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論文

A New method for separating the $$D$$$$_{3}$$ and $$C$$$$_{2v}$$ isomers of C$$_{78}$$

Han, A. H.*; 若原 孝次*; 前田 優*; 赤阪 健*; 藤塚 守*; 伊藤 攻*; 山本 和典; 加固 昌寛*; 小林 郁*; 永瀬 茂*

New Journal of Chemistry, 33(3), p.497 - 500, 2009/03

 被引用回数:7 パーセンタイル:32.52(Chemistry, Multidisciplinary)

フラーレンC$$_{78}$$構造異性体を分離する新たな化学的方法が見つかった。C$$_{78}$$($$D$$$$_{3}$$)とC$$_{78}$$($$C$$$$_{2v}$$)の混合物に対してジシリランの光化学的環化付加反応を行うと、$$C$$$$_{2v}$$異性体の一付加体のみが得られる。もう一方の異性体C$$_{78}$$($$D$$$$_{3}$$)は、ジシリランとの一付加体を与えない。付加体でないC$$_{78}$$($$D$$$$_{3}$$)異性体と、C$$_{78}$$($$C$$$$_{2v}$$)異性体の一付加体は、高速液体クロマトグラフィー法で簡単に分離できる。さらに当該付加体に関して酸化的脱シリル化反応が簡単に行えるので、付加前のC$$_{78}$$($$C$$$$_{2v}$$)異性体を簡単に手にすることができる。この一連の「シリル化-酸化的脱シリル化」反応の流れにおいて、C$$_{78}$$($$D$$$$_{3}$$)とC$$_{78}$$($$C$$$$_{2v}$$)の分離と単離が化学的に達成されることがわかった。

論文

Does Gd@C$$_{82}$$ have an anomalous endohedral structure? Synthesis and single crystal X-ray structure of the carbene adduct

赤阪 健*; 河野 孝佳*; 竹松 裕司*; 二川 秀史*; 仲程 司*; 若原 孝次*; 石塚 みどり*; 土屋 敬広*; 前田 優*; Liu, M. T. H.*; et al.

Journal of the American Chemical Society, 130(39), p.12840 - 12841, 2008/10

 被引用回数:76 パーセンタイル:84.42(Chemistry, Multidisciplinary)

Gd@C$$_{82}$$のcarbene付加体(Gd@C$$_{82}$$(ad), Ad=adamantylidene)の単結晶を用いたX線結晶構造解析について報告する。Gd@C$$_{82}$$(ad)におけるGd原子は、C2v-C$$_{82}$$フラーレンケージの中心から六員環方向に接近した場所に位置しており、この位置はM@C$$_{82}$$(M=Sc and La)やLa@C$$_{82}$$(Ad)で確認されている金属原子の位置とほぼ等しいことがわかった。理論計算の結果からも、X線結晶構造解析の結果を支持する結果が得られた。

論文

Bulk Synthesis and Characterization of Carbon Nanocapsules Containing Lanthanum Carbide

山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*

Proceedings of 205th Meeting of The Electrochemical Society, 0 Pages, 2003/00

カーボンナノカプセルは、湿気によりすぐ反応し不安定なランタンカーバイドを、大気中で安定に保持することが出来る。このランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルの大量合成のため、生成条件の最適化を目的とした試験を行った。また、これらの内包ナノカプセルの新たに判った物性について報告する。

論文

Exohedral adducts of La@C$$_{82}$$

赤阪 健*; 加藤 立久*; 小林 郁*; 永瀬 茂*; 山本 和典; 船坂 英之; 高橋 武士

Nature, 374, p.600 - 601, 1994/04

 被引用回数:156 パーセンタイル:99.11(Multidisciplinary Sciences)

金属内包フラーレンLa@C$$_{82}$$の単離成功の報告以降、その様々な物理化学的性質が調べられて報告されているが、その化学反応性についての研究はこれまで全く報告されていない。本論文では、ケイ素試薬(disilirane)を用いたLa@C$$_{82}$$異性体-Aの化学修飾に関する報告を、はじめて行う。質量スペクトル、電子スピン共鳴スペクトル、可視・近赤外吸収スペクトルの結果から、1対1付加体であるLa@C$$_{82}$$(SiMes$$_{2}$$)$$_{2}$$CH$$_{2}$$の生成を確認し、その興味深い性質が明らかになった。この付加体はLa@C$$_{82}$$等と同じく常磁性であるが、それとは異なったESRシグナルや近赤外吸収を示す。これらの結果は、金属内包フラーレンの応用展開に全く新しい境地を開いたものといえる。

