Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
村松 久和*; 田中 栄司*; 石井 寛子*; 伊東 誉*; 三沢 雅志*; 三浦 太一*; 藤田 雄三*; 小俣 和夫*; 武藤 豪*; 小泉 光生; et al.
Physical Review B, 58(17), p.11313 - 11321, 1998/11
被引用回数:5 パーセンタイル:32.45(Materials Science, Multidisciplinary)Csの81keV遷移のメスバウア効果に関して、同異体シフトの校正定数(核位置での電子密度に対する比例係数で、遷移前後の原子核半径の変化率)は、これまで核位置での電子密度に理論値を用いたため信頼性に乏しいものであった。本研究では内部転換電子強度の測定から実験的に核位置での電子密度を求め、校正定数を決定した。Xeを同位体分離器により各種金属箔にイオン注入し、液体ヘリウム温度でメスバウアスペクトルを測定した。同じ試料について空芯線スペクトルメータで内部転換電子スペクトルを測定した。その結果、校正定数として+(1.50.5)10を得た。この結果をもとに、高融点金属中にイオン注入されたCs原子の非常に大きな同異体シフトを5p電子の6s電子に対する遮蔽効果を考慮して解釈した。
遠藤 和豊*
PNC TJ1639 97-001, 40 Pages, 1997/03
地下水は長期間にわたってベントナイトに接触すると化学反応を起こし、その化学組成を変化させる。そして、地下水は炭素鋼のオーバーパック表面に達すると炭素鋼を腐食させる。このときの地下水の化学組成は、炭素鋼の腐食に関わる条件を得るために重要である。このような地下水の化学組成や腐食生成物の正確な知見を得るために、さまざまな条件下での鉄-地下水-ベントナイトの化学的相互作用を評価するため、メスバウアー分光法を用いて検討した。さらに、ベントナイト共存下におけるオーバーパック腐食生成物の存在形態を理解するために、ベントナイトクニゲルV1およびクニピアFを各種金属塩の水溶液に浸漬した場合の鉄化学種の変化をメスバウアー分光法で検討した。蒸留水、60で7日間の浸漬実験をおこなった。用いた金属塩は硫酸銅、硫酸ニッケル、塩化コバルト、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウムである。その結果、ベントナイト中の鉄の化学形態はクニピアFでは常磁性三価二成分、二価一成分、クニゲルV1では三価一成分、二価二成分に解析され、金属イオンを含む溶液では相対的に三価成分が多くなって観測された。
遠藤 和豊*
PNC TJ1639 96-001, 52 Pages, 1996/03
本研究では、接触する水溶液に着目し、地下の低酸素条件を模擬した窒素雰囲気下でベントナイト共存下及びベントナイト非共存下での鉄粉と水溶液の反応実験を行ない、メスバウアー分光法により鉄の化学状態について検討した。炭素鋼オーバーパックが地下水と接触した際に生ずる腐食生成物を分析した。鉄粉-ベントナイト-溶液(蒸留水、人工海水)混合物、鉄粉-ベントナイト比(1:1)で鉄粉-溶液比が2ml/gおよび10ml/gの試料を作成、メスバウアースペクトルを観測した。その結果、鉄粉末の蒸留水、人工海水系による腐食生成物としてマグネタイトの生成がわずかではあるが観測された。また、オーバーパックの外側の緩衝剤として用いられるベントナイト(クニピアF、クニゲルV1)の蒸留水に対する変質をその中に含まれる鉄の化学状態の変化から検討した。その結果、クニピアFでは三価二成分、二価一成分、クニゲルV1では三価一成分、二価二成分で解析され、どちらの試料も変質により三価成分が多くなった。さらに80Kから300Kの範囲で温度変化による二価および三価の強度変化を測定した結果、二価成分の温度依存性の大きいことが明かになった。
村松 久和*; 田中 栄司*; 石井 寛子*; 伊東 誉*; 三沢 雅志*; 三浦 太一*; 小泉 光生; 長 明彦; 関根 俊明; 藤田 雄三*; et al.
KURRI-TR, 0, p.102 - 106, 1996/02
メスバウア遷移における核電荷半径の変化R/Rは、異性体シフトを生じる有効核電荷半径という。メスバウアスペクトルの異性体シフトはR/Rと核位置での電子密度の積に比例するので、R/Rの値が知られていれば、異性体シフトの測定からプローブ原子の電子状態を定量的に議論できる。本研究では、アルカリ元素のメスバウア核種として有用なCsについて、81keV遷移のR/Rを求める実験を行った。Csの親核Xeをイオン注入した試料について、核位置での電子密度は高分解能内部転換電子測定から、異性体シフトはCsClを吸収体にしたメウバウア測定から求め、予備的ではあるが、R/R~0.510を得た。
村松 久和*; 伊東 誉*; 三沢 雅志*; 三浦 太一*; 小泉 光生; 長 明彦; 関根 俊明; 藤田 雄三*; 小俣 和夫*; 矢永 誠人*; et al.
