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浦野 創; 滝塚 知典*; 相羽 信行; 菊池 満; 仲野 友英; 藤田 隆明; 大山 直幸; 鎌田 裕; 林 伸彦; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 53(8), p.083003_1 - 083003_8, 2013/08
被引用回数:30 パーセンタイル:78.37(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて軽水素・重水素Hモードプラズマのエネルギー閉じ込め特性を調べた。重水素のエネルギー閉じ込め時間は軽水素のそれより約1.2-1.3倍長いことがわかった。プラズマ熱エネルギーを一定にした比較を行った場合、密度・温度分布が両者で一致したが、一方で軽水素時には高パワー入力を要した。そのときの軽水素のイオンの熱伝導流束は重水素時の約2倍であった。したがって、軽水素のイオン熱拡散係数も同様に約2倍に増加した。重水素のイオン温度勾配特性長は軽水素時と比較して約1.2倍程度短くなることを示した。また、ペデスタル圧力は水素同位体種によらず全ポロイダルベータによって決まることを示した。コア部の温度分布はペデスタル温度が境界条件となって決まり、一方でペデスタル圧力は全ポロイダルベータで決まるため、重水素時の短いITGスケール長によるコア部の高温化がコア部及びペデスタル部を含めた全領域での閉じ込め改善を引き起こしていることを示した。
浦野 創; 滝塚 知典*; 菊池 満; 仲野 友英; 藤田 隆明; 大山 直幸; 鎌田 裕; 林 伸彦; JT-60チーム
Proceedings of 24th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2012) (CD-ROM), 8 Pages, 2013/01
JT-60Uにおいて軽水素・重水素Hモードプラズマのエネルギー閉じ込め特性を調べた。重水素のエネルギー閉じ込め時間は軽水素のそれより約1.2-1.3倍長いことがわかった。プラズマ熱エネルギーを一定にした比較を行った場合、密度・温度分布が両者で一致したが、一方で軽水素時には高パワー入力を要した。そのときの軽水素のイオンの熱伝導流束は重水素時の約2倍であった。したがって、軽水素のイオン熱拡散係数も同様に約2倍に増加した。重水素のイオン温度勾配特性長は軽水素時と比較して約1.2倍程度短くなることを示した。
浦野 創; 滝塚 知典*; 菊池 満; 仲野 友英; 藤田 隆明; 林 伸彦; 大山 直幸; 鎌田 裕; JT-60チーム
Europhysics Conference Abstracts (Internet), 36F, p.P1.016_1 - P1.016_4, 2012/00
JT-60Uにおいて軽水素・重水素Hモードプラズマのエネルギー閉じ込め特性を調べた。重水素のエネルギー閉じ込め時間は軽水素のそれより約1.2-1.3倍長いことがわかった。プラズマ熱エネルギーを一定にした比較を行った場合、密度・温度分布が両者で一致したが、一方で軽水素時には高パワー入力を要した。そのときの軽水素のイオンの熱伝導流束は重水素時の約2倍であった。したがって、軽水素のイオン熱拡散係数も同様に約2倍に増加した。重水素のイオン温度勾配特性長は軽水素時と比較して約1.2倍程度短くなることを示した。
榊原 哲朗; 青山 佳男; 山口 大美; 佐々木 尚*; 西川 雄*; 村田 実*; Park, J.*; 谷口 尚司*; 藤田 満*; 福田 友幸*; et al.
