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論文

Field-based description of near-surface crustal deformation in a high-strain shear zone; A Case study in southern Kyushu, Japan

丹羽 正和; 島田 耕史; 照沢 秀司*; 後藤 翠*; 西山 成哲; 中嶋 徹; 石原 隆仙; 箱岩 寛晶

Island Arc, 33(1), p.e12516_1 - e12516_16, 2024/02

 被引用回数:0

本研究では、地表地形では特定が不明瞭な活構造を検出する目的で、小断層の変位データを用いた多重逆解析から推定される応力と、地震データから推定されている応力とを比較することに基づく手法を検討した。南九州で知られているひずみ集中帯で検討した結果、本手法が、地下に伏在する活構造を検出するための一助となり得ることを示した。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和5年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 藤田 奈津子; 横山 立憲; 小北 康弘; 福田 将眞; 中嶋 徹; 鏡味 沙耶; 小形 学; et al.

JAEA-Review 2023-017, 27 Pages, 2023/10

JAEA-Review-2023-017.pdf:0.94MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和5年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和4年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 石原 隆仙; 小川 大輝; 箱岩 寛晶; 渡部 豪; 西山 成哲; 横山 立憲; 小形 学; et al.

JAEA-Research 2023-005, 78 Pages, 2023/10

JAEA-Research-2023-005.pdf:6.51MB

本報告書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和4年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第4期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を進めている。本報告書では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

論文

等高線を用いた地形解析による第四紀火山の山体下の岩脈分布および火道安定性評価

西山 成哲; 川村 淳; 梅田 浩司*; 丹羽 正和

応用地質, 64(3), p.98 - 111, 2023/08

火山防災におけるリスク評価や高レベル放射性廃棄物の地層処分に係るサイト選定および安全評価を行う上で、マグマの移動経路であった山体下の岩脈の分布に関する研究事例を蓄積していくことは重要である。火山地形は、火山活動に伴うマグマの貫入位置やその履歴を表していると考えられている。本研究では、GISを用いた地形解析により火山を構成する等高線の分布、重心、面積から、放射状岩脈の卓越方位の把握および火道の安定性評価を試みた。地形解析の結果、火道安定型の火山に対して岩脈の卓越方位を示すことができた。一方で、火道不安定型の火山は、本解析による岩脈の卓越方位の把握には適さず、その適用範囲が火道の安定性に依存すると考えられた。火道の安定性は、等高線ポリゴンの面積データを用いた解析を行うことで評価が可能であり、岩脈の卓越方位の把握手法への適用範囲を示すことができる。このことから、火山の活動履歴が詳らかになっていない火山についても、火道の安定性について評価が可能であり、地形解析はそのツールとして有用である。今後、本研究による地形解析が、火山の活動履歴を明らかにするための新たな手法となることが期待される。

論文

放射性廃棄物処分分野におけるボーリング孔閉塞の確認項目の整理

村上 裕晃; 西山 成哲; 竹内 竜史; 岩月 輝希

応用地質, 64(2), p.60 - 69, 2023/06

放射性廃棄物の処分分野において、ボーリング孔が適切に閉塞されたことの妥当性を確認するための確認項目を整理する目的で、ベントナイトを用いたボーリング孔の閉塞試験を行った。閉塞材の定置前後に閉塞区間を対象として注水試験を行った結果、本研究で目標としたとおり閉塞材がその上下の区間を分断していることを確認できたことから、適切に閉塞されたことを確認する手法の一つとして注水試験が有用であると考えられた。一方、一度閉塞した区間に高差圧が生じた結果として閉塞部に水みちが生じたことから、高差圧が生じる条件では、閉塞材を移動させない等の対策が講じられていることが確認項目として挙げられる。計画段階では、岩盤の水理地質構造に応じた閉塞材のレイアウトや仕様が検討されていることが重要である。また、ベントナイトを閉塞材とする場合は、ベントナイトが孔内で膨潤して体積が増加、密度が低下して透水係数が上昇するため、このことが念頭に置かれている必要がある。加えて、ベントナイトを計画深度へ定置可能な搬送方法であることや、複数材料を組み合わせる場合は閉塞材の性能を低下させない配置であることが確認項目として挙げられた。

