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武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
小野 正人; 飯垣 和彦; 澤畑 洋明; 島崎 洋祐; 清水 厚志; 猪井 宏幸; 近藤 俊成; 小嶋 慶大; 高田 昌二; 沢 和弘
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 4(2), p.020906_1 - 020906_8, 2018/04
2011年3月11日、地震の規模を示すマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生した。地震発生時、HTTRは定期点検及び機器の保守管理のため停止していた。HTTRで観測された最大加速度は設計基準地震を超えていたため、総合的な健全性評価を実施した。総合的な健全性評価の考えは2つに分けられる。1つは機器の目視点検であり、1つは観測波を用いた耐震解析である。運転に関わる全ての機器は目視点検を実施した。設備の健全性は点検結果や解析結果により確認した。機器の耐震解析や目視点検の結果、損傷や機能低下は無く、原子炉の運転に関わる問題は無かった。HTTRの健全性は2011年, 2013年, 2015年のコールド状態の運転によっても裏付けられた。さらに、2015年に中性子源を交換するために3つの制御棒案内ブロックと6つの可動反射体ブロックを原子炉から取り出したとき、制御棒案内ブロックの健全性を目視により確認した。
小野 正人; 清水 厚志; 近藤 誠; 島崎 洋祐; 篠原 正憲; 栃尾 大輔; 飯垣 和彦; 中川 繁昭; 高田 昌二; 沢 和弘
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 2(4), p.044502_1 - 044502_4, 2016/10
HTTRを用いた炉心冷却喪失試験は、物理現象の効果によってシビアアクシデントを起こさない固有の安全性を有する高温ガス炉を研究する安全評価コードの検証のため、制御棒を挿入せず、炉容器冷却設備を停止して炉心冷却を喪失させるものである。炉容器冷却設備は熱放射や熱伝達によって高温となった原子炉圧力容器を冷却することにより原子炉の残留熱や崩壊熱を除去するものである。試験では、原子炉の安全性は維持されるものの、炉容器冷却設備の熱反射板による水冷管の冷却効果が届かない箇所の局所的な温度が長期使用の観点から制限値を上回ると考えられる。試験は炉容器冷却設備を停止し核熱を用いずガス循環機による入熱のみで実施され、その結果、最高使用温度より十分低い温度ではあるが局所的に温度の高い箇所を特定し、冷却水の自然循環の冷却効果に十分な効果は無く、冷却管の温度を1C下げるのみであることを見出した。そして、HTTRの再稼働後にすぐに実施される炉心冷却喪失試験に向けた新しく適切で安全な手順を確立した。
小野 正人; 飯垣 和彦; 島崎 洋祐; 清水 厚志; 猪井 宏幸; 栃尾 大輔; 濱本 真平; 西原 哲夫; 高田 昌二; 沢 和弘; et al.
Proceedings of 24th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-24) (DVD-ROM), 12 Pages, 2016/06
2011年3月11日、地震の強さを示すマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生した。地震発生時は、HTTR施設は定期検査中であったため原子炉を停止していた。地震の最大加速度は、HTTRの設計基準の最大値を超過していた。HTTR施設の耐震健全性を確認するために、目視点検を実施するとともに、HTTR施設の観測波を用いた耐震解析を実施した。HTTR施設の健全性評価の方針は、「設備点検」と「耐震解析」の2つに分けられる。基本的な設備点検は、原子炉の運転に関係する設備・機器に対して実施した。設備点検や耐震解析の結果と評価基準を比較し施設の健全性は確認される。設備点検及び耐震解析の結果として、原子炉の運転に影響を与える損傷や機能低下は無いため、運転への問題は無いことを確認した。HTTR施設の健全性は、2011年, 2013年, 2015年に実施された原子炉出力無しのコールド状態での3回の運転により確証を得た。
