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石井 保行; 大久保 猛; 芳賀 潤二*; 足立 成人*; 吉田 栄治*
Proceedings of the Symposium on Accelerator and Related Technology for Application, Vol.10, p.9 - 10, 2008/06
MeV領域の集束プロトンビームを用いた有機物の微細加工(Proton Beam Writing)やマイクロPIXE分析による細胞内等の局所微量元素分析が注目されている。従来技術では、このMeV領域の集束イオンビームの形成に加速器、ビームライン及び集束プロトンビーム形成装置からなる巨大な装置構成を必要とする。本研究では飛躍的縮小したMeV領域の集束イオンビーム形成装置の開発を目指している。これを可能とするため、原子力機構で開発してきたkeV領域ながら高縮小率が得られる加速レンズ系を、シングルエンド型加速器の加速管と一体化して使用することによりMeV領域の集束イオンビーム形成装置を構成した。これまでに、加速管をレンズ系の一部に使用したときの性質をもとに、この加速管と既存の加速レンズとの組合せによる縮小率の計算を行い、2MeV領域で100nm径のビーム形成の実現性に関する検討を行った。
原 圭吾*; 足立 猛*; 秋宗 秀俊*; 大東 出*; 藤村 寿子*; 藤田 佳孝*; 藤原 守; 伏見 賢一*; 原 かおる*; Harakeh, M. N.*; et al.
Physical Review C, 68(6), p.064612_1 - 064612_9, 2003/12
被引用回数:11 パーセンタイル:58.08(Physics, Nuclear)Cuのガモウ・テラー準位がNi(He,t+p)とNi(He,t+)同時計測実験で研究された。アイソスピンT=1とT=2の1準位(E612MeV)がNi(He,t)反応で強く励起された。磁気スペクトロメーターを用いて測定されたトリトンと半導体検出器で測定した陽子崩壊との同時計測が行われた。この実験で、世界初のN(He,t+)実験が行われ、陽子崩壊と線崩壊強度を用いてガモウ・テラー共鳴の微視構造が議論された。
足立 肇; 田村 浩司; 小倉 浩一; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, 38(12A), p.6887 - 6889, 1999/12
被引用回数:4 パーセンタイル:23.78(Physics, Applied)原子レーザー法同位体分離ではレーザー光で共鳴イオン化した目的同位体を電極に回収するが、電子ビーム偏向用磁場がイオン回収部にも印加される。短時間に効率よくイオンを回収する方法として先に提案した、アース又は負電位の平行平板電極の中央に正電位の細線電極を用いた方法について磁場の影響を調べた。平行平板電極の中央に発生させた光電離イオンの両側電極での回収量のバランスは150ガウス以下の磁場により若干変化するが、イオンの回収時間はほとんど変らず磁場の影響は小さいことが実験の結果わかった。
田村 浩司; 足立 肇*; 小倉 浩一; 大場 弘則; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 38(11), p.6512 - 6516, 1999/11
被引用回数:12 パーセンタイル:50.95(Physics, Applied)中性原子とイオンの間の衝突で生じる電荷移行反応はレーザー同位体分離の重要な素過程のひとつである。ウランの基底状態のイオンと中性原子の対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが100eVから1200eVの範囲で測定した。断面積は反応で生成したイオン量と主イオンビームとのイオン量の比によって決定した。原子ビームは水冷銅るつぼ中のウラン金属を電子ビーム加熱することにより得た。衝突エネルギーが100eVの断面積は1.310cmで、Sinha&Bardsleyの理論値と同程度であった。断面積は衝突エネルギーとともに増加し1200eVでは2.710cmとなった。エネルギー依存性の傾向は、ウラン原子及びイオンの電子配置を考慮した計算結果とほぼ一致した。
田村 浩司; 足立 肇; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 38(5A), p.2973 - 2977, 1999/05