報告書

GISを用いた火山体の地形解析によるマグマ供給系の推定方法(受託研究)

西山 成哲; 後藤 翠*; 塚原 柚子; 川村 淳; 梅田 浩司*; 丹羽 正和

JAEA-Testing 2022-003, 51 Pages, 2022/09

JAEA-Testing-2022-003.pdf:5.24MB
JAEA-Testing-2022-003-appendix(CD-ROM).zip:1.12MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に係る評価のうち、火山・火成活動に関する技術的課題の一つとして、マグマ活動範囲の評価技術の高度化は必要不可欠である。そのための有効な手法として、火山体の地形解析による岩脈の分布範囲の把握が期待される。近年では、手作業では作業量が膨大で困難であった作業が、コンピュータによる地形解析技術の発達により、多くの作業量を簡易的に行えるようになった。本報告では、GISソフトウェアを用いた火山体を形作る等高線の形状解析手法について記述する。

論文

放射性廃棄物の処分分野における地下水モニタリングの方法

村上 裕晃; 岩月 輝希; 竹内 竜史; 西山 成哲*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 27(1), p.22 - 33, 2020/06

地層処分や中深度処分などの放射性廃棄物の埋設・処分分野においては、事業の進捗に合わせて処分施設周辺の地質環境の変化などの大量の情報を収集する必要がある。モニタリングは、処分場周辺の地質環境の把握、事業の意思決定プロセスの支援、利害関係者への情報提供などの目的のために実施される。本論では、国内外における地下水モニタリングの現状と課題を整理した。その結果、モニタリングに先立つ地質環境調査でのボーリング孔掘削、モニタリング場所の選定については、これまでの研究技術開発により技術が確立している一方で、モニタリング機器の長期運用、長期運用後の機器回収、モニタリング孔閉塞時の閉塞材搬送方法、保孔用ケーシングやストレーナ管を残置した場合の移行経路閉塞性などについては、更に技術的根拠の蓄積が必要と考えられた。

口頭

ボーリング孔の閉塞材としてのベントナイトの膨潤挙動と透水性

村上 裕晃; 西山 成哲*; 岩月 輝希; 竹内 竜史

no journal, , 

放射性廃棄物の中深度処分で必須となるモニタリング用のボーリング孔は、その掘削と観測中はもとより、その閉塞後も、放射性物質の移行経路とならないようにしなければならない。事業段階において、規制当局は事業者がこれらの点を解決する手段を講じているかを判断しなければならない。しかし、現時点では、放射性廃棄物分野におけるボーリング孔の閉塞方法は確立されていない。そこで本研究では、閉塞材の候補であるベントナイトの膨潤挙動と透水性に関する室内試験を実施し、閉塞・埋め戻しの確認にかかる妥当性の判断に必要な情報を整理した。

口頭

埋め戻したボーリング孔を対象とした閉鎖確認時の確認項目の抽出,1; 閉塞材を対象とした室内試験による判断指標の整理

村上 裕晃; 西山 成哲*; 岩月 輝希; 竹内 竜史

no journal, , 

中深度処分において検討されている放射線モニタリングに用いられたボーリング孔は、モニタリングの終了後、放射性核種の移行経路とならないように閉塞される必要があり、規制機関はそれが適切に閉鎖されたことを確認する(以下「閉鎖確認」)必要がある。しかし現時点では、複数材料を使った閉塞概念は構築されつつあるものの、原位置において埋め戻したボーリング孔の閉塞性能を確認した事例がなく、閉鎖確認時にその妥当性を判断するための科学的知見が不足している。本研究では、原位置試験を念頭に、代表的な閉塞材であるベントナイトを対象として室内試験を実施し、閉塞の妥当性を確認する上で重要になると考えられる判断指標を整理した。

