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島田 太郎; 西村 優基; 武田 聖司
MRS Advances (Internet), 2(12), p.687 - 692, 2017/01
東京電力福島第一発電所の事故で発生した燃料デブリは、その特性調査が開始された段階であり、具体的な処分方法は示されていない。本研究では、燃料デブリ処分に求められるバリア機能を予察的に把握するため、HLWと同様の地層処分概念を前提に、既往文献から核種量や廃棄体形状を仮想し、燃料デブリ特性、人工バリア及び天然バリアの不確実性を想定した核種移行の感度解析を行った。その結果、燃料デブリの主要核種であるUを含む4n+2系列核種の天然バリア出口での移行フラックスは、燃料デブリ特性や人工バリアの不確実性を考慮しても、天然バリアの性能が確保されればHLWと同程度に収まり、また、他の系列及びFP核種の移行フラックスはHLWを下回ることがわかった。一方、燃料デブリ特有のC, Iについては、燃料デブリからの瞬時放出割合の感度が高く、これら核種の放出時の物理化学特性の把握が重要であることを示した。
山口 徹治; 武田 聖司; 西村 優基; 飯田 芳久; 田中 忠夫
Radiochimica Acta, 102(11), p.999 - 1008, 2014/11
被引用回数:1 パーセンタイル:8.88(Chemistry, Inorganic & Nuclear)熱力学データを不確実さとともに選定し、放射性元素の溶解度を地下水化学組成の変動を考慮して、不確実さとともに評価することを試みた。熱力学データは2012年に公開されたJAEA-TDBをレビューすることにより選定した。Nb, Pd, Paのデータは、データ選定プロセスの整合性の観点で見直した。Se, U, Paのデータは溶解度評価の保守性の観点で見直した。Zr, Th, U, Np, Puについては近年報告されたCa-metal(IV)-OH 3元錯体 のデータを採用した。モンテカルロ法を用いて確率論的に溶解度を解析するコードPA-SOLを用いて、溶解度の確率論的解析を行った。
武田 聖司; 西村 優基; 宗像 雅広; 澤口 拓磨; 木村 英雄
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 19(2), p.23 - 38, 2012/12
TRU廃棄物の地層処分の安全評価においては、多量のセメント系材料を使用した処分施設から溶出する高アルカリ性地下水が母岩のバリア機能へ影響を及ぼす可能性が懸念されている。本研究では、セメント系材料から溶出する高アルカリ成分が母岩に及ぼす影響を定量的に検討するため、所定の処分システムと地下水流動場を設定したうえで、地球化学反応と物質移行との連成解析を実施して母岩領域における高アルカリ成分の拡がりを解析した。二次鉱物の生成の有無と母岩の水理特性の影響に着目した解析を実施した結果、二次鉱物としてのゼオライトの生成が高アルカリ成分の拡がりや二次鉱物の沈殿量に影響することがわかった。また、地下水流速を10倍速く設定した場合、より広範囲に高アルカリ成分が拡がることが示された。これは高アルカリ成分を中和する化学反応が、母岩の溶解反応速度によって制限されているためと推察された。
高原 省五; 本間 俊充; 西村 優基*
JAEA-Data/Code 2009-001, 83 Pages, 2009/04
放射線による晩発性健康影響評価のための計算コードHEINPUTの改良を行った。HEINPUTは、原子力事故時の確率論的な影響評価を実施するためのOSCAARコードの前処理コードの一つであり、特に晩発性健康影響と遺伝的影響に関する入力データを作成するためのコードである。現在、HEINPUTによる影響推定には米国原子力規制委員会(USNRC)が提案したモデル(USNRC,1985)を利用しており、NUREG/CR-4214 Rev. 2(USNRC,1993)において改訂されたモデルが実装されている。本報告書ではUSNRCによる推定モデルに加え、米国環境保護庁(EPA)によって提案された晩発性健康影響の推定モデル(EPA,1999)をHEINPUTで利用できるよう改良した。また、本システムを広く公開することによって今後のリスク評価の発展に資することを目的として、利便性向上のためのGUIの作成を実施した。
西村 優基; 武田 聖司; 木村 英雄
no journal, ,
TRU廃棄物の地層処分の標準シナリオを対象に、パラメータとモデル不確かさの定量的評価を行うため、安全評価コードGSRW-PSAを用いて、安全評価上重要なI-129とC-14に関して決定論的・確率論的解析により線量評価と重要パラメータの抽出を行った。パラメータ設定に関しては第2次TRUレポートや既存のHLWにおける評価を参考とした。ただし、一部のパラメータに関しては最新の公開文献に基づき設定した。モデル不確かさとして人工バリア外側領域の掘削影響領域(EDZ)を対象に、EDZの核種濃度を保守的に0として人工バリアとの境界の濃度勾配を最大とする「基本ケース」と、EDZの核種濃度を移流に基づく核種移行により算出して濃度勾配を設定する「EDZ考慮境界条件」の比較を行った。両核種とも、基本ケースでは最大線量の97.5%上限値(信頼区間95%の最大)で約20Sv/yとなり、EDZ考慮境界条件ではその1/4程度となった。基本ケースでは、重要パラメータとして、たとえばC-14で、ジルカロイ腐食速度,天然バリアにおける地下水流速・分配係数・間隙率などが抽出された。EDZ考慮境界条件ではさらに充填材に対する分配係数も重要パラメータとなった。
