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田村 潤; 二ツ川 健太*; 近藤 恭弘; Liu, Y.*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*; 岡部 晃大; 吉本 政弘
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1049, p.168033_1 - 168033_7, 2023/04
被引用回数:0 パーセンタイル:75.85(Instruments & Instrumentation)J-PARCリニアックは、ビーム損失が重要な課題となる大強度加速器である。J-PARCリニアックでは、Hビームが機能分離型ドリフトチューブリニアック(SDTL)で191MeVまで加速され、その後、環結合構造型加速管(ACS)で400MeVまで加速される。Hリニアックでは陽子リニアックよりもビーム損失の要因事象が多いため、ビーム損失低減のためにはビーム損失の原因を詳しく調べることが必須である。制御不能なH粒子を生成する電子ストリッピング現象は、Hリニアックに特有なビーム損失要因である。J-PARCリニアックにおけるビーム損失の原因を明らかにするため、SDTLとACSの間のビーム輸送部に新しいビーム診断系を設置した。ここでは、H粒子をHビームから分離し、H粒子が分布する範囲にグラファイト板を挿入してH粒子の強度プロファイルを測定することに成功した。ビームライン真空圧力の違いによるH粒子の強度変化を調べることで、SDTLセクションのH粒子の半分は、J-PARCリニアックの残留ガスストリッピングによって生成されていることを明らかにした。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*; 小栗 英知
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 26(3), p.032802_1 - 032802_12, 2023/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)バンチシェイプモニター(BSM)はビーム輸送中にある地点での縦方向位相分布を測定して、縦方向ビームチューニングを行う際に有用な装置である。低エネルギー負水素(H)イオンビームの縦方向位相分布を測定するために、大強度ビーム負荷による熱負荷を軽減できるよう2次電子を放出する標的に高配向性グラファイト(HOPG)が採用した。このHOPGターゲットにより、50mA程度の高いピーク電流を持つ3MeV Hイオンビームの中心部で縦方向位相分布の測定が可能となった。テストスタンドでHOPG-BSMを用いて縦方向のバンチ幅を測定したところ、ビームシミュレーションと一致した。HOPG-BSMを用いて、ビーム横方向と縦方向の相関測定を実証した。HOPG-BSMを用いて、縦方向Qスキャン法により縦方向Twissとエミッタンスを測定した。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011012_1 - 011012_6, 2021/03
J-PARCリニアックフロントエンドの大強度3MeV Hのバンチ幅を測定するためには、新たなバンチシェイプモニター(BSM)が必要である。カーボンナノチューブワイヤーとグラフェンスティックは大強度ビームを測定するために十分な強度を持つ素材であるため、BSMの標的ワイヤーの良い候補である。しかしながらBSMではワイヤーに数kV以上の負極性高電圧を印加するために放電抑制が課題であった。ワイヤーからの放電による影響を調査するための高電圧試験の後、グラフェンスティックを用いてピーク電流55mAでビーム中心部における信号検出に初めて成功した。本講演ではバンチ幅測定のプレリミナリーな結果を報告する。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知
Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.251 - 253, 2020/09
大強度・低エミッタンスな陽子ビーム加速を実現するため、空間電荷効果の影響が大きい低エネルギー領域での縦方向分布モニター(バンチシェイプモニター: BSM)の運用試験を進めている。BSM内部でビームを受ける二次電子生成標的に熱負荷耐性の良い高配向性グラファイト(HOPG)を導入したことで、既存のタングステン製標的で問題となっていた標的破損による計測中断が無くなり、安定した計測が可能となった。しかしHOPGを導入したBSMで初めて測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションによる予想より広がっており、改善の余地がある。J-PARCリニアック棟テストスタンドのビームを利用して、BSMの応答特性を調査した。この試験ではBSMを構成する電子増倍管,偏向電磁石及びRFデフレクタの各パラメータの応答特性を調査・調整した。調整後に測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションの予想分布と一致した。
近藤 恭弘; 平野 耕一郎; 伊藤 崇; 菊澤 信宏; 北村 遼; 森下 卓俊; 小栗 英知; 大越 清紀; 篠崎 信一; 神藤 勝啓; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012077_1 - 012077_7, 2019/12
被引用回数:1 パーセンタイル:52.4J-PARC加速器の要素技術試験に必要な3MeV Hリニアックを高度化した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用した30mA RFQに代わり新たに製作した50mA RFQを設置した。したがって、このシステムはエネルギー3MeV、ビーム電流50mAとなる。このリニアックの本来の目的は、このRFQの試験であるが、J-PARC加速器の運転維持に必要な様々な機器の試験を行うことができる。加速器は既に試運転が終了しており、測定プログラムが開始されつつある。この論文では、この3MeV加速器の現状について報告する。