口頭

埋め戻したボーリング孔を対象とした閉鎖確認時の確認項目の抽出,2; 原位置におけるボーリング孔の閉塞試験

西山 成哲*; 竹内 竜史; 岩月 輝希; 村上 裕晃

no journal, , 

中深度処分においては、ボーリング孔を用いた放射性物質の漏洩を監視する放射線モニタリングの実施が検討されている。モニタリング終了後、ボーリング孔は放射性核種の移行経路とならないように閉塞される必要があり、規制機関はボーリング孔が適切に閉鎖されたことを確認する(以下、「閉鎖確認」)必要がある。しかし現時点では、複数材料を使ったボーリング孔の閉塞概念の構築や、現場においてベントナイトを使用した閉塞は実施されているものの、その閉塞性能を確認した事例はなく、閉鎖確認のための科学的知見が不足している。そのため本研究では、閉鎖確認の方法として閉塞過程での注水試験を提案し、室内試験で得られた判断指標に基づいて作成したベントナイトブロックを用いて実際のボーリング孔の閉塞試験を実施し、その閉塞性能を確認した。

口頭

GISソフトウェアを用いた地形解析による第四紀火山の火道および放射状岩脈のモデル化の検討

西山 成哲*; 川村 淳; 梅田 浩司*; 後藤 翠; 丹羽 正和

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分のサイト選定において、火山・火成活動の活動影響領域を把握しておくことは重要である。火山体の内部には、ほぼ垂直に伸びて山頂火口に繋がる火道とそこから派生する放射状岩脈が存在する。しかし、現存する火山体下に伏在している火道や放射状岩脈の分布を把握することは困難である。著者らは、山体の裾野の広がりが実際の岩脈の分布範囲を反映していると想定し、GISソフトウェアを用いた山体の地形解析により火道および放射状岩脈の三次元的な分布範囲をモデル化する手法の開発を行っている。本検討では、活動履歴が詳らかになっていない火山等も含めた地形解析の手法を提案し、各火山での地形解析を実施し、岩脈の分布範囲のモデル化を図った。その結果、本検討で用いた解析手法により、火山の活動で形成された地形の特徴を、エキスパートジャッジを含めずに捉えることが可能となった。このことは、本検討による解析結果と地質との比較検討を可能にするものであり、有益な情報となると考えられる。また、本検討により得られた重心の分布傾向は、噴火当時の広域応力場と整合的な結果を示しており、解析結果の妥当性を示すものである。

口頭

Estimation of emergence age using feldspar OSL dating; Case studies in the Noto Peninsula and the Oi River

小形 学; 塚原 柚子; 川村 淳; 菅野 瑞穂; 西山 成哲*; 末岡 茂; 小松 哲也; 中西 利典*; 安江 健一*

no journal, , 

長石の光励起ルミネッセンス(OSL)年代測定法は適用範囲が数千年から数十万年であり、堆積物に普遍的に含まれる長石粒子を対象とすることから、地形学的時間スケール(数千年から数十万年)での堆積物の編年が可能な方法として期待できる。本発表では、離水地形の離水時期の制約に基づく隆起速度推定技術の高度化の一環として実施中の長石のOSL年代測定による離水時期の推定研究について能登半島(海成地形)と大井川(河成地形)を事例として報告する。

