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論文

Angular distribution of $$gamma$$ rays from a neutron-induced $$p$$-wave resonance of $$^{132}$$Xe

奥平 琢也*; 谷 結以花*; 遠藤 駿典; Doskow, J.*; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 亀田 健斗*; 木村 敦; 北口 雅暁*; Luxnat, M.*; et al.

Physical Review C, 107(5), p.054602_1 - 054602_7, 2023/05

 被引用回数:1 パーセンタイル:68.16(Physics, Nuclear)

$$s$$波共鳴と$$p$$波共鳴の混合に起因するParity violationの増幅が観測されている$$^{131}$$Xe+nにおける3.2eV共鳴からのガンマ線の中性子エネルギーに依存する角度分布を測定した。$$p$$波共鳴からのガンマ線の遷移を同定し、1807keVの終状態に遷移する7132keVガンマ線の角度分布を評価した。この角度分布は$$s$$波共鳴と$$p$$波共鳴の干渉による結果と考えられており、複合核におけるParity violationの増幅メカニズムの理解に役立つ。

論文

Measurement of the transverse asymmetry of $$gamma$$ rays in the $$^{117}$$Sn($$n,gamma$$)$$^{118}$$Sn reaction

遠藤 駿典; 奥平 琢也*; 安部 亮太*; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 奥 隆之; 酒井 健二; 嶋 達志*; et al.

Physical Review C, 106(6), p.064601_1 - 064601_7, 2022/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:52.69(Physics, Nuclear)

熱外中性子入射により形成される複合核において観測された、空間反転対称性の破れの大きな増幅は、今のところ複合核状態の入射チャネルにおけるパリティの異なる部分波の混合の結果として説明されている。さらに時間反転対称性の破れも同様のメカニズムで増幅されることが示唆されている。この入射チャネルにおける混合は、複合核共鳴から放出される個々のガンマ線のエネルギー依存なスピン-角相関を引き起こす。本研究ではJ-PARC・MLF・ANNRIにて偏極熱外中性子ビームを用い、$$^{117}$$Sn($$n,gamma$$)$$^{118}$$Sn反応におけるガンマ線強度分布が、中性子の偏極方向に依存することを確認した。

論文

Angular distribution of $$gamma$$ rays from the $$p$$-wave resonance of $$^{118}$$Sn

古賀 淳*; 高田 秀佐*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 新實 裕大*; 奥平 琢也*; et al.

Physical Review C, 105(5), p.054615_1 - 054615_5, 2022/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:66.85(Physics, Nuclear)

J-PACR MLFのパルス中性子源及びBL04 ANNRIに設置されたゲルマニウム検出器を用いて、$$^{117}$$Sn(n,$$gamma$$)反応により生じるガンマ線の中性子エネルギー依存する角度分布を測定した。$$^{117}$$Snの複合核状態から$$^{118}$$Snの基底状態への遷移で発生する9327keVのガンマ線に関して、角度によって1.33eVの$$p$$波共鳴の形状が変わることが明らかに確認できた。この共鳴の低エネルギー側の積分値と高エネルギー側の積分値をそれぞれ$$N_{L}, N_{H}$$で表したとき、非対称性$$A_{LH}=(N_{L}-N_{H})/(N_{L}+N_{H})$$$$A$$cos$$theta_{gamma}+B$$という角度依存をし、それぞれのパラメータ値が$$A=0.394pm0.073$$$$B=0.118pm0.029$$であることがわかった。

論文

Energy-dependent angular distribution of individual $$gamma$$ rays in the $$^{139}$$La($$n, gamma$$)$$^{140}$$La$$^{ast}$$ reaction

奥平 琢也*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; 新實 裕大*; 酒井 健二; et al.

