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米田 安宏; 谷口 博基*; 野口 祐二*
Journal of Physics; Condensed Matter, 33(3), p.035401_1 - 035401_8, 2021/01
被引用回数:4 パーセンタイル:33.7(Physics, Condensed Matter)放射光高エネルギーX線回折実験を用いて、リラクサーPb(MgNb)O (PMN)のナノスケール構造解析を行った。PMNはよく知られたリラクサー強誘電体であるが、平均構造が立方晶構造であることから、強誘電性のミクロ構造を説明するために種々のモデルが提案されてきた。我々は2体相関分布関数法(pair distribution function, PDF)を使って20nmまでの広いレンジの局所構造解析を行った。
米田 安宏; 谷口 博基*; 北中 佑樹*; 野口 祐二*
Ferroelectrics, 538(1), p.57 - 62, 2019/05
被引用回数:5 パーセンタイル:27.39(Materials Science, Multidisciplinary)チタン酸鉛の高エネルギーX線回折実験を行った。回折データから2体相関分布関数(PDF)を用いて局所構造解析を行った。高温相の立方晶相では平均構造からのズレが確認された。平均構造から逸脱した鉛原子は周囲の鉛で独自のPb-O-Pbネットワーク構造を形成していることを示した。
米田 安宏; 谷口 博基*; Fu, D.*
Ferroelectrics, 513(1), p.1 - 6, 2017/09
被引用回数:7 パーセンタイル:35.49(Materials Science, Multidisciplinary)リラクサー強誘電体Pb(MgNb)Oの局所構造解析をExtended X-ray Absorption Fine Structure (EXAFS)を用いて行った。Nb周辺の局所構造をAgNbOと比較し、Pb周辺の局所構造をPbTiOと比較した。PMNのNb周辺構造はAgNbOとよく一致しており、AgNbOと同様のNb off-center shiftに起因する1.91と2.01の2つの結合に分裂していた。一方、disorderしたPbサイトはPDF解析から構造を抽出することに成功した。
郡 俊輔*; 五十嵐 太一*; 岡崎 竜二*; 谷口 博基*; 谷崎 一郎*; 安井 幸夫*; 井川 直樹; 星川 晃範*; 石垣 徹*
no journal, ,
マルチフェロイクス物質NdCrTiOは、反強磁性転移温度21Kにおいて、磁場中で強誘電性相転移が見られる物質である。21KではCrのみがオーダーしているとされてきたが、われわれの元素置換効果の結果から、Ndも磁気秩序の形成に寄与していることが示唆された。本研究では、転移温度以下での両磁性イオンの秩序状態を直接調べるために低温粉末中性子回折実験を行った。講演ではその結果を用いて、温度低下による本物質の磁気秩序の発達について議論する。
米田 安宏; 谷口 博基*
no journal, ,
Pb(MgNb)O (略称PMN)はリラクサーと呼ばれる強誘電体の一つである。広い温度領域と広い周波数領域で電気感受率が異常を示すことが特徴である。相転移温度(225 K)以下は通常の強誘電体とみなすことができるため、相転移温度以上での振る舞いにリラクサーの起源があると考えられる。そこで、放射光を用いて室温以上の広い温度領域の構造を観察した。XAFSを用いた局所構造解析から、PMNはペロブスカイト構造のAサイトを占める鉛が大きなランダムネスを有しており、鉛の挙動がリラクサー特性を起源と考えられる。また、PDF解析からは局所構造の変化がバーンズ温度と呼ばれる電気感受率の異常と対応していることがわかった。
米田 安宏; 谷口 博基*; 北中 佑樹*; 野口 祐二*
no journal, ,
チタン酸鉛(PbTiO)は室温において大きなc/a比を持つ正方晶構造である。490Cで常誘電体相へと相転移し、構造は立方晶へと変化する。しかしながら、常誘電体相への転移点直上では、中性子非弾性散乱によって依然として強誘電体のフォノンモードが観測されている。そこで、自発分極が反転可能な高品位の試料を用いて、高エネルギーX線回折実験を行い、室温から800Cまで広い温度領域で構造解析を行った。短距離秩序構造解析を原子2対分布関数(atomic pair-distribution function: PDF)を用いて行った。PbTiOの800Cで観察された局所構造とリラクサーPb(MgNb)O(PMN)の室温における局所構造を比較したところ、リラクサーPMNと同様のネットワーク構造がPbTiOの高温相でも存在していると考えられる。
米田 安宏; 谷口 博基*; 野口 祐二*
no journal, ,
リラクサー強誘電体Pb(MgNbOは構造モデルが多く提案されている。我々は平均構造から得られるPb-Oの距離とX線吸収微細構造(XAFS)で得られるPb-Oの距離が異なることを示した。平均構造と局所構造のずれはPb原子の特徴的な環境に由来すると考えられることから、パイロクロア型のPbSnOにおけるPb原子と同様の振る舞いを仮定し、局所構造モデリングを試みた。2体相関分布関数(pair-distribution function: PDF)解析を行い、局所構造モデリングの結果、格子系の周期性とは異なるPb原子のネットワーク構造の存在が示唆された。