与している。この未変態相はフェライト生成元素であるWの添加により同時に形成されるものであり、973K引張強さにおける強度向上への両者の寄与量はほぼ同等であった。(3)上記の知見に基づき、強度向上と同時にラーベス相生成による脆化を促進するWの添加量を極力減らし、それによる固溶強化低下分を未変態相生成量の増加で補うような成分設計について検討する余地は残されていると考える。
鵜飼 重治; 皆藤 威二; 大塚 智史; 藤原 優行*; 小林 十思美*
まてりあ, 45(1), p.48 - 50, 2006/01
日本金属学会で毎年応募される新技術として、原子力機構が開発した9Cr-ODSフェライト/マルテンサイト鋼被覆管について紹介した。組織制御技術を独自に開発することにより、世界で初めて冷間圧延による被覆管製造を可能にするとともに、フェライト系耐熱鋼として世界最高の高温強度を有する9Cr-ODSフェライト/マルテンサイト鋼被覆管を実用化した。
大塚 智史; 鵜飼 重治; 藤原 優行; 皆藤 威二; 成田 健
JNC TN9400 2005-034, 197 Pages, 2005/08
マルテンサイト系酸化物分散強化型鋼(9Cr ODS鋼)は、耐中性子照射特性と高温強度が優れるため、高速炉の実用化段階での燃料被覆管材料として有望視されている。近年の製造経験から、9CrODS鋼被覆管では、同じ製造プロセスで製造しても高温強度が変動し、必ずしも安定的に目標強度を有する被覆管を製造できないことが問題となっている。本報では、近年実施した9CrODS鋼の強度と組織に及ぼす酸素効果の評価データをとりまとめるとともに、高強度9CrODS鋼被覆管材料を安定的に製造するための組織制御技術について検討を行った。
大塚 智史; 鵜飼 重治; 皆藤 威二; 成田 健; 藤原 優行
Materials Transactions, 46(3), 487 Pages, 2005/00
被引用回数:43 パーセンタイル:87.27(Materials Science, Multidisciplinary)ODSマンテンサイト鋼の高温強度の更なる改善を目的に、ODSマンテンサイト鋼の酸化物分散組織と強度に及ぼす過剰酸素(Ex.O)とTiの影響を検討した。ODSマンテンサイト鋼は、酸化物粒子が超微細分散した筋状粒と参加が粗分散した等軸粒の2相組織を有しており、Ex.O/Ti比を増加させると、筋状微細粒が減少するとともに、等軸粒中の酸化物粒子が粗分散し、高温強度(クリープ、引張)は劣化することがわかった。以上の検討より、ODSマルテンサイト鋼の高温強度の改善のためには、過剰酸素量とTi添加量の制御が重要であることがはじめて明らかとなった。
成田 健; 鵜飼 重治; 皆藤 威二; 大塚 智史; 藤原 優行
JNC TN9400 2004-011, 141 Pages, 2004/04
実用化戦略調査研究において、ODS鋼被覆管の量産規模製造技術の実用化見通しを検討している。その中で素管の大型化および工程省略によるコストダウンを見込める大型中空カプセル素管の試作-評価を行った。その結果、大型中空カプセルを用いて寸法精度の良い素管を製造でき、その素管から長尺被覆管が製造できた。また、コストダウンにも有望なプロセスであることを確認した。
成田 健; 鵜飼 重治; 皆藤 威二; 大塚 智史; 藤原 優行
JNC TN9400 2003-103, 150 Pages, 2004/01
PNC-FMSラッパ管を「常陽」等に適用するために開発した複合ラッパ管(FMS/SUS316丸管溶接ラッパ管形状に加工)の適用可否検討の1つとして、異材溶接部の評価を行った。その結果、熱時効効果も含め、異材溶接部の強度特性は、母材部と同等に扱って特に問題ないことが確認された。
大塚 智史; 鵜飼 重治; 藤原 優行; 皆藤 威二; 成田 健
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part A), p.372 - 376, 2004/00
