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藤村 統一郎*; 奥村 啓介
JAERI-Research 2002-024, 27 Pages, 2002/11
低減速スペクトル炉等の6角形状の炉心を解析する拡散コードの原型版を開発し、その反復解法を高速化するため、さまざまな収束加速法の適用性について検討した。本3次元コードMOSRA-Prismは、6角形状の炉心を正3角柱に分割し、その中の中性子束分布を3次の多項式で近似する多項式展開ノード法に基づいている。多群拡散コードとしての反復解法は、通常の内側反復法と外側反復法を採用するが、内側反復に適応的加速法、外側反復に中性子源外挿法を適用し、その有効性を確認した。本報告書では、コードの数値解法の元となる多項式展開ノード法の定式化の概要を説明するとともに、さまざまなサンプル計算で得られた、収束加速法の局所的な効率及び全体的な効率について検討する。また、コード開発過程で新たに導出した真空境界条件の一般的な記述法についても述べる。
藤村 統一郎
JAERI-Data/Code 95-019, 54 Pages, 1996/01
複雑形状の炉心を解析するため、二重有限要素法による3次元中性子輸送コードDFEMを開発した。基本となる解法としては、空間と角度の変数に有限要素法を適用する二重有限要素法を用いている。炉心体系を多角柱でモデル化し、その中の中性子束の空間分布を1次の基底関数で近似するが、角度変数に対しては様々な基底関数について比較し、特徴を明らかにする。また、高精度化と高速化のため、反射境界打ち切り誤差について一般的な修正法を導出するとともに、反復解法に改良を加えた。本プログラムの構造について概説し、使用法を記すとともに、検証計算例として実規模の原子炉を含む様々な問題を採り上げ、中性子束分布等について他のコードによる計算結果と比較し、検討を行った。
藤村 統一郎
Computer Physics Communications, 82, p.111 - 119, 1994/00
被引用回数:1 パーセンタイル:21.61(Computer Science, Interdisciplinary Applications)三次元中性子輸送問題を高精度で解くための定式化を行い、検証計算を実施した。二重有限要素法に基づいた変分法による定式化では、空間変数に一次関数を適用するとともに、角度変数に階段関数を適用している。ここに、多角柱形状の原子炉体系を反射条件を用いて解く場合、新しく開発した体系打切り誤差解消アルゴリズムにより、厳密な離散式が導出される。この解法の検証のため、二つの問題について計算を行った。MOZART炉心をモデル化した問題では、不規則な要素分割に対する非等方散乱計算においても、この解法が有効に働くことが示された。また、NEA-CRPのLWRをモデル化したベンチマーク問題では、粗いメッシュでも固有値や中性子束が、他の輸送方程式の解法による解と同精度に求まることが示された。
藤村 統一郎; 筒井 恒夫
JAERI-M 92-121, 218 Pages, 1992/09
JSSLは、原研において開発・整備された科学計算用サブルーチンのうち、汎用性があると作成者が判断したものをライブラリ化したもので、次の16分野(特殊関数、線形計算、固有値問題、非線形計算、数理計画法、極値問題、変換、関数近似、数値微積分、微積分方程式、統計、物理問題、入出力、作図、システム関数、その他)に分類されている。この版は、前版までに集大成されたサブルーチンの中から評価済で公開可能なものを集めたものであり、本報告書はその使用手引書である。また、使用大型計算機に組込まれている類似のライブラリの非公開化が進む中で、JSSLは独立性を保ち、ソース・プログラムのレベルで参照できるなど、利用範囲の広いライブラリと言える。
藤村 統一郎; 松村 正弘*; 中原 康明
JAERI-M 83-144, 40 Pages, 1983/09
本稿は、三次元幾何形状における定常、多群中性子輸送問題に対する二重有限要素法に基づくガレルキン法のアルゴリズムとその特徴について述べたものである。定式化においては、現実の原子炉の形状をできる限り正確に模擬するため、空間要素として三角柱要素と四角柱要素の組合せを採用すると共に、中性子束の角度分布を滑らかに表現するため、角度空間において重なりをもつ六つの基底を採用している。本解法の特徴は境界条件を陽に記述すること、および平面の層に沿って次々と節点を走査する反復法にあり、その収束加速法の新しい提案もなされる。この解法に基づく計算コードが開発され、その概要についての解説も示される。また、今迄に実施した実在規模の問題を含む計算の経験に基づき、差分法のコードとの比較をもとに二重有限要素解の特徴が示される。
