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論文

Comprehensive analysis and evaluation of Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Unit 3

山下 拓哉; 本多 剛*; 溝上 暢人*; 野崎 謙一朗*; 鈴木 博之*; Pellegrini, M.*; 酒井 健*; 佐藤 一憲; 溝上 伸也*

Nuclear Technology, 209(6), p.902 - 927, 2023/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:75.85(Nuclear Science & Technology)

The estimation and understanding of the state of fuel debris and fission products inside the plant is an essential step in the decommissioning of the TEPCO Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F). However, the direct observation of the plant interior, which is under a high radiation environment, is difficult and limited. Therefore, in order to understand the plant interior conditions, a comprehensive analysis and evaluation is necessary, based on various measurement data from the plant, analysis of plant data during the accident progression phase and information obtained from computer simulations for this phase. These evaluations can be used to estimate the conditions of the interior of the reactor pressure vessel (RPV) and the primary containment vessel (PCV). Herein, 1F Unit 3 was addressed as the subject to produce an estimated diagram of the fuel debris distribution from data obtained about the RPV and PCV based on the comprehensive evaluation of various measurement data and information obtained from the accident progression analysis, which were released to the public in November 2022.

論文

Outlining zircon growth in a granitic pluton using 3D cathodoluminescence patterns, U-Pb age, titanium concentration, and Th/U; Implications for the magma chamber process of Okueyama granite, Kyushu, Japan

湯口 貴史*; 伊藤 大智*; 横山 立憲; 坂田 周平*; 鈴木 哲士*; 小北 康弘; 八木 公史*; 井村 匠*; 甕 聡子*; 大野 剛*

Lithos, 440-441, p.107026_1 - 107026_14, 2023/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Geochemistry & Geophysics)

本研究は、花崗岩質プルトンのジルコン成長過程を解明するために、3次元立体的なカソードルミネセンス(CL)パターン,U-Pb年代,チタン濃度,Th/U比の変動に基づく新しいアプローチ方法を提案するものである。また、本研究では、九州中央部に位置する大崩山花崗岩(OKG)のジルコン成長過程に着目し、この方法を用いて花崗岩質プルトンの形成に至るマグマ溜まりでの結晶化プロセスの解明を目的とした。大崩山花崗岩体は黒雲母花崗岩(BG),角閃石花崗岩(HG),角閃石花崗閃緑岩(HGD)の3つの岩相から構成されている。まず、ジルコン結晶の3次元内部構造と成長様式を明らかにするため、試料の多断面についてCL観察を行った。同時に、試料の中心部のジルコンのU-Pb年代とチタン濃度も測定した。CLパターンから確認できるオシラトリーゾーニングの3次元分布からは、結晶核を決定することができる。花崗岩試料のジルコンU-Pb年代とTi濃度の同時測定は、花崗岩マグマが固化するまでの時間-温度(t-T)履歴を示すものである。BG, HG, HGDの温度履歴はマグマ溜り内での類似した冷却挙動を示し、16Maから10Maの間にジルコン結晶化温度から黒雲母K-Ar系の閉鎖温度まで急速に冷却されたことがわかった。また、Th/U比の温度に対する変化も、約670$$^{circ}$$Cの境界で異なる傾向を示した。マグマ溜まりでの分別結晶は670$$^{circ}$$C以上で著しく進行し、670$$^{circ}$$C以下では結晶化が緩やかになり、マグマ組成の変化が小さくなっていたことが示された。BG, HG, HGDの温度に対するTh/U比の変化は共通の傾向を示し、すなわち大崩山花崗岩体の3つの岩相の分別結晶化の進行は同じ挙動を示し、マグマ溜り全体で同じ挙動を示すことが示された。

論文

Selective adsorption of Pd(II) over Ag(I) in nitric acid solutions using nitrogen-donor-type adsorbents

鈴木 智也*; 大坪 右京*; 尾形 剛志*; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 矢板 毅; 松岡 光昭*; 村山 憲弘*; 成田 弘一*

