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論文

Deterministic sampling method using simplex ensemble and scaling method for efficient and robust uncertainty quantification

遠藤 知弘*; 丸山 修平; 山本 章夫*

Journal of Nuclear Science and Technology, 61(3), p.363 - 374, 2024/03

中性子増倍率の不確かさの定量化は、安全裕度を調査するために重要である。ランダムサンプリング法は実用的で有用な不確かさ定量化手法であるが、統計誤差を減ずるために大きな計算コストが必要となる。さらに、入力変数が標準偏差の大きい正規分布に従う場合、摂動された入力変数は物理的に不適切な負値になる可能性がある。これらの問題に対処し、効率的で堅牢な不確かさの定量化を行うため、シンプレックスアンサンブル法とスケーリング法を使用した修正された決定論的サンプリング法を提案する。提案手法の特徴は次のように纏められる:(1)サンプルサイズはr+2である(rは共分散行列の実効ランク)。(2)ターゲットの不確かさに応じて入力パラメータの摂動量をスケーリングファクタ法によって任意に与えることができる。(3)摂動された入力変数が物理的に不適切になることを避けるため、スケーリング係数を更新することができる。提案された方法の有効性は、典型的なPWRピンセル燃焼計算における燃料製造の不確かさに起因する中性子増倍率の不確かさの定量化を通じて実証される。

論文

Uncertainty reduction of sodium void reactivity using data from a sodium shielding experiment

丸山 修平; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*

Journal of Nuclear Science and Technology, 61(1), p.31 - 43, 2024/01

本研究では、データ同化技術を利用して、原子炉物理と放射線遮へいといった異なる分野間で実験データベースを共有することにより、高速炉炉心設計に関連する不確かさを低減することの可否を検討した。本研究テーマの最初のステップとして、ORNLのナトリウム遮へい実験に着目し、ナトリウム冷却高速炉の最も重要な安全パラメータの1つであるナトリウムボイド反応度の不確かさを低減するために実験データを利用することを検討した。一般化摂動論に基づく感度解析をナトリウム遮へい実験に対して実施し、ここで評価した感度係数と、これまでに原子力機構で評価したナトリウムボイド反応度の感度係数を用いて、炉定数調整を実施することにより、ナトリウム遮へい実験データがナトリウムボイド反応度の不確かさ低減に寄与できることを示した。本研究に基づくと、中性子漏洩現象が支配的なナトリウムボイド反応度において、特に不確かさ低減効果は大きくなると予測される。ナトリウムボイド反応度に関する新たな炉物理実験データの取得は今後困難かもしれないが、ナトリウム遮へい実験データがこの役割を部分的に代替できることを本研究は示唆している。高速炉設計における積分実験データの相互利用の価値が本研究によって証明された。

論文

An Estimation method for an unknown covariance in cross-section adjustment based on unbiased and consistent estimator

丸山 修平; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(11), p.1372 - 1385, 2023/11

A new estimation method of an unknown covariance, which is defined by the difference between the true covariance (the population covariance) and a prior covariance assumed by an analyst, is proposed. The unknown covariance is estimated using an empirical covariance consistent with the observed data. To estimate the unknown covariance, an unbiased and consistent estimator in regression analysis has been incorporated into the conventional cross-section adjustment. This estimator does not require assumptions for the probability distribution of the observation data. The statistical properties of this estimator were numerically verified. In addition, the effectiveness of the proposed method was confirmed by another numerical test using actual integral experimental data. In the second numerical test, the modeling uncertainty (covariance) due to the deterministic analysis method was assumed to be unknown. The results showed that the proposed method could practically estimate the unknown covariance and adjusted cross-sections using only prior information on covariances.

論文

Impact of nuclear data revised from JENDL-4.0 to JENDL-5 on PWR spent fuel nuclide composition

渡邉 友章; 多田 健一; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(11), p.1386 - 1396, 2023/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:96.85(Nuclear Science & Technology)

使用済み燃料の核種組成を計算する燃焼計算は核データに大きく依存する。日本における最新の評価済み核データJENDL-5では多くの核種がJENDL-4.0から修正されており、その修正は燃焼計算に影響を及ぼす。本研究では、燃焼計算におけるJENDL-5の妥当性を確認した。検証には高浜3号機のPIEデータを使用した。JENDL-4.0からJENDL-5への例えば断面積や核分裂収率等のパラメータ変更が核種組成に与える影響を定量的に調査した。計算の結果、JENDL-5はJENDL-4.0と同程度の性能を有することがわかった。また計算結果から、アクチニド核種の断面積、核分裂収率、H$$_{2}$$O中の水素の熱中性子散乱則データの変更がPWR使用済燃料の核種組成に影響を与えることが明らかになった。

論文

Fetal and maternal atomic bomb survivor dosimetry using the J45 pregnant female phantom series; Considerations of the kneeling and lying posture with comparisons to the DS02 system

Domal, S. J.*; Correa-Alfonso, C. M.*; Paulbeck, C. J.*; Griffin, K. T.*; 佐藤 達彦; 船本 幸代*; Cullings, H. M.*; Egbert, S. D.*; 遠藤 章; Hertel, N. E.*; et al.