被引用回数:98 パーセンタイル:98.2(Materials Science, Multidisciplinary)酸化物分散強化型(ODS)マルテンサイト鋼の微細微細組織と高温強度に及ぼす過剰酸素(Ex.O)とTi添加量の影響を検討し、Ex.OとTiの原子数比(Ex.O/Ti)を1.0近傍に調整することにより、酸化物粒子が超微細且つ緻密に分散した結晶粒が形成され、高温強度が飛躍的に向上することを明らかにした。併せて、酸化物粒子が超微細分散した結晶粒の形成メカニズムについて考察した。
成田 健; 鵜飼 重治; 皆藤 威二; 大塚 智史; 藤原 優行
JNC TN9400 2003-076, 81 Pages, 2003/09
実用化戦略調査研究フェーズIIにおいて、9Crマルテンサイト系ODS鋼被覆管の量産規模製造技術の実用化見通しを評価することになっている。ODS鋼被覆管の製造プロセスにおけるコストアップ要因は、素管製造までの上工程にあるため、量産規模の素管製造設備を有する海外メーカーを利用して、原料粉末製造大型転動ボールミルによるメカニカルアロイングHIP固化熱間押出による大型素管および丸棒の試作-評価を行った。得られた結果は以下の通りである。(1) 製造した素管は、光顕組織、TEM組織とも高強度国産材と同等で、微細分散粒子もほぼ均一に分散していることから、1トンレベルの粉末を処理する量産規模の大型転動ボールミルでも特に問題なくメカニカルアロイング処理が行われることを確認した。 (2) 4回の冷間圧延で3mの被覆管が約60本製造できる65OD48ID10,000Lの大型素管をHIP-熱間押出プロセスで製造できることを確認した。 (3) 本試作材は、熱間押出後の表面肌荒れが著しかったが、熱間押出条件の適正化により改善できた。(4)本試作材は、同組成の高強度国産材よりも硬さ、引張強度とも低かった。これは本試作材に含まれているAl量に起因しており、このAl量低下は原料粉末に含まれるAl量を低減することにより改善可能と考えられる。
藤原 優行; 大塚 智史; 皆藤 威二; 成田 健; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2003-008, 32 Pages, 2003/03
実用化炉心材料の有力候補材として開発を進めている0DSマルテンサイト鋼において、過剰酸素の増量により酸化物分散粒子径の増加と焼きならし時の未変態粒の現象が生じるとともに、高温強度が低下することが判明している。本検討では目標達成のため、過剰酸素量を0.10wt%以下に低減するための製造条件の検討と過剰酸素が高く焼きならし時に完全化が起きる場合でも、強度向上を図るためのY2O3増加の検討を行った。得られた結果を以下にまとめる。 (1)標準組成材 (0.13C-9Cr-2W-0.2Ti-0.35Y2O3)では、過剰酸素はプレミックス粉末から0.04wt%持ち込まれ、MA処理中に0.040.1程度混入することがわかった。 (2)MA雰囲気ガスに超高純度Arガス(99.9999wt%Ar)を適用すること、アジテータの攪拌用ピン長さを短縮して攪拌エネルギーを低減することにより、過剰酸素量を0.1wt%以下に低減できることがわかった。 (3)過剰酸素量を0.1wt%未満に低減した試作材では、炉冷熱処理後に未変態粒と変態粒の混合組織となり、Mm11と同等の硬さを示した。これらは、Mm11と同等の高温強度を有すると推定される。 (4)過剰酸素量とY2O3添加量を高めたE1、E2では、ほぼ完全化が生じたが、炉冷材および焼き戻し材の硬さは低く、高温強度はあまり期待できない結果となった。
大塚 智史; 鵜飼 重治; 皆藤 威二; 成田 健; 藤原 優行
第11回高温材料科学国際会議(HTMC-11), 121 Pages, 2003/00
過剰酸素(ExO)がODSマンテンサイト鋼の組織に著しい影響を及ぼし、高温の改善のためには過剰酸素量を低減する必要がある。本研究では、メカニカルアロイング(MA)条件および化学成分(ExO,Ti)をパラメータとした試作試験を行い、メカニカルアロイングの条件を適切に設定することにより、鋼中の過剰酸素量を制御し、高強度の鋼を安定的に製造可能となることを明らかにした。また、試作材のビッカース硬さ試験結果を用いて、組織に及ぼすExOとTiの影響について考慮した。
皆藤 威二; 鵜飼 重治; 畠山 耕一; 藤原 優行
International Symposium on Material Chemistry in Nuclear Environment(MC02), 0 Pages, 2002/00