西村 優基; 武田 聖司; 木村 英雄; 宗像 雅広
no journal, ,
TRU廃棄物の地層処分では、高アルカリ性(高pH)地下水や硝酸塩などが核種移行に影響を与える可能性があることから、これら個別事象に関する影響を定量的に評価し、影響の可能性や程度を把握したうえで安全評価を行う必要がある。ここでは、多量のセメント系材料を使用した処分施設から溶出する高pH地下水の周辺岩盤への影響に着目し、原子力機構で開発・整備を行っているMIGPHREEQを用いた影響解析を実施した。具体的には、処分施設から溶出する高pH地下水が周辺岩盤(母岩)に与える影響の可能性(高pHの広がりに関する不確実性解析)について検討した。その結果、母岩構成鉱物の1つであるゼオライトが沈殿しない条件の場合あるいは流速が速い場合に、高pH地下水が広範囲に広がる可能性が示された。さらに、高pH地下水の影響による母岩変質を想定した場合、最終的な被ばく線量が数倍程度増加することを示す結果を得た。
島田 太郎; 西村 優基; 武田 聖司
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所の事故で発生した燃料デブリの処分概念が検討されているが、その物理的化学的特性についてはまだ把握されていない。本研究では、燃料デブリ処分に求められるバリア機能を予察的に把握するため、現状の燃料デブリ特性を踏まえつつ不確実性を想定した核種移行の感度解析を実施し、バリア機能の相対的な重要性を検討するとともに、ガラス固化体の地層処分(HLW)と比較した。その結果、主要インベントリのU-238の人工バリア出口でのフラックス最大値は標準ケースに対し1桁程度の感度があったが、天然バリア出口ではほぼ同一の値となり、他の人工バリアの各パラメータを変化させても天然バリア出口での値に変化は生じなかった。一方、他の核種に対しては、人工バリア出口のフラックス最大値が瞬時放出割合(IRF)に支配されるため標準ケースとの差は2倍以内となったが、天然バリア出口においてはSe-79, I-129で浸出率が最大値の場合、標準ケースに対して1桁程度高くなった。このほか、燃料デブリ特有のC-14, I-129については、IRFの感度が高く、また、半減期5730年のC-14については4万年のオーバーパック閉じ込め期間では天然バリア出口でも感度があった。これらの結果から、不確実性の大きい燃料デブリ中のC-14及びI-129のインベントリを精度よく評価するとともに、これら核種の放出時の物理化学的特性の把握が重要であることを示した。
西村 優基; 島田 太郎; 武田 聖司
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故により発生した燃料デブリをHLWと同様の地層処分概念で直接処分することを想定した場合に懸念される、金属腐食と水の放射線分解で発生するガスの影響に着目し、ガス発生速度及び発生量の予察的評価を行った。オーバーパック(OP)が閉じ込め機能を失うまでは、OP内側で残存水の放射線分解によるガス発生が支配的となり、その累積ガス発生量は約1.9mと試算された。この場合、ガス蓄積圧力はOP設計圧を下回ることからガスによるOP早期破損シナリオは生じないと想定される。一方、OP外側でのガス発生速度と溶存水素ガスの拡散移行速度との比較を行ったところ、閉鎖後の長期にわたりOPと緩衝材の界面にガスが蓄積し、その圧力は想定される地圧を超える可能性を示唆する結果となった。これらの結果から、燃料デブリの処分においては、緩衝材中でのガス移行の検討の必要性が示唆された。
高井 静霞; 西村 優基*; 島田 太郎; 木村 英雄; 武田 聖司
no journal, ,
放射性廃棄物の地層処分において、偶発的な人為事象のうち一般的な地下利用による処分サイトへの影響は処分場の深度の確保等により対策できると想定されるが、処分サイト周辺での温泉等の深部ボーリング掘削は処分場周辺の地下水流動を変化させる可能性があり核種移行への影響を評価する必要性がある。本報では、こうしたボーリング掘削の影響評価の上で重要な条件を把握することを目的に、処分場を埋設した地層(処分地層)に隣接するより透水性の大きい地層に対し揚水ボーリングを行ったシナリオを想定し、地下水流動系に及ぼす影響を3次元定常地下水流動解析及びトラジェクトリ解析により評価し、処分地層の厚さ、透水係数、動水勾配、処分場位置をパラメータとした感度解析からボーリング掘削の影響評価における重要な水理・地質構造の条件を整理した。
島田 太郎; 西村 優基*; 武田 聖司
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故で生成された燃料デブリの処分において、水の放射線分解等によるガス発生が懸念されている。本報告では、これまでに評価したガスの発生速度及び発生量に基づき、燃料デブリ処分環境下におけるベントナイト緩衝材中のガス移行について予察的に解析を実施した。評価にあたっては内圧上昇に伴う構造力学的な間隙の変化である流路拡幅を考慮するケースとしないケースを設定して間隙圧力及び岩盤へ押し出される排水量などを評価し、それぞれHLWでの評価結果と比較した。その結果、燃料デブリ処分時の緩衝材中において、間隙圧力の初期値からの上昇は最大10%程度となり、岩盤へ押し出される累積排水量はHLWと比較して約25%増加した。また、流路拡幅を考慮するとその累積排水量の増加は約16%に抑制される結果となった。上昇する排水速度の継続期間はオーバーパック破損後20年程度であり、処分の時間スケールと比較して短かく、排水量の増加量も大きくないことから、燃料デブリのガス発生に伴う間隙水の岩盤へ押し出しの影響は限定的であると示唆された。