Physical Review C, 104(1), p.014601_1 - 014601_6, 2021/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:57.13(Physics, Nuclear)

Neutron energy-dependent angular distributions were observed for individual $$gamma$$ rays from the 0.74 eV $$p$$-wave resonance of $$^{139}$$La+$$n$$ to several lower excited states of $$^{140}$$La. The $$gamma$$-ray signals were analyzed in a two dimensional histogram of the $$gamma$$-ray energy, measured with distributed germanium detectors, and neutron energy, determined with the time-of-flight of pulsed neutrons, to identify the neutron energy dependence of the angular distribution for each individual $$gamma$$ rays. The angular distribution was also found for a photopeak accompanied with a faint $$p$$-wave resonance component in the neutron energy spectrum. Our results can be interpreted as interference between $$s$$- and $$p$$-wave amplitudes which may be used to study discrete symmetries of fundamental interactions.

論文

Transverse asymmetry of $$gamma$$ rays from neutron-induced compound states of $$^{140}$$La

山本 知樹*; 奥平 琢也; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 猪野 隆*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; et al.

Physical Review C, 101(6), p.064624_1 - 064624_8, 2020/06

 被引用回数:9 パーセンタイル:73.66(Physics, Nuclear)

An sp-mixing model, which describes a compound nuclear reaction by mixing partial waves, predicts a correlation term in this reaction. The correlation term $$sigma_n$$ $$cdot$$ ($$k_n$$ $$times$$ $$k_gamma$$) in the $$^{139}$$La(n,$$gamma$$) reaction has been studied by measuring $$gamma$$-ray and neutron energies utilizing epithermal polarized neutrons and germanium detectors. The transverse asymmetry for single $$gamma$$-ray transition was measured to be 0.60 $$pm$$ 0.19 in the p-wave resonance.

論文

Possible $$eta ^{prime} d$$ bound state and its $$s$$-channel formation in the $$gamma d to eta d$$ reaction

関原 隆泰; 藤岡 宏之*; 石川 貴嗣*

Physical Review C, 97(4), p.045202_1 - 045202_9, 2018/04

 被引用回数:4 パーセンタイル:36.29(Physics, Nuclear)

We theoretically investigate a possibility of an $$eta ^{prime} d$$ bound state and its formation in the $$gamma d to eta d$$ reaction. First, in the fixed center approximation to the Faddeev equations we obtain an $$eta ^{prime} d$$ bound state with a binding energy of 25 MeV and width of 19 MeV, where we take the $$eta ^{prime} N$$ interaction with a coupling to the $$eta N$$ channel from the linear $$sigma$$ model. Then, in order to investigate the feasibility from an experimental point of view, we calculate the cross section of the $$gamma d to eta d$$ reaction at the photon energy in the laboratory frame around 1.2 GeV.

論文

Precise determination of $$^{12}_{Lambda}$$C level structure by $$gamma$$-ray spectroscopy

細見 健二; Ma, Y.*; 味村 周平*; 青木 香苗*; 大樂 誠司*; Fu, Y.*; 藤岡 宏之*; 二ツ川 健太*; 井元 済*; 垣口 豊*; et al.

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2015(8), p.081D01_1 - 081D01_8, 2015/08

 被引用回数:14 パーセンタイル:66.59(Physics, Multidisciplinary)

$$gamma$$線分光によって$$^{12}_{Lambda}$$Cハイパー核のレベル構造を精密に測定した。ゲルマニウム検出器群Hyperball2を用いて、$$^{12}$$C$$(pi^{+}, K^{+}gamma)$$反応からの4本の$$gamma$$線遷移を同定することに成功した。基底状態スピン二重項$$(2^{-}, 1^{-}_{1})$$のエネルギー間隔は直接遷移$$M1$$$$gamma$$線により、$$161.5pm0.3$$(stat)$$pm0.3$$(syst)keVと測定された。また、励起準位である$$1^{-}_{2}$$$$1^{-}_{3}$$について、それぞれ、$$2832pm3pm4$$, keVと$$6050pm8pm7$$, keVと励起エネルギーを決定した。これらの測定された$$^{12}_{Lambda}$$Cの励起エネルギーは反応分光による$$lambda$$ハイパー核の実験研究において決定的な基準となる。

