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金子 耕士; 目時 直人; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 松田 達磨; 神木 正史*
Journal of the Physical Society of Japan, 78(7), p.074710_1 - 074710_4, 2009/07
被引用回数:18 パーセンタイル:68.36(Physics, Multidisciplinary)PrOsSbにおけるラットリングの詳細な描像を得るため、単結晶中性子回折及びマキシマムエントロピー解析を行った。室温では、Sbカゴ中で、非等方的に広く分布するPrの核密度が得られた。通常との異なる分布形状は、Prのポテンシャルにおける顕著な非調和性を示している。室温では、Prの最大核密度はオフセンター位置に存在しているが、低温の8Kではカゴの中心へと変化する。この結果は、PrOsSbにおけるラットリングは、オフセンターポテンシャルを伴わない、強い非調和性を持つ振動であることを示唆している。
金子 耕士; 目時 直人; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 松田 達磨; 神木 正史*
Physica B; Condensed Matter, 403(5-9), p.874 - 876, 2008/04
被引用回数:1 パーセンタイル:6.32(Physics, Condensed Matter)Pr系初の重い電子系超伝導体PrOsSbにおいて、希土類イオンが示す特異な熱振動-ラットリングについても物性への関与や超伝導との関連が議論されている。そこで、温度因子を含む詳細な構造を、回折実験より明らかにすることを目指した。単結晶中性子回折実験及びMEM解析により得られたPrOsSbの室温での核散乱長密度分布において、Prの分布を見ると、Sbのカゴの空隙の一つに対応する111方向に異方的に広がっていることがわかる。また空間的に平坦な分布を持ち、単純な調和振動子モデルから大きく外れていること,半値全幅で0.5と非常に広がっていることを見いだした。一方、8Kでは半値全幅で0.14とOs, Sbと比較して倍近く広がっているが、室温と比べて鋭く、ガウス型の分布を持つ。また分解能の範囲で異方性はなく、最大密度がカゴの中心にあることを明らかにした。ラットリングについてオフセンター振動の可能性が示唆されているが、今回の結果は少なくともその振幅が0.1以下であることを示している。
山崎 千里*; 村上 勝彦*; 藤井 康之*; 佐藤 慶治*; 原田 えりみ*; 武田 淳一*; 谷家 貴之*; 坂手 龍一*; 喜久川 真吾*; 嶋田 誠*; et al.
Nucleic Acids Research, 36(Database), p.D793 - D799, 2008/01
被引用回数:51 パーセンタイル:71.25(Biochemistry & Molecular Biology)ヒトゲノム解析のために、転写産物データベースを構築した。34057個のタンパク質コード領域と、642個のタンパク質をコードしていないRNAを見いだすことができた。
金子 耕士; 目時 直人; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 松田 達磨; 神木 正史*
Journal of the Physical Society of Japan, 77(Suppl.A), p.245 - 247, 2008/00
被引用回数:3 パーセンタイル:27.6(Physics, Multidisciplinary)充填スクッテルダイト化合物において、重い電子状態の形成や超伝導の発現と関連して、ラットリングの重要性が指摘されている。単結晶中性子回折とMEM解析の組合せにより、PrOsSbにおけるPrの熱振動について、モデル依存性なくその実態を明らかにすることが可能である。結果、室温ではPrが大きく拡がった、台形型の核密度分布を持ち、その半値幅が0.6にも達することを明らかにした。一方低温の8Kでは、ガウス型の鋭い等方的な分布で、最大密度はカゴの中心にあることを明らかにした。これらの結果は、Sbカゴ中のPrのポテンシャルの非調和性が強いことを示している。
金子 耕士; 目時 直人; 椎名 亮輔*; 松田 達磨; 神木 正史*; 桑原 慶太郎*; Bernhoeft, N.*
Physical Review B, 75(9), p.094408_1 - 094408_7, 2007/03
被引用回数:21 パーセンタイル:64.75(Materials Science, Multidisciplinary)Pr系重い電子系超伝導体PrOsSbについて、中性子散乱により磁場誘起反強四極子秩序の秩序変数を明らかにした。磁場の印加に伴い、秩序波数[1,0,0]の誘起反強磁性モーメントが現れることを、磁場方向[1,1,0], [0,0,1]の双方について観測した。 [1,1,0]の8,Tでは、0.16(10) /Prの反強磁性モーメントが、実験精度の範囲内で磁場に平行に誘起されていることを明らかにした。この結果は、 [1,1,0]において、型の電気四極子が秩序変数であることを証拠づけている。基底状態の一重項及び励起三重項と、型の四極子相互作用による平均場計算は、誘起磁気モーメントの方向に加え、その磁場依存性についてもよく再現している。これらの結果は、PrOsSbにおいて型の四極子相互作用が支配的であることを示している。
桑原 慶太郎*; 岩佐 和晃*; 神木 正史*; 金子 耕士; 目時 直人; Raymond, S.*; Masson, M.-A.*; Flouquet, J.*; 菅原 仁*; 青木 勇二*; et al.