近藤 正人*; 坪内 雅明
Optics Express (Internet), 22(12), p.14135 - 14147, 2014/06
被引用回数:18 パーセンタイル:68.09(Optics)テラヘルツ分光への応用のために膜厚可変の液膜ジェットノズルを開発した。スリット型と衝突型のノズルを使って光学的平坦さを持った液膜ジェットを生成した。液膜の膜厚は分光干渉法とテラヘルツ時間依存分光法とで評価した。衝突型ノズルの衝突角度を変化させることで、膜厚を50から120ミクロンの間で変化させることができた。
沖田 泰良*; 越石 正人*; 橋本 素行*; 田中 重彰*; 児玉 光弘*; 近藤 啓悦; 塚田 隆
no journal, ,
経済産業省原子力安全・保安院高経年化対策基盤整備事業の一環として、軽水炉炉内構造材であるオーステナイトステンレス鋼の照射誘起応力腐食割れのき裂進展挙動に及ぼす照射速度の影響について検討を行った。本研究では、き裂進展速度データが既に取得されている実機材を用いて、照射硬化,ひずみ硬化指数,照射欠陥及び粒界偏析に関するデータを取得し、それらデータから既存のき裂進展モデル(FRIモデル)への入力パラメータを決定してき裂進展速度を計算し、実験値との比較を行った。その結果、照射硬化や照射誘起偏析に伴う耐食性の劣化をモデル計算にとり入れることによって、き裂進展速度実験データを説明できることを実証した。これらの検討の結果、照射の影響を反映したパラメータ選定によって、FRIモデルを照射材き裂進展計算に適用可能であることがわかった。
叶野 翔; 榎本 正人*; 酒瀬川 英雄; 谷川 博康; 近藤 啓悦; 野際 公宏; 外山 健*; 永井 康介*
no journal, ,
核融合実験炉ITERのテストブランケットモジュールや原型炉のブランケットの構造材料として利用が計画されている低放射化フェライト鋼はTaを含んでいる。このTaはMod.9Cr-1Mo鋼中のNbと同等の効果を意図して、低誘導放射化の観点から代替されたものである。現在までのTa系析出物に関するさまざまな研究は、クリープ特性に及ぼすTa量の増加効果によるものが中心であり、熱処理条件の変化による組織変化への影響や、Ta系粒子の析出挙動には不明確な部分が多い。よって、Ta系粒子の析出挙動を解明することは低放射化フェライト鋼の実用化に向けて極めて重要であるが、低放射化フェライト鋼は高密度の転位を含むマルテンサイト組織であり、CrやVなどの析出物と、Ta系粒子の析出挙動は複雑に影響を及ぼし合うために、Ta系粒子の析出挙動の解明には基礎的な研究成果の積み上げが必要である。本研究では、Ta系粒子の析出挙動を詳細に観察するために高純度Fe-Ta-Cの3元系モデル合金を製作して析出挙動の解明を目的としている。また、モデル合金中のTa系析出物は、非常に微細であるために原子レベルでの元素マッピングが可能な3DAPによる分析により、Ta系粒子の析出挙動の解明を試みる。
近藤 正人; 大島 康裕*; 坪内 雅明
no journal, ,
イオンの溶解が水の構造に与える影響については古くから多くの研究がなされてきたが未解決な点が多い。特にその影響が及ぶ範囲に関する議論は未だ絶えない。この問題解決のため、本研究ではテラヘルツ時間領域分光法により種々の水溶液の誘電率の周波数依存性(誘電分散)の観測を行った。水溶液の誘電分散には「イオンへの水和による水分子運動の減速効果」を反映する溶存陽イオンのサイズによる系統的な違いが見られたほか、高周波数領域で純水に比べた誘電率の上昇が観測された。この事実は従来知られる上述の減速効果だけでは説明できず、「イオンが溶液全体の水素結合構造を崩壊させたことによる加速効果」が現れたことを強く反映する。
近藤 正人; 大島 康裕*; 坪内 雅明
no journal, ,
イオンの溶解が水溶液全体の水素結合構造に与える影響については古くから多く研究がなされてきたが、未だ議論の絶えない溶液化学研究における長年の主題である。本研究ではテラヘルツ(THz)領域に現れる水の吸収に着目し、この問題の解決を試みた。THz時間領域分光法により種々のイオン水溶液で吸収スペクトルを測定した結果、1THzより高周波数領域においてイオンの溶解に伴う吸収の増加が観測された。この事実はイオンが水素結合ネットワーク構造を崩壊させる効果の存在を強く示している。