口頭

Search for a nuclear kaon bound state $$K^-pp$$ at the J-PARC K1.8 beam line

市川 裕大; 今井 憲一; 永江 知文*; 藤岡 宏之*; 時安 敦史*

no journal, , 

J-PARC K1.8ビームラインにおいて実験が予定されている最も単純なK中間子原子核である$$K^-pp$$束縛状態の探索実験であるJ-PARC E27実験の進行状況について発表する。J-PARC E27実験は液体重水素標的による($$pi^+$$,$$K^+$$)反応を用いて$$K^-pp$$束縛状態を形成し、missing mass法を用いて$$K^-pp$$束縛状態の束縛エネルギー及び崩壊幅の測定を行う実験である。本実験ではさらに$$K^-pp$$束縛状態の崩壊から生じる二つの陽子を測定することにより$$K^-pp$$束縛状態であることを確認するのであるが、現在のJ-PARCのビーム強度では満足な統計量が得られない。そこで、実験の第一段階としてinclusive及び崩壊から生じる一つの陽子を検出した際のmissing massスペクトルを2012年春測定予定である。本講演では、2012年春予定しているデータ取得の目的及びSet upについて説明する。

口頭

$$^{131}$$Xe(n,$$gamma$$)$$^{132}$$Xe*反応における$$gamma$$線角度分布測定

奥平 琢也*; 安部 亮太*; 石崎 貢平*; 伊東 佑起*; 遠藤 駿典; 奥 隆之; 亀田 健斗*; 北口 雅暁*; 木村 敦; 酒井 健二; et al.

no journal, , 

$$^{139}$$La, $$^{131}$$Xe, $$^{117}$$Snなどの原子核が中性子を共鳴吸収し複合核状態を形成する反応において、空間反転対称性の破れが大幅に増幅される現象が観測されている。この増幅現象を利用して時間反転対称性の破れを高感度で探索する実験が計画されており、現在標的核の候補の選定が進んでいる。本研究では候補核の一つである$$^{131}$$Xeの時間反転対称性の破れの増幅率を評価するために、$$^{131}$$Xe+nのp波共鳴から放出される$$gamma$$線の角度分布測定をJ-PARC・MLF・ANNRIにて行った。対象となる$$^{131}$$Xeの3.2eVp波共鳴は、断面積が1000倍以上大きい14.4eVのs波共鳴のすそのに位置しており、検出器のデッドタイムの影響により統計を上げるのが困難であった。そこで本研究ではビームライン上流に濃縮$$^{131}$$Xeガスを使用した中性子吸収体を設置することで、14.4eV周りのエネルギーの中性子を除去し、検出器のデットタイムを劇的に抑制することに成功した。これにより今までにない統計量を達成し、p波共鳴由来の角度分布の測定に成功した。

口頭

中性子捕獲反応により生じるガンマ線の円偏光度測定のためのポラリメータの開発

遠藤 駿典; 安部 亮太*; 石崎 貢平*; 伊東 佑起*; 奥 隆之; 奥平 琢也*; Omer, M.; 亀田 健斗*; 北口 雅暁*; 木村 敦; et al.

no journal, , 

複合核を介する過程では、空間反転対称性の破れが基本的な粒子同士の反応である陽子陽子散乱に比べ、最大で約$$10^{6}$$倍増幅することが実験的に確認されており、この現象はs-p混合モデルで説明できるとされている。s-p混合モデルに基づけば時間反転対称性も複合核過程を介すことで増幅されることが示唆されており、複合核過程は素粒子標準模型を超える時間反転対称性の破れ探索のプローブとなりうる。しかしながらs-p混合モデルは未だ実験的に検証されていないため、我々はs-p混合モデルにより予言される中性子捕獲反応により生じるガンマ線の角相関項の測定を行い、モデルとの比較を通じて検証を行うことを目指している。角相関項の一つに、捕獲反応で生じるガンマ線の円偏光度に依存する項があり、この項の測定をJ-PARC・MLFで行うことを目的として、ガンマ線円偏光度解析のためのガンマ線ポラリメータを製作した。そして分子科学研究所・UVSORにて円偏光ガンマ線を使用して、偏極分解能の評価を進めている。またJ-PARC・MLFの偏極中性子ビームを用いて、実際の測定体系と同体系での偏極分解能の測定を進めている。本講演ではポラリメータの詳細及び今後の展望について議論する。

