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竹内 正行; 佐野 雄一; 中島 靖雄; 内山 軍蔵; 野島 康夫*; 藤根 幸雄*
Journal of Energy and Power Engineering, 7(6), p.1090 - 1096, 2013/06
本研究では、再処理機器の経年変化に関する評価に資する目的で、高温硝酸凝縮液中のTi-5Ta合金の長期耐食性の評価及び加熱硝酸溶液中の金属塩による耐食性への影響について調査した。硝酸凝縮部を対象とした11,000時間に渡る腐食試験の結果から、加熱硝酸濃度の増大に応じて凝縮部の腐食速度も増大するものの、各硝酸濃度条件におけるTi-5Ta合金の腐食速度はほぼ一定であり、腐食形態としては全面腐食の形態を呈した。このことから、硝酸腐食の観点からの機器寿命は運転中の腐食速度を外挿することにより概略的に評価することが可能である。また、硝酸蒸気濃度は加熱溶液中の金属塩の影響で増大し、中でもその原子価が大きいほど硝酸蒸気濃度は高くなることがわかった。この影響は金属イオンの水和特性と密接に関連し、Ti-5Taの重要な腐食加速因子となることを明らかにした。なお、本内容は国際会議ICONE-20で発表したものであり、事務局からの推薦により、論文投稿を行うものである。
加藤 千明; 上野 文義; 山本 正弘; 伴 康俊; 内山 軍蔵; 野島 康夫*; 藤根 幸雄*
ECS Transactions, 53(21), p.45 - 55, 2013/05
被引用回数:2 パーセンタイル:76.38(Electrochemistry)再処理プロセス溶液に含まれるネプツニウムイオンは、ステンレス鋼の腐食を加速するアクチノイドの1つである。しかし、沸騰硝酸中に含まれる微量のネプツニウムイオンがステンレス鋼の腐食を加速するメカニズムは不明な点がある。ネプツニウムには、硝酸水溶液でいくつかの原子価状態が存在することから、電気化学試験とスペクトル分析を同時に測定可な小型セルを用いて、ステンレス鋼の分極曲線とネプツニウムイオンの原子価状態を比較した。その結果、Npイオンの存在によりステンレス鋼のカソード反応が活性化された。またNp(V)は沸騰3M硝酸中で容易にNp(VI)となり、腐食反応が生じない限り還元されないことが明らかとなった。ネプツニウム(VI)は沸騰3M-HNOで再酸化することで、ステンレス鋼のカソード反応を維持し腐食を加速することが明らかとなった。
竹内 正行; 佐野 雄一; 中島 靖雄; 内山 軍蔵; 野島 康夫*; 藤根 幸雄*
Proceedings of 20th International Conference on Nuclear Engineering and the ASME 2012 Power Conference (ICONE-20 & POWER 2012) (DVD-ROM), 6 Pages, 2012/07
本研究では、再処理機器の経年変化に関する評価に資する目的で、高温硝酸凝縮液中のTi-5Ta合金の長期耐食性及び加熱硝酸溶液中の金属塩による耐食性への影響について調査した。硝酸凝縮部を対象とした11,000時間に渡る浸漬腐食試験の結果から、加熱硝酸濃度の増大に応じて凝縮部の腐食速度も増大するものの、各硝酸濃度条件におけるTi-5Taの腐食速度はほぼ一定であり、腐食形態としては全面腐食を呈していた。このことから、硝酸腐食の観点からの機器寿命は運転中の腐食速度を外挿することにより概略的に評価することが可能であると判断した。また、凝縮液(加熱蒸気)の硝酸濃度は加熱溶液中の金属塩の影響により増大することがわかり、中でもその原子価数が大きいほど硝酸蒸気の濃度は高くなることがわかった。この影響は金属イオンの水和特性と密接に関連するとともに、Ti-5Taの重要な腐食加速因子であることを明らかにした。
