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西村 昭彦; 金井 昭夫*; 吉田 稔*
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福島第一原子力発電所の廃止措置に関して、文部科学省より英知事業の推進が進められている。原子力機構の福島研究開発部門廃炉環境国際共同研究センターは本事業の取りまとめと連携協力を行っている。2019年に国際協力の推進として日露共研分野において、研究テーマ「微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究」が採択され、2020年12月末まで実施される。ここでは、炉内に流入する地下水に含まれる微生物が、原子炉構造体の劣化・腐食の促進の一因となる可能性の有無を明らかとする。この研究テーマの発展として、連携重点研究として令和2年度より3年間、研究テーマ「廃止措置のリスク要因低下手法に関する研究」が採択された。ここでも、日露の国際協力の推進の一助を実施する。発表では、連携重点研究として実施する小テーマ8課題を紹介する。併せて、微生物腐食の抑制方法についての提案を行う。
西村 昭彦; 金井 昭夫*; 吉田 稔*
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令和3年度以降、福島第一原子力発電所の2号機格納容器内より、核燃料デブリの取り出しが開始される。この作業の進展が見通せるまで、1号機と3号機は現状のままで長期安定化措置を施す必要がある。令和元年から令和2年12月末にかけて、英知事業国際協力型廃炉研究プログラム(日露共研)が実施され、炉内に流入する地下水に含まれる微生物を特定する日露共同研究が開始された。ある種の微生物は鉄材料の腐食を促進するため、燃料デブリの風化及び格納容器や鉄筋コンクリートの強度低下が進行し、長期にわたる廃炉作業のリスク上昇要因することが予想される。本連携重点研究の意義は、異なる分野の専門家が知恵を出し合うことで、長期化する廃止措置の潜在的リスク要因を低下できる具体的な手法を提案する。
藁科 友朗*; 佐藤 朝子*; Shagimardanova, E.*; 丸山 茂徳*; 森 宙史*; 鳴海 一成*; Gusev, O.*; 斎藤 元文*; 眞田 幸尚; 佐々木 祥人; et al.
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原子炉内の大量の放射性物質は、福島第一原子力発電所(1F)の廃止措置を妨げている。この研究の目的は、(1)1F周囲の環境を分析して原子炉内の滞留水に存在する可能性のある微生物を調査すること、(2)微生物腐食の原因となる細菌を特定することの2つである。環境サンプルは、1Fに関連する3つの場所、敷地境界南の土壌、海岸から3km離れた表層海水、および福海底土壌から得られた。16S rRNAアンプリコンシーケンシングの結果、土壌サンプルから少なくとも17の門が確認された。最も豊富な門はアシドバクテリアとプロテオバクテリアであり、門レベルでの群集構造は、福島の低放射能の土壌からのものと類似していた。海水には、少なくとも9つの門が確認された。プロテオバクテリアとシアノバクテリアが最も豊富である。門レベルでの群構造も日立港沖の結果と類比していた。さらに、シュードモナスなどの腐食誘起細菌とディノコッカスなどの耐放射線性細菌が、土壌と海水の両方で発見された。ただし、腐食誘起細菌の相対的存在量は、全体量の1%未満である。原子炉内は還元雰囲気,嫌気性,暗所であるため、微生物群の分布も変化することが予想される。
西村 昭彦; 金井 昭夫*; 吉田 稔*
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令和3年度以降、福島第一原子力発電所の2号機格納容器内より、核燃料デブリの取り出しが計画されている。この作業の進展が見通せるまで、1号機と3号機は現状のままで長期安定化措置を施す必要がある。令和元年から令和2年12月末にかけて、英知事業国際協力型廃炉研究プログラムが実施され、炉内に流入する地下水由来の微生物を特定する日露共同研究が開始された。さらに東京大学による連携重点研究として、異なる分野の専門家が知恵を出し合い、長期化する廃止措置の潜在的リスク要因を低下できる具体的な手法を提案する。連携重点研究開始の令和2年度は、8つの研究テーマの内、検討開始となった2テーマについて進捗を報告する。なお、炉内を模擬する自然環境として、閉山となったウラン鉱山を用いる。