口頭

LaC$$_{2}$$結晶内包カーボンナノカプセルにおけるグラファイトケージの耐酸化特性

山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*

no journal, , 

フラーレン類似構造(C$$_{60}$$,ナノチューブ,ナノカプセル)に他の物質を内包させることは、以前から関心を持たれ続けてきた。LaC$$_{2}$$結晶を内包したカーボンナノカプセルは、不活性ガス雰囲気中でのアーク放電によりカソード上に成長する炭素質堆積物中に生成することが1993年に発見された。LaC$$_{2}$$のような希土類炭化物は吸湿性であり、湿気のある大気中では即座に加水分解することが知られているが、カーボンナノカプセル内のLaC$$_{2}$$は大気中で10年以上経ても変質しない。さらに、空のナノカプセルやナノチューブは、他の形の炭素(例えばダイヤモンド,煤,グラファイト,C$$_{60}$$)より酸化に対して抵抗力があることが知られている。したがって、物質を内包させたカーボンナノカプセルに関しても、空のナノカプセルと同様の耐酸化性が期待できる。本研究では、内包カーボンナノカプセルにおけるグラファイトケージの耐酸化特性について述べる。

口頭

ランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルの酸化特性

山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*

no journal, , 

フラーレン類似構造の持つ内部空間に異元素を導入して新しい機能を持たせる試みが注目されている。特に、閉じたグラフェンシートの多重層から構成されるカーボンナノカプセルでは、内部に閉じ込められた物質がカプセルの壁を構成する炭素網面を透過して外部に出ないだけでなく、カプセル外部から酸素や水分子等が浸入することもまた困難であり、これらの分子と内包物質が反応するのを防ぐ保護機能が高いことが予想されている。そのため、地下における炭素が持つ化学的安定性の高さと相俟って、高レベル放射性廃棄物の地層処分用カプセルとしての利用などが検討されている。ところでランタンカーバイドLaC$$_{2}$$は室温においてさえ、酸素や湿分と反応して自然発火する極めて活性な物質である。このような酸化されやすいLaC$$_{2}$$を本カプセルに内包させた時に、どのような酸化特性を示すかについて調べた。その結果、陰極堆積物由来のランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルは、空気中500$$^{circ}$$Cまでの耐酸化性があることが確認された。そしてそれ以上の温度で、カーボンナノカプセル内部のランタンカーバイドと外部の酸素が反応して酸化ランタンを生成することがわかった。

口頭

アーク放電法によるランタン内包カーボンオニオン構造の生成

山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*

no journal, , 

多角形のカーボンナノカプセルや球状のカーボンナノオニオンのようなフラーレン状多重炭素ケージの内部に異物質を導入する試みは、フラーレン発見当初から続けられている。このうち多層多角形カーボンナノカプセルの内部にLaC$$_{2}$$結晶が詰まった物質は、不活性ガス雰囲気中でLaとカーボンを一緒にアーク放電蒸発し、これが凝縮してできた陰極堆積物の中から、1993年に初めて発見された。透過電子顕微鏡で観察すると、一般に多層多角形のカーボンナノカプセルは中心部にその外辺によって形状が決まる空洞を持っていることがわかる。一方、金属を内包した多層カーボンナノオニオンは、グラファイト状炭素とナノサイズの金属結晶の混合物に電子線等を照射することによって生成することが、1998年にBanhartらによって報告されているのみである。本研究では35 Torr He雰囲気下で典型的アーク放電実験を行い、生成した煤の中にランタン内包カーボンオニオン構造を初めて発見したので報告する。

口頭

フラーレン煤の熱処理とランタンカーバイドを内包した多重カーボンナノカプセルの生成

山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*

no journal, , 

多角形のカーボンナノカプセルや球状のカーボンナノオニオンのようなフラーレン状多重炭素ケージの内部に異物質を導入する試みは、フラーレン発見当初から続けられている。このうち多層多角形カーボンナノカプセルの内部にLaC$$_{2}$$結晶が詰まった金属内包カーボンナノカプセルは、不活性ガス雰囲気中でLaとカーボンを一緒にアーク放電蒸発し、これが凝縮してできた陰極堆積物の中から、1993年に初めて発見された。一方、「フラーレン煤」と呼ばれる装置内壁に付着する煤にはLa@C$$_{82}$$に代表される金属内包フラーレンが存在するが、金属内包カーボンナノカプセルは存在しないことが知られている。本研究では35 Torr He雰囲気下で典型的アーク放電実験を行い、生成した煤を真空又は希ガス雰囲気下1000-2200$$^{circ}$$Cで熱処理すると、その中からランタンカーバイド内包多重カーボンナノカプセルが生成することを発見したので報告する。