Physica B; Condensed Matter, 385-386(Part 1), p.82 - 84, 2006/11
被引用回数:3 パーセンタイル:17.99(Physics, Condensed Matter)重い電子系超伝導体PrOsSbにおける低エネルギー磁気励起を調べる目的で、中性子非弾性散乱実験を行った。観測された磁気励起は、磁場誘起反強四極子秩序の秩序波数であるQ=(1,0,0)で明瞭なソフト化を示し、かつその強度はゾーンセンターと比べて弱いことを明らかにした。この結果は、これらの励起スペクトルの振舞いが、非磁性の四極子相互作用に起因していることを示している。さらに、励起スペクトルの線幅が超伝導転移以下で狭くなることから、励起子と超伝導の間に強い相関があると考えられる。
金子 耕士; 目時 直人; 松田 達磨; 桑原 慶太郎*; 神木 正史*; 椎名 亮輔*; Mignot, J.-M.*; Gukasov, A.*; Bernhoeft, N.*
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.189 - 191, 2006/05
被引用回数:1 パーセンタイル:6.64(Physics, Condensed Matter)PrOsSbは、=1.85,KのPr系初の重い電子系超伝導体である。基底状態が非磁性一重項であることに加え、[1,0,0]磁場下で誘起される反強磁性成分が、磁場誘起反強四極子秩序の実現として理解できることから、この系では四極子相互作用が支配的であると考えられている。[1,0,0]に加え、[1,1,0], [1,1,1]方向についても磁場誘起秩序相の存在が報告されている。今回、[1,1,0]磁場下での単結晶磁場中中性子回折実験を行い、磁場誘起秩序相について調べた結果、磁場の印加により、5T以上で=(1,0,0)の反強磁性反射が出現することを見いだした。また反強磁性モーメントは磁場と並行に誘起されていることを明らかにした。この結果は磁気的な相互作用では説明することができず、反強四極子相互作用が支配的であること、さらにその秩序変数はが主であることを示している。これらの結果から、PrOsSbにおいて、型の反強四極子相互作用が主であることを明らかにした。
金子 耕士; 目時 直人; 松田 達磨; 神木 正史*
Journal of the Physical Society of Japan, 75(3), p.034701_1 - 034701_5, 2006/03
被引用回数:36 パーセンタイル:80.19(Physics, Multidisciplinary)PrOsSbについて、8Kから室温までの粉末中性子回折実験を行い、Pr原子の熱振動状態について明らかにするとともに、オフセンターサイトの可能性を調べた。リートベルト解析により、観測された粉末回折パターンをよく再現することができた。その結果、Prの熱振動状態を示す等方性原子変位パラメーターとして、室温で=0.0344と非常に大きな値が得られた。7.7KにおいてもはOs, Sbと比べて2倍以上大きいことを明らかにした。の大きな温度変化は、構造相転移やSbのカゴの変化を伴っていない。大きなの値やその強い温度依存性は、Sbカゴ中の浅いポテンシャルにいるPrイオンのラットリングの存在を強く示唆している。Prサイトについて( 0 0)を導入することで、オフセンターサイトを近似し、その存在の可能性を調べたが、オフセンターサイトの導入は、解析の向上にはつながらなかった。
桑原 慶太郎*; 岩佐 和晃*; 神木 正史*; 金子 耕士; 目時 直人; Raymond, S.*; Masson, M.-A.*; Flouquet, J.*; 菅原 仁*; 青木 勇二*; et al.