田村 潤; 近藤 恭弘; 森下 卓俊; 内藤 富士雄*; 大谷 将士*; 根本 康雄*
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012079_1 - 012079_6, 2019/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.062013年に環結合型(ACS)空洞がJ-PARCリニアックに設置されて以降、これらACS空洞は順調に運転を継続している。これまでのところ、ACS空洞用高周波窓に起因する深刻な問題は発生していないが、25台あるACS空洞のうち1台についてその高周波窓を新規製作品と交換することにした。その大きな目的は、(1)5年近くビーム運転に使用されてきたACS用高周波窓の表面状態の確認、(2)新規に予備として製作した高周波窓が大電力運転に使用できるかどうかの確認、(3)未使用高周波窓の大電力コンディショニングにどれだけの時間を要するかの確認である。2018年の夏期メンテナンス期間を利用してACS用高周波窓の交換作業を行ったが、リニアックトンネルにて本交換作業を行うのは我々にとって初めての経験であった。取り外した高周波窓を確認したところ、目視ではまったく異常は見当たらなかった。このメンテナンス期間終了後の加速器立ち上げ時、新しく空洞に設置した高周波窓の大電力コンディショニングを行い、安定に必要な大電力を入力するのに約50時間を要することが分かった。新規製作のRF窓を設置した本ACS加速空洞は、現在でも安定に運転中である。
田村 潤; 近藤 恭弘; 森下 卓俊; 内藤 富士雄*; 大谷 将士*; 根本 康雄*
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012080_1 - 012080_6, 2019/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.06J-PARCリニアックでは、環結合型(ACS)空洞によって負水素イオンビームを190MeVから400MeVまで加速している。そのACS空洞の中で最後段の加速空洞であるACS21空洞は、他の空洞に比べて大きなVSWR(空洞反射率)を持っている。この空洞反射率を目標値まで下げるために、専用の容量性アイリスを備えた矩形導波管を設計・製作した。2018年の夏期メンテナンス期間を利用し、製作した専用の矩形導波管をACS21空洞に設置した。これにより、ACS21加速空洞の反射率を目標値まで低減し、設計加速ビーム電流値である50mA加速時に極めて反射率の小さい運転を実現できるようになった。
北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 守屋 克洋; 小栗 英知; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*; 大谷 将士*; 小坂 知史*; et al.
Proceedings of 10th International Particle Accelerator Conference (IPAC '19) (Internet), p.2543 - 2546, 2019/06
バンチシェイプモニター(BSM)は縦方向位相空間分布を測定するための重要な装置の一つである。例えば、J-PARCリニアックではタングステンワイヤーを用いたBSMが加速空洞間のバンチ形状を測定するためACSセクションに3台導入されている。しかしながら、このBSMではRFQとDTLセクション間のビーム輸送系における3MeVのHビームのバンチ形状を測定することは、ビーム中心部でワイヤーが断線してしまうために困難である。そこで3MeVのHビームのバンチ形状を測定できるよう、カーボンナノチューブワイヤー(CNT)を用いた新たなBSMを開発している。CNTワイヤーに-10kVの高圧を印加するには細心の注意を要する。ワイヤーからの放電を抑制しつつBSMを運転するためにいくつかの対策を実施した。この講演ではCNT-BSMの最新の開発状況と将来の展望を報告する。
田村 潤; 近藤 恭弘; 森下 卓俊; 青 寛幸*; 内藤 富士雄*; 大谷 将士*; 根本 康雄*
Journal of Physics; Conference Series, 1067(5), p.052009_1 - 052009_6, 2018/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.11J-PARCリニアックの環結合型(Annular-ring Coupled Structure: ACS)空洞は、これまで安定に運転してきている。この高稼働率運転を継続するため、2015年度と2017年度に、このACS空洞用のピルボックス型高周波(RF)窓を製作した。次の二つの理由から、このRF窓における電磁波の反射を最小化する必要がある。一つ目は、このRF窓とACS空洞の間で励振する定在波の発生を防ぐためであり、二つ目は、ACS空洞と導波管の間の調整済結合度を大きく変化させないためである。このRF反射最小化を実現するため、RF窓用セラミックディスクを含んだピルボックス空洞の共振周波数を測定することにより、このセラミックディスクの比誘電率を見積もった。このようにして見積もったセラミックディスクの比誘電率を用いて、RF窓のピルボックス部寸法を決定した。この方法により製作したACS空洞用RF窓の電圧定在波比を測定したところ、3台とも1.08であり、実際の大電力運転に適用可能な低反射RF窓の開発に成功した。
平野 耕一郎; 浅野 博之; 石山 達也; 伊藤 崇; 大越 清紀; 小栗 英知; 近藤 恭弘; 川根 祐輔; 菊澤 信宏; 佐藤 福克; et al.