9Cr-ODSマルテンサイト鋼は非常に硬く、難加工性であり、また圧延方向に結晶組織が伸びるため強度に異方性がる。これらを改善するために、冷間加工途中の軟化処理(炉冷)を施すとともに、最終状態で/変態を用いることで等軸の結晶組織を得ることに成功した。さらに、マトリックス中にナノスケ-ルの酸化物を均一に分散させることにより、高強度フェライト-マルテンサイト鋼(PNC-FMS)を凌ぐ高温強度を達成することに成功した。
畠山 耕一; 水田 俊治; 藤原 優行; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2001-110, 87 Pages, 2001/12
ODS鋼被覆管の高燃焼度燃料への適用性を早急に見極めることを目的として、ロシアの高速炉(BOR-60)を用いた照射試験を計画している。 この場合のODS鋼被覆管と端栓の溶接は、ロシアにおいて適用可能なTIG溶接あるいはレーザー溶接が行われる計画である。本報告では、ODS鋼被覆管の端栓接合方法として、TIG溶接法、レーザー溶接法に加え、電子ビーム溶接法、ろう付拡散接合法3種(金ろう、パラジウムろう、ニッケルろう)の適用性を評価した。さらに、レーザー溶接法とTIG溶接法については、曲げ、内圧クリープ破断試験を行った。本研究で得られた主な結果は以下の通りである。 (1)溶接法の中では、エネルギー密度の最も高いレーザー溶接試験片が優れた引張強度(母材強度の90%以上)を示した。 (2)ろう材では、ニッケルろう付が最も優れた強度(母材強度の84%以上)を示し、次いで金ろう付け、パラジウムろう付の順であった。 (3)曲げ試験では、レーザー、 TIG溶接試験片とも曲げ角度50Cで溶接部周方向にき裂が発生した。 (4)700における内圧クリープ破断試験では、レーザー、TIG溶接試験片とも高応力側では母材部破断であったが、低応力側では溶接部破断となった。溶接法の中ではレーザー溶接、ろう付法の中ではニッケルろうの適用性が最も高い。
水田 俊治; 藤原 優行; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2001-103, 139 Pages, 2001/09
高速増殖炉の実用化のため、高速炉炉心構成材料として高照射量まで組織安定性が高く、スエリングや高温強度に優れた材料として酸化分散強化型(ODS)フェライト鋼の開発を進めている。被覆管の製造工程において加工方向に伸張した結晶粒に起因する強度異方性を改善するため、再結晶技術を用いたフェライト系 ODS鋼被覆管の製造方法と添加元素の影響について評価した。また、将来の実用規模の観点から、長尺被覆管の量産を可能とする経済性の高い製造プロセスの成立性についても検討した。本研究で得られた主な結果は以下のとおりである。 (1)強度と加工性に影響を及ぼすTiとY2O3添加量をパラメータとして被覆管加工試験を行い、再結晶軟化を行うことにより被覆管作製が可能である。再結晶粒はTiとY2O3添加量が高いほど、圧延方向に伸張した組織を示した。 (2)試作した被覆管のリング引張特性はTiとY2O3添加量に依存した強度を示し、0.3Ti-0.23Y2O3のF95が最も優れた引張強度を示した(F95F93F92F91)。また、どの鋼種についても周方向の一様伸びは全温度範囲に亘って、高温まで十分な延性を有していた。 (3)内圧クリープ強度についてもTiとY2O3添加量に依存した強度を示し、TiとY2O3の複合添加により分散粒子は微細にかつ緻密に分散した。最も強度の高いF95は目標強度(700,10000h,120MPa)を達成できるレ
畠山 耕一; 藤原 優行; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2001-082, 79 Pages, 2001/08