口頭

Influence of high temperature treatments on fullerene soot and formation of multi-shell carbon nanoparticles filled with LaC$$_{2}$$

山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*

no journal, , 

多角形のカーボンナノ粒子や球状のカーボンナノオニオンのようなフラーレン状多重炭素ケージの内部に異物質を導入する試みは、フラーレン発見当初から続けられている。このうち多層多角形カーボンナノ粒子の内部にLaC$$_{2}$$結晶が詰まった金属内包カーボンナノ粒子は、不活性ガス雰囲気中でLaとカーボンを一緒にアーク放電蒸発し、これが凝縮してできた陰極堆積物の中から、1993年に初めて発見された。一方、「フラーレン煤」と呼ばれる装置内壁に付着する煤にはLa@C$$_{82}$$に代表される金属内包フラーレンが存在するが、金属内包カーボンナノ粒子は存在しないことが知られている。本研究では35 Torr He雰囲気下で典型的アーク放電実験を行い、生成した煤を真空又は希ガス雰囲気下1000$$sim$$2200$$^{circ}$$Cで熱処理すると、その中からランタンカーバイド内包多重状カーボンナノ粒子が生成することを発見したので報告する。

口頭

特殊なフラーレン煤の熱処理による金属炭化物内包カーボンナノカプセルの成長

山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*

no journal, , 

ナノサイズのカーボンナノカプセルの内部空間に金属化合物を内包した物質であるランタン炭化物内包カーボンナノカプセルは、アーク放電法によるランタン内包フラーレン製造時に生成する陰極堆積物中にはじめて発見された物質である(1993)。最近、特殊な試験条件で生成したランタンフラーレン煤の嫌気下熱処理という、本物質の新たな生成方法が開発された。本研究では、本ナノカプセルの成長に必要な条件を調べたので報告する。金属内包フラーレンの収率向上のため、通常直流アーク放電はHe圧力50-500Torrで行われる。本手法の特徴は、He圧力を低圧側15-50Torrの範囲とすることである。He圧を変えて生成・回収したフラーレン煤を、不活性雰囲気下1000-2200$$^{circ}$$Cで数分間熱処理し、処理前後の煤について透過電子顕微鏡(TEM)による観察と熱分析を行い、最適条件を探った。TEM観察により、ヘリウム圧力20-50Torrで調製した煤は、熱処理により炭化物内包カーボンナノカプセルが成長する場合があるが、15Torr以下や100Torr以上で調製した煤では見られないことがわかった。

口頭

フラーレン煤の熱処理効果とLaC$$_{2}$$内包カーボンナノカプセルの生成

山本 和典; 赤阪 健*

no journal, , 

ナノサイズのカプセルの内部空間に金属化合物を内包した物質であるランタン炭化物内包カーボンナノカプセルは、アーク放電法による金属内包フラーレン製造時に生成する陰極堆積物中に初めて発見された物質である。最近、特殊な試験条件で生成したフラーレン煤の嫌気下熱処理という新たな生成方法が開発された。本研究では、本ナノカプセルの成長を熱重量分析(TG)により確認したので報告する。通常直流アーク放電はHe圧力50$$sim$$500Torrで行われるが、本手法の特徴はHe圧力を低圧側20$$sim$$50Torrの範囲とすることである。He圧を変えて生成・回収したフラーレン煤を、不活性雰囲気下1000$$sim$$2200$$^{circ}$$Cで数分間熱処理し、処理前後の煤について透過電子顕微鏡(TEM)による観察を行ったところ、ヘリウム圧力20$$sim$$50Torrで調製した煤は、熱処理により炭化物内包カーボンナノカプセルが成長する場合があるが、それ以外の煤では見られないことがわかった。さらにLaC$$_{2}$$内包カーボンナノカプセルのマクロな存在量とその性質を確認するため、乾燥空気雰囲気下でTG装置による昇温試験を行ったところ、この物質に特有なカーバイド着火温度を検出できた。

口頭

熱処理によりランタンカーバイド内包多層カーボンナノカプセルを生成するランタンフラーレン煤のキャラクタリゼーション

山本 和典; 赤阪 健*

no journal, , 

真空又はヘリウム雰囲気下でランタンフラーレン煤を1000$$sim$$2200$$^{circ}$$Cで熱処理すると、ランタンカーバイド内包多層カーボンナノカプセルが生成することを既に報告した。この生成法では、原料としておよそ50Torr以下の低ヘリウム雰囲気下で調製されたフラーレン煤が必要とされるが、この圧力は通常のフラーレンやナノチューブを生成する条件よりかなり低い。ランタンフラーレン煤の調製を、ヘリウム圧15, 20, 35, 45Torrにおいて直流アーク放電法により行い、これらの圧力の違いが、煤の形態や内包カーボンナノカプセル生成にどうかかわるかを透過型電子顕微鏡観察と熱重量分析により調べた。35及び45Torrで調製したランタンフラーレン煤は、本熱処理法によりランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルを生じたが、15Torrで調製した煤からはナノカプセルは発見されなかった。