近藤 正人; 大島 康裕*; 坪内 雅明
no journal, ,
イオンが水全体の水素結合構造に与える影響については古くから多く研究がなされてきたが、未だ議論の絶えない溶液化学研究長年の主題である。本研究ではテラヘルツ(THz)領域に現れる水の吸収に着目し、この問題の解決を試みた。THz分光法により種々のイオン水溶液で吸収スペクトルを測定した結果、1THzより高周波領域でイオンの溶解による吸収増加が観られた。この事実はイオンが水素結合構造を崩壊させる効果の存在を強く示している。
近藤 正人; 大島 康裕*; 坪内 雅明
no journal, ,
多くの生体分子試料は緩衝液(イオンの水溶液)中において研究される。そのため、イオンが水全体の水素結合構造に与える影響を調べることは、生体分子研究において基盤となる研究課題となる。本研究ではテラヘルツ(THz)領域に現れる水の吸収に着目し、水の溶液構造やダイナミクスに対するイオン効果を調べた。THz分光法により種々のイオン水溶液で吸収スペクトルを測定した結果、1THzより高周波領域でイオンの溶解による吸収増加が観られた。この事実はイオンが水素結合構造を崩壊させる効果の存在を強く示している。
近藤 正人; 熊田 高之; 坪内 雅明
no journal, ,
溶液のテラヘルツ(THz)分光実験では、試料保持に用いる窓材がTHz波形に与える影響が度々問題となる。そこで本研究では、流体力学の分野で知られる液体薄膜(液膜)を応用し、窓材を用いない新しい溶液測定法の開発を行った。今回、二本のノズルから射出した液体ジェットを交差させることで液膜を生成する装置を作成した。この装置では、ノズルの交差角度の調整により容易に液膜の厚みを変えることができるため、さまざまな系の測定に応用できる。本装置の動作試験として、さまざまな交差角度にて生成させた水の液膜透過後のTHz波形を測定した。水の屈折率と吸収係数の報告値から膜厚を評価した結果、本装置では50-120mの範囲で膜厚を調整可能なことが確認された。
近藤 正人; 大島 康裕*; 坪内 雅明
no journal, ,
イオンが水全体の水素結合構造に与える影響については古くから多く研究がなされてきたが、未だ議論の絶えない溶液化学研究における長年の主題である。本研究ではテラヘルツ(THz)領域に現れる水の吸収に着目し、この問題の解決を試みた。THz時間領域分光法により種々のイオン水溶液で吸収スペクトルを測定した結果、1 THzより高周波領域でイオンの溶解による吸収増加が観られた。この事実はイオンが水素結合構造を崩壊させる効果の存在を強く示している。
近藤 正人; 板倉 隆二; 坪内 雅明
no journal, ,
溶液のテラヘルツ(THz)分光実験では、試料保持に用いる窓材がTHz波形に与える影響が度々問題となる。本研究では、流体力学の分野で知られる液体薄膜(液膜)を応用し、窓材を用いない新しい溶液測定法の開発を行った。今回、二本の液体ジェットを交差させることで液膜を生成する装置を作成した。この装置では、ジェットの交差角度の調整により容易に液膜の厚みを変えられるため、さまざまな系の測定に応用できる。本装置の動作試験として、さまざまな交差角度にて生成させた水の液膜透過後のTHz波形を測定した。水の屈折率と吸収係数の報告値から膜厚を評価した結果、本装置では50-120mの範囲で膜厚を調整可能なことが確認された。
近藤 正人; 大場 弘則; 板倉 隆二; 坪内 雅明
no journal, ,
溶液のテラヘルツ(THz)分光実験では、試料保持に用いる窓材がTHz波形に与える影響が度々問題となる。本研究では、流体力学の分野で知られる液体薄膜(液膜)を応用し、窓を用いない新しい溶液測定法の開発を行った。今回、二本の液体ジェットを交差させることで液膜を生成する装置を作成した。この装置では、ジェットの交差角度の調整により簡便かつ広範囲で液膜の膜厚を変えられる。さらに、従来の手法では困難だった広範囲での膜厚評価を可能とする新しい膜厚決定法を開発した。作成した交差型ノズルにて、様々な交差角度で水の液膜を生成させ、その膜厚を評価した。その結果、本研究で開発した液膜装置では、膜厚を50-120mの範囲で調整可能であることが示された。