口頭

偏極中性子を用いた$$^{139}$$La(n,$$gamma$$)$$^{140}$$La反応における$$sigma_ncdothat{k}_gamma$$相関項の測定

安部 亮太*; 石崎 貢平*; 伊東 佑起*; 遠藤 駿典; 奥 隆之; 奥平 琢也*; 亀田 健斗*; 北口 雅暁*; 木村 敦; 酒井 健二; et al.

no journal, , 

原子核が中性子を吸収し複合核共鳴を形成する反応である中性子共鳴吸収反応において、空間反転対称性の破れの大きさは最大で10%にもおよび、陽子-陽子散乱に対して$$10^{6}$$倍増幅されることが確認されている。これはs波共鳴とp波共鳴の混合によるものであると考えられており、同様の原理で時間反転対称性の破れが増幅されることが理論的に示唆されている。このことから、我々は中性子共鳴吸収反応を用いた時間反転対称性の破れの探索実験を計画している。時間反転対称性の破れの増幅度は原子核ごとに異なり、パラメータ$$kappa(J)$$に依存している。$$kappa(J)$$は(n,$$gamma$$)反応の角相関項を測定することで求めることができ、標的核の候補の一つである$$^{139}$$Laについては、これまでに2つの角相関項の測定により制限がかけられている。これらの結果に加え、さらに別の角相関項の測定を行うことにより、制限された$$kappa(J)$$の値、および使用した理論式の妥当性が検証でき、信頼度を上げることができる。J-PARC・MLF・BL04にて偏極中性子を用て$$^{139}$$La(n,$$gamma$$)$$^{140}$$La反応のガンマ線角度分布を測定し、中性子偏極方向とガンマ線放出方向のなす角に依存する角相関項について解析を行った。

口頭

インジウム標的を用いた時間反転対称性の破れ探索に向けた$$^{115}$$In(n,$$gamma$$)反応断面積の角度依存性の測定

高田 秀佐*; 安部 亮太*; 石崎 貢平*; 伊東 佑起*; 遠藤 駿典; 奥 隆之; 奥平 琢也*; 亀田 健斗*; 北口 雅暁*; 木村 敦; et al.

no journal, , 

原子核が中性子を共鳴吸収し複合核状態を経る過程では、パリティ(P)対称性が大きく破れて現れることが様々な原子核において観測されている。複合核において観測されているP対称性の破れの大きさは、核子間相互作用において観測されているP対称性の破れに比べて最大10$$^{6}$$倍大きい。この現象は入射中性子の軌道角運動量が異なる共鳴である、s波共鳴とp波共鳴が隣接する場合に観測されており、s波とp波の部分波の干渉によってP対称性の破れが増幅すると説明されている。同様の機構によって時間反転(T)対称性の破れも増幅しうることが理論的に予測されており、その増幅率は未知定数$$kappa$$(J)を用いることによって、すでに観測されているP対称性の破れと結びつけることができる。この対称性の破れの増幅現象を利用することによって、従来にない高感度なT対称性の破れの探索が可能となることが期待されている。現在、我々は複合核におけるT対称性の破れの探索実験に向けた研究を行っている。本研究では、探索実験の標的候補核の選定を目的として、$$^{115}$$In+n反応のp波共鳴から放出される$$gamma$$線の角度分布を測定する実験を、J-PARC・MLFのビームライン04 ANNRIで行った。In(n,$$gamma$$)反応の$$gamma$$線の角度分布測定によって、未知定数$$kappa(J)$$に対して制限を与えることに成功した。また、$$^{115}$$Inを標的としてT対称性の破れ探索実験を行う場合を仮定して、電気双極子能率探索実験で現在与えられている上限値を更新するために必要な測定時間についても見積もった。