口頭

等高線の形状解析による第四紀火山の岩脈分布のモデル化および火道安定性評価の検討

西山 成哲*; 川村 淳; 梅田 浩司*; 後藤 翠; 丹羽 正和

no journal, , 

火山・火成活動の技術的課題のうちマグマの影響範囲の検討に関しては、特に岩脈の発達に関する調査事例を蓄積していくことが重要であるが、現存の火山体下に伏在している火道および岩脈の分布を把握することは現実的に困難である。一方で、火山の山体の裾野の広がりは、実際の岩脈の分布範囲を反映していると考えられている。日浦ほか(2021)は、GISソフトウェアを用いた火山体の地形解析により火山体の標高ごとの形状,面積,重心などの地形パラメータを計測することにより、火山体下の岩脈の分布範囲の推定やその火山の活動履歴を追える可能性を見出した。西山ほか(2021)では、日浦ほか(2021)の手法からエキスパートジャッジとなる要素をなくした重心の算出手法を提案し、火山の放射状岩脈のモデル化を図った。しかし、得られた重心分布が火道と放射状岩脈のどちらの影響によるものかが区別できておらず、火道の安定性を評価できない状態である。本研究では、等高線の形状に注目し、岩脈分布のモデル化および火道の安定性評価に向けた検討を行った。西山ほか(2021)の解析により得られるデータに加え、各標高の等高線分布のうち最大距離となる長軸を引き、その方位データを集計した。また、等高線で囲われた等高線ポリゴンの面積データを用いた計算を実施し、各火山の地形パラメータとして算出した。具体的には、各標高の最大面積の等高線ポリゴンに対するその他の等高線ポリゴンの面積の比、およびその等高線ポリゴンの面積の値をそれぞれ平均したものを各火山で算出し、その算出結果による火山のグループ分けを試みた。解析の結果、火山体の等高線の長軸方位は、各火山で方位がある程度集中する結果が得られた。重心同士を結んだ線の方位と整合的な火山も多く見られ、それらは火山周辺の主応力の方向とおおよそ合致する結果となった。岩脈は一般に最大圧縮軸の方向に進展する特徴があるとされていることから、地形解析結果はこれと整合的であると言える。一方で、整合的でない火山もあるが、噴出率が比較的低い火山であることが多い。等高線ポリゴンの面積を用いた各火山の地形パラメータは、高橋(1994)で分類されている火道安定型と火道不安定型の火山とに区別可能なことを示唆する結果となった。このことは活動履歴が詳らかになっていない火山においても、地形解析により火道の安定性を評価が可能となることが期待されるものである。

口頭

火山・火成活動の発生に係る評価技術の高度化; マグマの影響範囲を把握するための技術の高度化への取組みについて

川村 淳; 西山 成哲; 丹羽 正和; 梅田 浩司*

no journal, , 

標記の取組みとして、「数値標高モデルの地形データなどに基づいて第四紀火山体下に分布する岩脈の分布範囲を推定する手法の検討」及び「国内の岩脈に関する既往の地質図幅からの収集・整理(データベース化)」を実施し、火山体周辺の地殻応力,活動年代,マグマ噴出率などと、岩脈の分布範囲や発達過程との関連性についての検討を実施した。これらの検討のうち前者は将来の火山・火成活動に伴うマグマの水平移動(岩脈の水平方向への発達)の影響が及ぶ蓋然性の高い方向や範囲を評価する上での基礎情報としての活用が期待される。後者は岩脈の発達が火山の中心から半径15km(科学的特性マップ(経済産業省資源エネルギー庁, 2017)における第四紀火山に対する好ましくない範囲の基準とされている距離)を超える場合の国内外の過去の事例を把握する上で重要な知見となる。本発表では、それらの内容について報告する。

口頭

穿入蛇行河川の旧流路地形・堆積物に基づく下刻速度の推定; 赤石山脈南部,大井川の事例

塚原 柚子; 小形 学; 川村 淳; 菅野 瑞穂*; 西山 成哲; 末岡 茂; 中西 利典*; 小松 哲也

no journal, , 

日本列島の山地における10万年スケールの隆起速度は、主としてTerrace to Terrace法(TT法: 吉山・柳田、1995)に基づき推定されている。TT法の適用にあたっては、最終氷期の堆積段丘と一つ前の氷期の堆積段丘のペアを認定する必要がある。しかし、そのような段丘のペアが認められない山地も多い。そこで、我々は、TT法の代替手法として、環流旧河谷などの旧流路地形・堆積物の分布高度と離水年代に基づいて10万年スケールでの下刻速度を算出する方法(例えば、安江ほか、2014; 小形ほか、2021)の研究を進めている。本発表では、そのような研究の一環で大井川中流部を事例に実施した調査の結果について報告する。