オーステナイト鋼に比べて耐スエリング性が格段に優れている高強度フェライト/マルテンサイト鋼(PNC-FMS鋼)ラッパ管を「常陽」「もんじゅ」に適用する場合は、ラッパ管上下部材(ハンドリングヘッド、エントランスノズル)を構成するオーステナイト系ステンレス鋼との異材溶接が必要となる。異材溶接部ではフェライト相が生成し、生成したフェライトによる靭性の低下が懸念される。本研究では、溶接部の熱処理によるフェライトの消失を検討し、熱処理条件を決定した。この方法は、ラッパ管製造メーカーでSUS316短尺ラッパ管との溶接接合が必要であるため、溶接継手構造を有するラッパ管製造の可能性・成立性について検討した。得られた結果は次のとおりである。 (1)溶接により生成したフェライト相は、溶接後熱処理として1050X10min以上の焼きならし処理を行うことで消失する。 (2)寸法仕様を満足し実用化の可能性が最も高い工程として、下記工程を選定した。PNC-FMS鋼とSUS316の丸管をTIG溶接後熱処理六角管に抽伸焼きならし・焼戻し熱処理寸法調整抽伸加工 (3)試作したラッパ管の異材溶接部について組織及び機械的性質を調査した結果、良好な継手性能を示すことを確認した。
藤原 優行; 水田 俊治; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2000-050, 19 Pages, 2000/04
実用化戦略調査研究で実施している高速炉システム技術評価において、高温出口温度で15万MWd/t以上の燃焼度を達成するために不可欠なODSフェライト鋼被覆管の実用化見通しを評価することになっている。そのため、これまでのODSフェライト鋼被覆管の技術開発結果を踏まえ、将来の実用規模の観点から、長尺被覆管の量産を可能とする経済性の高い製造プロセスの成立性を検討し、量産コストの予備的評価を行った。将来の実用規模を想定した場合、全コストに占める素管製造コストの割合が大きく、そのコスト低減化のために考えられる方策についても予備調査を実施した。
小松 征彦*; 藤原 優行*
JNC TJ8430 2000-001, 55 Pages, 2000/03
ハル等を処理・処分する上で、発火爆発し易い活性金属粉(ジルカロイファイン)の安定化が重要な問題となる。安定化対策の一手段として、ジルコニウムファインを用いて、673873kにおける水蒸気酸化試験を行った。ファインの酸化安定化状態は、重要変化測定、SEM観察、X線回折、及び簡易な着火試験により調べた。得られた結果を次の通りである。(1)高温水蒸気中での酸化処理後のファインには、ZrO2酸化物とZrH2水素化物が形成された。温度が高くなるほど、ZrO2の形成割合が増加した。(2)重量変化から推定したZrO2形成割合は、673k7h処理後ファインで約24mass%、873k7h処理後ファインで約96mass%であった。(3)673k7h処理後ファインは試験前ファインと同様に発火したが、723k以上にて処理したファイン(ZrO2形成割合64mass%以上)は発火しなかった。
藤原 優行*; 原田 誠*; 奥田 隆成*; 中村 重治*; 溝口 満*
PNC TJ9058 97-001, 110 Pages, 1995/10
分散強化型(ODS)フェライト鋼は、優れた高温クリープ強度と耐照射性に優れていることから大型高速増殖炉の燃料被覆管材料として開発が進められている。本年度の開発目標は再結晶組織が得られる合金成分の被覆管を試作し、その機械的特性が以下の値を満足していることである。1) 650C,10000時間における内圧クリープ破断強度が200MPa以上であること。2)400Cでの周方向の引張一様伸びが1%以上であること。3)燃料被覆管を製造するのに十分な冷間加工性、再結晶特性を有すること。分散強化型マルテンサイト鋼については、9%から11%Cr鋼を対象に加工熱処理条件と加工性の関係を検討した。得られた成果を要約すると、(1)ODSフェライト鋼に関しては、1)冷間圧延と焼鈍を繰り返すことにより、高速原型炉サイズ(6.50.47t)の被覆管が得られる可能性を見出した。2)圧延と焼鈍を繰り返すことによって、圧延方向に沿って割れが発生しやすくなる傾向が認められた。割れの発生原因と対策を明らかにし、管圧延に成功した。3)最終焼鈍材は完全に再結晶しておらず、一部未再結晶組織となっていた。(2)ODSマルテンサイト鋼に関しては、1)焼きならし後、炉冷することによって被覆管加工に十分な硬さに軟化することが分かった。2)低炭素9Cr鋼はフェライト単相となり、1200C以上の焼鈍で著しい軟化が認められ、12Crフェライト鋼と同様の特性を示した。