口頭

複合核における時間反転対称性破れの探索; 実験の計画と偏極原子核の中性子吸収断面積測定

奥平 琢也*; 安部 亮太*; 石崎 貢平*; 伊東 佑起*; 遠藤 駿典; 奥 隆之; 亀田 健斗*; 北口 雅暁*; 木村 敦; 酒井 健二; et al.

no journal, , 

$$^{139}$$La, $$^{131}$$Xe, $$^{117}$$Snなどの原子核が中性子を吸収し、複合核共鳴を形成する過程において、核子間の基本的な相互作用である陽子-陽子相互作用と比べて最大で10$$^{6}$$倍大きな空間反転対称性の破れが観測されている。この現象は大きなs波共鳴状態のすそのにp波共鳴状態が存在している時に観測されており、パリティの異なった二つの状態が長時間混合することによって弱い相互作用由来の空間反転対称性の破れが大きく増幅されると考えられている。もし核子間相互作用に時間反転対称性の破れが存在していた場合、同様の増幅メカニズムによって大きく増幅されることが理論的に示唆されており、複合核共鳴状態を用いた未知の時間反転対称性の破れ探索実験(NOPTREX実験)が計画されている。そこで我々は複合核状態から放出される$$gamma$$線の角度分布を測定することにより、$$^{139}$$Laでは時間反転対称性の破れの増幅率が$$10^{6}$$オーダーであることを確認した。これにより中性子電気双極子モーメント探索による現在の上限を超える感度で時間反転対称性の破れ探索を行うことができる可能性があることがわかった。時間反転対称性の破れの探索実験では、核偏極した原子核標的にそれと垂直に偏極した中性子ビームを入射し、吸収断面積のスピン非対称性を測定する。このために$$^{139}$$Laを標的核の第一候補として研究開発が始まっており、レーザー核偏極$$^{3}$$Heを用いた中性子偏極デバイス,動的核偏極法を用いた偏極$$^{139}$$La標的の開発が進行中である。また、静的偏極法でLa標的を偏極させ、原子核スピンと中性子スピンが平行な場合の中性子吸収断面積を測定する実験の準備がJ-PARCで進行中である。

口頭

Pd同位体のeV中性子捕獲反応における即発$$gamma$$線測定

吉川 大幹*; 安部 亮太*; 石崎 貢平*; 伊東 佑起*; 遠藤 駿典; 奥 隆之; 奥平 琢也*; 亀田 健斗*; 北口 雅暁*; 木村 敦; et al.

no journal, , 

複合核共鳴反応では、弱い相互作用の効果により空間反転対称性(P)が破れており、その破れが最大10%程度まで増幅される場合がある。この増幅効果は、ランダム行列理論に立脚する統計模型を用いて説明される。この模型では、準位密度と遷移行列要素をそれぞれ$$N$$$$W$$とした場合、$$Wpropto1/sqrt{N}$$の関係が期待されるが、従来の$$W$$の測定精度はこの関係の検証には不十分である。本研究では、$$W$$に対して$$N$$依存性が顕著な領域に属するPd同位体に着目し$$W$$の高精度化を目指している。$$W$$は、Pの破れとそれに寄与する共鳴の部分幅$$x$$の値から実験的に導出可能である。まず$$x$$を導出するため、Pd同位体のp波共鳴からの即発$$gamma$$線の測定を行った。$$^{108}$$Pdについては、すでに予備的な結果を得ており、前回の物理学会で報告した。同様に、$$^{105}$$Pdの3.91eVおよび$$^{110}$$Pdの5.19eVのp波共鳴からの即発$$gamma$$線も測定したが、共鳴断面積が$$^{108}$$Pdの2.96eV p波共鳴に比べ$$1/100$$ほど小さく、また断面積がこれらp波共鳴に比べ約$$10^4$$倍大きい$$^{108}$$Pdの32.98eVのs波共鳴の影響によりdead timeが検出器に生じるため、高計数率測定が出来ず十分な統計を得られなかった。そこで現在は、標的と同種の試料を上流側に設置し、s波共鳴近傍のエネルギーを持つ中性子を減衰させp波の統計を稼ぐ手法やS/N比を大幅に改善できる同時計数測定の準備を進めている。