口頭

Raman and TEM studies of heat-treated La fullerene soot

山本 和典; 社本 真一; 赤阪 健*; 若原 孝次*; 宮澤 薫一*

no journal, , 

低ヘリウム雰囲気下で調製されたランタンフラーレン煤を真空又はヘリウム雰囲気下で熱処理すると、ランタンカーバイド内包多層カーボンナノカプセルが生成することを既に報告した。今回、これらの試料について顕微ラマンスペクトル測定を行ったので報告する。熱処理前のランタンフラーレン煤のラマンスペクトルは、1580cm$$^{-1}$$付近に現れるブロードなG-bandに加えて、1345cm$$^{-1}$$付近に現れるD-bandのブロードなピークを示す。熱処理に伴いスペクトル幅が狭くなるとともに、D-bandの相対強度が増加する結果が観察された。前者の変化はカーボンブラックに代表される不定形炭素を熱処理した場合と同じ一般的な現象として説明される。しかし、後者の変化はこれらの一般的な不定形炭素を熱処理した場合とは逆の結果である。この現象について、透過型電子顕微鏡(TEM)観察結果をもとに考察した。

口頭

ランタンフラーレン煤の熱処理とナノ粒成長

山本 和典; 赤阪 健*

no journal, , 

ランタンフラーレン煤にはLa@C$$_{82}$$に代表される金属内包フラーレンと空フラーレンが一般に含まれるが、カーボンナノカプセルは存在しないことが知られている。本研究では50 Torr以下のHe雰囲気下でアーク放電実験を行い、生成した煤を真空又は希ガス雰囲気下1000$$sim$$2200$$^{circ}$$Cで熱処理すると、煤に含まれるLa(OH)$$_{3}$$からLa$$_{2}$$O$$_{3}$$結晶がオストワルド成長により生成するとともに、ナノカプセル前駆体からLaC$$_{2}$$内包カーボンナノカプセルが合体成長することを発見したので報告する。

口頭

Formation of LaC$$_{2}$$ containing multi-shell carbon nanocapsules by rapid heat treatment of La fullerene soot synthesized at 20 Torr He

山本 和典; 赤阪 健*

no journal, , 

30-50Torrという限定されたヘリウム圧下で生成したランタンフラーレン煤を1000-2200$$^{circ}$$Cで熱処理すると、ランタンカーバイド内包多層カーボンナノカプセルが生成することを既に報告した。この圧力は、金属内包フラーレン生成に適した圧力とされる100-200Torrや、カーボンナノチューブ生成に適した圧力とされる500Torrよりもずっと低い圧力であることが注目される。透過電子顕微鏡(TEM)観察によると、このヘリウム圧範囲30-50Torrで生成した煤には、Laが詰まった一桁ナノサイズの多層カーボンナノ粒子が観察された。しかし、それより低いヘリウム圧15, 20, 25Torrで生成した煤にはこの種の粒子は完全な形では観察されず、それに対応するように、これらの煤を熱処理しても、ランタンカーバイド内包多層カーボンナノカプセルの生成は確認されなかった。最近われわれは、He圧20と25Torrで調製した煤を回収後直ぐに熱処理すると、以前の実験では生成しなかったランタンカーバイド内包多層カーボンナノカプセルが生成することを確認したので、その詳細等について報告する。

口頭

Evolution of the DTA-TG curves as a function of sample mass containing LaC$$_{2}$$ nano-crystallites encaged in multi-shell carbon nanocapsules

山本 和典; 赤阪 健*

no journal, , 

ランタンカーバイド(LaC$$_2$$)は、室温で水と激しく反応し炎を上げる固体として知られている。しかし、カーボンナノカプセルに内包されたランタンカーバイドは、水分子がカプセルを構成するグラファイト壁を透過できないので、室温でも反応しない。このグラファイト壁の存在は、カーボンナノカプセルに内包されたランタンカーバイドの反応性を下げ、その燃焼温度を高温側へシフトさせる働きをしている。逆にカプセルの遮蔽性の違いによって、カーボンナノカプセルに内包されたランタンカーバイドの燃焼温度は異なると予想されるので、その温度はカーボンナノカプセルの遮蔽性を表す良い「指標」となる。ランタンカーバイドの燃焼温度を指標としたカーボンナノカプセルの遮蔽性評価試験を、乾燥空気流中での熱重量測定・示差熱測定法(TG-DTA)により実施した。サンプルの質量が、熱重量測定・示差熱測定の結果に極めて大きな影響を与えることを見いだしたので、その詳細について報告する。