Separation and Purification Technology, 308, p.122943_1 - 122943_7, 2023/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:26.5(Engineering, Chemical)

主にAgを含む使用済み製品からPd金属をリサイクルするために硝酸抽出が行われており、ほとんどのPd残留物はAg(I)含有溶液から分離される。しかし、このAg(I)溶液中には少量のPd(II)が残存していることが多い。そのため、硝酸溶液中のPd(II)とAg(I)を分離することは、Pdのリサイクルを効率的に進めるために必要不可欠である。本研究では、アミン(R-Amine),イミノ二酢酸(R-IDA),ピリジン(R-Py),ビスピコリルアミン(R-BPA)で機能化した4種類の窒素ドナー型吸着材を用いて硝酸溶液中のPd(II), Ag(I)を分離する研究を実施した。R-Amine,R-IDA,R-Pyは硝酸溶液からAg(I), Cu(II), Ni(II), Fe(III)を選択的に吸着したが、R-AmineはPdの吸着効率が低いことが判明した。一方、R-BPAはPd(II), Ag(I), Cu(II)を全濃度において90%以上吸着することができた。フーリエ変換赤外分光法及び広域X線吸収微細構造法(EXAFS)による吸着金属イオンの構造解析から、窒素ドナー型吸着剤の分離機構を明らかにした。R-IDA, R-Py, R-BPAへのPd(II)吸着は官能基(それぞれイミノ二酢酸,ピリジン,ビスピコリルアミン)へのPd(II)配位を介して起こり、R-Amineへの吸着はNO$$_{3}$$$$^{-}$$と[Pd(NO$$_{3}$$)$$_{4}$$]$$^{2-}$$のアニオン交換を介して起こることがわかった。R-IDA,R-Py,R-BPAは、配位性吸着機構により、高いPd(II)吸着挙動を示すことが明らかとなった。塩酸(5.0M)およびチオ尿素(0.1M)溶離液は、それぞれR-IDAから83%およびR-Pyから95%のPd(II)を脱離させた。R-Pyは吸着選択性と脱着効率から最も効果的なPd(II)吸着剤だった。

報告書

東海再処理施設小型試験設備の試験セル内廃棄物の搬出作業の完遂

後藤 雄一; 鈴木 快昌; 堀籠 和志; 宮本 敏彦*; 薄井 真人*; 森 英人*; 久野 剛彦

JAEA-Technology 2022-005, 42 Pages, 2022/07

JAEA-Technology-2022-005.pdf:4.48MB

東海再処理施設の分析所小型試験設備の試験セルでは、昭和49年から平成26年にかけて、再処理技術の高度化等に係る試験を実施したことにより、試験セル内に放射性廃棄物が発生し堆積されていた。このため、交替勤務体制により廃棄物の搬出作業を強化し、試験セル内の廃棄物減少に努めたものの、その後に実施した試験セル内機器の解体工事により再び廃棄物が発生した。平成18年からは、試験セル内の廃棄物搬出方法の改善として、廃棄物缶に未収納の廃棄物を低放射性固体廃棄物として、試験セル側面のグローブボックスからバッグアウトする方法を確立した。これにより、従来のカスクNo.10による年間の廃棄物搬出実績から試算される約14年の搬出期間を約5年に短縮することができた。さらに、平成28年からは、カスクNo.10による試験セル内の廃棄物搬出作業を促進させるため、作業員の意識向上に向けた取り組みとして、関連部署(放射線管理部門、運搬部門、廃棄物取出し部門)を巻き込んだソフト、ハードの様々な改善、改良を実施した。廃棄物搬出作業の促進にあたっては、作業員のスキル向上、増強及びカスクNo.10における設備、機器の点検整備等(予防保全)を実施した。その他、放射線管理部門とは、過去に発生したトラブルの再発防止策等について、検討を積み重ね手順化した。また、運搬部門とは、搬出サイクルを堅持するため、他課の運搬スケジュールを考慮した調整及び運搬に係る安全操作指導を受けた。さらに、主工場における廃棄物取出し部門とは、廃棄物取出し作業が滞らないための日程及び作業場所の確保に係る調整を実施した。これらの様々な改善の取り組み、改良を実施したことで、当初計画した廃棄物搬出期間約5年を約3年に短縮することができ、試験セル内廃棄物の搬出作業を令和2年3月に完遂した。