口頭

$$^{139}$$La(n,$$gamma$$)$$^{140}$$La反応により生じるガンマ線の円偏光度の測定

遠藤 駿典; 奥平 琢也*; 亀田 健斗*; 河村 しほり*; 北口 雅暁*; 木村 敦; 酒井 健二; 嶋 達志*; 清水 裕彦*; 高田 秀佐*; et al.

no journal, , 

複合核を介する過程では、空間反転対称性の破れが陽子陽子散乱と比較して、最大で約$$10^{6}$$倍程度増幅することが実験的に確認されている。この現象はパリティの異なるs波共鳴とp波共鳴の干渉によって生じるとされており、s-p混合モデルと呼ばれている。s-p混合モデルに基づけば時間反転対称性も複合核過程を介すことで増幅されることが示唆されており、複合核過程を介する反応を用いた時間反転対称性の破れの探索研究が進められている。しかしながらs-p混合モデルは未だ実験的に検証されていないため、我々はs-p混合モデルにより予言される中性子捕獲反応により生じるガンマ線の角相関項の測定を行い、モデルとの比較により検証を行うことを目指している。角相関項の一つにp波近傍において放出されるガンマ線の円偏光度に非対称性があることを予言する項があり、この項の測定を目指してJ-PARC・MLF・ANNRIにて$$^{139}$$La(n,$$gamma$$)$$^{140}$$La反応で生じるガンマ線の円偏光度の測定を行った。

口頭

Current status for the search of time-reversal symmetry violation using compound nuclear reactions

遠藤 駿典; 木村 敦; 清水 裕彦*; 藤岡 宏之*; 井出 郁央*; 酒井 健二; 亀田 健斗*; 北口 雅暁*; 飯沼 昌隆*; 河村 しほり*; et al.

no journal, , 

The large enhancement of parity-violation of the weak interaction was found in nuclear reactions for several nuclei. The enhancement is explained as the mixing of parity-unfavored partial amplitudes in the entrance channel of the compound sates, s-p mixing. It is proposed that the time-reversal symmetry violation is also enhanced in compound nuclei by the same mechanism. We are preparing the time-reversal violation search based on this new approach. The time-reversal violation can be obtained by measuring the neutron spin behavior in compound nuclei using polarized neutron beam and polarized nuclear target. In parallel with the development of these instruments, we conduct precise measurements of compound nuclear reactions in J-PARC MLF. The enhancement factor of time-reversal violation can be estimated by measuring the angular correlation terms of (n,$$gamma$$) reactions according to the s-p mixing theory. We have measured the several correlation terms for several nuclei, such as $$^{139}$$La, $$^{117}$$Sn, and $$^{131}$$Xe, which are candidates of the target nuclei in the time-reversal violation search. Furthermore, we have already started the experiments with the polarized neutron beam and the polarized target. In this presentation, we will introduce the current status of the preparation for the search of time-reversal violation.