口頭

直流アーク放電陰極堆積物中におけるランタン内包カーボンナノカプセルの分布

山本 和典; 社本 真一; 赤阪 健*

no journal, , 

金属内包フラーレンの製造で一般的な直流アーク放電実験で生成する陰極堆積物は、その歴史的発見以来、ランタンカーバイドナノ結晶内包カーボンナノカプセルの供給源として知られてきた。ランタンカーバイドLaC$$_{2}$$は水と激しく反応する性質があり、通常の大気中であっても水酸化ランタンLa(OH)$$_{3}$$に簡単に転換される性質がある。しかし、この陰極堆積物について粉末X線回折像を測定すると、未反応のLaC$$_{2}$$に由来するピークが現れる。これは、カプセルを構成するグラファイト壁を水分子や酸素分子が透過できないため、ナノカプセルに内包された結晶はカーバイドのままで存在できるためである。最近われわれは、内包カーボンナノカプセルが陰極堆積物中に一様に分布するのではないこと、すなわち、堆積物中心部にはほとんど見られないが、堆積物表面を覆う外殻の直下に高い濃度で分布していることを発見した。この内包構造体の分布と生成過程について検討を行ったので報告する。

口頭

Formation of LaCO$$_{3}$$OH in the oxidation process of carbon nanocapsules encaging LaC$$_{2}$$

山本 和典; 山口 憲司; 社本 真一; 赤阪 健*

no journal, , 

フラーレンやカーボンナノカプセルのように物質を内包するナノ炭素の発見は、内包カーボンナノ構造体というエキサイティングな新研究領域創出のきっかけとなった。水と激しく反応する性質があり、大気中で直ぐに水分と反応して水酸化ランタンLa(OH)$$_{3}$$に変化するランタンカーバイドLaC$$_{2}$$は、このカーボンナノカプセルに内包されていると10年以上変化せずそのままで、このカプセルの高い気密性を示している。その耐酸化性を探るため、ランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルの酸化過程について空気雰囲気下で熱重量分析(TG)測定を行うとともに、その経過を透過型電子顕微鏡(TEM)観察と粉末X線回折(XRD)測定を用いて調べた。TG測定チャートは500-550$$^{circ}$$Cと650-750$$^{circ}$$Cの2つの範囲で大きな発熱を示し、前者がランタンカーバイドLaC$$_{2}$$の燃焼、後者が炭素の燃焼に対応する。前者の燃焼ピーク前後の温度(460, 580$$^{circ}$$C)で昇温を止めたサンプルについてTEM観察とXRD測定を行ったところ、この領域で内包ランタンカーバイドの酸化が起こっていることが確認できたが、580$$^{circ}$$CのXRDチャートからはLaCO$$_{3}$$OHの生成が確認された。この生成メカニズムに関して考察を行う。

口頭

直流反転アーク放電法によるLaC$$_{2}$$内包カーボンナノカプセルの高収率生成

山本 和典; 山口 憲司; 社本 真一; 赤阪 健*

no journal, , 

カーボンナノカプセルは、ナノサイズの金属を内包することが知られている。燃えやすい炭素の一形態だが、地下の還元環境下では高い化学的安定性を示すため、放射性廃棄物に含まれる放射性金属元素を内包させて安全に廃棄する手段としての検討が進められている。しかしながら、大量合成法が確立されていないため、その応用展開は実質的にほとんど進んでいない。フラーレンやナノカプセルに金属を内包させるには、金属酸化物含有炭素電極を用いてHe下で直流アーク放電する伝統的な方法が用いられてきた。この方法では、放電前に真空下での電極加熱が必須であり、内包カーボンナノ構造体生成を阻害するとされるH$$_{2}$$O等のガス成分が除去されるほか、金属酸化物が一部還元されて金属炭化物に変化していると信じられている。しかし、複合電極に残る酸素が内包カーボンナノカプセルの生成に与える影響は、まだ明らかにされていない。本研究では、「反転直流アーク放電法」という新しい手法を用いると、真空系を破らずに電極酸化物をすべて炭化物に変換できるだけでなく、複合電極に吸着していたガス成分も完全に除去できるため、金属内包カーボンナノカプセルの収率が向上することがわかったので報告する。

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