論文

Simultaneous determination of zircon crystallisation age and temperature; Common thermal evolution of mafic magmatic enclaves and host granites in the Kurobegawa granite, central Japan

湯口 貴史*; 山嵜 勇人*; 石橋 梢*; 坂田 周平*; 横山 立憲; 鈴木 哲士*; 小北 康弘; 三戸 和紗*; 井村 匠*; 大野 剛*

Journal of Asian Earth Sciences, 226, p.105075_1 - 105075_9, 2022/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:52.46(Geosciences, Multidisciplinary)

LA-ICP質量分析法によりジルコンのシングルスポットからU-Pb年代とチタン濃度を同時に取得することで、花崗岩質マグマの時間-温度履歴を解明するのに必要なジルコンの結晶化年代と結晶化温度を推定することができる。黒部川花崗岩体は、苦鉄質火成包有物(MMEs)を多量に含む岩体である。本研究では、このMMEsに対してジルコンのU-Pb年代とチタン濃度を同時に取得する方法を適用した。MMEs及び母岩について共通の冷却過程が認められ、この冷却は150万年前から50万年前に生じたことが明らかとなった。また、ジルコンの結晶化温度から黒雲母K-Ar系の閉鎖温度にかけての冷却は、100万年以内に急冷したことが分かった。本研究によって得られた時間-温度履歴と母岩の岩石学的記載から、マグマチャンバーを通じたMMEsの浮揚、移動、拡散が150-50万年前に停止したことが示唆され、また、それ以降に大規模な温度上昇が生じていないことから、この時期に黒部川花崗岩体が定置したと考えられる。

論文

Speciation and separation of platinum(IV) polynuclear complexes in concentrated nitric acid solutions

鈴木 智也*; 大坪 右京*; 尾形 剛志*; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 矢板 毅; 松岡 光昭*; 村山 憲弘*; 成田 弘一*

Dalton Transactions (Internet), 50(33), p.11390 - 11397, 2021/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.97(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

本研都市鉱山から白金(Pt)を回収するには、Pt(IV)の溶液化学を理解することが重要である。我々は、濃硝酸溶液中のPt(IV)錯体の化学種と分離を、X線吸収微細構造(XAFS)分光法によって調べた。Na$$_{2}$$Pt(OH)$$_{6}$$の濃縮硝酸溶液にはPt多核錯体が支配的に存在し、Pt濃度とNa$$_{2}$$Pt(OH)$$_{6}$$の溶解温度に依存することが明らかになった。0.90g-Pt/Lの加熱硝酸塩溶液と3.2g-Pt/Lの非加熱硝酸塩溶液には主に二核白金錯体が存在する。一方3.0g-Pt/Lの加熱溶液には、四核および六核錯体のような大きな多核錯体が主に存在していた。またイミノ二酢酸で機能化したキレート樹脂と硝酸トリメチルアンモニウムを有する強塩基性アニオン交換樹脂でPt(IV)イオンを吸着させると、大きなPt(IV)錯体の存在を確認した。高濃度のPt(IV)を含む加熱溶液からのPt(IV)錯体は、高い吸着効率を示すことがわかった。さらに、強塩基性陰イオン交換樹脂を使用すれば、Pd(II), Ag(I), Cu(II), Ni(II), Fe(III)が含まれる10M硝酸溶液から選択的にPt(IV)を吸着させることに成功した。

論文

Thermally altered subsurface material of asteroid (162173) Ryugu

北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.

Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03

 被引用回数:30 パーセンタイル:96.87(Astronomy & Astrophysics)

2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300$$^{circ}$$Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200$$^{circ}$$Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。

論文

Comprehensive analysis and evaluation of Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Unit 2

山下 拓哉; 佐藤 一憲; 本多 剛*; 野崎 謙一朗*; 鈴木 博之*; Pellegrini, M.*; 酒井 健*; 溝上 伸也*

Nuclear Technology, 206(10), p.1517 - 1537, 2020/10

 被引用回数:12 パーセンタイル:86.84(Nuclear Science & Technology)

The estimation and understanding of the state of fuel debris and fission products inside the plant is an essential step in the decommissioning of the TEPCO Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F). However, the direct observation of the plant interior, which is under a high radiation environment. Therefore, in order to understand the plant interior conditions, the comprehensive analysis and evaluation is necessary, based on various measurement data from the plant, analysis of plant data during the accident progression phase and information obtained from computer simulations for this phase. These evaluations can be used to estimate the conditions of the interior of the reactor pressure vessel (RPV) and the primary containment vessel (PCV). Herein, 1F Unit 2 was addressed as the subject to produce an estimated map of the fuel debris distribution from data obtained about the RPV and PCV based on the comprehensive evaluation of various measurement data and information obtained from the accident progression analysis, which were released to the public in June 2018.

論文

高速増殖原型炉もんじゅ燃料体取出し作業の開始

古賀 和浩*; 鈴木 和則*; 高木 剛彦; 浜野 知治

FAPIG, (196), p.8 - 15, 2020/01

高速増殖原型炉もんじゅは、既に(2017年6月より)廃止措置の第1段階である燃料体取出し期間(約5.5年: 2022年末まで)がスタートしている。その中で、最初の燃料体の取扱いとして、2018年8月$$sim$$2019年1月に1回目の「燃料体の処理」運転(計86体)を実施した。富士電機は、「燃料体の処理」運転において、事業者の日本原子力研究開発機構に協力して期間を通して技術員を派遣するなどの技術支援を実施し、各種不具合を経験しながらも運転完遂に貢献した。本稿では、この1回目の「燃料体の処理」運転の実施内容及び不具合状況の概要を紹介する。なお、本稿は、FAPIG No194「高速増殖原型炉もんじゅ 廃止措置と燃料体取出し作業に向けて」の続編であり、そちらも参照されたい。

論文

Unique anion-exchange properties of 3,3'-diaminobenzidine resulting in high selectivity for rhodium(III) over palladium(II) and platinum(IV) in a concentrated hydrochloric acid solution

鈴木 智也*; 尾形 剛志*; 田中 幹也*; 小林 徹; 塩飽 秀啓; 矢板 毅; 成田 弘一*

Analytical Sciences, 35(12), p.1353 - 1360, 2019/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:12.7(Chemistry, Analytical)

白金族金属の精錬では、Pd(II)やPt(IV)を含む混合物からRh(III)を効果的に回収することは最も難しい課題の1つである。これら元素の塩化物を含む濃塩酸水溶液に3,3'-diaminobenzidine (DAB)を加えることにより、DABからなる固相にRh(III)を隔離し、Pd(II)とPt(IV)から効果的に分離することに成功した。そこで、Rh(III), H$$^{+}$$, Cl$$^{-}$$濃度の推定とX線吸収微細構造測定から、Rh(III)に対するDAB選択性の機構を明らかにした。濃塩酸水溶液中でのRh-DAB反応は2つのステップで起こることがわかった。(1)DABのアミノ基がプロトン化されたDAB三塩酸塩が沈殿し、(2)三塩酸塩と塩化物イオンがアニオン交換し、[RhCl$$_{6}$$]$$^{3-}$$が濃塩酸溶液中の主化学種であることがわかった。一方HCl濃度が5M未満ではDABによる配位錯体形成を介してPdとPtを回収することができるので、Rh(III)とPd(II)やPt(IV)を効果的に分離する要因であると思われる。