Health Physics, 125(4), p.245 - 259, 2023/10

原爆被爆者に対する線量評価は、大人・小児・幼児の3体の単純な数学ファントムに基づいて構築されたDS02システムが利用されており、妊婦や胎児に対する詳細な線量評価は行われていかなった。そこで、放射線影響研究所を中心とする日米共同研究チームは、最新の計算科学に基づいて1945年の日本人体型を再現した様々な人体模型(J45シリーズ)を開発し、より精度の高い線量評価を実施してきた。本研究では、様々な週齢の胎児・妊婦人体模型を用いて、その姿勢が被ばく線量に与える影響を検討した。その結果、妊婦の姿勢は、特に胎児の被ばく線量に大きな影響を与えることが分かった。

論文

Comparison of neutronic characteristics of BWR burnup fuel between JENDL-4.0 and JENDL-5

渡邉 友章; 多田 健一; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*

Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 10 Pages, 2023/10

2021年に公開された最新の日本の評価済み核データライブラリであるJENDL-5では、U-235を始めとした重核種や可燃性毒物として燃料に含まれるGd-155及びGd-157の断面積が修正されている。また、燃焼燃料の特性把握に必要不可欠な核分裂収率や崩壊データが全面的に見直されている。本研究では、JENDL-5の妥当性確認の一環として、これらJENDL-5において修正された核データが燃焼燃料の核特性に与える影響を調査した。BWRの9$$times$$9型STEP-3燃料に基づくOECD/NEA燃焼ベンチマークPhase III-CをJENDL-4.0とJENDL-5を用いて解析を行い、両者のk$$_{inf}$$を比較した。その結果、JENDL-5は燃焼を通じてk$$_{inf}$$を小さく評価し、12GWd/tのk$$_{inf}$$のピークあたりで約600pcmの大きな差異が生じること、また20GWd/t以降は燃焼度の増加につれて差異が拡大し、50GWd/tで約600pcmに達することが分かった。また本研究では、核種毎にJENDL-4.0からJENDL-5に核データを入れ替えて計算を行うことで、k$$_{inf}$$の差異にどの核種の核データが寄与しているかを調査した。

論文

Fetal atomic bomb survivor dosimetry using the J45 series of pregnant female phantoms with realistic survivor exposure scenarios; Comparisons to dose estimates in the DS02 system

Paulbeck, C. J.*; 佐藤 達彦; 船本 幸代*; Lee, C.*; Griffin, K. T.*; Cullings, H. M.*; Egbert, S. D.*; 遠藤 章; Hertel, N. E.*; Bolch, W. E.*

Radiation and Environmental Biophysics, 62(3), p.317 - 329, 2023/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Biology)

胎児被ばくした原爆生存者に対する線量評価は、放射線被ばくリスクを評価する上で極めて重要となる。原子力機構、放射線影響研究所、フロリダ大学、米国がんセンターらで構成する研究チームは、これまで、1945年の日本人体型を反映した成人、小児及び胎児を含む妊婦の人体模型を作成し、前方照射や等方照射など理想的な照射条件に対してその被ばく線量を評価してきた。本研究では、原爆線量評価システムDS02に含まれる現実的な照射条件に対して、胎児及び母体の被ばく線量を評価した。その結果、現実的な照射条件においては、胎児の臓器線量は、胎児内での臓器の位置や週齢に大きく依存することが分かった。このような胎児に対する詳細被ばく線量解析結果は、将来の胎児被ばくリスク評価モデルの改訂に役立つと考えられる。

論文

Development of ACE file perturbation tool using FRENDY

多田 健一; 近藤 諒一; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(6), p.624 - 631, 2023/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:56.43(Nuclear Science & Technology)

