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佐藤 嘉彦; 蛭町 秀; 武田 伸荘; 金沢 吉人*; 笹谷 真司*
JNC TN8400 99-006, 75 Pages, 1999/02
先進的核燃料リサイクル技術の研究開発における高レベル廃液から超ウラン元素を分離回収するためのTRUEX溶媒(CMPO-TBP-nドデカンの混合溶媒)について工学的な安全性を確認することを目的として、加速速度熱量計(ARC)を用いて、実際のプラントに比べて過酷な工学的条件である密封断熱系でのPUREX溶媒(30%TBR-nドデカン混合溶媒)、TRUEX溶媒等を加熱したときの熱挙動や圧力挙動及び溶媒と硝酸の発熱反応の熱挙動や圧力挙動を測定した。またARCでの測定データから反応速度の評価に必要なアレニウスパラメータ(活性化エネルギー及び頻度因子)の検討を実施した。並びにARCにおける溶媒と硝酸との発熱反応における反応生成物の化学形態を明らかにするために、反応生成物の分析方法及び分析条件を検討し、定性的評価を実施した。主な結果を以下に示す。(1)TBP、CMPO、nドデカン、10M硝酸のいずれも単体ではほとんど発熱しなかった。(2)ARCで発熱量を評価すると、溶媒と10M硝酸とを接触させ、平衡にした後の溶媒相(単体系試料)については、PUREX溶媒と比べてTRUEX溶媒の方が単位試料重量あたりの発熱量が大きい傾向があった。しかし、溶媒と10M硝酸を試料容器に同時に封入した試料(二相系試料)については、PUREX溶媒とTRUEX溶媒は単位溶媒重量あたりの発熱量はほぼ同等であった。(3)反応速度論的解析を行い、TBP-10M硝酸単相系試料については反応の活性化エネルギーが118kJ/molと求められ、これはNicholsによる112kJ/molに近い結果となった。反応速度定数を算出し、PUREX溶媒-10M硝酸単相系試料とTRUEX溶媒-10M硝酸単相系試料の反応速度定数はほぼ同等であることが示された。(4)ARC測定により求めた反応速度定数及びSC-DSCにより測定した発熱量を用いて、小池らがモデルプラントのプルトニウム蒸発缶に対する安全解析を行った手法に従い自己加速反応の開始温度の試算を行った。混入する溶媒が100gの場合、いずれの溶媒も自己加速反応の開始温度は再処理施設における蒸発缶等の加熱容器の熱的制限値である135を上回った。(5)反応生成物の分析試料は、密閉した容器での約-15での冷蔵保管で、成分の変化はないと考えられた。