藤村 統一郎; 中原 康明; 松村 正弘*
Journal of Nuclear Science and Technology, 20(7), p.620 - 623, 1983/00
被引用回数:3 パーセンタイル:54.47(Nuclear Science & Technology)本稿は、3次元幾何形状における定常、多群中性子輸送問題に対し、ガレルキン型の解放に基づく新しい、簡単な定式化が提案される。定式化は、空中間要素と角度要素を用いる二重有限要素法によっている。現実の核燃料施設の形状をできる限り正確に模擬するため、三角柱要素と四角柱要素の組合せを採用するとともに、中性子束を滑らかにするため、角度空間においては相関をもつ6つの角度要素を試験的な基底として採用している。本解法の特徴は境界条件を陽に記述すること、および中性子源外插法において核分裂項を厳密に記述することにある。これらの方法の遂行性は、実在規模の問題を含む数個の見本計算例で示される。
井上 修二; 藤村 統一郎; 筒井 恒夫; 西田 雄彦
JAERI-M 82-095, 238 Pages, 1982/09
JSSLは日本原子力研究所で開発あるいは整備したサブルーチンを集めたものであり、次の15分野(特殊関数、線形計算、固有値・固有ベクトル、非線形計算、数理計画法、極値問題、変換、関数近似、数値微積分、微積分方程式、統計、物理問題、入出力、作図、システム関数)に分類されている。本報告はその改定版の使用手引書である。この度の改定版では、主に数理計画法、統計の分野が拡充されている。これにより、全ての分野のサブルーチンがほば集大成されたと見てよい。しかし今後ともよりよいものへと拡充してゆく必要はある。
石黒 美佐子; 原田 裕夫; 難波 克光*; 藤井 実; 藤村 統一郎; 中村 康弘
JAERI-M 9703, 39 Pages, 1981/09
近年、大型プログラムの高速計算の必要性などから、科学技術計算に対する並列計算の適用が盛んになってきた。原研計算センターにおいても、アレイ・プロセッサF230-75APUが並列計算の原子力コードへの適用を研究するために設置された。APUを使用して、科学計算でよく問題となる線形三重対角システムの解法について並列計算手法の最近の論文を参考にして、数値実験を行った。解法は、ガウス消去法、パラレル・ガウス法、加速パラレル・ガウス法、ヤコビ法、リカーシブ・ダブリング法、サイクリック・リダクション法、チェビシェフ反復法、共役傾斜法の8種について調査された。数値実験の結果にもとづいて、各解法の計算時間、精度の比較がなされた。結果として、計算速度、精度の面でサイクリック・リダクション法と逐次解法ではあるがガウスの消去法が勝れていることがわかった。
藤村 統一郎; 堀上 邦彦; 中原 康明
JAERI-M 9315, 33 Pages, 1981/02
大規模な線形最適化問題を、Dantzig-Wolfeの分解原理を応用して解く、いくつかのプログラムが開発された。システム全体の最適性は、各部分システムのそれと、部分システム間の相互干渉より求められ、そのアルゴリズムが詳述される。これらのプログラムの検証のために、日本におけるエネルギー・モデルを扱った例が取り上げられる。この例では、変数の数が650、制約の数が206であるが、部分システムのみ倍精度計算で解くことにより、4桁以上正確な解が得られた。これらの計算は、単体法プログラムとも比較され、その有効性が示される。なお、DEPRIは、初期許容解が自明な場合を解くプログラムであり、DEPRIMはこれを使い易くした補助プログラムである。
藤村 統一郎; 松井 泰*
Nuclear Science and Engineering, 77, p.360 - 367, 1981/00