Proceedings of International Waste Management Symposium 2009 (WM '09) (CD-ROM), 15 Pages, 2009/03
放射性廃棄物の溶融減容処理において、廃棄物の詳細な分別が不要となる超高周波溶融炉による減容システムを開発した。るつぼ容量10リットルの小型試験装置と、容量30リットルの実証試験装置を用いて数10100kHzの電磁誘導により金属とセラミックスを同時に誘導加熱し溶融固化体を作製した。作製した固化体の健全性を確認するとともに、計算シミュレーションにより算出した炉内の電磁場と流動状況と試験結果とを比較評価した。また、試験データ及び計算評価結果からるつぼ容量100リットルの実用規模設備の設計を実施した。
松川 誠; 菊池 満; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 林 孝夫; 東島 智; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井手 俊介; 石田 真一; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.795 - 803, 2008/12
被引用回数:17 パーセンタイル:72.86(Nuclear Science & Technology)JT-60SAは、日欧の幅広いアプローチの下で建設する完全超伝導トカマク装置で、ITERや原型炉への貢献を目指している。2007年の両極の国会批准後、実質的には既に建設段階に移行している。JT-60SAは、既存の建屋,電源,プラズマ加熱装置,計測装置などの、JT-60U設備の最大限の有効利用が前提であり、完全に新作する主たる機器は本体装置のみである。最大プラズマは電流5.5MAで、プラズマ主半径3.06m,アスペクト比2.65,非円形度1.76,三確度0.36である。最大プラズマ加熱入力41MW,プラズマ電流のフラットトップ時間は100秒間である。本論文では、トカマク装置本体だけでなく、プラズマ加熱装置や遠隔保守装置の設計などについても言及するとともに、EUとの技術的な議論を踏まえて行った超伝導導体に関する最近の設計変更案などを紹介し、装置の全体像を明らかにする。
藤田 隆明; 玉井 広史; 松川 誠; 栗田 源一; Bialek, J.*; 相羽 信行; 土屋 勝彦; 櫻井 真治; 鈴木 優; 濱松 清隆; et al.
Nuclear Fusion, 47(11), p.1512 - 1523, 2007/11
被引用回数:24 パーセンタイル:63.28(Physics, Fluids & Plasmas)プラズマ制御の観点から、JT-60U改修装置,JT-60SAの設計を最適化し、運転領域を評価した。弱磁気シアあるいは負磁気シアを得るために、負イオン源NBIのビームラインを下方に移動し中心をはずれた電流駆動を可能とした。安定化板の開口部に沿って設置された帰還制御コイルにより、抵抗性壁モードを抑制し、理想導体壁の安定性限界に近い高いベータ値が維持できることが示された。供給磁束量から誘導電流駆動によるプラズマ電流維持時間を評価した。高パワー加熱の高ベータプラズマ(2.9)では、非誘導電流駆動割合は50%近くに達し、高密度領域でも100秒間維持が可能である。加熱・電流駆動パワーの増強により完全非誘導電流駆動の領域も拡大された。高非円形度,高三角度の低アスペクト比配位において、核融合炉心相当の高い規格化ベータ値(4.4)と自発電流割合(0.7)での100秒間の完全非誘導電流駆動運転が期待される。
玉井 広史; 藤田 隆明; 菊池 満; 木津 要; 栗田 源一; 正木 圭; 松川 誠; 三浦 幸俊; 櫻井 真治; 助川 篤彦; et al.
