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岡野 正紀; 久野 剛彦; 高橋 一朗*; 白水 秀知; Charlton, W. S.*; Wells, C. A.*; Hemberger, P. H.*; 山田 敬二; 酒井 敏雄
JAEA-Technology 2006-055, 38 Pages, 2006/12
使用済燃料のせん断及び溶解時に発生するオフガス成分の1つであるXeの同位体比は、おもに原子炉内での核反応の進行度に依存し、燃料の特性と相関を持つことが知られている。ロスアラモス研究所では、再処理施設から大気中に放出されたオフガス中のXe同位体比を測定することにより、燃料特性(炉型,燃焼度,核種組成等)に関する情報を算出できる解析コード(NOVA)を開発してきた。Xe同位体比測定とNOVAにより、処理した使用済燃料の炉型,燃焼度及びPu量を評価する技術が確立できれば、再処理施設の遠隔監視等が可能となり、保障措置技術の一つのオプションとして期待できる。しかしながら、再処理工程内のオフガス中のXe同位体比の実測データによるNOVAの検証はなされていない。本件では、東海再処理施設の溶解オフガス中のXe同位体比を測定し、NOVAを用いて、使用済燃料の燃焼度及びPu量の評価手法としての可能性を確認した。この結果、BWR燃料であることが推定され、発電所側から示された燃焼度と-3.8%7.1%で一致した。Pu量は、燃焼度からORIGENコードを用いて計算した値と-0.9%4.7%の差で一致した。
神谷 富裕; 酒井 卓郎; 平尾 敏雄; 及川 将一*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 181(1-4), p.280 - 285, 2001/07
被引用回数:2 パーセンタイル:21.1(Instruments & Instrumentation)原研高崎の重イオンマイクロビーム・シングルイオンヒットシステムを用いて、Si PINダイオードの局所領域にMeVエネルギーの重イオンを繰り返し入射することにより過渡電流波高をすべて計測し、照射損傷に由来する波高の減衰を観察した。その減衰傾向を特徴づけるため、統計関数ワイブル分布関数を導入し、データ解析を行った。mレベルで照射面積を変化させた場合、明らかな減衰傾向の違いが見られ、実験データから照射損傷と電荷収集の平面方向の広がりに関する情報を引出し得ることが示唆された。これらの測定を再現するために単純なモデルによるモンテカルロシミュレーションも試みた。発表では、照射実験、データ解析及びシミュレーションについて述べ議論する。
神谷 富裕; 酒井 卓郎; 内藤 豊*; 平尾 敏雄
第11回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.126 - 128, 1999/01
3MWタンデム加速器のビームライン上に設置した重イオンマイクロビーム装置を用いたシングルイオンヒット技術を確立した。これを基に、試料に対してプログラムしたヒット位置と個数に従って自動的にシングルイオン照射するシステムを製作した。ビームのパルス化を制御するパルスジェネレータは、MCPからのシングルイオン検出信号を数えるカウンターと連動し、カウンターが動作中の時のみイオンの入射が許可される。また、イオンの入射がプリセット値に達した瞬間に後続の入射が禁止される。この制御機能がマイクロビーム走査の制御プログラムに組み込まれることにより、イオンを予め入力した個数と位置のデータに基づいて自動的に次々と打ち込むことが可能となった。本システムを用いて15MeVのNiイオンをCr-39上に微細なだるま状のヒットパターンで自動照射することに成功している。
大澤 英昭; 佐藤 努*; 酒井 隆太郎; 大澤 英昭; 児玉 敏雄*
日本水文科学会誌, 29(1), p.13 - 24, 1999/00
淡路島では1995年兵庫県南部地震の後に、活断層や地質境界上で大量の地下水が湧出した。一方、島の内陸の標高の高い地域では、顕著な地下水位の低下が起きている。これらの現象は、地下水帯水層の透水係数の増加によって生じたと考えられている。このことを証明するために、我々は異常湧水の酸素・水素同位体比の分析を行い、異常湧水の涵養域の標高の推定を行った。その結果、推定された涵養域の標高は、異常湧水の標高とは明らかに違うことがわかり、その標高は地下水位が顕著に低下した標高とほぼ一致する。しかし東浦断層沿いの異常湧水においては、推定される涵養域の標高は異常湧水の標高とほぼ同じであった。この理由について、楠本断層による地下水流動の遮断の影響の可能性が考えられる。
神谷 富裕; 酒井 卓郎; 内藤 豊*; 浜野 毅*; 平尾 敏雄