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.310 - 313, 2016/11
単位面積当たりの熱負荷を減らすため、67のビーム入射角を有するビームスクレーパをJ-PARCリニアックのRFQとDTLの間のMEBTで使用している。67ビームスクレーパは粒子数1.47E22個のHビームによって照射された。レーザ顕微鏡を用いてスクレーパのビーム照射による損傷部を観察すると、高さ数百mの突起物が無数にあった。ビームスクレーパの耐電力を調べるため、3MeVリニアックを新たに構築した。2016年末にスクレーパ照射試験を実施する予定である。今回は、J-PARCリニアックのビームスクレーパの現状、及び、ビームスクレーパの照射試験に用いる3MeVリニアックについて報告する。
根本 康雄; 田村 潤; 伊藤 崇; 森下 卓俊; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小栗 英知; 杉村 高志*; 南茂 今朝雄*; 青 寛幸*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1101 - 1104, 2015/09
J-PARCリニアックでは、環結合型空洞を用いたビーム運転を開始して約1.5年が経過した。長期運転によるコンディショニング効果によって、空洞内の真空圧力はビーム運転で要求されるより十分低い110Pa程度まで下がり、RFトリップ回数についても順調に減少している。現在この環結合型空洞は、J-PARC加速器の稼働率に大きな影響を与えることなく安定に運転している。運転を開始してからこれまでの間に、このビームラインで使用しているアルミ製チェーンクランプの破損によって、突発的な真空リークが5回発生した。そこで同様のトラブルを未然に防ぐため、全てのアルミ製クランプをステンレス製のものに交換した。また、この環結合型空洞部では空洞間に設置しているビームモニタのボア径が周辺のビームダクトと比べて小さいため、この場所の残留放射線量が非常に高く問題となっている。今後のリニアックビーム電流増強に備え、ビーム調整に使用していないモニタについてはチタン製のダクトと交換し、特に高線量部についてはこのチタン製ダクトのボア径を拡大する等の検討を行っている。
小栗 英知; 長谷川 和男; 伊藤 崇; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 篠崎 信一; 青 寛幸; 大越 清紀; 近藤 恭弘; et al.
Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.389 - 393, 2014/10
J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対する利用運転を行うとともに、リニアック後段の3GeVシンクロトロンにて1MWビームを加速するためのビーム増強計画を進めている。リニアックのビーム増強計画では、加速エネルギー及びビーム電流をそれぞれ増強する。エネルギーについては、181MeVから400MeVに増強するためにACS空洞及びこれを駆動する972MHzクライストロンの開発を行ってきた。これら400MeV機器は平成24年までに量産を終了し、平成25年夏に設置工事を行った。平成26年1月に400MeV加速に成功し、現在、ビーム利用運転に供している。ビーム電流増強では、初段加速部(イオン源及びRFQ)を更新する。イオン源はセシウム添加高周波放電型、RFQは真空特性に優れる真空ロー付け接合タイプ空洞をそれぞれ採用し、平成25年春に製作が完了した。完成後は専用のテストスタンドにて性能確認試験を行っており、平成26年2月にRFQにて目標の50mAビーム加速に成功した。新初段加速部は、平成26年夏にビームラインに設置する予定である。
山口 五十夫; 森田 泰治; 近藤 康雄; 山岸 功; 藤原 武; 渡邉 雅之; 溝口 研一*; 瀧ヶ江 良三*; 青山 三郎; 久保田 益充
JAERI-Tech 96-009, 51 Pages, 1996/03
群分離法の開発研究を行うため、年間1.8510Bqの高レベル廃液を取り扱うことのできる試験装置を燃料サイクル安全工学研究施設に1994年完成した。本報は、この群分離試験装置を用いて、脱硝沈澱法、シュウ酸塩沈澱法、溶媒抽出法及び無機イオン交換体分離法を組み合わせた群分離法について、水による液移送試験及び硝酸を用いての全工程の装置性能試験を実施した結果についてまとめたものである。これらの試験中に発生した不具合は、その都度、手直しを行い、群分離試験装置の運転に反映した。本報にはその経緯と改良点等も併記した。
宮本 喜晟; 日野 竜太郎; 稲垣 嘉之; 高瀬 和之; 井岡 郁夫; 高田 昌二; 鈴木 邦彦; 國富 一彦; 丸山 創; 近藤 康雄
JAERI 1333, 196 Pages, 1995/03
HENDELは、現在建設中のHTTRの燃料体、炉床部等の実規模モデルによる実証試験を高温高圧のヘリウムガス条件下で行うために建設された大型研究施設である。HENDELのT試験部では、燃料棒及び燃料体の伝熱流動特性を明らかにして炉心熱設計式を取得するとともに、流路閉塞事故時等における燃料体の安全性データを蓄積し、実機雰囲気を模擬した条件下で制御棒駆動装置の作動信頼性の確認などを行った。T試験部では、固定反射体間の冷却材漏えい試験、炉床部の伝熱特性試験、冷却材の混合特性試験、炉床部の熱過渡挙動試験、高温二重配管の断熱特性試験などにより、炉内構造物の特性・性能データを取得・蓄積し、同構造物の構造健全性を確証した。これらの実証試験の成果は、HTTRの詳細設計、安全審査及び設工認に活用され、初期の目的を十分達成することができた。本報告書は、今まで得られた成果を取りまとめたものである。
山口 五十夫; 龍ヶ江 良三*; 森田 泰治; 近藤 康雄; 白橋 浩一; 山岸 功; 藤原 武; 藤本 啓一*; 谷津 修; 藤田 民義*; et al.
JAERI-Tech 94-030, 53 Pages, 1994/11
群分離処理法の開発研究を行うため、年間1.8510Bqの高レベル廃液を取り扱うことのできる研究施設を燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)に完成した。本研究施設は放射体を含む放射性溶液の化学処理に適した気密構造の-型セルである。セル内には脱硝・濃縮装置、シュウ酸塩沈殿ろ過装置、ろ過機器、抽出器、イオン交換カラム、乾燥器、貯留タンク(10基)及びポンプ等で構成する群分離試験装置を設置した。主要機器は遠隔着脱コネクタを用いて交換可能であり、また、配管ルートを選定することにより多目的に使用できる。本群分離試験施設により、高レベル廃液中に含まれる元素を超ウラン元素群、Tc-白金族元素群、Sr-Cs群及びその他の元素群の4群に分離するプロセスについて試験する。
近藤 康雄; 藤原 武; 森田 泰治; 久保田 益充
JAERI-Tech 94-008, 39 Pages, 1994/08