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.541 - 547, 2007/10
被引用回数:9 パーセンタイル:54.87(Nuclear Science & Technology)JT-60SAはITERサテライトトカマクとして位置づけられ、ITER支援研究とITER補完研究の二つの使命を併せ持ち、日本とEUとが共同で設計・建設・実験を実施する装置である。昨年度実施された基本的な装置仕様にかかわる検討を経て、ITERへの貢献を高める観点から加熱入力が41MW,100秒間に増強された。この加熱入力で実現可能なプラズマ性能を検討するために、プラズマ解析コードを用いて予測評価を行った。その結果、完全非誘導電流駆動の運転シナリオが高密度領域において拡張されるとともに、高い等価エネルギー増倍率と高い規格化ベータ値の同時達成の裕度が拡張されるなど、ITER及び原型炉を指向した研究を展開するにふさわしい装置性能を有することが示された。
木津 要; 土屋 勝彦; 安藤 俊就*; Sborchia, C.*; 正木 圭; 櫻井 真治; 助川 篤彦; 玉井 広史; 藤田 隆明; 松川 誠; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 17(2), p.1348 - 1352, 2007/06
被引用回数:4 パーセンタイル:29.39(Engineering, Electrical & Electronic)原子力機構では、臨界プラズマ試験装置(JT-60)を超伝導コイルを用いたJT-60SAに改修する計画を、ITERのブローダーアプローチの一つとして欧州とともに進めている。JT-60SAのコイルシステムは、18個のトロイダル磁場コイル(TFC),4つのモジュールからなる中心ソレノイド(CS),7つの平衡磁場コイルにより構成される。TFCは6.4Tの最大経験磁場を持ち、蓄積エネルギーは1.5GJである。その高さと幅は、8.8mと4.7mである。超伝導導体(外寸29.1mm角)は、以前は、最大経験磁場が7.4Tであったため、NbAl導体を用いる計画であったが、6.4Tへと設計変更されたことから、NbTi導体を用いた設計を新たに行った。また、CSのための空間がTFC設計変更により狭くなったこと、及びブローダーアプローチのワーキンググループの議論によりITERプラズマ模擬のため、より大きな供給磁束の達成が必要になったことからCSの設計変更も行った。CS導体を従来の7.4T導体から10T導体とすることで、ボアが小さくなったにもかかわらず、供給磁束量を3Wb増加することに成功した。
朝倉 伸幸; 川島 寿人; 清水 勝宏; 櫻井 真治; 藤田 隆明; 竹永 秀信; 仲野 友英; 久保 博孝; 東島 智; 林 孝夫; et al.
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 31F, 4 Pages, 2007/00
JT-60SAでは最大41MWの入射パワーで100秒間の運転を予定して設計を進めている。一方、炭素繊維材を使用した強制冷却ダイバータ板への最大熱流負荷は15MW/mであり、現在のトカマク装置を超えた大きな熱流を低減するダイバータ設計が必要となった。さらに、重水素運転を行うため、すべてのダイバータ要素をカセットに納められるよう小型化する必要がある。本発表では、おもに、ITER相似の主プラズマ配位で実験を行うため設計された下側ダイバータの物理設計についてシミュレーション結果を中心に述べる。一般に外側ダイバータへの熱流束が大きいため、ダイバータ板の角度を垂直にするとともにドーム部の排気溝の位置を高くした「V型形状」にすることにより、ストライク点付近の中性ガス圧が増加し非接触プラズマが生成しやすい設計とした。ガスパフを行うことによりダイバータ板への最大熱負荷は8MW/m程度まで低減できる。さらに、ガスパフを増加し放射損失が増加した場合、V型形状ダイバータでは、ストライク点を高くすることにより非接触ダイバータを接触ダイバータへ戻す制御が可能であることを示した。
二宮 博正; 秋場 真人; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 林 伸彦; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井上 信幸; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 49, p.S428 - S432, 2006/12
現在検討が進められているJT-60のコイルを超伝導コイルに置き換える計画(トカマク国内重点化装置計画)の概要について述べる。本計画はITER及び原型炉への貢献を目指しているが、その位置づけ,目的,物理設計及び装置設計の概要,今後の計画等について示す。物理設計については、特に高い規格化ベータ値を実現するためのアスペクト比,形状因子及び臨界条件クラスのプラズマや完全非誘導電流駆動のパラメータ領域等について、装置については物理設計と整合した設計の概要について示す。
菊池 満; 松田 慎三郎; 吉田 直亮*; 高瀬 雄一*; 三浦 幸俊; 藤田 隆明; 松川 誠; 玉井 広史; 櫻井 真治; 池田 佳隆; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 82(8), p.455 - 469, 2006/08
JT-60SA計画は、核融合エネルギーの実現に向けて実験炉ITERを支えつつ、我が国独自の魅力あるトカマク型原型炉の実現を目指すトカマク国内重点化装置計画と、ITER計画の主要参加国である欧州と日本の共同計画としてのサテライト・トカマク計画との合同計画である。JT-60SA計画の経緯,目的と意義,装置設計,運営形態について述べる。
菊池 満; 玉井 広史; 松川 誠; 藤田 隆明; 高瀬 雄一*; 櫻井 真治; 木津 要; 土屋 勝彦; 栗田 源一; 森岡 篤彦; et al.