感度解析や不確かさ評価は評価済み核データの改良にとって重要な役割を担っている。現在の計算機性能の向上によって、連続エネルギーモンテカルロ計算コードを用いた感度解析や不確かさが可能となってきている。そこで本研究では、FRENDYのモジュールを用いて、連続エネルギーモンテカルロ計算コードで用いられるACEファイルの摂動ツールを開発した。本摂動ツールを用いて微視的断面積,核分裂当たりの中性子数,核分裂スペクトルを摂動させることができる。また、ユーザーが共分散データを用意すれば、ランダムサンプリング法を用いた不確かさ解析を行うこともできる。本摂動ツールの検証のため、実効増倍率の不確かさを感度解析コードSCALE/TSUNAMI及びMCNP/KSENと比較した。その結果、本摂動ツールを用いたランダムサンプリング法で得られた不確かさは、SCALE/TSUNAMIやMCNP/KSENとよく一致することを確認した。

論文

Applicability evaluation of Akaike's Bayesian information criterion to covariance modeling in the cross-section adjustment method

丸山 修平; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*

EPJ Web of Conferences, 281, p.00008_1 - 00008_9, 2023/03

炉定数調整法における共分散モデリングの良さを表す指標として、赤池のベイズ情報量規準(ABIC)の適用可能性を検討した。信頼性の高い炉定数調整法において、最も重要な要素の1つは適切な共分散行列を与えることである。しかし、事前に真の共分散行列を知ることはできないため、通常はこれを推定・仮定して炉定数調整を行っている。そのため、共分散行列のモデリングの良し悪しを判断するために何らかの指標があることが望ましい。本論文では、この指標の候補として、ベイズ推定における情報量規準の一つであるABICに着目した。原子力機構ではこれまで、高速炉の積分実験データベースを整備してきており、このデータベースに基づいて高速炉用統合炉定数を作成している。このデータベース内の多くの炉心特性は決定論的手法で解析されており、炉心特性の計算値には数値近似に伴う相関付きの不確かさが付随している。しかしながら、その適切な不確かさと相関の設定は未だ困難な課題の1つである。加えて解析者が認識できていない未知の不確かさも存在している。これらの不確かさに関連する共分散行列の良否を判断するため、ABICの炉定数調整法への適用性を数値的に検討した。

論文

Development of a robust nuclear data adjustment method to outliers

福井 悠平*; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*; 丸山 修平

EPJ Web of Conferences, 281, p.00006_1 - 00006_9, 2023/03

外れ値を含む実験データの新しい核データ調整方法を開発した。本手法は感度係数を用いた従来の核データ調整法にロバスト推定の一種であるM推定を適用することで、外れ値の影響を軽減するものである。本論文では、M推定に基づいて重み付けされた核データ調整式を導出し、重み付けの計算方法を開発した。各実験データの重みは、核特性の測定値と計算値の差から計算される。この重みは特異値分解を用いて核特性間の相関を考慮することにより評価することができる。さらに、提案手法と従来手法を双子実験により比較検証した。双子実験では、核データは意図的に外れ値を含む実験データを使用した。結果、外れ値を含む実験データであっても核データがロバストかつ適切に調整されていることを確認した。

論文

Development of nuclear data processing code FRENDY version 2

多田 健一; 山本 章夫*; 国枝 賢; 今野 力; 近藤 諒一; 遠藤 知弘*; 千葉 豪*; 小野 道隆*; 東條 匡志*

Journal of Nuclear Science and Technology, 10 Pages, 2023/00

核データ処理コードは評価済み核データライブラリと放射線輸送計算を繋げる重要なコードである。核データ処理コードFRENDY第1版は簡単な入力データを用いてACE形式の断面積ファイルを生成するために2019年に公開された。FRENDY第1版の公開後、中性子多群断面積の生成、物質中の異なる核種間の共鳴干渉効果の考慮、共鳴上方散乱の考慮、ACEファイルの摂動、ENDF-6形式ファイルの修正など、多くの機能が開発された。これらの新機能をまとめ、FRENDY第2版を公開した。FRENDY第2版では、ACE形式の断面積ファイルからGENDF及びMATXS形式の中性子多群断面積ファイルを生成する。本論文では、FRENDY第2版で実装された新機能と本コードの中性子多群断面積生成機能の検証について説明する。

論文

Impact of uncertainty reduction on lead-bismuth coolant in accelerator-driven system using sample reactivity experiments

方野 量太; 大泉 昭人; 福島 昌宏; Pyeon, C. H.*; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*