上野 文義; 白石 啓宜; 井上 峻; 本岡 隆文; 加藤 千明; 山本 正弘; 内山 軍蔵; 野島 康夫*; 藤根 幸雄*
Proceedings of 20th International Conference on Nuclear Engineering and the ASME 2012 Power Conference (ICONE-20 & POWER 2012) (DVD-ROM), 8 Pages, 2012/07
PUREX法の核燃料再処理プラントでは、加熱部の伝熱条件において沸騰硝酸溶液により厳しい腐食が生じる。本報告では、溶解槽や濃縮缶の加熱部におけるステンレス鋼の腐食速度に及ぼす表面温度と熱流束の影響について実験により検討した。著者らは、表面温度と熱流束の二つの因子に着目した。これらの因子を検討するため、伝熱条件と浸漬条件での腐食試験セルを用い、大気圧条件下の沸騰温度にて、V(V)を33mol/m添加した3kmol/m硝酸溶液を用いて試験を行った。熱流束と溶液と表面の温度差との関係を示す沸騰曲線を実験により調べ、この沸騰曲線を用いて沸騰条件での表面温度を推定した。測定した腐食速度と二つの因子との関係を検討した結果、腐食速度は熱流束に依存せず、表面温度に依存することが明らかとなった。腐食速度のアレニウスプロットによると、溶液の沸騰により非沸騰に対して腐食が加速されることが示された。
横山 賢一*; 村田 佑介*; 椎森 芳恵*; 酒井 潤一*; 山本 正弘; 内山 軍蔵; 野島 康夫*; 藤根 幸雄*
腐食防食協会第58回材料と環境討論会講演集, p.11 - 12, 2011/09
使用済核燃料再処理施設で用いられる純Ti、及びTi-5Taについて、水素ぜい化特性を引張試験と、定荷重試験によって評価した。両材料とも、室温付近の水素吸収は試料表面に水素化物を生成するだけで、試料内部への影響は少ないと考えられるが、定荷重試験では弾性範囲域の応力負荷であってもき裂が発生し伝播することを示した。また、Ti-5Ta合金は、純Tiに比べるとき裂の発生と伝播が遅いため水素ぜい化特性に優れることが示唆された。
三村 達矢*; 西方 篤*; 水流 徹*; 山本 正弘; 内山 軍蔵; 野島 康夫*; 藤根 幸雄*
腐食防食協会第58回材料と環境討論会講演集, p.15 - 16, 2011/09
使用済核燃料の再処理施設においては腐食環境を考慮し純Ti及びTi-5Taを使用した機器が存在する。これらの機器が水の放射線分解で生成した水素を吸収してぜい化する可能性を検討している。そこで、再処理溶液中での水素の安定性を評価することを目的とし、溶液中の水素溶解度について、水素ガスを飽和させた硝酸塩溶液中でチャンネルフロー電極法によりアノード分極曲線をとり、水素溶解度を決定する方法を検討した。
椎森 芳恵*; 酒井 潤一*; 横山 賢一*; 本岡 隆文; 内山 軍蔵; 野島 康夫*; 藤根 幸雄*
腐食防食協会第58回材料と環境討論会講演集, p.13 - 14, 2011/09
再処理環境下では水溶液の放射線分解によって水素が発生するが、発生水素量とチタン及びチタン合金の水素吸収量との対応は明らかではない。本研究では、カソードチャージ法によりチタン材に水素添加するとともに、放射線照射による発生水素をチタン材に水素添加することで、発生水素量と水素吸収量の対応の比較検討を行った。放射線照射によって発生した水素のごく一部がチタン材に吸収されることを明らかにした。水素吸収率の差異は金属表面における水素濃度の違いによって生じることが示唆された。
加藤 千明; 上野 文義; 山本 正弘; 袴塚 保之; 伴 康俊; 森田 泰治; 内山 軍蔵; 野島 康夫*; 藤根 幸雄*
材料と環境, 60(2), p.69 - 71, 2011/02