論文

機能性ポリマーの相転移現象に基づく無廃棄物型レアメタルリサイクル技術

塚原 剛彦*; 佐賀 要*; 鈴木 英哉*; 松村 達郎

クリーンテクノロジー, 29(12), p.4 - 7, 2019/12

レアメタルは不可欠な資源として重要であり、安定した供給が課題となっている。そのため、リサイクル技術の開発が進められている。しかし、既存の方法はコストや廃棄物、火災爆発の危険性などの問題があり、飛躍的な展開は望めないことから、これまでの分離概念にとらわれない開発が求められている。温度応答性ポリマーポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PolyNIPAAm)と疎水性抽出剤を応用し、温度変化のみで水溶液中で金属錯体を内包したポリマーゲルの生成と再溶解を可逆的に制御が可能であることを見出し、これをレアメタルの分離回収へ適用することを検討した。この相転移現象を利用した水系抽出法は、有機溶媒や固体吸着材を一切用いず、煩雑な固液分離も行うことなく、適切な抽出剤を投入して38$$^{circ}$$C程度に暖めるだけで、廃液中から金属イオンを直接回収することが可能である。本稿で紹介した希土類イオンのみならず、白金族元素やアクチノイド元素(ウラン, アメリシウム, キュリウム等)の分離回収にも成功している。抽出から逆抽出までの全工程が水系で完結し、繰り返し利用も可能であるため、環境負荷低減に資する新しい分離法として期待される。

論文

Intercomparison of numerical atmospheric dispersion prediction models for emergency response to emissions of radionuclides with limited source information in the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident

岩崎 俊樹*; 関山 剛*; 中島 映至*; 渡邊 明*; 鈴木 靖*; 近藤 裕昭*; 森野 悠*; 寺田 宏明; 永井 晴康; 滝川 雅之*; et al.

Atmospheric Environment, 214, p.116830_1 - 116830_11, 2019/10

 被引用回数:6 パーセンタイル:27(Environmental Sciences)

放射性物質の事故放出のための大気拡散予測モデルの利用が日本気象学会の作業部会により勧告された。本論文の目的は、2011年の福島第一原子力発電所からの事故放出に関する予測モデル相互比較によるこの勧告の検証である。放出強度は、放出の時間変化が得られない場合の最悪ケースを想定するため予測期間内で一定と仮定された。放射性物質の吸入を防ぐには地上大気の汚染度、湿性沈着に伴う放射線被ばく軽減には鉛直積算量の利用が想定される。予測結果はアンサンブル幅を有しているが、共通して時間空間的な相対的危険度を示しており、公衆に効果的な警告を不足なく出すのに非常に有用である。信頼性向上にはマルチモデルアンサンブル手法が効果的であろう。

論文

Mechanism of palladium(II) adsorption from nitric acid solutions by a styrene-divinylbenzene copolymer functionalized with $$N,N,N$$-trimethylglycine

鈴木 智也*; 成田 弘一*; 尾形 剛志*; 鈴木 英哉; 松村 達郎; 小林 徹; 塩飽 秀啓; 矢板 毅

Solvent Extraction Research and Development, Japan, 26(1), p.11 - 19, 2019/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:14.27(Chemistry, Multidisciplinary)

$$N,N,N$$-トリメチルグリシン官能基を持つスチレンジビニルベンゼンポリマー(AMP03)を用いて、硝酸溶液からの2価のパラジウムイオン(Pd(II))の吸着試験を実施した。さらに、FT-IR、及びEXAFSによって、官能基のPd(II)に対する吸着のメカニズムを明らかにした。

論文

Direct temperature-swing extraction of rare-earth elements from acidic solution using the hydrophobic interactions of poly($$N$$-isopropylacrylamide) with diglycolamide-typed ligands

佐賀 要*; 鈴木 英哉; 松村 達郎; 塚原 剛彦*

Analytical Sciences, 35(4), p.461 - 464, 2019/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:7.94(Chemistry, Analytical)

ポリ-$$N$$-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAAm)を用いた相転移ゲル化抽出法は、廃棄物の極めて少ない新規抽出プロセスの実現を可能にする。PNIPAAmと疎水性ジグリコールアミド抽出剤を共に用いたゲル化抽出によって、硝酸溶液中から全希土類元素を一段階で完全に抽出することに成功した。