Nuclear Fusion, 46(3), p.S29 - S38, 2006/03
被引用回数:13 パーセンタイル:41.76(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置(NCT)計画は、大学における成果を取り込みつつJT-60Uに引き続き先進トカマクを進めるための国内計画である。NCTのミッションは発電実証プラントに向けて高ベータ定常運転を実現するとともに、ITERへの貢献を図ることである。高ベータ定常運転を実現するために、装置のアスペクト比,形状制御性,抵抗性壁モードの帰還制御性,電流分布と圧力分布の制御性の機動性と自由度を追求した。
土屋 勝彦; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; et al.
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1599 - 1605, 2006/02
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Nuclear Science & Technology)JT-60定常高ベータ装置(トカマク国内重点化装置)は、経済的な核融合炉の実現を目指した定常高ベータプラズマ運転の実証が重要なミッションの一つである。現在、プラズマ形状及びアスペクト比について広いパラメータ領域で研究を行えるように、装置の物理的・技術的設計検討を進めている。本装置の目標とする高ベータプラズマは、自由境界MHD安定性限界を超えた領域にあるため、電子サイクロトロン加熱による新古典テアリングモードの抑制に加えて、安定化板及び容器内コイルを用いた壁不安定性モードの抑制など、さまざまなMHD不安定性の制御手法を駆使する必要がある。それらを踏まえて、今回は、高ベータと臨界条件クラスのプラズマを同時に達成できるプラズマパラメータの解析評価、及び自由境界MHD安定性限界を超えた高ベータプラズマの非誘導電流駆動制御シナリオの検討結果について報告する。また、広いパラメータ領域で定常高ベータプラズマ運転を実現させるための装置設計の現状に関して、超伝導コイル及び放射線遮へい材を中心に報告する。
玉井 広史; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤田 隆明; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; 細金 延幸; 市村 真*; et al.
Nuclear Fusion, 45(12), p.1676 - 1683, 2005/12
被引用回数:15 パーセンタイル:45.53(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置の設計研究をまとめた。装置の設計は、プラズマのアスペクト比と形状制御性に関して自由度を広く確保できることが求められている。これは、ITERと平行して研究を進めるとともに、定常高ベータプラズマ運転についての科学的なデータベースをDEMOへ提供する観点から重要である。この目標に合致するように、プラズマのアスペクト比と形状の自由度の確保について、これまで比較的困難であったダイバータ排気性能との両立が図られるように装置設計を行った。この装置設計に基づいて、閉じ込め,安定性,電流駆動,ダイバータプラズマ等の物理性能を評価し、主目的である定常高ベータプラズマを実現するための制御方法を検討した。
菊池 満; 鈴木 隆博; 坂本 宜照; 藤田 隆明; 内藤 磨; JT-60チーム
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
トカマクの磁場方向輸送は新古典理論の予測に従っているという結果が1995年頃までに確立された(菊池,安積、PPCFレビュー)が、実験的には、巨視的なパラメータ比較によっていた。その後のプラズマ計測技術の発展により、局所的な電流分布が計測可能となり、電気伝導度や自発電流の局所値を実測できるようになった。本論文では、JT-60で開発した電流分布比較解析手法とそれを用いた電気伝導度,自発電流の比較評価について報告する。
玉井 広史; 松川 誠; 栗田 源一; 林 伸彦; 浦田 一宏*; 三浦 友史; 木津 要; 土屋 勝彦; 森岡 篤彦; 工藤 祐介; et al.