被引用回数:2 パーセンタイル:45.38(Nuclear Science & Technology)中性子拡散コードにおける内側反復解法に対して適応的加速法を応用した場合の有効性が論じられる。 この方法はアルゴリズムが簡単で、反復行列が非負定値である場合の定常一階線形反復法の殆んどに対してその収束を加速することが知られている。 ここでは3次元中性子拡散コードとして、その内側反復解法にSOR法を用いた有限要素法によるものと、ADI法を用いた有限差分法によるものがとり上げられる。 これらに適応的加速法を応用した結果に対して数値的な検討が行なわれ、元の反復法の加速因子が不適切にとられたとき特に効果的なことが示される。 また、新たに、反復行列が対称で非負定値でない場合にもこの方法が拡大して応用できることが示される。
堀上 邦彦; 鈴木 忠和; 藤村 統一郎; 中原 康明
JAERI-M 9154, 79 Pages, 1980/11
非線形最適化問題を解くための16種類のプログラムをFACOM M200機用に整備し、テストを完了した。また、これらのプログラムを使用し易くするために、補助プログラム群を作成し、ユーザがメイン・プログラムを作成するために費やされる労力を軽減するとともに、入出力形式をできるだけ統一した。各プログラムを制約条件付き問題に対して適用し得るものと、制約条件を持たない問題に対してのみ適用し得るものとに大別し、さらに後者に属するプログラム群を、その解法の中で目的関数値だけを用いるもの、目的関数の第1次偏導関数を必要とするもの、第2次偏導関数をも必要とするものの3種類に分類した。これらのプログラムの利用を一般ユーザに解放するために、それぞれのプログラムについて計算手順、呼び出し形式、ならびに補助プログラムの入力形式を説明し使用例を掲げた。
堀上 邦彦; 藤村 統一郎; 中原 康明
JAERI-M 9048, 38 Pages, 1980/09
線形計画法、整数計画法および2次計画法により線形最適化問題を解く7種類のプログラム(そのうち線形計画法が4つ、整数計画法が1つ、2次計画法が2つ)がFACOM M200機用に整備され、テストが完了した。さらにこれらのプログラムを利用し易くするために補助プログラム郡が作成された。多くのユーザーにこれらのパッケージ利用を解放するために各プログラムの機能と特徴、使用法および使用上の注意、入出力形式についてのまとめが行なわれた。
藤村 統一郎; 西田 雄彦; 浅井 清
JAERI-M 8479, 266 Pages, 1979/11
原研における大規模な科学技術計算を効率良く行うためには、その基礎となる高精度・高能率の基本サブルーチンが必要となる。これらのために、現有機FACOM230-75計算機に備え付けられたSSL(科学用サブルーチン・ライブラリ)も使えるが、原研固有の問題を解くために、所内で開発・整備されたサブルーチンを集めたものがJSSLであり、本報告書はその使用手引書である。JSSLは汎用正のあるサブルーチンを集めたもので、誰もが呼び出すことができるが、第1版(JAERI-M7102)に対して今回の第2版では主に特殊関数、線形計算、非線形計算、関数近似の分野が拡充されている。しかし、科学計算用に供するにまだ充分とは言えず、更に拡充が望まれる。
藤村 統一郎; 筒井 恒夫
JAERI-M 8253, 133 Pages, 1979/05
固有値問題を解く数値解法のアルゴリズムの調査(JAERI-memo6225)に引き続いて、それらに基づいた解法プログラムが開発・整備され、既存のプログラムとの比較がなされた。EISPACK-Jは米国ANLの固有値問題専用パッケージEISPACK-2を発展させたものであり、複素行列の標準問題や実行例の一般問題を解くほか、必要な固有値や固有ベクトルのみを求める特殊問題も解くことができる。また、変った機能をもつ8件のプログラムも整備されたが、これらはベンチマーク・テストを通して、その特徴が明らかにされる。テストには実験規模の問題を含む多くの問題が用意され、各プログラムの計算に要する計億領域、計算時間、解の精度について検討された。その結果、Householder法、QR法、それに逆反復法に基づくEISPACK-Jのプログラムは計算時間および精度について優れていることが示された。
藤村 統一郎
JAERI-M 7553, 28 Pages, 1978/03
科学計算用サブルーチン・ライブラリー(SSL)のベンチマーク・テストに先立ち、連立一次方程式をそれぞれ異なった方法で解くプログラム開発および整備を行った。整備されたプログラムは合同法、乗積型逆行列法、直交化法によるものや反復法を加速するものが主である。一方、開発されたプログラムはエスカレーター法、直接的平行残差法、それに帯形の系を対象とした区画化3重対角法によるもので、それらの使用法が述べられ、改良のための検討が行われている。また、テストのための簡単な例題とプログラム・リストも与えられる。
