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長沼 毅*; 今中 忠行*; 跡見 晴幸*; 村上 由記*; 岩月 輝希
JNC TY7400 2000-002, 37 Pages, 2000/05
近年地下には地表よりも大きいバイオマスが存在している可能性が示唆され、地下生物圏の存在が注目され始めている。これらの微生物は、深部地質環境における酸化・還元や溶解・沈澱に影響を与えている可能性がある。地下深部の微生物について基礎的な知見を得るため,岐阜県東濃地域において,微生物現存量や活性に関する調査研究を行った。地下水中の全菌数は、概ね107cells/ml(堆積岩層)106cells/ml(花崗岩層)であり、全般的に堆積岩層で一桁高くなっていた。一方、微生物の種類(形態)および形態種数は深度ごとにかなり異なっていた。酸化還元状態との関連を見ると、花崗岩層の深度180330mの酸化還元電位はFe2+/Fe(OH)3の酸化還元境界に相当し、ここに鉄関連細菌生菌数のピークが見られ、深度500m以深の酸化還元電位はHS/SO42-の酸化還元境界にあたり、硫酸還元菌の存在しうる酸化還元電位があると想定される深度帯(深度300500m)に硫酸還元の存在が認められた。深部地質環境における微生物の存在量と活性は、地下の地球化学プロセスと密接な関係にあることが示唆された。