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 158(1-4), p.255 - 259, 1999/00
被引用回数:6 パーセンタイル:46.78(Instruments & Instrumentation)原研高崎重イオンマイクロビーム装置において、マイクロビーム走査、試料描画及びシングルイオンヒットシステムが組み合わされて自動ビーム照準シングルイオン照射システムが製作された。これを用いてあらかじめ設定された任意のヒットパターンで短時間にかつ自動的に試料へのシングルイオン照射が可能である。この技術は、シングルイベント過渡電流測定等により、1つ1つのイオンの入射に伴う個々の照射損傷を評価するために確立されたものである。今回の実験では、固体飛跡検出器CR-39を用いて、シングルイオンヒットパターンと照射位置精度の評価を行った。また、粒子検出器としてのSi PINフォトダイオードへの同一ヒットポイントへのくりかえしシングルイオン照射によって、個別の損傷の蓄積効果を観察した。
平尾 敏雄; 浜野 毅*; 酒井 卓郎; 梨山 勇
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 158(1-4), p.260 - 263, 1999/00
被引用回数:9 パーセンタイル:57.23(Instruments & Instrumentation)従来よりSOI素子構造は、上層シリコン層が薄いためにイオンの入射によって発生する電荷の収集が少ないなどの理由によりシングルシベント耐性に強く耐シングルイベント素子として注目されている。本内容は炭素と酸素の重イオンマイクロビームを、トップシリコン層が5.7mのSOI試料に入射して収集電荷を求めた。その結果SOI構造を持つ試料では、イオンの飛程がトップシリコン層以上であっても収集される電荷は、トップシリコン層の幅に依存するとの結果が得られた。このことは、トップシリコン層の幅を制御することでシングルイベント効果を低減できるとの見通しを立てることができた。本講演ではこれらの実験結果と高帯域測定手法について報告を行う。
神谷 富裕; 酒井 卓郎; 内藤 豊*; 濱野 毅*; 平尾 敏雄
F-113-'98/NIES, p.60 - 63, 1998/00
原研高崎の重イオンマイクロビームの装置においては、半導体素子のシングルイベント効果の研究のためにシングルイオンヒットシステムの開発を行ってきた。これまでMCP二次電子検出器による100%のシングルイオン検出効率と、ビームパルス化によるノイズ低減化を達成し、多重ヒット、ミスヒットの抑制に成功した。また、目的とする実験を効率よく行うため、試料へのビーム照準とイオンヒット個数の自動制御システムを製作した。これは従来のマイクロビーム走査二次電子マッピングシステムにカウンター制御機能を付加したもので、これによりマイクロビーム走査エリア内において任意の照射位置を予め設定して任意の個数ずつ入射イオンを数えながら順次打ち込むことが可能となった。これらのことを実証するためにCR-39への重イオンマイクロビームのシングルイオン照射実験を行った。
酒井 卓郎; 浜野 毅*; 平尾 敏雄; 神谷 富裕; 室園 廣介*; 井上 淳一*; 松山 成男*; 岩崎 信*; 石井 慶造*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 136-138, p.390 - 394, 1998/00
被引用回数:18 パーセンタイル:79.15(Instruments & Instrumentation)市販のパーソナルコンピューター(PC)とADコンバーター(ADC)を用いた、多ch同時検出システムの開発を行った。このシステムは高速データ取り込みとオンラインでのデータ処理を行うため、最新のCPUと大容量のメモリ(128MBy tes)が搭載されている。このシステムを原研高崎に設置されている、軽・重イオンマイクロビーム形成装置に適用することにより、PIXEやRBSによる微細領域における2次元元素分析や、半導体素子中に重イオン照射により生成される電荷収集の分布を2次元(IBIC)で観測することが可能になった。
濱野 毅*; 平尾 敏雄; 梨山 勇; 酒井 卓郎; 神谷 富裕; 武部 雅浩*; 石井 慶造*
Radiation Physics and Chemistry, 53(5), p.461 - 467, 1998/00