口頭

Measurement of spin-angular correlation terms in neutron induced reactions for search of time-reversal violation

遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 井出 郁央*; 飯沼 昌隆*; 伊東 佑起*; 亀田 健斗*; 河村 しほり*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 奥 隆之; et al.

no journal, , 

複合核反応において空間反転対称性の破れが陽子陽子散乱反応と比較して、最大で約10$$^6$$倍程度増幅する ことが実験的に確認されている。これと同様の原理で時間反転対称性の破れも増幅することが示唆されており、我々は複合核反応を用いて、標準模型を超える時間反転対称性の破れの探索を計画している。近年はJ-PARC・MLF・ANNRIにて、中性子入射反応におけるスピン-角相関項の測定を行い、時間反転対称性の破れの増幅度の評価や、増幅理論の実験的検証を進めている。本講演ではこれら相関項測定の結果及び現状を中心に、最近の成果と今後の展望を紹介する。

口頭

$$^{139}$$Laを用いた複合核共鳴反応におけるパリティ非保存量の終状態依存性の測定

後藤 優*; 伊東 佑起*; 井出 郁央*; 猪野 隆*; 遠藤 駿典; 奥 隆之; 奥平 琢也*; 奥泉 舞桜*; 亀田 健斗*; 河村 しほり*; et al.

no journal, , 

$$^{139}$$La, $$^{131}$$Xe, $$^{117}$$Snなどの原子核が中性子を共鳴吸収し複合核状態を形成する反応において、空間反転対称性の破れが大幅に増幅される現象が観測されている。この増幅効果を用いて時間反転対称性の破れを高感度で探索する実験が計画されており、増幅機構の解明が急務である。複合核モデルの検証を目的として、我々は2023年5月に$$^{139}$$Laと中性子の反応における空間反転非保存量の終状態依存性の測定を行った。本発表ではその解析結果を発表する。

口頭

中性子透過実験を用いた時間反転対称性の破れにおける到達可能な探索感度

中部 倫太郎*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 井出 郁央*; 猪野 隆*; 河村 しほり*; 北口 雅暁*; 小林 龍珠*; 奥 隆之; 奥平 琢也*; et al.

no journal, , 

低エネルギー中性子と原子核の反応では、複合核共鳴を経由することにより大きな空間反転対称性の破れが観測されている実験事実がある。それと同様の機構が働くならば、時間反転対称性の破れが高感度に探索できる可能性がある。入射中性子エネルギー0.75eVのp波共鳴に対して大きな空間反転対称性の破れが観測されている$$^{139}$$Laを標的とした、中性子透過実験による時間反転対称性の破れの到達可能な探索感度について報告する。

口頭

中性子捕獲反応における空間反転対称性の破れ測定

Snow, W. M.*; Auton, C.*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 井出 郁央*; 猪野 隆*; 後藤 優*; 河村 しほり*; 北口 雅暁*; 小林 龍珠*; et al.

no journal, , 

本研究では(n,$$gamma$$)チャネルを通るparity-oddな断面積を測定する技術を使用して、いくつかの重い原子核における新しいp波共鳴を探索することを目指している。これらのいずれかの原子核において、大きなparity violationが発見されれば、NOPTREX collaborationによる偏極中性子-偏極原子核の透過測定 における時間反転対称性の破れ探索計画の新たな候補となる可能性がある。この情報は、重い原子核におけるparity oddな混合に関する既存の理論をテストするのにも役立つ。本研究では質量数が$$140<A<180$$の核のうちスピンがゼロでない約15個の原子核において新しいp波共鳴、並びにparity violationの存在を探すことを目的としている。近年J-PARCにおいて開発された偏極中性子生成デバイス、Heスピンフィルタを用いた高い偏極率を持つ中性子、及びMLF・BL04のGe検出器群を用い、高感度なparity violationの探索が可能となっている。本年は測定のテストとして、すでに大きなparity violationの存在が知られているLa-139の0.75eV共鳴での測定を行い、先行研究と一致する10%程度の有意なparity violationを得た。さらに目的とする$$140<A<180$$のうちの一部の原子核の中性子捕獲反応の測定を行なったとともに、2024年3月にはこれら核のparity violationの最初の測定を予定している。本発表ではNOPTREXをはじめとしたプロジェクトの概要、並びに最新の成果と今後の展望について発表する。

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