Physical Review Letters, 95(10), p.107003_1 - 107003_4, 2005/09
被引用回数:96 パーセンタイル:92.15(Physics, Multidisciplinary)重い電子系超伝導体PrOsSbにおける低エネルギー磁気励起を調べる目的で、中性子非弾性散乱実験を行った。観測された磁気励起は、磁場誘起反強四極子秩序の秩序波数である=(1,0,0)で明瞭なソフト化を示し、かつその強度はゾーンセンターと比べて弱いことを明らかにした。この結果は、これらの励起スペクトルの振舞いが、非磁性の四極子相互作用に起因していることを示している。さらに、励起スペクトルの線幅が超伝導転移以下で狭くなることから、励起子と超伝導の間に強い相関があると考えられる。
Raymond, S.*; Flouquet, J.*; 桑原 慶太郎*; 岩佐 和晃*; 神木 正史*; 金子 耕士; 目時 直人; 菅原 仁*; 青木 勇二*; 佐藤 英行*
Physica B; Condensed Matter, 359-361, p.898 - 900, 2005/06
被引用回数:2 パーセンタイル:11.66(Physics, Condensed Matter)単結晶試料を用いた中性子非弾性散乱実験により、重い電子系超伝導体PrOsSbにおける低エネルギー磁気励起を測定した。粉末試料を用いた測定で、0.7meVに観測された結晶場励起は、反強四極子秩序波数にあたるゾーンセンターで、0.5meVと極小値を取ることを見いだした。また、磁場下での結晶場励起の観測から、基底状態が一重項であることを明らかにした。
目時 直人; 金子 耕士; 荒木 新吾; 神木 正史*; 岩佐 和晃*; 桑原 慶太郎*; Bernhoeft, N.*; Mignot, J.-M.*; Gukasov, A.*; 佐藤 英行*; et al.
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 272-276(Suppl.), p.e91 - e92, 2004/05
被引用回数:1 パーセンタイル:7.12(Materials Science, Multidisciplinary)重い電子系超伝導体PrOsSbの磁場誘起秩序相(FIOP相)が、反強四極子秩序相であることを、冷中性子三軸分光器LTASを用いて、磁場中,超低温の中性子散乱実験を行うことによって明らかにした。この実験によって、FIOP相において、0.02の小さな反強磁性モーメントが誘起されることを観察した。平均場理論による解析から、この反強磁性秩序は、四極子モーメントOの反強的な秩序によって誘起され、しかもその秩序にはO間の反強四極子相互作用が本質的な役割をしていることが明らかになった。そのため、この秩序が磁場誘起反強四極子秩序であることが結論され、この秩序相が安定化するために、Pr-4電子が一重項基底状態及び三重項第一励起状態を持つことを明らかにした。さらにこの4電子状態を磁場中における中性子非弾性散乱による結晶場励起の測定によって確認した。
目時 直人; 小池 良浩; 芳賀 芳範; 金子 耕士; 荒木 新吾; McEwen, K. A.*; 神木 正史*; 阿曽 尚文*; Lander, G. H.; 小松原 武美*; et al.
