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奥村 雅彦; 山田 進; 谷口 伸彦*; 町田 昌彦
Physical Review B, 79(18), p.184417_1 - 184417_5, 2009/05
被引用回数:2 パーセンタイル:11.71(Materials Science, Multidisciplinary)固体中の電子に対する量子相関と不純物(ランダムネス)の競合効果は興味深い未解決問題として盛んに研究されている。しかし、電子に対して両者が同じくらい強く効果を及ぼす場合の解析は難しく、あまり研究は進んでいない。特に、強相関領域において不純物効果が磁化に及ぼす影響はほとんど理解されていない。そこで、われわれは、密度行列繰り込み群法を用いて、この競合効果を調べるために標準的に用いられてきたアンダーソン・ハバード模型を解析した。その結果、強結合-強ランダムネス領域において、磁化が局在し、相分離が起こることを発見した。また、この磁化の局在現象は光学格子中原子気体の標準的な観測量である運動量分布を観測することにより、実験で確認可能であることを明らかにした。
奥村 雅彦; 山田 進; 谷口 伸彦*; 町田 昌彦
Physica C, 468(15-20), p.1241 - 1244, 2008/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Applied)強相関系における不純物効果は、高温超伝導体などで重要な役割を果たすと考えられているが、その理解は進んでいない。特に、超伝導発現の舞台であるホールドープ系における両者の競合についてはその解析の難しさから、現状ではあまり研究が進んでいない。そこで、われわれは、強相関効果と強ランダムネス効果を同等に扱うことができる、密度行列繰り込み群法を用いてこれらの効果の競合によってどのような現象が起こるかを調べた。具体的にはまず1次元のアンダーソン・ハバード模型において、ホールを少量ドープした場合を調べた。その結果、ホールの局在による絶縁体形成という新しい現象を発見した。さらに、われわれは3レッグ系でも同様の現象が起こることを確認した。この結果から、ホールの局在による絶縁体形成は強相関強ランダムネス系におけるユニバーサルな現象であることが期待される。
奥村 雅彦; 山田 進; 谷口 伸彦*; 町田 昌彦
Physical Review Letters, 101(1), p.016407_1 - 016407_4, 2008/07
被引用回数:7 パーセンタイル:46.78(Physics, Multidisciplinary)現実の固体を考える際、電子の強相関効果と不純物効果は電子の振る舞いを決定するうえで本質的な役割を果たす。例えば、モット絶縁体は強相関効果の代表例の一つであり、一方、アンダーソン局在は不純物効果の代表例である。しかし、これまで両者を近似なしに同等に扱った解析はなかった。また、高温超伝導で重要なハーフフィリングにホールをドープした領域で、強相関・ランダムネスが電子の振る舞いにどのように影響を及ぼすかを解析した例はあまりなかった。そこで、われわれは密度行列繰り込み群法を用いて、電子管相互作用とランダムポテンシャルを近似なく取り扱い、それらをパラメータとしてホールをドープした1次元アンダーソン・ハバード模型を解析した。その結果、強相関・強ランダムネス領域でホールの局在という現象を発見した。これは、本質的に強相関・強ランダムネス効果が共同して作り出すこれまでに知られていなかった現象である。また、この現象を冷却原子気体実験で実現する方法も議論した。
田中 裕久*; 谷口 昌司*; 上西 真里*; 梶田 伸彦*; 丹 功*; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 成田 慶一*; 木村 希夫*; 金子 公良*
Angewandte Chemie; International Edition, 45(36), p.5998 - 6002, 2006/09
被引用回数:183 パーセンタイル:94.9(Chemistry, Multidisciplinary)貴金属のペロブスカイト酸化物粒子への可逆な固溶析出現象を利用して、貴金属の使用量を削減しながら高性能な自動車触媒を創ることができる。パラジウムに引き続き、白金とロジウムに関しても自己再生機能を持たせることに成功した。
丹 功*; 谷口 昌司*; 田中 裕久*; 上西 真里*; 梶田 伸彦*; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 新原 晧一*
Key Engineering Materials, 317-318, p.833 - 836, 2006/08
Pdが自己再生する、Coを使わないLaFePdOペロブスカイト触媒が開発された。その金属粒子成長抑制能力と触媒活性がLaFeCoPdOと比較された。900Cの排ガス中での耐久後にXAFSとTEMで観察し、LaFePdOのPdはナノサイズを維持しており、ライトオフ試験の結果も優秀であることが確認された。さらに触媒変換器のデザインも、実環境下において自己再生機能が最大限に発揮できるように検討された。
内藤 一哉*; 田中 裕久*; 谷口 昌司*; 上西 真里*; 丹 功*; 梶田 伸彦*; 高橋 一郎*; 鈴木 啓将*; 成田 慶一*; 平井 章雅*; et al.
SAE 2006 World Congress & Exhibition Technical Papers, 8 Pages, 2006/00
2種類のRhペロブスカイトであるLaFeRhOとCaTiRhOの自己再生について調べ、CaTiRhOが優れた自己再生機能を有していることを見つけた。Pdペロブスカイトと同様の組成であるLaFeRhOでは、Rhはペロブスカイト構造中で安定であるために、高温の還元雰囲気中でもほとんど析出してこない。一方で、ABO型であるCaTiRhOでは、還元雰囲気中で実際に多くのRhが析出した。そして再酸化雰囲気中では、析出したすべてのRhがもとのペロブスカイト格子中に戻った。Pd及びRhのインテリジェント触媒を用いた触媒変換器は耐久試験後でも高い触媒活性を維持し、Rh及びPdの大幅な使用量削減を可能とする。
奥村 雅彦; 山田 進; 谷口 伸彦*; 町田 昌彦
no journal, ,
固体中において、不純物(ランダムポテンシャル)が電子の局在を引き起こして絶縁体になるアンダーソン局在という現象が知られているが、電子間の相互作用による強相関効果がアンダーソン局在に及ぼす影響は未だ明らかになっていない。そこで、われわれは、ランダムポテンシャル,粒子間相互作用のどちらも実験的に制御可能な光学格子系でこれらの効果を調べることを提案した。これらの効果を近似なしに取り入れるために、計算には密度行列繰り込み群法を用いて解析を行った。その結果、1次元箱形光学格子系において、ホールの局在という現象が起こることを発見した。また、アップスピンとダウンスピンの個数が異なる系では磁化が局在することも発見した。これらはランダムポテンシャルと粒子間相互作用がともに強いときに起こる現象であり、新しい強相関効果として興味深い現象と言える。