4群群分離プロセスの内、溶媒抽出工程の化学工学的試験を行うために、溶媒抽出工程試験装置を設計・制作した。本試験装置は2段または4段バンクを組み合わせることにより任意の段数のミキサーセトラーが構成でき、種々の有機相/水相の組み合わせによる試験が可能である。La及びNdを含む模擬廃液を用いた連続流動試験において、各元素の抽出挙動は、意図した挙動を再現し、製作したミキサーセトラーは、抽出性能を損なうことなく任意のバンク段数に組合せ可能であることが実証された。また、個々のミキサーセトラー内の連結部における各相の漏洩や流れの不連続も見られず、本試験装置が所期の性能を十分満足していることが確認された。
近藤 康雄; 滝塚 貴和
JAERI-M 94-067, 108 Pages, 1994/03
群分離技術開発の現状を調査した。群分離の技術開発は、軽水炉燃料を対象にしたものと消滅処理用燃料を対象にしたものに大別される。軽水炉燃料を扱うプロセスについては、Purexプロセスに適合した湿式群分離法に関する技術開発が行われ、現在は、プラントとしての成立性を評価するための試験が原研を中心に行われている。消滅処理用の燃料を取り扱うプロセスについては、個々の消滅装置に適合した専用の群分離法を開発するのが理想とされ、プロセスの簡素化、臨界安全性の向上、二次廃棄物の低減化等を考慮して高温化学プロセスが選択されることが多い。高温化学法による群分離技術に関するデータの蓄積は湿式法に比べて小さいが、米国、日本を中心に基礎データの蓄積が行われており、その技術的可能性についても明るい見通しが得られている。
近藤 康雄; 松村 昌明*; 久保田 益充
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 177(2), p.311 - 320, 1994/00
被引用回数:6 パーセンタイル:56.59(Chemistry, Analytical)模擬高レベル廃液の硝酸濃度を脱硝または単純な希釈により2Mから約0.5Mに低下させた時の、沈殿を含んだ模擬高レベル廃液中での酸性度変化及び沈殿生成挙動を調べた。模擬廃液中に沈殿が含まれていても、沈殿が含まれていない場合と同様に、脱硝又は希釈により酸性度調整を行うことが可能であった。脱硝時のZr,Mo及びTeの沈殿率は、脱硝前に模擬廃液中に既に含まれていた沈殿の量が増大するにつれて減少した。また、希釈溶液中の沈殿生成量も希釈前に模擬廃液中に既に含まれていた沈殿の量が増大するにつれて減少した。更に、超ウラン元素抽出のための模擬高レベル廃液の調質方法について2つのフローシートを提案した。一つは脱硝による方法であり、もう一つは希釈による方法である。
近藤 康雄; 松村 昌明*; 久保田 益充
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 177(2), p.301 - 309, 1994/00
被引用回数:11 パーセンタイル:71.44(Chemistry, Analytical)2M及び0.5M硝酸濃度の模擬高レベル廃液からの沈殿生成を実験的に調べた。沈殿生成実験は、模擬廃液を約100Cで加熱還流することにより行った。2M及び0.5M硝酸濃度のいずれの模擬廃液においても、Zr,Mo,Te及びRuが主な沈殿生成元素であった。2M硝酸濃度の模擬廃液からの沈殿生成量は、溶液中のZr濃度を下げることにより減少し、Zrをまったく含まない溶液では沈殿生成は起こらなかった。また、0.5M硝酸濃度の模擬廃液では、溶液中のMo/Zr比が0.5以下の場合、約10%のZr,Mo及びTeが沈殿しただけであった。更に、溶液中からZr及びMoを完全に取り除くことが、低硝酸濃度の模擬高レベル廃液からの沈殿生成を抑制するための最も有効な方法であることが明らかとなった。
近藤 康雄; 久保田 益充
日本原子力学会誌, 35(4), p.317 - 320, 1993/04
被引用回数:6 パーセンタイル:56.02(Nuclear Science & Technology)リン酸を含む2M硝酸濃度の15成分模擬高レベル廃液からの加熱時の沈澱生成挙動を調べ、リン酸が模擬廃液からの沈殿生成におよぼす影響を検討した。模擬廃液中のリン酸濃度が0.0023Mではリン酸は沈澱生成に対してほとんど影響を及ぼさなかったが、0.069M以上になると、ZrおよびFeを主体としたゼラチン状の沈澱およびMoを主体とした微粉状の沈澱を生成し、沈澱は溶液からの分離が困難な上に、模擬廃液自体を吸収する性質を有していた。実際の高レベル廃液中にはリン酸との反応により生じた沈澱が含まれている可能性が高く、群分離プロセスの前処理工程として沈澱の分離法および沈澱中に担持されている可能性が高い超ウラン元素の浸出法について今後検討を進めて行く必要がある。