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田中 真悟*; 野田 菜摘子*; 東原 知広*; 佐藤 正知*; 小崎 完*; 佐藤 治夫; 畑中 耕一郎
Physics and Chemistry of the Earth, 33(Suppl.1), p.S163 - S168, 2008/00
圧縮ベントナイト中の物質移行経路について検討するため、ベントナイトの主成分であるモンモリロナイト中の水の移行挙動について調べた。Oを水のトレーサとし、モンモリロナイトの乾燥密度1.0, 1.2, 1.4Mg/mに対して拡散実験と電気浸透実験を行った。拡散実験からは見掛けの拡散係数を、電気浸透実験からは移流速度と水理学的分散係数を決定するとともに、これまでに報告されているHe, Na, Clのデータと比較することにより移行経路について検討した。各イオンの濃度分布とピーク位置の比較から、分散係数はHe, HO, Cl, Naの順に減少し、この違いは化学種によって移行経路が異なるとともに、移行経路の違いによって分散係数が異なったことによると考えられた。
瀧谷 啓晃*; 田中 真悟*; 野田 菜摘子*; 佐藤 正知*; 小崎 完*; 佐藤 治夫; 畑中 耕一郎
no journal, ,
本研究は、緩衝材とセメント材料が接触している場合、その界面近傍で起こる変質などの現象について把握し、モデル化することを目的として実施している。その一環として、セメント中の物質の移行経路について研究しており、まず初めに、異なる水セメント比(W/C)に対するポルトランドセメント(OPC)ペースト中の水の拡散係数を測定し、間隙水中の水の拡散挙動について検討した。W/C=0.4, 0.45, 0.5, 0.6, 0.7, 0.8のセメントペースト(直径24mm,高さ50mmの円筒形で、一断面のみを除いてすべて樹脂でカバーしたもの)を調製し、50Cで91日間水中養生させることによりすべて水和反応を完了させた後、通常、O-16である水分子の一部をO-18で置換させた水を添加したセメント上澄み溶液中に沈め、セメント中の水の自己拡散試験を行った。その後、セメント試料中のO-18の濃度分布を分析し、W/Cに対する水の見掛けの自己拡散係数を決定した。拡散係数は、W/Cの増加に伴い増加した。また、濃度分布は、深さが増加するにつれて単一の拡散曲線からずれる傾向が見られ、複数の拡散経路の存在が示唆された。
田中 真悟*; 野田 菜摘子*; 佐藤 正知*; 小崎 完*; 佐藤 治夫; 畑中 耕一郎
no journal, ,
電位勾配下で、圧縮Na型モンモリロナイト中の陰イオン(Cl),陽イオン(Na)及び水(HTO, HO)の移行実験を行い、各イオンの移動度,分散長及び輸率の乾燥密度依存性(0.8-1.6Mg/m)のデータを取得し、モンモリロナイト中のイオンの移行機構について検討した。解析では、水の移動度を補正し、ClとNaイオンの見掛けの拡散係数を求めた。その結果、両イオンの移行機構に違いのあることが示唆された。また、輸率については、Naイオンの輸率はNaCl濃度0で1であり、交換性陽イオンのNaイオンが全電荷を運んでいる一方、濃度の増加に伴い減少し、Clイオンの輸率が増加した。このことは、塩濃度が増加するとNaイオンの拡散性は低下し、代わりにClイオンの拡散性が増加することを示すものであり、これまでに報告されている事実とも一致している。