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丸山 敏毅; 巽 敏隆*; Voskresensky, D. N.*; 谷川 知憲*; 遠藤 友樹*; 千葉 敏
Proceedings of Science (Internet), 22, p.024_1 - 024_10, 2006/09
超新星や中性子星で存在する、低密度原子核物質や高密度での中間子凝縮物質において出現する「パスタ」構造について研究する。われわれの手法は相対論的平均場とThomas Fermi近似をとりいれた密度氾関数法による数値計算で、特に、クーロンポテンシャルと荷電粒子密度分布を無撞着な形で含んでいる。これを用いて低密度原子核物質や高密度でのK中間子凝縮物質での非一様なパスタ構造を計算し、クーロン力と表面張力がこの構造にどのように影響しているかを調べる。
丸山 敏毅; 巽 敏隆*; Voskresensky, D. N.*; 遠藤 友樹*; 千葉 敏
Physical Review C, 73(3), p.035802_1 - 035802_10, 2006/03
被引用回数:52 パーセンタイル:91.63(Physics, Nuclear)高密度原子核物質中でのK中間子凝縮一次相転移で現れる、構造を持った混合相(パスタ構造;2相のうち体積の少ない方が、球形,棒状,板状となって格子をつくる非一様構造)を、相対論的平均場理論に基づく密度氾関数法により研究した。われわれの手法では、クーロン相互作用と荷電粒子密度分布を無撞着な形で導入することで、クーロン遮蔽効果(荷電粒子密度の再配置)を正確に記述することができる。K中間子パスタ構造に対するクーロン遮蔽と表面張力の効果を調べたところ、遮蔽効果は系のクーロンエネルギーが減少させ、その結果パスタ構造のサイズを大きくしていることがわかった。また、2相間に働く表面張力に対する相対論的平均場(, , 中間子)の寄与は小さく、K中間子と核子との相互作用が主な原因になっていることを示した。
遠藤 友樹*; 丸山 敏毅; 千葉 敏; 巽 敏隆*
Progress of Theoretical Physics, 115(2), p.337 - 353, 2006/02
被引用回数:63 パーセンタイル:87.76(Physics, Multidisciplinary)高密度で予想されているクォーク-ハドロン一次相転移における混合相で、クーロン相互作用と表面張力の効果を調べた。これらの2つの有限サイズの効果は、混合相の性質とそれが現れる領域の幅を大きく制限することがわかった。特に、荷電遮蔽効果によって混合相のパスタ構造内での密度分布が変化し、荷電中性な分布に近づく。これによって、状態方程式を求める際に多成分系には適用できないMaxwell構成法が、近似的に適用可能になることを示した。
丸山 敏毅; 巽 敏隆*; 遠藤 友樹*; 千葉 敏
Recent Research Developments in Physics, Vol.7, p.1 - 57, 2006/00
超新星や中性子星,クォーク星などのコンパクトな天体における物質の非一様なパスタ構造(球状,棒状,板状,棒状穴,球状穴の規則的な格子構造)に関する最近の一連の研究を概観した。まず、相対論的平均場を用いた数値計算により、超新星と中性子星表面での低密度原子核物質での、液相気相相転移と中性子析出相転移による混合相を調べ、パスタ構造の出現の様子と物質の状態方程式とを明らかにした。次に中性子星内部での高密度の物質で通常原子核物質とK中間子凝縮物質の混合相でパスタ構造が現れることを確かめた。また、パスタ構造に対するクーロン力と表面張力の効果を調べ、荷電粒子によるクーロン遮蔽がパスタ構造のサイズや出現する密度範囲に影響することを明らかにした。最後に、さらに高密度でのハドロンクォーク相転移の混合相を調べ、そこでのパスタ構造とクーロン遮蔽効果を議論した。特に、多成分系の一次相転移では本来正しくないはずのMaxwell構成法が、クーロン遮蔽により近似的に有効となることを示した。