再処理プロセス溶液に含まれるPuやNpの金属イオンは、沸騰硝酸中で高次の酸化状態となりステンレス鋼の腐食を加速する可能性がある。これらの元素は放射性物質であり、その取扱いは容易ではない。しかし、その電気化学的な挙動と金属イオンの酸化状態を把握することは腐食評価のうえで重要である。そのために、非常に少量の溶液で腐食挙動を評価することが求められる。今回、沸騰硝酸溶液中における放射性の金属イオン種の酸化状態並びにステンレス鋼の腐食挙動を評価する目的で、分光分析による原子価状態測定と電気化学測定を同一セル内で実施可能な分光分析機能付き少量試験セルを開発し、電気化学測定と分光測定を行い、電気化学的な挙動データを取得することを可能にした。
加藤 千明; 上野 文義; 山本 正弘; 袴塚 保之; 伴 康俊; 森田 泰治; 内山 軍蔵; 野島 康夫*; 藤根 幸雄*
腐食防食協会第57回材料と環境討論会講演集, p.43 - 46, 2010/10
再処理プロセス溶液に含まれるPuやMA(マイナーアクチノイド)のNpは、沸騰硝酸中で高次の酸化状態となりステンレス鋼の腐食を加速する可能性がある。これらの放射性核種を含む沸騰硝酸溶液中における酸化性イオン種の存在状態並びにステンレス鋼の腐食挙動を評価する目的で、遠隔分光分析機能付き少量電気化学試験セルを開発し、Pu及びNpを含む沸騰硝酸中での電気化学測定を行った。硝酸溶液中のPu及びNpの存在状態と電気化学測定を同一セル内で実施し、酸化性イオン種の存在状態と電気化学的挙動の関係を確認することが可能となった。
中井 俊郎; 金盛 正至; 野島 康夫; 巖渕 弘樹; 清水 甫
OECD/NEA/FCSWG, 0 Pages, 1995/00
東海再処理工場の歴史、工場の安定運転に向けた設備等の改良を簡単に説明すると共に、昨年の会議以降の運転状況について報告する。東海再処理工場における累積処理量は、本年6月末で約850トンであった。高放射性液体廃棄物の保管量については、平成6年度末で約552m3であった。本年1月にガラス固化技術開発施設へ高放射性液体廃棄物が初めて送液された。一方、平成6年度の廃棄物放出実績は、海洋放出については全放射能で10-2GBq、大気放出については129Iが10-1GBqのレベルであった。また、放射線業務従事者の総線量当量は、約0.3manSvであった。また、当該期間中に、法令に定める線量等量限度以下の作業員の被ばくが発生している。
平山 卓; 野島 康夫; 石川 一夫
動燃技報, 83, 0 Pages, 1992/09
再処理工場に設置されている低放射性廃液を貯留する比較的大型のステンレス鋼ライニング型貯槽(以下「大型廃液貯槽」と言う。)のライニング板および溶接線等の健全性を確認するために、昭和59年度から大型廃液貯槽遠隔点検システムの開発を進めている。本報はこれまで行ってきた開発の経緯、試験結果および改良等について取りまとめたものである。
山本 正男; 野島 康夫*; 横田 満*; 鶴野 弘章*
PNC TN8440 87-202, 80 Pages, 1987/09
従来、再処理施設内から発生した地下浸透水は各建家内の地下浸透水ピットに設置されている排水ポンプにより自動的に建家外の雑排水口へ排出され、地下浸透水の異常の有無については月1回の定期的なサンプリング及び分析によって確認していた。しかるに1978年2月廃棄物処理場放射性配管分岐室内の廃液漏洩事故が発生したことにより、定期的なサンプリングでは放射性物質が環境へ漏洩するおそれがあることが明らかとなった。そこで、各建家から発生する地下浸透水を連続モニタリングし、地下浸透水の管理を強化し、万一地下浸透水ピットへ放射性物質が漏洩していたとしても環境へ放出されないようにした。このためのモニタリングポットは廃棄物処理場の非放射性配管分岐室へ設置し、異常があった場合には廃液処理工程へ切り換えが可能となるようにし、モニタリング後の浸透水はC施設放出廃液貯槽へ送液、海中放出管から放出されるようにした。
松本 憲一*; 宮原 顕治; 川口 昭夫; 浅妻 新一郎; 福島 操; 庄司 賢二; 野島 康夫; 木村 憲二; 池田 整; 渋谷 淳*; et al.