Hyperfine Interactions (C), p.396 - 399, 1996/01
RIをプローブとする核物性的研究として、メスバウア核Csの81keVの遷移について、遷移の前後の核電荷半径の変化R/Rを求める実験を行った。R/R0の場合、R/Rと核位置での電子密度の積に比例して、メスバウアスペクトルに異性体シフトを生じる。外殻電子の状態は位置での電子密度に反映されるので、異性体シフトの測定からプローブ原子の置かれている状態を定量的に議論するためにR/Rの値が必要である。本研究では、Csの親核Xeをイオン注入した試料について、核位置での電子密度は高分解能内部転移電子測定から、異性体ソフトはCsClを吸収体にしたメスバウア測定から求め、予備的ではあるが、R/R0.510を得た。
中田 正美; 正木 信行; 佐伯 正克; 荒殿 保幸; 池田 裕二郎; 遠藤 和豊*
SIF Conf. Proc., Vol. 50 (ICAME-95), 0, p.99 - 102, 1996/00
セレン酸鉄(II)に14MeV中性子照射をおこない、鉄(II)が鉄(III)に変化した量を、メスバウア分光法で測定した。その結果セレン酸鉄(II)の線照射による結果及びCoでラベルしたセレン酸コバルト(II)の発光法による結果と比較検討した。14MeV中性子照射後の鉄(III)の生成量は、1水塩の方が5水塩より多いことが分かった。これは、線照射とCoのEC壊変にともなう鉄(III)の生成量が5水塩の方が1水塩より多いという結果と大きな違いを示している。セレン酸鉄(II)5水塩の構造は、鉄原子が4個の水分子に囲まれている。14MeV中性子照射では、核反応で生成した荷電粒子などが、鉄へおよぼす酸化作用をその水分子が阻害しているためと考えられる。
遠藤 和豊*
PNC TJ1639 95-001, 63 Pages, 1995/03
本研究では、炭素鋼およびマグネタイトが模擬廃棄物ガラス固化体の侵出性に与える影響を検討するために、ガラスの表面積と液量の比(SA/V)をパラメーターとした侵出試験を行い、ガラスと鉄を脱気蒸留水中に浸漬させた。鉄試料の化学状態の変化をメスバウアー分光法および粉末X線回折法により検討した。炭素鋼と蒸留水の比(0.1g/l)として、ガラス粉末SA/V=1cm-1、90日間、およびガラス粉末SA/V=10cm-1、364日間浸漬した試料はいづれも完全に腐食変質していることが示された。炭素鋼にガラス粉末を混ぜないで蒸留水との比(10g/l)で28日間、90日間、364日間浸漬した場合では変化は観測されず、ガラス粉末の存在が腐食に寄与していることがわかった。マグネタイトを蒸留水中に浸漬した試料(10g/l)は、ガラスの相対濃度の高い条件では鉄の変質が大きいこと、その変質の度合は浸漬時間に依存していることが示される。ガラス濃度に対してマグネタイト量が少ないと変質の割合は多いことが示され、ガラスの量がマグネタイトの変質に影響を与えていることが明らかにされた。これらのことから、炭素鋼とマグネタイトではいづれも蒸留水だけでは変質は観測されないこと、ガラス粉末と接触させた場合には炭素鋼と水の比に依存して変質することが明らかになった。
遠藤 和豊*
PNC TJ1639 94-001, 53 Pages, 1994/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分に関して提案されている模擬ガラス固化体、鉄試料(炭素鋼、マグネタイト)、緩衝材などについて地中での腐食を想定した条件で化学状態の変化をメスバウアー分光法と粉末X線回折により検討した。オーバーパックについては、ガラス粉末と炭素鋼あるいはマグネタイトの混合物を一定期間浸漬させ、アルゴン雰囲気中で乾燥させ、メスバウアースペクトルを測定した。その結果マグネタイトを28日間水に浸漬した試料では変化は認められなかったが、ガラス粉末とマグネタイトを混合した試料(SA/V=10cm-1、SA/V=0.1cm-1)ではSA/V=10cm-1でFe(III)が観測された。したがってオーバーパックの原料としての炭素鋼とマグネタイトについてはSA/Vを小さくすればメスバウアースペクトルで観測するかぎり変化は見られないことが解かった。
中田 正美; 正木 信行; 佐伯 正克; 佐川 千明; 荒殿 保幸; 遠藤 和豊*
Hyperfine Interactions, 92, p.1183 - 1188, 1994/00