Plasma Science and Technology, 6(1), p.2141 - 2150, 2004/02
被引用回数:2 パーセンタイル:6.49(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60定常高ベータ化計画(JT-60改修計画)の最重要課題は高ベータ,臨界クラスのパラメータを持つ高性能プラズマの100秒程度以上の維持を実証することである。このため、高ベータプラズマを達成するためのプラズマパラメータや運転シナリオ,制御手法の検討を行うとともに、超伝導磁場コイルの要素技術の開発を始め、放射線遮蔽や真空容器等の設計検討及び試験開発を行い、その成立性を確認した。本発表は、以上の物理・工学設計と試験開発の進捗状況を詳述する。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Chujo, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
原型炉の経済性と環境適合性のさらなる向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉と同様に強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御を持ち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。JT-60の既存設備を最大限活用し、新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現を目指し、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という重要課題に取り組むことができるよう設計を行った。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Cho, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
被引用回数:33 パーセンタイル:69.14(Physics, Fluids & Plasmas)原型炉の実現に向けて経済性と環境適合性の向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉で想定されているように、強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御をもち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。既存のJT-60設備を最大限に生かし、原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現に向けて、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という克服すべき課題に取り組むための設計を行った。
Hobirk, J.*; 及川 聡洋; 藤田 隆明; 福田 武司; Gnter, S.*; Gruber, O.*; 諫山 明彦; 鎌田 裕; 菊池 満; Maraschek, M.*; et al.
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 27A, 4 Pages, 2003/00
ASDEXトカマクとJT-60トカマクにおいて、中性粒子ビームを用いた周辺電流駆動実験を行った。電流分布がほぼ定常になった状態で周辺部に接線中性粒子ビームを入射した。ASDEXトカマクの場合、計測された電流分布にほとんど変化はなかった。理論計算によると検出限界以上の電流分布の変化が起きるはずである。JT-60トカマクの場合は、わずかな電流分布の変化が検出されたが、電子密度が低いために理論計算モデルが適用できず、理論との比較はできなかった。一方、プラズマ表面の周回電圧の計測からは、期待される量のビーム駆動電流が流れていることが示唆された。以上の結果から、周辺部で発生した高速イオンが空間的な拡散によって、中心部へ移動し、駆動電流分布が予測通りにはなっていない可能性が考えられる。
牛草 健吉; 井手 俊介; 及川 聡洋; 鈴木 隆博; 鎌田 裕; 藤田 隆明; 池田 佳隆; 内藤 磨; 松岡 守*; 近藤 貴; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.255 - 277, 2002/09
被引用回数:10 パーセンタイル:15.15(Nuclear Science & Technology)JT-60における非誘導電流駆動及び高性能定常運転に関する研究成果をまとめた。低域混成波電流駆動(LHCD)により3.5MAの大電流駆動,3.61019m-2A/Wの高効率電流駆動,自在な電流分布制御性を実証した。近接条件,高速電子挙動等の基礎研究によりLHCD物理の解明に貢献した。負イオン源中性粒子ビーム電流駆動(N-NBCD)実験により、中性粒子ビーム電流駆動に関する研究を著しく進展させた。駆動効率1.51019m-2A/Wを達成し、1MAの電流駆動に成功した。弱磁場励起Oモード電子サイクロトロン波による局所電流駆動を実証し、駆動効率0.51019m-2A/W,0.2MAの電流駆動を達成するとともに、新古典テアリング不安定性の抑制に成功した。これらの成果に基づき、高pHモード及び負磁気シアプラズマという2つの高性能定常運転方式を開発した。これらの運転方式は、高い閉じ込め性能を有するほぼ定常状態の電流分布を完全電流駆動の状態で持続できるものである。高い規格化密度や高い核融合積を有する完全電流駆動高性能定常運転方式で達成した。