PNC TN8440 87-194, 82 Pages, 1987/08
IAEA廃棄物処理処分会議(1983年5月シアトル会議)における技術発表を行うにあたって、1982年12月までの東海再処理工場の廃棄物管理実績をまとめ、今後の教育用課内資料または、廃棄物処理全般に関する説明資料として使用する。
山本 正男; 横田 満*; 鶴野 弘章*; 野島 康夫*
PNC TN8440 87-193, 80 Pages, 1987/08
従来、再処理施設内から発生した地下浸透水は各建家内の地下浸透水ピットに設置されている排水ポンプにより自動的に建家外の雑排水口へ排出され、地下浸透水の異常の有無については月1回の定期的なサンプリング及び分析によって確認していた。しかるに1978年2月廃棄物処理場放射性配管分岐室内の廃液漏洩事故が発生したことにより、定期的なサンプリングでは放射性物質が環境へ漏洩するおそれがあることが明らかとなった。そこで、各建家から発生する地下浸透水を連続モニタリングし、地下浸透水の管理を強化し、万一地下浸透水ピットへ放射性物質が漏洩していたとしても環境へ放出されないようにした。このためのモニタリングポットは廃棄物処理場の非放射性配管分岐室へ設置し、異常があった場合には廃液処理工程へ切り換えが可能となるようにし、モニタリング後の浸透水はC施設放出廃液貯槽へ送液、海水放出管から放出されるようにした。
佐々木 憲明; 木内 仁*; 野島 康夫*
PNC TN160 84-06VOL2, Pages, 1984/09
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佐々木 憲明; 大内 仁; 野島 康夫*; 日野 貞己*; 小山 智造
PNC TN160 84-06VOL1, Pages, 1984/09
1984年8月26日より,米国ワイオミング州ジャクソンにて,米国原子力学会の,再処理・廃棄物に関するトピカルミーティングが開催された。PNCからも植松理事の他佐々木職員を初めとする5名が参加し,報告を行った。本ミーティングではフランスの連続溶解槽やUP3設計思想など,世界各国から再処理・廃棄物に関して最新で広範囲な報告がなされた。 その後,米国内の再処理・廃棄物関連施設を訪問し,見学・ディスカッションを行った。訪問した施設はアイダホ国立研究所(INEL),オークリッジ国立研究所(ORNL),Morris再処理工場(MFRP)及びWestValley再処理工場(NFS)である。INELでは廃棄物処理関連施設を,ORNLでは高速炉燃料再処理技術開発施設をそれぞれ見学した。また,MFRP,NFS両再処理工場では再処理プロセスセル等の見学を行ったが,特にMFRPではホット運転を行わなかったプラントであるため,セル内に入り機器自体を身近に観察できた。
山之内 種彦*; 新谷 貞夫*; 福島 操*; 野島 康夫*; 槇 彰*
PNC TN841 81-37, 100 Pages, 1981/03
トリチウムは,水素の同位体で12.36年の半減期を持ちベーター線を放出する核種であり,原子炉の運転中に一次冷却水中及び燃料中で生成される。燃料中で生成したトリチウムは,燃料の破損部分から冷却水中へ広散するが,その量は1%以下であり,大部分は使用済燃料中に含まれて再処理工場へ運ばれて来る。動燃再処理工場においては,1977年9月のJPDR燃料せん断開始以来,1980年末の使用前検査完了までに約80トンの国内の軽水炉(BWR,PWR)の使用済燃料の処理を行って来た。