被引用回数:1 パーセンタイル:11.32(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)事象のもつ特性、すなわち発生からの時間、発生する線のエネルギー、線源との相対速度、等、ごとに事象の数を分類記録するシステムを開発した。今回は2つのアナログ・ディジタル・コンバータを用い、発生からの時間と相対速度及び事象の数の三次元マップ系により、Coでラベルしたテルル酸コバルト結晶中で生成する、鉄のII価とIII価の時間変化の測定に応用した。システムの時間分解能は3.9nsと良い値を得た。用いたテルル酸コバルトについてはFeのメスバウア準位の寿命(約100ns)内では、Fe(II)とFe(III)の相対比に変化は認められなかった。これはテルル酸コバルトの結晶形によるものと結論した。しかし、開発したシステムはデータ処理を柔軟に行うことが出来、今後の研究に大いに役立つであろうことが実証された。
遠藤 和豊*; 春田 博司*; 本田 智香子*; 片田 元己*; 中原 弘道*; 中田 正美; 佐伯 正克; 荒殿 保幸
Hyperfine Interactions, 91, p.645 - 649, 1994/00
被引用回数:2 パーセンタイル:20.81(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)陶磁器の彩色用として市販されている鉄釉及び化学試薬から調製した擬鉄釉中の鉄の化学状態を中心に、メスバウア分光法、X線回折及びEPMAにより研究した。メスバウアスペクトルでは、高スピンFe(II)とFe(III)が見られ、アルミノシリケート中の鉄と帰属できた。又、磁気分裂した成分は、ヘマタイトと帰属できた。これらの結果はX線回折による結果と一致した。Fe(II)、Fe(III)やヘマタイトの量は、鉄の濃度や焼成時の雰囲気によって変化し、これが釉の彩色に影響を与えている。EPMAでは、鉄とアルミニウムが逆の挙動をしていることがわかった。鉄は、アルミニウムと置換することにより、アルミノシリケート中で安定化されていると考えられる。
佐伯 正克; 中田 正美; 正木 信行; 吉田 善行; 遠藤 和豊*; 薬袋 佳孝*; 山下 利之; 武藤 博; 間柄 正明
Hyperfine Interactions, 92, p.1177 - 1181, 1994/00
被引用回数:7 パーセンタイル:48.81(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)Np-237の発光メスバウア分光法に時間分割法を応用することの出来るクライオスタットを設計開発した。その性能は設計通り、到達温度6K以下、液体He保持時間24時間以上を達成した。さらに、14.4keVの線が合計4mm厚のBe窓を通して測定出来ることを確認した。このクライオスタットを用いて、Co-57凍結溶液による予備実験を行った。少なくとも、5.5Kにおいては、Fe(III)に由来する異常原子価状態が存在することを確認したが、Fe(II)とFe(III)の相対比は5.5Kから150Kの間でほぼ一定であった。
中田 正美; 為谷 和美*; 中原 弘道*; 遠藤 和豊*
Hyperfine Interactions, 70, p.1241 - 1244, 1992/00
被引用回数:2 パーセンタイル:17.67(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)2種類の時間微分型メスバウアー分光法(122keVの線と14.4keVの線を同時計数する時間微分同時計数メスバウアー分光法(TDMS)及び、6.3keVのKX線と14.4keVの線を同時計数する時間微分X同時計数メスバウアー分光法(TDXMS))を用いて、Coで標識したCo(BrO)・6HOのスペクトルを測定した。その結果、スペクトル上で、EC壊変によって生成したFe(II)の相対面積強度比が時間と共に減少していく緩和過程が両方法で観測された。しかし、Fe(II)の相対面積強度比は、TDXMSの方がTDMSよりも大きく、EC壊変後の脱励起過程であるオージェ電子放出過程とX線放出過程の違いによる生成したFe(II)の生成量の差が観測された。
塚田 和明*; 大槻 勤*; 末木 啓介*; 初川 雄一*; 吉川 英樹*; 遠藤 和豊*; 中原 弘道*; 篠原 伸夫; 市川 進一; 臼田 重和; et al.
Radiochimica Acta, 51(2), p.77 - 84, 1990/00
核科学研究のためのマイクロ・コンピュータで制御できる迅速イオン交換装置を開発した。これは、反応槽、ガスジェット輸送部、インジェクター、イオン交換部、放射線源作製部および放射能測定部から成る。本装置を用いて、Cfの自発核分裂で生成するサマリウムの陰イオン交換分離を約8分以上行うことができた。また本装置は加速器を用いた重イオン核反応で生成する短寿命アクチノイドの分離にも適用可能である。