口頭

活断層地形が不明瞭な地域における小断層の応力逆解析; 1984年長野県西部地震の震源周辺地域における例

西山 成哲; 中嶋 徹; 後藤 翠*; 箱岩 寛晶; 末岡 茂; 島田 耕史; 丹羽 正和

no journal, , 

M6-7の規模のいくつかの地震については地表地震断層が不明確とされており、このような地震を引き起こす活断層を把握するための評価手法の確立が必要である。本研究では、明瞭な地表地震断層が現れていない1984年長野県西部地震の震源地域において、地表踏査により収集した小断層の条線データを用いた応力逆解析により小断層の活動に影響を与えたと考えられる応力場を推定し、広域応力場と整合的な小断層が多い領域を抽出した。地表踏査の結果、321条の小断層データを収集した。これら小断層データの位置とデータ数を考慮して調査地域を13個の領域に区分けし、各領域における応力逆解析の結果、伏在断層の上端に近い領域において、本地域の広域応力場と調和的なNW-SE方向に$$sigma$$1軸を持つ応力が検出された。これらの領域には、伏在断層の活動に伴って変位した小断層が相対的に多いと考えられ、それらの分布範囲は伏在断層のダメージゾーンもしくはさらに広範囲に広がる変形帯に相当することが予想される。このことから、明瞭な断層変位地形が認められない場合でも、地表踏査によりその分布や影響範囲を推定できると期待される。本研究は経済産業省資源エネルギー庁委託事業「令和2-4年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(JPJ007597)(地質環境長期安定性評価技術高度化開発)」の成果の一部である。

口頭

温泉湧出露頭の割れ目分布の特徴; 紀伊半島上湯温泉の例

箱岩 寛晶; 島田 耕史; 川村 淳; 西山 成哲; 後藤 翠*

no journal, , 

地殻中の流体移動経路の把握と推定は、地層処分事業に関する地盤や地下水対策等の評価で重要である。そのため、地殻流体が地表の岩盤中の割れ目から湧出している温泉湧出露頭を、流体の高速移動経路の候補として捉え、割れ目分布の特徴を調査している。紀伊半島上湯温泉の上湯川沿いの温泉湧出露頭において、割れ目データをスキャンライン法により取得した。具体的には、測線と交差する割れ目の走向傾斜と測線との交点の距離を計測した。走向データは、北-東-南の180度範囲方向に伸びる単位長さのベクトルとして扱われる。グラフ表現では、直交座標(横軸は東、縦軸は北)の原点から最初のベクトルが始まる。そして、そのベクトルの終点が次のベクトルの始点となる。これを繰り返すことにより、累積走向ベクトルの折線グラフができる。横軸と縦軸の単位を合わせると、この折線ベクトルのある部分が示す方向は、その部分の割れ目の平均方向を示している。折線グラフには、いくつかのトレンドとその屈曲が見られる。各トレンドは、類似した走向を持つ割れ目群からなる割れ目領域を示している。現在の温泉湧出地点はいくつか認められるトレンド屈曲点、すなわち割れ目領域境界のうちの一つに対応している。過去に温泉が湧出していた割れ目も、別の割れ目領域境界に位置する。このグラフでは、割れ目の測線上の距離と、割れ目の傾斜の情報は現れない。ある一定の数の割れ目の間の距離は、割れ目頻度の逆数で、割れ目領域境界の検出に使うことができる。過去に温泉が湧出していた割れ目は、割れ目間距離が急激に変化する地点に位置しており、これは割れ目密集の度合の変化が異なるような、隣接割れ目領域の境界に相当する。隣接する割れ目の交線も、単位ベクトルとして扱うことができ、累積交線ベクトルのグラフを作ることができる。上記の現在および過去の温泉湧出地点は、この累積交線ベクトルグラフの屈曲点、つまり割れ目領域境界に位置している。これらの単純な手法により、上湯温泉の例では、亀裂性岩盤における割れ目領域境界と流体経路の場所を示すことができた。本手法の利点は、なんら変更を加えることなく、概要調査で実施が想定されるような、ボアホールテレビ観察を併用するボーリング調査に適用可能なことである。