論文

相転移性水系溶媒抽出法によるレアメタル分離回収

塚原 剛彦*; 鈴木 英哉*; 松村 達郎; 佐賀 要*

分離技術, 49(4), p.221 - 225, 2019/04

希少金属(レアメタル)は不可欠な鉱物資源として重要であり、その安定した供給が課題となっている。そのため、使用済み製品からの分離回収・リサイクル技術の開発が盛んにおこなわれている。しかし、既存の方法はコストの問題や廃棄物の発生、処理時の火災爆発の危険性などの問題があり、飛躍的な展開は望めない状況である。そこで、これまでの分離概念にとらわれない方法論の開発が望まれている。温度応答性ポリマー ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PolyNIPAAm)と疎水性抽出剤を応用し、温度変化のみで水溶液中で金属錯体を内包したポリマーゲルの生成と再溶解を可逆的に行うことができる相転移現象の制御が可能であることを見出し、これをレアメタルである希土類元素の分離回収へ適用することを検討した。このユニークな相転移現象を利用した水系抽出法は、有機溶媒や固体吸着材を一切用いず、煩雑な固液分離も行うことなく、適切な抽出剤を投入して38$$^{circ}$$C程度に暖めるだけで、廃液中から金属イオンを直接回収することが可能である。疎水性抽出剤は、分子構造中に親水部位及び疎水部位を有するものであれば特に限定されず、水への溶解性が低くとも構わない。親水・疎水官能基を併せ持つ中性配位子を抽出剤として用いることで、本稿で紹介したREイオンのみならず、白金族元素(パラジウム,ロジウム,ルテニウム等)やアクチノイド元素(ウラン,アメリシウム,キュリウム等)の分離回収にも成功している。抽出から逆抽出までの全工程が水系で完結し、繰り返し利用も可能であるため、環境負荷低減に資する新しい分離法として期待される。

論文

Thermal and mechanical properties of CeO$$_{2}$$

鈴木 紀一; 加藤 正人; 砂押 剛雄*; 宇野 弘樹*; Carvajal-Nunez, U.*; Nelson, A. T.*; McClellan, K. J.*

Journal of the American Ceramic Society, 102(4), p.1994 - 2008, 2019/04

 被引用回数:30 パーセンタイル:90.26(Materials Science, Ceramics)

CeO$$_{2}$$の熱物性及び機械物性を測定した。熱重量分析法により酸素ポテンシャルを測定し、欠陥化学モデルを用いてデータを解析した。音速測定, 共鳴超音波分光法及びナノインデンテーション法によりCeO$$_{2}$$の弾性率を得た。得られた弾性率を用いてデバイ温度及びグリュナイゼン定数を評価するとともに、その評価結果を基に比熱及び熱伝導率を計算した。熱伝導率の計算結果は実験値をよく再現し、また、不純物依存性が大きいことが示された。

論文

Observation of a Be double-Lambda hypernucleus in the J-PARC E07 experiment

江川 弘行; 足利 沙希子; 長谷川 勝一; 橋本 直; 早川 修平; 細見 健二; 市川 裕大; 今井 憲一; 金原 慎二*; 七村 拓野; et al.

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2019(2), p.021D02_1 - 021D02_11, 2019/02

 被引用回数:23 パーセンタイル:84.13(Physics, Multidisciplinary)

A double-$$Lambda$$ hypernucleus, $${}_{LambdaLambda}mathrm{Be}$$, was observed by the J-PARC E07 collaborationin nuclear emulsions tagged by the $$(K^{-},K^{+})$$ reaction. This event was interpreted as a production and decay of $$ {}_{LambdaLambda}^{;10}mathrm{Be}$$,$${}_{LambdaLambda}^{;11}mathrm{Be}$$, or $${}_{LambdaLambda}^{;12}mathrm{Be}^{*}$$ via $$Xi^{-}$$ capture in $${}^{16}mathrm{O}$$.By assuming the capture in the atomic 3D state, the binding energy of two $$Lambda$$ hyperons$$,$$($$B_{LambdaLambda}$$)of these double-$$Lambda$$ hypernuclei are obtained to be$$15.05 pm 0.11,mathrm{MeV}$$, $$19.07 pm 0.11,mathrm{MeV}$$, and $$13.68 pm 0.11,mathrm{MeV}$$, respectively. Based on the kinematic fitting, $${}_{LambdaLambda}^{;11}mathrm{Be}$$ is the most likely explanation for the observed event.

