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小松 輝久; 稲垣 紫緒*; 中川 尚子*; 那須野 悟*
Physical Review Letters, 86(9), p.1757 - 1760, 2001/02
被引用回数:251 パーセンタイル:97.52(Physics, Multidisciplinary)粉体集団は通常の流体や固体とは異なった振る舞いをする。例えば、「なだれ」などはその例である。この現象は普通、動かない固体層のうえに流れる流体層があるという描像で認識されてきたが、この描像の真偽を実際に詳しく調べることは、粉体集団の振舞を理解するひとつの鍵になると期待される。われわれは、表層なだれ流が定常的に流れている粉体積層を実験的に調べた。これまで表層流の下は、カッチリと固まって流れない領域が存在すると信じられてきたが、われわれは、そのような流域が存在しないという結果を得た。本論文でわれわれは、積層中の深い領域の粒子でさえ、非常にゆっくりと流れており、そのような運動が任意の深さで検出され得ることを報告する。この遅い運動の平均速度は深さの指数関数で減衰する。特徴的な減衰長は粒子サイズ程度で流量に依存していない。われわれの観測したこの遅い運動は剪断応力下にある粉体一般の性質であると思われる。