Nuclear Science and Engineering, 20 Pages, 2023/00

京都大学臨界集合体A架台で測定された鉛ビスマスサンプル反応度を用いたデータ同化によって加速器駆動システムの冷却材ボイド反応度の鉛ビスマス非弾性散乱断面積に起因した不確かさを低減できることを実証した。サンプル反応度について、データ同化の式中に現れる実験不確かさと相関を再評価し、結果を明示した。不確かさ評価に用いる感度係数はMCNP6.2で評価し、データ同化はMARBLEを用いて実行した。鉛ビスマスに対してサンプル反応度は感度係数が大きいため、加速器駆動システムの冷却材ボイド反応度の断面積起因不確かさを6.3%から4.8%まで減少させ、本研究で設定した暫定的な目標精度5%を達成できることを示した。さらに、ADJ2017に使用された積分実験データを用いることで、マイナーアクチニドや鉄など他の支配的な核種に起因する不確かさを効果的に低減できることを示した。

論文

Implementation of resonance upscattering treatment in FRENDY nuclear data processing system

山本 章夫*; 遠藤 知弘*; 千葉 豪*; 多田 健一

Nuclear Science and Engineering, 196(11), p.1267 - 1279, 2022/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:33.72(Nuclear Science & Technology)

核データ処理コードFRENDYの多群断面積生成機能に、共鳴上方散乱効果を組み込んだ。共鳴上方散乱効果は、超詳細群スペクトルの変化による自己遮蔽因子の変化と、弾性散乱断面積の変化により考慮される。検証計算では、超詳細群スペクトル、実効断面積、ドップラー効果への影響を確認した。また、エネルギー群構造や、共鳴上方散乱の取り扱いが、実効断面積と弾性散乱行列の変化を通じてドップラー効果に及ぼす影響について調査した。これらの検討の結果、FRENDYで共鳴上方散乱を考慮した多群断面積を適切に生成できることが分かった。

論文

Sensitivity coefficient evaluation of an accelerator-driven system using ROM-Lasso method

方野 量太; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*

Nuclear Science and Engineering, 196(10), p.1194 - 1208, 2022/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:33.72(Nuclear Science & Technology)

本研究では、炉心核特性の核反応断面積に対する感度係数を効率的に行うROM-Lasso法を提案した。本手法は、求めたい感度係数ベクトルを、Reduced Order Modeling (ROM)の考えた方に基づき、Active Subspace (AS)と呼ばれる部分空間基底で展開する。その後、各展開係数をランダムサンプリングにより得られる多数の微視的多群断面積摂動セットと炉心核特性を用いたLasso線形回帰によって求める。本手法はForward計算のみ実施するためAdjoint法の適用が困難な場合でも適用が可能である。さらに、ASは感度係数ベクトルをより少ない次元数で再現する実効的な部分空間であり、元の次元数(入力パラメータ数)より大幅に未知数を削減することから、ASを用いないLasso推定と比較し劇的に計算コストを改善する。本論文では検証計算としてADS燃焼計算における感度係数評価を行い、ASを求める具体的な処方を示し、提案手法の適用性を示した。

論文

研究用原子炉JRR-3におけるRI製造の再開

遠藤 章

Isotope News, (781), P. 3, 2022/06

日本原子力研究開発機構原子力科学研究所の研究用原子炉JRR-3は、2021年2月に10年ぶりに運転を再開した。その後調整運転を経て、7月から11月まで実験装置や照射設備の利用を行い、2021年の運転を計画通り終了した。この期間、Ir-192, Au-198を製造し治療用に供給するとともに、Mo-99製造に向けた試験照射にも着手した。これは、東日本大震災以降、国内で止まっていた原子炉によるRI製造の再開である。本稿では、JRR-3を利用した医療用RI製造の今後の取り組みについて紹介する。

論文

Development of nuclear data processing code FRENDY version 2

多田 健一; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*; 千葉 豪*; 小野 道隆*; 東條 匡志*

Proceedings of International Conference on Physics of Reactors 2022 (PHYSOR 2022) (Internet), 10 Pages, 2022/05

核データ処理は評価済み核データライブラリと輸送計算コードを繋ぐ重要なインターフェースである。原子力機構では、新しい核データ処理コードFRENDYの開発を2013年から開始し、PHITSやSerpent、MCNPといった連続エネルギーモンテカルロ計算コード用のACEファイルを生成可能なFRENDY第1版を2019年に2条項BSDライセンスのオープンソースソフトウェアとして公開した。FRNDY第1版を公開後、中性子入射の多群断面積生成、非分離共鳴断面積の確率テーブルに対する統計的不確かさの定量化、ACEファイルの摂動、ENDF-6形式の核データファイルの編集など、様々な機能を開発してきた。これらの機能をFRENDYに実装し、第2版として公開した。本発表では、FRENDYの概要とFRENDY第2版で新たに実装された機能について紹介する。

論文

Proposal and application of ROM-Lasso method for sensitivity coefficient evaluation