被引用回数:6 パーセンタイル:32.55(Physics, Applied)ディスプロシウム(Dy)とセリウム(Ce)について基底状態のイオンと中性原子との対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが200eVから2000eVの範囲について測定した。断面積測定はレーザーイオン源から生成した主イオンビームのイオン量と、原子ビームとの衝突により生成したイオン量との比により決定した。原子ビーム速度は真空天秤法で求め、イオンエネルギーの高い領域では検出イオン信号の2次電子放出による補正を行った。得られた断面積はこのエネルギー範囲でほぼ一定で、Dyで1.810cm、Ceで0.910cmとなった。これは電子配置を考慮した予想と一致する結果である。
田村 浩司; 岡崎 哲治; 足立 肇; 大場 弘則; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 38(4A), p.2122 - 2123, 1999/04
被引用回数:9 パーセンタイル:42.98(Physics, Applied)ウランイオン衝撃により、ウラン表面から放出される二次電子の放出係数を、イオン衝撃エネルギーが300~3000eVで測定した。ウラン表面はウランを蒸着して作り、ウランイオンはレーザーイオン源から生成した。二次電子は、しきいエネルギーの1000eV以下では発生しなかった。それ以上のエネルギーでは、二次電子放出係数はイオンエネルギーに比例して増加し、イオンエネルギー3000eVでは0.12になった。この結果からレーザーウラン濃縮における二次電子放出によるエネルギー損失は小さいことが明らかになった。
足立 肇; 田村 浩司; 岡崎 哲治; 小倉 浩一; 大場 弘則; 柴田 猛順
JAERI-Research 99-029, 19 Pages, 1999/03
ウランについて、基底状態のイオンがウラン原子と衝突する場合の対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが100~1200eVの範囲で測定した。共鳴光電離法によるレーザーイオン源からのイオンビームを原子ビームに直交させて入射し、電荷移行生成イオンと主ビームイオンの電流をそれぞれのファラデーカップ検出器で測定して、それらの電荷量の比及び原子密度から電荷移行断面積を導出した。その結果、衝突エネルギーが100eVでは電荷移行断面積は(1.30.3)10cmであり、衝突エネルギーの増加とともに増加し、1200eVでは(2.70.3)10cmの値が得られた。100eV以上の衝突エネルギーで断面積が増加する傾向は原子及びイオンの電子配位を考慮した理論計算結果とほぼ一致した。
田村 浩司; 岡崎 哲治; 足立 肇; 大場 弘則; 柴田 猛順
JAERI-Research 98-073, 10 Pages, 1998/12
ウランイオン衝撃によるウラン表面からの二次電子放出係数をイオン衝撃エネルギー300~3000eVの範囲で測定した。ウラン表面はウラン原子の蒸着により作り、ウランイオンビームは共鳴イオン化法を用いたレーザーイオン源から引き出した。衝撃エネルギー約1000eV以下では、二次電子の放出はなかった。しきい値1000eV以上での二次電子放出係数は、イオン衝撃エネルギーのほぼ一次関数で増加し、3000eVの時0.12であった。
田村 浩司; 岡崎 哲治; 足立 肇; 柴田 猛順; 大場 弘則
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 37(12A), p.6651 - 6654, 1998/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Applied)表面電離を用いた小型原子ビーム検出器を試作した。その特性をさまざまな希土類元素(Ce,Nd,Sm,Dy,Yb)を用いて調べた。いずれの元素においても原子ビーム量とイオン電流量に比例領域があり、本検出器によりこれら希土類原子ビーム量測定が可能であることがわかった。Nd,Sm,Dy,Ybでは蒸着速度100~200以上のビーム量まで評価可能であった。Ceについては蒸着速度が30を越えるとイオン電流に飽和傾向が見られた。これはCeの蒸気圧が低いため、Ce原子がフィラメントから十分速く離脱せず、Ce原子のフィラメントへの被覆によるものと考えられる。このことから、計測できる原子ビーム量は、原子のフィラメントへの被覆により制限されることがわかった。
足立 肇; 田村 浩司; 岡崎 哲治; 柴田 猛順
JAERI-Tech 98-029, 32 Pages, 1998/08