被引用回数:1 パーセンタイル:15.03(Chemistry, Physical)イオンマイクロビームを半導体素子や生体細胞等の微小対象物の照射に用いる場合、イオン一個についてまでの正確な照射領域の評価が必要となる。本論文では、CR-39に重イオンマイクロビームを入射させ、試料に形成されたエッチピットの観察からビームプロファイルモニターとしてCR-39の有用性を検討している。その結果、マイクロビーム照射で見られるビーム飛散を測定できたことより、微小領域照射を行う場合、従来の二次電子像によるビームプロファイル結果をマイクロビーム径として扱う場合、それは半値幅の約2.6倍であることが分かった。以上の結果について実験方法及び測定結果等について報告を行う。
酒井 卓郎; 浜野 毅*; 須田 保*; 平尾 敏雄; 神谷 富裕
JAERI-Conf 97-003, 00(00), p.451 - 453, 1997/00
重イオンマイクロビーム装置において、試料の任意の位置に、イオンを1個1個入射することができるシングルイオンヒットシステムの開発を行っているが、このための検出器には、シングルイオンの検出効率が高く、誤計数を防ぐため、低ノイズであることが要請される。このための検出器として、一対のマイクロチャンネルプレート(MCP)と炭素薄膜を組み合わせた検出器を開発した。これは、イオンが炭素薄膜を通過する際と試料に入射したときに発生する2次電子をそれぞれのMCPで検出して、この信号を高速同時計数回路により処理し、ノイズや暗電流による誤計数を防ぐ機構になっている。この検出器の検出効率は15MeV Siイオンで半導体検出器に対して、100%以上の効率があることが確認でき、ノイズも一組のMCPに比較して3桁以上低減することができた。
神谷 富裕; 酒井 卓郎; 浜野 毅*; 須田 保*; 平尾 敏雄
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 130(1-4), p.285 - 288, 1997/00
被引用回数:12 パーセンタイル:67.93(Instruments & Instrumentation)原研高崎のTIARAでは、マイクロビーム形成・照射技術の開発を行っている。ビーム形成では、軽イオンで0.3mm以下、重イオンで1m以下を達成している。マイクロビームの試料への照射は、コンピューター制御の静電型走査方式で行われる。このシステムを評価するため、固体飛後検出器であるCR-39にマイクロビームを照射し、エッチング後の照射痕を顕微鏡で観察し、その精度の評価を行った。また、この照射技術を用いて、CR-39上に文字を描いた結果について報告した。
酒井 卓郎; 浜野 毅*; 須田 保*; 平尾 敏雄; 神谷 富裕
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 130(1-4), p.498 - 502, 1997/00
被引用回数:15 パーセンタイル:74.12(Instruments & Instrumentation)宇宙空間で半導体素子に生ずる、シングルイベント効果等の単一重イオンにより発生する現象を解析するためには、1m以下の空間分解能で試料の任意の位置にシングルイオンを入射することができる技術を開発する必要がある。これを行うため、重イオンマイクロビームのパルス化を行い、このパルス幅で検出系にゲートをかけて、ノイズの低減を行い、シングルイオンの試料への入射の検知、制御を行う技術を開発した。このシングルイオンヒット技術の精度を固体飛跡検出器で調べた結果と、望遠顕微鏡でシングルイオンを試料上に照準する技術の開発状況について述べた。
酒井 卓郎; 濱野 毅*; 平尾 敏雄; 神谷 富裕
第9回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, 0, p.60 - 63, 1996/00
原研高崎では、高エネルギー重イオンの入射でビット反転等が引き起こされるシングルイベントを解析するため、シングルイオンヒット技術の開発を進めている。このためには、イオンの試料への入射を確実に検知する必要がある。この検出器として炭素膜と試料へのイオンの入射により発生する2次電子を検出し、コインシデンスをとりノイズによる誤計数を防ぐ検出システムを開発した。このシステムにより、シングルイオンを試料に入射することには成功したが、炭素膜中での散乱により、ビーム径を1mに保つことができないことが判明した。このため炭素膜を取り除き、ビームパルス化システムを取り付け、このパルスのトリッガーと試料よりの2次電子の検出信号でシングルイオンの試料への入射を制御するシステムを製作中であり、そのための方法について議論する。
朝倉 祥郎*; 宮原 顕治; 和地 勇*; 広木 俊男*; 照沼 知之*; 佐藤 富雄*; 田中 和彦*; 酒井 敏雄*
PNC TN852 81-17, 427 Pages, 1981/04