方野 量太; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*

Proceedings of International Conference on Physics of Reactors 2022 (PHYSOR 2022) (Internet), p.2032 - 2041, 2022/05

ADS炉心核特性の反応断面積に対する感度係数評価を、炉心解析システムに大幅な変更を加えることなく効率よく行うために、ROM-Lasso法を提案した。ROM-Lasso法では、まず感度係数ベクトルはAcitve Subspace (AS)と呼ばれる部分空間基底に展開され、実効的な未知数を大幅に削減する。続いて、ランダムサンプリングを実行して得られる炉心核特性と展開係数との罰則化線形回帰分析を通じて展開係数を決定し、感度係数ベクトルを推定する。ROM-Lasso法ではASを用いることで必要な炉心計算回数を大幅に低減することができる。本発表では燃焼末期の冷却材ボイド反応度の感度係数評価を例に、サンプル数やASの取り方で推定精度がどのように変化するかを示す。

論文

Japanese pediatric and adult atomic bomb survivor dosimetry; Potential improvements using the J45 phantom series and modern Monte Carlo transport

Griffin, K. T.*; 佐藤 達彦; 船本 幸代*; Chizhov, K.*; Domal, S.*; Paulbeck, C.*; Bolch, W.*; Cullings, H. M.*; Egbert, S. D.*; 遠藤 章; et al.

Radiation and Environmental Biophysics, 61(1), p.73 - 86, 2022/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:56.71(Biology)

原爆生存者に対する線量評価は、放射線被ばくリスクを評価する上で極めて重要となる。原子力機構,放射線影響研究所,フロリダ大学,米国がんセンターらで構成する研究チームは、これまで、1945年の日本人体型を反映した成人,小児及び胎児を含む妊婦の人体模型を作成し、前方照射や等方照射など理想的な照射条件に対してその臓器線量を評価してきた。本研究では、原爆線量評価システムDS02に含まれる現実的な20照射条件に対して、成人及び小児の臓器線量を詳細に評価した。その結果、全線量は、造血組織,結腸,胃壁に関しては、従来手法(DS92)と比較してそれぞれ20%, 20%、及び15%の違いがあることが分かった。また中性子線量だけに着目すると、最大で2倍程度の差があることが分かった。

論文

Adaptive setting of background cross sections for generation of effective multi-group cross sections in FRENDY nuclear data processing code

山本 章夫*; 遠藤 知弘*; 多田 健一

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(12), p.1343 - 1350, 2021/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:16.97(Nuclear Science & Technology)

背景断面積の自動設定機能を多群断面積処理コードFRENDY/MGに実装した。背景断面積の自己遮蔽因子の依存性はエネルギー群,反応タイプ,核種ごとに大きく異なることから、自動的な背景断面積の設定は難しく、試行錯誤を繰り返してきた。本手法では、背景断面積を初期に10点設定し、そこから自己遮蔽因子の内挿誤差を考慮して削除や中点追加を繰り返すことで、自動的に背景断面積を設定する。また、本手法では、内挿法として、monotone cubic interpolation法を採用した。本手法を用いることで、線形内挿の場合に比べて少ない背景断面積で高精度に自己遮蔽因子を内挿できることが分かった。本手法を用いてJENDL-4.0及びJENDL-4.0uに含まれる全核種において背景断面積を計算したところ、10から25点で内挿誤差1%以下で自己遮蔽因子が計算できることが分かった。

論文

Multi-group neutron cross section generation capability for FRENDY nuclear data processing code

山本 章夫*; 多田 健一; 千葉 豪*; 遠藤 知弘*

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(11), p.1165 - 1183, 2021/11

 被引用回数:7 パーセンタイル:85.57(Nuclear Science & Technology)

核データ処理コードFRENDYに中性子入射の多群断面積ライブラリ作成機能を実装した。FRENDYは既にACE形式の断面積ライブラリ作成機能を有していることから、ENDF形式ではなく、ACE形式を起点として多群断面積ライブラリを作成する。多群断面積ライブラリ作成機能の検証のため、NJOYと処理結果を比較した。比較に用いた評価済み核データライブラリはJENDL-4.0, -4.0u, -5$$alpha$$4, ENDF/B-VII.1, -VIII.0, JEFF-3.3、そしてTENDL-2019である。FRENDYで生成した多群断面積は、NJOYで生成した多群断面積とよく一致し、またFRENDYで生成した多群断面積を用いた核計算結果は、MCNPの結果とよく一致した。このことから、FRENDYで適切に多群断面積ライブラリを作成することが可能となった。

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