平行平板電極板間で原子ビームにレーザー光を照射して共鳴電離により生成させたイオンを低電位側の電極板の開孔を通して引き出すレーザーイオン源からのイオンビームの断面強度分布を調べた。イオン引出し孔の直径、補助電極の使用の有無、引出し孔のメッシュの有無、各電極の印加電圧、イオン引出し電極からの距離等をパラメータとして二次元イオン強度分布を小型多チャンネルのファラデーカップイオン検出器を用いて測定し、ビーム広がりの少ない条件を把握した。その結果、イオンビームの広がりはイオンの空間電荷力による発散、イオン引出し電極形状による電位分布、光電離プラズマの上方向への移動等により説明できることがわかった。またこの結果は電荷移行断面積の測定装置の設計等に利用する。
岡崎 哲治; 田村 浩司; 足立 肇; 大場 弘則; 雨川 和博*; 柴田 猛順
JAERI-Tech 98-020, 17 Pages, 1998/06
希土類金属(セリウム、ガドリニウム、ディプロシウム、サマリウム、イッテルビウム)を電子ビーム加熱により蒸発させ、その原子ビーム速度を真空天秤を用いて測定した。蒸発源から382mm上方に設置した天秤蒸着板への蒸発原子蒸着による運動量変化に伴う重量変化から蒸着速度と原子ビーム速度を算出した。セリウム、ガドリニウムの速度は、蒸発量増加に伴い1000~1100m/sまで加速されるが、ディスプロシウム、サマリウム、イッテルビウムの昇華性金属の速度は蒸発量にあまり依存せず、450~650m/sとほぼ一定で熱平衡速度に近い値であった。昇華性金属を電子ビーム加熱した場合は、広い領域から蒸発するので蒸発面近傍での原子間衝突が少なく、膨張冷却による加速がないためと考えられる。
足立 肇; 田村 浩司; 岡崎 哲治; 柴田 猛順
JAERI-Research 98-030, 29 Pages, 1998/06
ディスプロシウム(Dy)及びセシウム(Ce)について、基底状態のイオンが中性原子と衝突する場合の対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが200eV~2keVの範囲で測定した。光共鳴電離法によるレーザーイオン源からのイオンビームを原子ビームに直交して照射し、電荷移行生成イオンと主ビームイオンの電流をそれぞれファラデーカップ検出器で測定して、それらの電荷量の比及び原子密度から電荷移行断面積を導出した。その結果、両者とも上記エネルギー範囲では断面積はほぼ一定で、Dyでは(1.820.14)10cm、Ceでは(0.880.12)10cmの値が得られた。これらの断面積の大きさの違いは、それらの原子及びイオンの電子配位を考慮して説明できる。
田村 浩司; 足立 肇; 柴田 猛順
JAERI-Research 98-020, 13 Pages, 1998/03
表面電離を用いた小型原子ビーム検出器を試作し、さまざまな希土類元素(Ce,Nd,Sm,Dy,Yb)を用いて、その特性を調べた。いずれの元素においても原子ビーム量とイオン電流に比例領域があり、本検出器によるこれら希土類原子ビーム量測定が可能であることがわかった。Nd,Sm,Dy,Ybでは、蒸着速度100~200以上のビーム量まで評価可能であった。Ceについては蒸着速度が30を越えると、イオン電流に飽和傾向が見られた。これはCeの蒸気圧が低いため、Ce原子がフィラメントから十分速く離脱せず、Ce原子のフィラメントへの被覆によるものと考えられる。このことから、計測できる原子ビーム量は、原子のフィラメントへの被覆により制限されることがわかった。
足立 肇; 田村 浩司; 小倉 浩一; 柴田 猛順
JAERI-Research 98-014, 20 Pages, 1998/03
原子レーザー法同位体分離では、レーザー光で共鳴イオン化した目的同位体を電極に回収するが、電子ビーム偏向用磁場がイオン回収部にも印加される。短時間に効率よくイオンを回収する方法として先に提案した、アースまたは負電位の平行平板電極の中央に正電位の細線電極を用いた方法について磁場の影響を調べた。平行平板電極の中央に発生させた光電離イオンの両側電極での回収量のバランスは、150ガウス以下の磁場により若干変化するが、回収時間は殆ど変わらず磁場の影響は小さいことが実験の結果わかった。
田村 浩司; 足立 肇; 岡崎 哲治; 柴田 猛順
Proc. of 6th Workshop on Separation Phenomena in Liquids and Gases (SPG'98), p.219 - 230, 1998/00