この処理を通して各工程のトリチウム量及びトリチウムの環境放出量の測定を行ない,そのデータをもとに再処理工場におけるトリチウムの挙動の検討を行った。その結果,次の点が明らかになった。(1)再処理工場のトリチウムのmainpathway(主たる経路)は,酸回収系であった。(2)環境へ放出されるトリチウムの燃料中での生成量(計算値:ORIGEN‐73)に対する比率は,大気(BWR,PWR)が約1%,海洋がBWRの場合2030%,PWRの場合3545%であった。(3)溶解工程以降で確認されたトリチウムの総量は燃料中の生成量(計算値:ORIGEN‐73)に対してPWR燃料の場合約50%であり,残り約50%が確認できなった。(4)この50%の不足分は,計算コード及び原子炉の運転中にハルへ移行するトリチウムによるものと考えられる。米国の実験によれば,ハルへ移行するトリチウムの割合は燃料の線出力に依存し,数%90%と変動する。BWR燃料とPWR燃料処理時のトリチウムの環境放出量の差は,この線出力の違いによるものと考えられる。
廣瀬 史昌*; 中原 正大*; 上野 文義; 内山 軍蔵; 野島 康夫*
no journal, ,
硝酸化学プラントにおけるステンレス鋼,チタン及びチタン合金の腐食について、腐食事例,材料使用実績,実環境や模擬環境における腐食試験結果を調査・整理した。また、得られた結果を文献情報と比較検討した。その結果、SUS304Lの場合には溶接熱影響部、SUS310ELCの場合には溶接金属、Ti及びTi合金の場合にはTiイオンが存在しない条件で使用される部位で、それぞれ腐食加速が生じやすいことが明らかとなった。これらを総合的に検討し、各材料の硝酸環境における耐食限界及び使用にあたって留意すべき点について考察した。
Kim, S.-Y.; 森田 泰治; 袴塚 保之; 上野 文義; 山本 正弘; 内山 軍蔵; 野島 康夫*; 藤根 幸雄*
no journal, ,
沸騰伝熱面におけるPu, Npの材料腐食に及ぼす影響把握,コールド腐食試験の模擬性向上,腐食進展モデル構築のための基礎データとして、沸騰状態まで温度制御可能で、その場で吸収スペクトル測定ができる電気化学測定装置をグローブボックスに整備し、Pu, Npを用いてステンレス鋼及び白金電極における電気化学データ取得を開始した。室温及び40Cでの測定において、自然電位はいずれの場合も約1時間で一定となった。Pu, Np, Vイオンの酸化性イオン種を含む3M硝酸溶液では、酸化性イオン種を含まない3M硝酸に比べて、ステンレス鋼の腐食電位が上昇した。一方、40CにおいてはPu, Npの原子価変化は認められなかった。今後はさらに高温状態におけるデータを採取する。
竹内 正行; 久保田 昌宏; 星 真之; 坂内 信行; 中島 靖雄; 内山 軍蔵; 野島 康夫*; 藤根 幸雄*
no journal, ,
Ti-5Ta製再処理機器の経年変化に関する基盤データを取得するため、硝酸凝縮部を主対象として、Ti-5Ta材の長期腐食試験を実施した。その結果、本試験条件での結果から、硝酸凝縮部におけるTi-5Ta材の腐食は全面腐食を呈し、ほぼ一定の速度で進展する傾向を示した。また、回収される凝縮液の硝酸濃度の増加に伴って腐食が促進されるとともに、材料表面上の凝縮液の流下現象が腐食を促進する可能性が示された。一方、加熱溶液部の環境では、硝酸濃度7Mの条件での腐食速度が極大となる傾向が得られ、気相部では形成される酸化皮膜の影響により、すべての条件で重量増を示した。以上の長期腐食試験結果から、Ti-5Ta製再処理機器の硝酸凝縮部の腐食は、長期間にわたり一定の速度で進展するものと考えられる。