論文

Speciation of ruthenium(III) chloro complexes in hydrochloric acid solutions and their extraction characteristics with an amide-containing amine compound

鈴木 智也*; 尾形 剛志*; 田中 幹也*; 小林 徹; 塩飽 秀啓; 矢板 毅; 成田 弘一*

Metals, 8(7), p.558_1 - 558_10, 2018/07

AA2018-0670.pdf:2.11MB

 被引用回数:10 パーセンタイル:54.54(Materials Science, Multidisciplinary)

白金族元素の精製は主に溶媒抽出法によって行われるが、Ruは蒸留によってRuO$$_4$$として回収される。この蒸留による方法を抽出法に置き換えることができれば、精製プロセスの簡素化が期待される。本研究では、Ruの効率的な抽出法を開発することを目的に、Ruの塩酸中での化学種についてUV-vis分光およびEXAFS法で分析し、N-2-ethylhexyl-bis(N-di-2-ethylhexyl-ethylamide) amine (EHBAA)によって抽出されたRuの特性を調査した。その結果、塩酸濃度が0.5から10MにおけるRuの主たる化学種は、塩酸濃度の上昇に伴って[RuCl$$_4$$(H$$_2$$O)$$_2$$]$$^-$$から[RuCl$$_6$$]$$^3$$$$^-$$へと変化することが明らかとなった。また、EHBAAによるRuの抽出率は塩酸濃度の上昇に伴って増加し、塩酸濃度が5Mで最大に達し、さらに塩酸濃度が上昇すると抽出率は下降に転ずる。抽出錯体のEXAFS分析の結果からは、Ru$$^3$$$$^+$$の内圏には5つのCl$$^-$$と1つのH$$_2$$Oが存在することが示された。さらに塩酸濃度が増加したときのEHBAAによるRuの抽出率の変化と[RuCl$$_5$$(H$$_2$$O)]$$^2$$$$^-$$の分布曲線がよく似ていることから、EHBAAは[RuCl$$_5$$(H$$_2$$O)]$$^2$$$$^-$$を抽出すると考えられる。

論文

高速増殖原型炉もんじゅ廃止措置と燃料体取出し作業に向けて

古賀 和浩*; 鈴木 和則*; 浜野 知治; 高木 剛彦

FAPIG, (194), p.6 - 11, 2018/02

高速増殖原型炉もんじゅは、2016年12月21日の原子力関係閣僚会議において、廃止措置が決定した。その後、2017年6月13日に「廃止措置に関する基本的な計画」が文科相へ提出され、廃止措置の第1段階である燃料体取出し期間(約5.5年)がスタートした。富士電機は、燃料体取出し作業の安全な作業遂行に向けて、事業者の日本原子力研究開発機構に協力して各種準備を進めているところである。本稿では、燃料体取出し作業に向けた、点検等の準備状況の概要を紹介する。

論文

東海再処理施設分析設備の保守・更新作業におけるグリーンハウスの設計・適用

鈴木 快昌; 田中 直樹; 後藤 雄一; 稲田 聡; 久野 剛彦

日本保全学会第14回学術講演会要旨集, p.385 - 389, 2017/08

東海再処理施設の分析所では、グローブボックス等の分析設備や付帯機器・部品類の点検・更新等において、作業方法上、放射性物質の拡散リスク(作業員の内部被ばくリスク)を伴うものがあり、対策としてグリーンハウス(GH)と呼ばれる汚染拡大防止用のハウスを設置する。本件では、東海再処理施設分析設備において、これまでに様々な保守・更新作業で用いたGHの概要について報告する。

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