口頭

河川下刻による地形変化に関するデータ収集及び予察的な解析

川村 淳; Jia, H.*; 小泉 由起子*; 西山 成哲; 梅田 浩司*

no journal, , 

10m DEMを用いたGISによる地形解析により、安倍川、大井川及び熊野川の3河川について、河口を起点とし3km毎に河川の流路に直交する片側2kmの河川横断線を作成し、河川横断線の地質情報を抽出した。3河川の横断面線を同一表示させると、上流ほど河床が上昇し起伏が大きくなる様子が見てとれる。横断面形状を比較すると3河川とも似た傾向を示すことがわかり、中$$sim$$上流部の河川両岸の起伏のピークは河川中央からおおよそ500$$sim$$1500mに位置し、河床とピークの比高もおおよそ200$$sim$$600mになる傾向がある。河床と両岸の比高がある程度形成されてからの平均的な横断面線を作成した結果、3河川とも平坦な面から両岸約1000mより河川に向かって傾斜し、河川の深さは300$$sim$$400m程度となった。また、河川両岸のピークと河床の標高差は上流程大きくなる、すなわち、上流ほど河床までの谷の深さが増す傾向がみられた。河床標高から作成した河川縦断の河床勾配を取ると、地質や地質構造にかかわらず3河川ともある程度の上流域から勾配トレンドが上昇する変曲点がみられた。河口付近の比較的平坦な地形から上流にさかのぼった河床高度の上昇や起伏の増加の傾向は疑似的ではあるものの、平坦な低地から隆起・侵食による地形形成の時間的な過程を示唆するものと考えられ、このことは、地形変化シミュレーションなど将来予測や地形変化を取り入れた性能評価モデルの妥当性の検証等に寄与する情報になる。

口頭

伏在する活断層の周辺地域における小断層を用いた応力逆解析の適用; 1984年長野県西部地震の震源地域における例

西山 成哲; 中嶋 徹; 後藤 翠*; 箱岩 寛晶; 長田 充弘; 島田 耕史; 丹羽 正和

no journal, , 

活断層が確認されていない様々なテクトニックセッティングの地域において、マグニチュード6$$sim$$7クラスの地震が発生することがある。地震被害の低減のためには、そのような地震を発生させる伏在断層を把握することが重要であるが、それを把握するための手がかりとなる証拠は少ない。本研究では、伏在断層の存在が明らかとなっている1984年長野県西部地震の震源地域において、地表踏査により割れ目に認められる小断層のスリップデータを集め、多重逆解法を実施した。その結果、既知の伏在断層周辺の小断層において、本地域にはたらく現在の広域応力と同様の応力が検出された。この小断層のスリップデータの中には、第四紀の火山岩中に認められたものもあり、小断層がごく最近に活動したことを裏付ける。このことは、これらの小断層が伏在断層周辺に発達するダメージゾーンの一部である可能性を示しており、伏在断層を把握するための手がかりとなることが期待される。本研究は経済産業省資源エネルギー庁委託事業「令和2$$sim$$4年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(JPJ007597)(地質環境長期安定性評価技術高度化開発)」の成果の一部である。

口頭

火山岩岩脈分布に着目したマグマの影響範囲を把握するためのデータ収集・整理の取組み

川村 淳; 西山 成哲; Jia, H.*; 小泉 由起子*; 丹羽 正和; 梅田 浩司*

no journal, , 

20万分の1の地質図幅を対象に岩脈類を抽出し、位置情報などをGISデータ化した。全体的には岩脈の長軸長は1km未満のものが半数以上を占め、地表に露出している第四紀の岩脈分布は第四紀火山から10km以内に限られる。第四紀よりも古い岩脈については、第四紀火山と岩脈との距離、その方位と岩脈の伸長方向のなす角の関係を検討した結果、第四紀火山との関係性は低いと考えられる。四国の石鎚コールドロン及び吉備高原のアルカリ玄武岩岩脈群を事例として、新第三紀の火山活動と周辺に分布する岩脈との関係についても検討した。その結果、石鎚コールドロンの場合、関連する岩脈との距離は最大で5km程度であることが示された。また、中国地方の吉備高原の岩鐘群ついては、活動の中心点から概ね15kmの範囲内に分布する。以上のような網羅的な情報収集及びそれらを用いた統計的な検討は、処分事業においてマグマの影響範囲を調査・評価する上での基礎情報としても有益であると考えられる。

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