藤村 統一郎; 筒井 恒夫; 堀上 邦彦; 大西 忠博*; 中原 康明
JAERI 1253, 29 Pages, 1978/02
有限要素法により、二次元(r、z)円柱体系における多群中性子輸送問題を解くプログラムが開発された。数値解法としては、高次のラグランジュ多項式に基づく有限要素法が空間変数に適用されており、物質境界で中性子束が不連続になることが許されている。実際規模の問題を含むいくつか例が与えられた、その結果がFEMRZの有効性を例訂するためにSm法と比較され、検討している。双二次近似の場合は、特別な考慮をしない、粗いメッシュのときどきでも十分精度が良く、数値的にも安定である。
朝岡 卓見; 浅野 則雄*; 中村 久*; 水田 宏*; 千々 和洋*; 大西 忠博*; 宮坂 駿一; 瑞慶 覧篤*; 筒井 恒夫; 藤村 統一郎; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 15(1), p.56 - 71, 1978/01
被引用回数:7原子炉核計算あるいは遮蔽計算用の中性子・ガンマ線輸送計算コードが正確に作動していることを確認するためのテスト問題として、3つのベンチマーク問題の入力データと計算結果をまとめた。最初の1次元の小さな球形原子炉に関する問題は、1次元Snコード、DTF-IV,ANISN,更にはMORSEモンテカルロコードのテストにも用いられるであろう。2番目の2次元(x、y)での吸収媒質中の中性子伝播を扱う問題は、2次元Snコード、TWOTRAN-GG,TWOTRAN-II,DOT-3,TRIPLETに対するきびしいテスト問題となっている。最後の2次元(r、z)での放射線ストリーミングの問題も有限差分Snコード、TWOTRAN-II,DOT-3のテストに使えるが、有限要素法SnコードのFEMRZのテストにも用いられるようになっている。これらの計算に使用されるパラメータの計算結果、計算時間への影響の一般的傾向もまとめられている。
藤村 統一郎; 筒井 恒夫; 堀上 邦彦; 中原 康明; 大西 忠博*
Journal of Nuclear Science and Technology, 14(8), p.541 - 550, 1977/08
被引用回数:3先に、二次元(r,z)円柱体系における多群中性子輸送問題を有限要素法で解くアルゴリズムが開発され、簡単なモデルによる計算もなされた(日本原子力学会、昭和49年秋の分科会、同昭和50年年会での口頭発表)。 有限要素法は(r、z)面内の正規長方形小領域上の空間変数に応用されている。 本稿では、そのアルゴリズムのうち、双一次または双二次多項式を基底として用いた不連続法およびその計算結果について述べる。 原子炉の現実的な体系を中心としたいくつかの数値例が示されるが、双二次近似による解は精度も良く、粗いメッシュのときでも数値的に安定である。 また、汎用的なダイヤモンド差分法によるコードとの比較もなされ、また数値計算の結果を通じて不連続法の利点が示されている。
藤村 統一郎; 西田 雄彦; 浅井 清
JAERI-M 7102, 138 Pages, 1977/05
FACOM230-75計算機に備え付けられた、科学用サブルーチン・ライブラリーを補うため、所内で開発、整備されたサブルーチンを集めたのが、原研版・ライブラリーであり、これはその使用手引書を編集したものである。このライブラリーは従来の原研版・ライブラリーを拡充した形になっているが、科学計算用には未だ充分とは言えず、更に拡充することが望まれる。
藤村 統一郎
JAERI-M 7100, 46 Pages, 1977/05
グラフを描くためのサブルーチン、STDPLが開発された。データは2次元のものとし、x-y平面上に描かれる。機能的なプロット用サブルーチン集合体、F-シリーズも併せて開発され、この中で使われている。一般に、実験や計算の結果を把握するとき、グラフ化は大きな助けとなるが、従来のようにプロット用の基本サブルーチンのみでこれを行なうと、厄介でかつエラーを起こし易い。STDPLエラーの検出と修正を可能な限り行うが、そこで使われるパラメータも過不足のないよう検討されている。いくつかの例題とこれらのサブルーチンのプログラム・リストも与えられる。