Journal of Physics; Condensed Matter, 15(28), p.S1957 - S1963, 2003/07
被引用回数:2 パーセンタイル:15.16(Physics, Condensed Matter)ウラン局在系UPdSiの磁気構造,スピン波励起と結晶場励起、そして低エネルギーの励起について、報告する。この物質はウラン化合物としてはめずらしく局在的な5f電子状態を持つ。4aサイトと8cサイトのウランの高次の相互作用にともなう、磁気相図,コリニアーな磁気構造について議論する。さらに、磁気励起についても5f電子のへん歴・局在性の観点から議論する。
金子 耕士; 目時 直人; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 松田 達磨; 神木 正史*
no journal, ,
PrOsSbは、Pr系で初めての重い電子系超伝導体である。非磁性一重項基底状態や、磁場誘起反強四極子秩序相の存在から、クーパー対の形成に四極子相互作用が重要な役割を担っていることが示唆されている。加えて最近の研究から、「ラットリング」の重要性が示唆されている。Prイオンが示すラットリングの存在を明らかにする目的で、粉末及び単結晶中性子回折を行った。多結晶の中性子回折実験から、Prが室温で非常に大きい熱振動状態を示すこと、また温度を下げるにつれてその値は減少を示すものの、8Kにおいても他の構成元素と比較して2倍以上の等方性熱振動パラメーターを示すことを明らかにした。また単結晶中性子解析の結果において、=2.4%, =2.4%と非常に良い結果が得られた。この時、Prの熱振動パラメーターがOs, Sbと比べて5倍以上大きな値を示す、粉末中性子回折と一致する結果が得られた。PRIMAを用いたMEM解析を行った結果、=2.4%, =1.9%と値はさらに向上した。得られた結果をみると、Prの核密度分布が空間的に非常に拡がっており、大きな熱振動パラメーターを持つことと一致している。この核密度分布について詳細に見ると、Prを囲むSbのカゴの空隙に対応して、111方向に拡がった、大きな異方性を持つことを見いだした。
金子 耕士; 目時 直人; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 松田 達磨; 神木 正史*
no journal, ,
PrOsSbは、Pr系で初めての重い電子系超伝導体である。非磁性一重項基底状態や、磁場誘起反強四極子秩序相の存在から、クーパー対の形成に四極子相互作用が重要な役割を担っていることが示唆されている。加えて最近の研究から、ラットリングの重要性が示唆されている。ラットリングの存在を明らかにする目的で、単結晶中性子回折を行った。単結晶中性子解析の結果において、=2.71,%と=2.72,%非常に良い結果が得られた。この時Prの熱振動パラメーターが、他の構成元素と比べて5倍以上大きな値を示す、粉末中性子回折と一致する結果が得られた。MEMを用いた解析を行った結果、=2.25,%,=1.60,%と値はさらに向上した。得られた結果をみると、Prの核密度分布が空間的に非常に拡がっており、大きな熱振動パラメーターを持つことと一致している。この核密度分布について詳細に見ると、Prを囲むSbのカゴの空隙に対応して、111方向に拡がった、大きな異方性をもつことを見いだした。
金子 耕士; 目時 直人; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 松田 達磨; 椎名 亮輔*; 桑原 慶太郎*; 岩佐 和晃*; 神木 正史*; Bernhoeft, N.*
no journal, ,
PrOsSbにおける磁場誘起秩序相について、 [0 0 1]での中性子回折実験では、反強四極子とともに反強八極子の可能性が残されていた。そこで [1 1 0]についても実験を行い、この物質においてOxy型の反強四極子相互作用が支配的であることを明らかにした。またラットリングについては、単結晶中性子回折及びMEM解析から、Prの分布の可視化を進めており、中性子から見たラットリングの描像を温度変化を含めて発表する。
金子 耕士; 目時 直人; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 松田 達磨; 神木 正史*
no journal, ,
大きなカゴに内包された原子が示す特異な熱振動「ラットリング」が、カゴ状構造を持つスクッテルダイト化合物PrOsSbにおける非磁性の重い電子系超伝導の発現に重要な役割を担っていると報告された。原子核により散乱される中性子は、熱振動の検出に高い感度を有している。そこで中性子回折により詳細な構造を調べた。単結晶中性子回折実験は、3号炉に設置された4軸回折装置 FONDERで行った。最小二乗法による構造解析から、室温でのPrの熱振動パラメーターが他の構成元素と比べて5倍以上と非常に大きく、平均変位で0.2に及ぶことを明らかにした。異方性などの詳細を調べる目的で、PRIMAを用いた最大エントロピー法(MEM)による解析を行った結果、空間的に大きく拡がるPrの核度密度分布が、111方向に伸びた異方性を有していることを明らかにした。さらに最大密度が、オフセンター位置にあることを見いだした。一方で低温の8Kでは、Os, Sbと比較してその分布は拡がってはいるが、分解能の範囲で異方性はなく、重心がカゴの中心にあることを明らかにした。
