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金子 信忠*; 伊藤 均; 石垣 功
日本食品工業学会誌, 38(11), p.1025 - 1032, 1991/00
7種の香辛料について5から80kGyの線量で線を照射した。各香辛料中の脂質に対する照射の影響は過酸化物価、ヨウ素価、酸価及びガスクロマトグラフィーによってしらべた。その結果、各香辛料中の過酸化物価は照射による影響は少く、ナツメッグで他の香辛料より過酸化物価の増加が著しかったのは脂質含量が高いためと思われる。ヨウ素価及び酸価の変化も過酸化物価と相関性があった。脂質のGC分析の結果では50kGy照射しても成分変化は全く検出することができなかった。精油成分についてもヘッドスペースガスクロとGC-MSで分析したが、照射による成分組成の変化は認められず、炭化水素及び含酸素化合物に分画した後のガスクロ分析でも成分変化は検出できなかった。一方、加熱殺菌されたクローブでは低沸点化合物の減少が明確に認められた。
金子 信忠*; 伊藤 均; 石垣 功
食品照射, 25(1-2), p.75 - 78, 1990/00
香辛料は、耐熱性細菌や糸状菌による汚染が著しく、有効な殺菌処理が必要である。しかし香辛料は特に香りを重要視する食品のため、蒸気殺菌は適しておらず、7~10kGyの線量での放射線殺菌が最も有効とされている。本研究では、香辛料の照射による脂質の変化を、過酸化物価、ヨウ素価及び酸価によって調べ、香辛料の放射線殺菌の実用化へ向けての検討を行った。試料は白コショウ、黒コショウ、ローズマリー及びクローブの4種を用いた。ヨウ素価及び酸価は、照射された試料においても非照射品と比べて変化がなかった。一方、過酸化物価は若干変化はしたものの、30kGy以下であれば問題はないように思われる。また、10kGy及び30kGy照射した試料については貯蔵試験も併せて行ったが、非照射品との差は殆ど認められなかった。