再処理工場における各種工程に関する日常分析方法についてマニアル化したものである。本編は,特に工程分析関係の分析方法について編集したもので,1978年の初報に続く第2報である。内容は,再処理工程試料中のウラン,プルトニウム,全アルファ,全ベータ,全ガンマ,遊離酸,全酸,水酸基,炭酸,ヒドラジン,亜硝酸,油分,TBP,DBP および不純物の分析操作手順について記述した。
小泉 益通; 成木 芳; 増田 純男; 成田 大祐*; 高信 修*; 鈴木 隆平*; 今井 忠光*; 酒井 敏雄*
PNC TN841 75-21, 104 Pages, 1975/06
我が国で、はじめてのプルトニウム燃料集合体の商業炉による照射実証試験として、美浜1号炉による照射試験がウエスチングハウス社と関西電力kkとの間に計画され、このプロジェクトにPNCはWH社との契約により4体の集合体(合計716ピン)の一部である4ピンを製造加工する形で参加した。美浜一号炉は稼動中の商業炉であり、これにプルトニウム燃料を装荷するという初の試みであることから燃料の健全性に関する仕様は厳しく、折も折、GINNA炉で燃料の炉内焼しまりによる燃料ピンの破損が発見されて以来(1972年4月)相次いで起った加圧水型炉における燃料ピンの破損の原因がペレットの性能に問題があるということが指摘された。その為に仕様として照射中のペレットの高密度化現象(Densification)を抑えるという対策でペレットを製造する過程で充分焼結(1700度C8時間)を進行させておくことが新たに附加せられた。製造計画は1973年2月に提示された仕様を検討することから出発し品質管理基準、製造条件決定のため10数回にわたるWH社との手紙による交信及び来日したWH担当者との打ち合わせによる相互の理解のもとに同年8月にはペレットの製造を終え、8月末WH担当者のペレット検査を受け、9月中旬合格の通知を受けた。
小泉 益通; 成木 芳; 中島 恒*; 成田 大祐*; 高信 修*; 今井 忠光*; 酒井 敏雄*; 佐々木 進*
PNC TN841 74-21, 165 Pages, 1974/07
ペレットの仕様20%PuO2-80%UO2(65%EU),密度85%T.D.の照射試験用のものが燃料ピンとして約20本分がUO2粉とPuO2粉の機械混合プロセスで製造された。65%EUO2は90%EUO2とNUO2とを混合して調製された。この製造では大量生産という点は二義的に考え,X線的に見たUO2とPuO2との固溶度ということに重点を置いて,PuO2粉とUO2粉の混合条件に留意して製造をおこなった。また密度調整はナフタリンを粉末に添加しておこなった。予備試験の結果,湿式ボールミル混合(8時間),2.7%ナフタリン添加,1700,2時間焼結で満足すべきペレットが得られた。しかし本番になってSUSボール,ポットからP2が仕様以上に多く混入する場合もあることが判名。それ故粉末の混合条件の変更を余儀なくされたり,また得られる焼結密度にかなりロット内のバラツキが大きいことが判り,結果的に当初予定していたより製造ロット数が多くなった。また製造期間中センタレスグラインダーが故障したが,ボックス内の困難な作業も技術係の応援を得て克服し,修理した。
北尾 貴彦; 根本 弘和*; 山田 敬二; 酒井 敏雄
no journal, ,
東海再処理施設抽出工程におけるネプツニウムの迅速な定量分析法の確立を目的として、ウラン,プルトニウムが共存する硝酸溶液中の線スペクトロメトリによるネプツニウムの定量分析を試みた。
北尾 貴彦; 根本 弘和*; 山田 敬二; 酒井 敏雄
no journal, ,
東海再処理施設抽出工程におけるネプツニウムの迅速な定量分析法の確立を目的として、ウラン,プルトニウムが共存する硝酸溶液中の線スペクトロメトリによるネプツニウムの定量分析を試みた。本法を東海再処理施設の実試料に適用し、その迅速性・簡便性を確認した。
桑名 宏一; 山田 敬二; 酒井 敏雄
no journal, ,
東海再処理施設における分析技術は各施設の運転,技術開発等に極めて重要な技術であり、これまで多くの分析データを提供してきた。これらの分析データは、再処理施設の安全,安定運転に寄与してきた。本報では、工程管理分析の概要及びこれまでの運転を通して培った分析方法と分析装置の開発成果について紹介する。
岡野 正紀; 久野 剛彦; 山田 敬二; 酒井 敏雄
no journal, ,
再処理施設における使用済燃料の燃焼度及びプルトニウム量評価技術として、オフガス中のキセノン同位体比相関法の適用を試みた。今回は東海再処理施設の溶解オフガスに含まれるキセノンを対象とし、キセノン同位体比の測定値から燃焼度及びプルトニウム量を解析コードで評価し、本法の適用性を確認した。