近藤 誠; 本間 史隆; 澤畑 洋明; 平戸 洋次; 川本 大樹; 鈴木 尚; 小野 正人
no journal, ,
HTTRは、熱出力30MWの黒鉛減速ヘリウムガス冷却型原子炉で、我が国初の高温ガス炉であり、950Cの原子炉出口冷却材温度を利用し、発電のみならず、水素製造、地域暖房、海水淡水化等の幅広い熱利用の可能性を有する原子炉である。平成23年の東北地方太平洋沖地震以降は、原子炉を長期間停止しているものの、施設の健全性に関する総合評価、コールド状態による確認試験を行い、設備起動時及び定常運転時のプラントデータの確認等により、地震による施設等への影響がないことを確認している。一方、国においては原炉等規制法が改正され、原子力規制委員会が発足した。平成25年12月18日には、核燃料物質使用施設等の新安全基準が制定され、SBOに係る要求が明確に規定された。このため、SBO時のHTTRの挙動・影響評価を行い、新安全基準の要求事項に則したSBO対策をHTTRの特徴を踏まえて検討、実行してきた。SBO対策の実現可能性については総合防災訓練という実践的な場を通してその妥当性を確認することができた。
新井 陽介*; 黒田 健太*; 野本 拓也*; 黒川 輝風*; Shin, S.*; 久保田 正人; 芳賀 芳範; 鈴木 博之*; 岩佐 和晃*; 有田 亮太郎*; et al.
no journal, ,
CeX (X=P, As, Sb, Bi)は温度・磁場・圧力といった外部パラメータによって多彩かつ複雑な磁気構造を形成する。この現象の発現機構としてCe4fとSb5pの「p-f混成」や「磁気ポーラロン」が議論されているものの、未だ解決されていない。本研究ではレーザー角度分解光電子分光によりCeXの電子構造の高分解能測定を行った。その結果、磁気秩序相で多体相互作用に伴う電子構造の再構成を観測した。
新井 陽介*; 黒田 健太*; 筒井 智嗣*; 平井 大悟郎*; 片山 和郷*; 野本 拓也*; Shin, S.*; 久保田 正人; 芳賀 芳範; 鈴木 博之*; et al.
no journal, ,
セリウムモノプニクタイドは温度・磁場・圧力といった外場によって多様で複雑な磁気相が出現する。本研究ではフォノン分散とCe4f結晶場を測定し、その温度依存性としてフォノンと結晶場との多体相互作用に伴う変化を観測した。実験結果を踏まえ、これまでARPES測定で観測した電子ボソン結合との対応を議論する。
新井 陽介*; 黒田 健太*; 筒井 智嗣*; 平井 大悟郎*; 片山 和郷*; Shin, S.*; 久保田 正人; 野本 拓也*; 鈴木 博之*; 宮坂 茂樹*; et al.
no journal, ,
セリウムモノプニクタイドは、温度・磁場・圧力によって多彩な磁気構造を形成する。プニクタイドの種類により無磁場、常圧での磁気構造が異なるが統一的なメカニズムの解明を目指している。本講演では、非弾性X線散乱実験により明らかになった電子系と結晶場の関わりについて議論する。
新井 陽介*; 黒田 健太*; 野本 拓也*; 平井 大悟郎*; 片山 和郷*; 筒井 智嗣*; 田中 宏明*; 有田 将司*; Shin, S.*; 久保田 正人; et al.
no journal, ,
セリウムモノプニクタイド は異常に複雑な磁性を有し、外場によって多様な長周期反強磁性構造を形成する。今回、CeAsの特異な物性を理解するために、低温でのARPES実験を行った。その結果、電子構造が温度と共に顕著に変化する様子を捉えることに成功した。
新井 陽介*; 黒田 健太*; 筒井 智嗣*; 平井 大悟郎*; 田中 宏明*; Yuyang, D.*; 岩田 拓万*; 片山 和郷*; Shin, S.*; 久保田 正人; et al.
no journal, ,
セリウムモノプニクタイドCeXの異常磁性のメカニズムが未解決であり、特に、CeSbのみが「悪魔の階段」として知られる特異に複雑な 磁気相図を形成する。本研究では、CeSbとCeAsの電子系の振る舞いに関して放射光実験を比較することにより、フォノンまでもが絡んだ複雑な多体相互作用やそれに伴う準粒子状態の違いが、磁性の振る舞いに影響を及ぼしていることを明らかにした。