金子 耕士; 目時 直人; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 松田 達磨; 神木 正史*
no journal, ,
Pr系初の重い電子系超伝導体PrOsSbにおいて、希土類イオンが示す特異な熱振動「ラットリング」についても物性への関与や超伝導との関連が議論されている。そこで、温度因子を含む詳細な構造を、回折実験より明らかにすることを目指した。単結晶中性子回折実験及びMEM解析により得られたPrOsSbの室温での核散乱長密度分布において、Prの分布を見ると、Sbのカゴの空隙の一つに対応する111方向に異方的に拡がっていることがわかる。また空間的に平坦な分布をもち、単純な調和振動子モデルから大きく外れていること、半値全幅で 0.5と非常に拡がっていることを見いだした。一方8Kでは半値全幅で0.14とOs, Sbと比較して倍近く拡がっているが、室温と比べて鋭く、ガウス型の分布を持つ。また分解能の範囲で異方性はなく、最大密度がカゴの中心にあることを明らかにした。ラットリングについてオフセンター振動の可能性が示唆されているが、今回の結果は少なくともその振幅が 0.1以下であることを示している。
金子 耕士; 目時 直人; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 松田 達磨; 神木 正史*
no journal, ,
充填スクッテルダイト化合物PrOsSbにおいて、非調和熱振動やオフセンター振動の存在が指摘され、超伝導の発現や重い電子状態の形成との関連が議論されている。これまでに、室温におけるPrの分布は、調和振動子から大きく外れた台形型の分布で、その半値全幅は0.6と非常に拡がっていること、また異方性を有することを明らかにした。一方、低温の8KにおけるPrの核密度分布は、Os, Sbと比べて拡がっているが、最大密度はカゴの中心にあり、等方的で、調和振動子的な分布を持つことを見いだした。今回、この熱振動の顕著な温度変化の詳細を明らかにする目的で、50Kから250Kまでの単結晶中性子回折実験及びMEM解析を行った。Prについて、50Kでは8Kと同様に等方的でガウス型の分布を持つ一方、100K以上では分布の裾に異方的な拡がりが現れることを見いだした。これよりPrOsSbにおけるPrの熱振動の特徴的なエネルギースケールが、100K前後に存在すると考えられる。一方、Prを囲むカゴを形成するSbの位置には、8Kから室温の間で顕著な温度変化は見られていない。
金子 耕士; 目時 直人; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 松田 達磨; 神木 正史*
no journal, ,
充填スクッテルダイトでは、プニクトゲン()で構成される大きなカゴ中に、希土類イオンが内包される。-間距離が長いものでは、希土類イオンは比較的緩く束縛されていると考えられ、ラットリングと呼ばれる特異な熱振動を示すと示唆されている。このラットリングが、PrOsSbにおける超伝導の発現に重要な役割を担っているとの報告がなされた。そこで熱振動の状態を反映した平均構造を明らかにするために、中性子回折を行った。調和振動子を仮定した最小自乗法による構造解析から、室温でのPrの熱振動パラメーターがほかの構成元素と比べて5倍以上と大きく、平均変位で0.2に及ぶことを明らかにした。より詳細に調べるために、MEM法による解析を行った結果、空間的に拡がっているPrの分布が、111方向に伸びた異方性を有することが明らかとなった。加えて、最大密度がカゴの中心ではなく、オフセンター位置にあることを見いだした。一方で低温の8Kでは、Os, Sbと比較してその分布は拡がってはいるが、分解能の範囲で異方性はなく、カゴの中心を重心としていることを明らかにした。
金子 耕士; 目時 直人; 木村 宏之*; 野田 幸男*; 松田 達磨; 神木 正史*
no journal, ,
スクッテルダイト化合物 (: 希土類,: 遷移金属,: プニクトゲン)等のカゴ状化合物において、大きなカゴ中に内包された原子が示す特異な熱振動-ラットリン グ-は、超伝導の発現や重い電子状態との関連から注目されているが、その詳細は明らかとなっていない。そこで今回、Pr系初の重い電子系超伝導体であるPrOsSbについて、熱振動の検出に関して高い感度を有する中性子回折と、モデルフリーで解析可能なMEMを用いて、詳細な構造解析を行った。単結晶中性子回折実験は、3号炉に設置された4軸回折装置FONDERにて、8Kから室温の範囲で行った。PRIMAを用いたMEM解析の結果得られたPrの核密度分布を見ると、低温の8Kでは、Os, Sbと比較して幅は広いものの、カゴの中心に最大密度を持つ、等方的な調和振動を示している。温度を上げていくと、連続的に分布の幅が拡がり、250K以上では形状も大幅に変化し、強い非調和性を示すことを見いだした。この結果から、PrOsSbのラットリングは、オフセンターを伴わない、非調和性の強い振動であると考えられる。