ディスプロシウム(Dy)及びセリウム(Ce)について、基底状態のイオンが中性原子と衝突する場合の対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが200eV~2keVの範囲で測定した。光共鳴電離法によるレーザイオン源からのイオンビームを原子ビームに直交して、電荷移行生成イオンと主ビームイオンの電流をそれぞれファラデーカップ検出器で測定して、それらの電荷量の比及び電子密度から電荷移行断面積を導出した。その結果、両者とも上記エネルギー範囲ではほぼ一定で、Dyでは(1.820.14)10cm、Ceでは(0.880.12)10cmの値が得られた。これらの断面積の大きさの違いは、それらの原子及びイオンの電子配位を考慮した予測とほぼ一致する。
田村 浩司; 足立 肇; 柴田 猛順
真空, 41(3), p.332 - 334, 1998/00
表面電離を用いた簡便な原子ビーム計測を目指して、小型ビーム量計測器を試作した。数種類の希土類元素について測定を行った。Ndを用いた測定により、充分高いフィラメント電流では、蒸気量に比例したイオン電流が得られ、これから原子ビーム量が評価できることがわかった。質量分析計との同時測定の結果、100Hz周期の蒸気量も測定できることがわかった。各元素のイオン化係数は、フィラメント温度の低下により急激に低下した。これはイオン電流の蒸気量依存性の飽和とも対応している。これは、フィラメント温度が下がると、原子が表面に吸着してから脱離するまでの時間が増加し、フィラメント表面が原子で覆われることが原因と考えられた。
足立 肇; 小倉 浩一; 柴田 猛順
JAERI-Tech 97-021, 19 Pages, 1997/03
原子法レーザー同位体分離ではレーザー光で共鳴イオン化した目的同位体をイオン回収電極で回収する。実機装置ではその回収量をモニタする必要がある。回収電極板に流れる電流を計測することにより回収されたイオンの総量を求める手法につき、その可能性を実験および解析により検討した。特に電極に回収されるイオンの電流に加えて回収電極表面に誘導される表面電荷による電流の影響を調べた。その結果、光電離生成イオン密度が高ければ誘導電流の割合は小さくほとんど無視でき、電極電流から目的同位体の回収イオンの電荷量を求めることが可能であることがわかった。
佐々木 貞吉; 曽我 猛; 足立 裕彦*
Physica Status Solidi (B), 113, p.647 - 655, 1982/00
被引用回数:17 パーセンタイル:63.75(Physics, Condensed Matter)抄録なし
石井 保行; 大久保 猛; 芳賀 潤二; 小林 明*; 足立 成人*
no journal, ,
従来のMeV領域高エネルギー集束イオンビーム形成技術では、各々独立した加速器と集束イオンビーム装置を使用するため、全体で数10mにも及ぶため巨大装置となり、これが種々な分野での装置の普及の足枷となっている。本研究では高縮小率を有する加速レンズを用いた実験室設置可能サイズのMeV級小型集束イオンビーム形成装置の開発と、2MeV級,100nm径で、10pAのビーム形成を目標としている。現在集束レンズ系の設計を進めており、この中で加速管を加速レンズ系の一部とするため、加速管の焦点距離等のレンズパラメータと色及び球面収差の計算を行った。この結果、加速管を加速レンズとして用いる際には、ビームの加速管外への結像条件として縮小率の上限値が決まり、また、焦点で球面色収差を抑えるため、ビームエネルギー幅及び発散角の上限値が各々決まることがわかった。この結果をもとに、二段加速レンズ系と加速管とを組合せた、加速器・集束レンズ系一体型の加速レンズ系を設計した。発表ではこの設計の詳細に関して説明するとともに、今後の課題に関しても言及する。
石井 保行; 大久保 猛; 芳賀 潤二; 小林 明*; 足立 成人*
no journal, ,
MeV級集束イオンビーム形成には、現在、加速器から集束イオンビーム形成装置まで、全体で数10mにも及ぶ巨大な装置を必要としている。これがMeV級集束イオン形成装置のさまざまな分野への普及を阻害する一因となっており、小型形成装置の開発が切望されている。本研究では、原子力機構で開発してきた加速・集束一体型のkeV級の加速レンズ系と神戸製鋼所で開発した1MeVの小型加速器とを融合させ、加速器と集束レンズ系が一体化したコンパクトな形成装置の開発を目的としている。これまでにコンパクトなMeV級高縮小率レンズ系としてkeV用の加速レンズ系の後段にMeV用の加速管を直列に配置した加速レンズ系の設計を行った。この設計ではレンズパラメータと色・球面収差係数の値を必要とする。これらの値に対して加速レンズ系にはこれまでに原子力機構で研究したデータを、加速管には今回、電極間の電場と荷電粒子軌道の計算により算出した値を使用した。この設計を進める中で、ビームを加速管外に結像させるため、加速管での縮小率に上限があることがわかった。さらに、加速管での収差を低減するため、加速管への小発散角のビームの入射と、加速管での高い電圧安定度が必要であることもわかった。